目次
はじめに
AWS LambdaでS3バケット内のファイルをチェックする関数を実装していました。
しかし、特定の条件下でファイルが見つからないという問題が発生しました。
この記事では、問題の詳細な分析と解決策について共有します。
S3のlist_objects_v2メソッドの制限、ファイルの命名規則、時間依存性などの要因がどのように問題を引き起こしていたのか、そしてページネーションの実装がどのようにしてこれらの問題を解決したのかを詳しく説明します。
問題の概要と背景
Lambda関数は、S3バケット内の特定のプレフィックスに対してlist_objects_v2メソッドを使用し、バックアップファイルの存在を確認していました。
しかし、バケット内のオブジェクト数が増えるにつれ、時折ファイルが見つからないというエラーが発生するようになりました。
問題の本質
問題の本質は以下の点にありました:
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検索範囲の制限:
list_objects_v2メソッドは最大1000個のオブジェクトしか返さないため、チェック対象のファイルが1000番目以降にある場合、そのファイルは検出されません。 -
ファイルの命名規則: バックアップファイルの命名規則や保存位置によっては、チェック対象のファイルが常に1000番目以降に位置する可能性があります。
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時間依存性: S3は基本的にアルファベット順にオブジェクトを返すため、ファイル名に日付やタイムスタンプが含まれている場合、新しいファイルほどリストの後ろに位置する可能性があります。
ページネーションの役割
ページネーションの実装自体が直接問題を解決したわけではありませんが、以下の点で解決に貢献しました:
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完全な検索: S3バケット内のすべてのオブジェクトを確実に検索できるようになりました。
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時間的な変動への対応: 日々のバックアップファイルが増えていく状況での変動に対応できるようになりました。
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予期せぬエッジケースの回避: 特定の日や条件下でのみ発生する問題を防ぐことができるようになりました。
改善されたコードと解決策
問題を解決するため、以下のようなコードを実装しました:
def check_file_existence(s3, bucket, prefix):
paginator = s3.get_paginator('list_objects_v2')
for page in paginator.paginate(Bucket=bucket, Prefix=prefix):
for obj in page.get('Contents', []):
if obj['Size'] > 0:
return True
return False
# 使用例
for server, paths in expected_files.items():
for path in paths:
if check_file_existence(s3, BUCKET_NAME, path):
missing_files[server] = True
break
このアプローチにより、チェック対象のファイルが1000番目以降にあっても確実に検出できるようになりました。
結論と学び
ページネーションの実装により、バケット内のオブジェクト数や配置に関わらず、常に正確なファイル存在チェックが可能になりました。