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Windows 版 GNU Make で PowerShell を使う方法

Last updated at Posted at 2021-01-08

はじめに

Windows 版 GNU Make をインストールしてデフォルト設定で実行すると、シェルがコマンドプロンプト (cmd.exe) で実行されてしまう。何とかして Windows PowerShell (powershell.exe) に変更できないか調べていたところ、set Powershell core as a default GNU Make shell on windows/linux にやり方が書いてあったのでやってみた。
PowerShell Core (pwsh.exe) にも変更できるらしい。(こちらは試していない)

環境

  • GNU Make 4.2.1 (Mingw-w64)
  • Windows Powershell 5.1.19041.610

補足

(2021/1/10 追記) 以下、GNU Make のインストール方法について色々書いたが、Chocolatey に make パッケージがあったので、choco install make -yでインストールしたほうがたぶん早い。

Windows で動く GNU Make には何種類かあるが、GnuWin32 のものはバージョンが古すぎる。また、使いたいのは make だけなので、msys2cygwinWSL ではオーバースペックすぎる。私は Windows で使うシェルは PowerShell がよいので、Mingw-w64 の Windows ネイティブで実行できる make を利用することにした。

また、私の環境には Git for Windows をインストールしているので、Linux ライクなコマンドが競合しないように make だけを選り分けて単体でインストールすることにした。混ぜるな危険 (msys2とCygwinとGit For Windowsを一緒に使ってはいけません) にも混ぜるなと書いてあることだし。

GNU Make のインストール

ダウンロード

Mingw-builds のダウンロードサイト から x86_64-posix-seh を選択してダウンロードする。
本記事作成時点 (2020/01/08) での最新版は x86_64-8.1.0-release-posix-seh-rt_v6-rev0.7z だった。

posix と seh の意味は MinGW-w64 を導入する によると下記の通り。

Thread : スレッドモデル。 posix か win32 のいずれかを選択する。 win32 は Windows ネイティブ関数を使っていて速いのだが C++ 11 以降の thread, mutex, future が使えなくなる。特に理由がないのであれば posix でいいだろう

Exception : 例外処理ハンドリング。アーキテクチャによって以下を選択できる。
(略)
x86_64
seh : Structured Exception Handling (Windows ネイティブ。おすすめ)
sjlj : SetJump/LongJump

インストール

ダウンロードしたアーカイブを適当なパスに解凍する。
ex) E:\Programs\bin\mingw64

GNU Make は mingw32-make.exe というファイル名になっているので、make.exe にリネームしておく。

make だけ選別する

E:\Programs\bin\mingw64\bin から残したいコマンドだけ残して削除(または退避)する。
*.exe は何かの *.dll に依存している可能性があるので、Dependencies とかで調べておく。

make.exe

make.exe は単体でも動くようなので、これだけ残しておく。
image.png

おまけ

gcc.exe と g++.exe は libwinpthread-1.dll に依存しているようなので、これらのコマンドを使いたい場合は

  • gcc.exe
  • g++.exe
  • libwinpthread-1.dll

をまとめて残しておく。
image.png
image.png

PATH を通す

環境変数の PATH に E:\Programs\bin\mingw64\bin を追加しておく。

Makefile の設定

set Powershell core as a default GNU Make shell on windows/linux を参考にして、SHELL と .SHELLFLAGS を設定した。

Makefile
# vi: set fileencoding=utf-8 noexpandtab :
SHELL       := powershell.exe
.SHELLFLAGS := -NoProfile -Command

all:
	Get-Date

実行結果
PS F:\Temp> make
Get-Date

202118 22:37:15


PS F:\Temp>

これで Windows でも make と PowerShell を使った自動化が捗るようになる。
めでたしめでたし。

余談

GNU Make の使い方は 「GNU Make 第3版 日本語版(オライリー)」の無料PDF で公開されている GNU Make 第3版 の無料書籍で勉強した。ありがたやありがたや。

参考 URL

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