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背景

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119342/
↑こちらの書籍でスマートコントラクトの勉強会を進めていましたが、
第3章で環境構築を行う際にバージョンが古くなっていたため,本の通りには作業を進められず対応に苦慮しました。
具体的にはParityというイーサリアムクライアント(HTTPクラインアントのイーサリアムネットワーク版みたいなもの)がすでにgithubでアーカイブされており、今後の開発も行われないとのことで、我々には使うことができなくなっていました。
スクリーンショット 2023-07-17 15.37.21.png

ここでは代替案としてDockerを使って環境構築を行いましたので、ここで備忘録的にまとめます(参考にしたサイト)。

Truffleとは

Truffleは、イーサリアムを用いるアプリケーション開発をするために必要になるフレームワークです。
詳しくはこちら

解決手順(CUI)

環境構築

まずはubuntu環境を作るところから。

docker run -it --name truffle -v ${PWD}/app:/app ubuntu:22.04
apt update && apt upgrade -y && apt install -y curl
apt install software-properties-common # Python関係のプロパティを入れる必要があってインストールするが、余計なものもたくさん入ってきてしまうため、もっとスマートにしたい

次にnode.jsのバージョン管理に便利なnvmを入れる。

curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.3/install.sh | bash # 最新バージョンをここで確認(url)

nvmを使用するために必要な環境変数を設定

export NVM_DIR="$HOME/.nvm"   
[ -s "$NVM_DIR/nvm.sh" ] && \. "$NVM_DIR/nvm.sh" # nvm.shファイルが存在し、サイズが0でない場合
[ -s "$NVM_DIR/bash_completion" ] && \. "$NVM_DIR/bash_completion" # bash_completionファイルが存在し、サイズが0でない場合

node.jsを入れていく。

nvm install 18
npm i -g npm
apt install make
apt install g++
npm install -g node-gyp

node.jsのおかげでtruffleが簡単にインストールできる。

npm install -g truffle

truffleがちゃんと入ったか確認。

truffle version

ここまでで環境構築は完了です。

truffleのサンプルを作ったテスト

ここまでで環境が構築できたかどうか確認するため、書籍の第4章の序盤にあるテストを行います。
(著作権の心配がありましたが、サンプルコードの使用については特別に許可を取る必要はない旨が書籍に明記されていましたので、安心して載せています)1
まずは下準備。

mkdir greeter
cd greeter

truffleが提供するサンプルをローカルに展開。

truffle init

ファイルを編集する必要があるためvimをインストール。

apt install vim

空のコントラクトを正しくデプロイできるかどうかをテストするためのスクリプトを作成する。

touch test/greeter_test.js
vi test/greeter_test.js

以下のように編集する。

test/metacoin_test.js

const GreeterContract = artifacts.require("Greeter");

contract("Greeter", () => {
  it("has been deployed successfully", async () => {
    const greeter = await GreeterContract.deployed();
    assert(greeter, "contract was not deployed");
  });
});

空のGreeterコントラクトを作成する。

touch contracts/Greeter.sol
vi contracts/Greeter.sol

以下のように編集する。

contracts/Greeter.sol

pragma solidity = 0.8.20;

contract Greeter {
}

Greeterコントラクトをネットワークに追加するためにスクリプトを作成する。

touch migrations/2_deploy_greeter.js
vi migrations/2_deploy_greeter.js

以下のように編集する。

migrations/2_deploy_greeter.js

const GreeterContract = artifacts.require("Greeter");

module.exports = function(deployer) {
  deployer.deploy(GreeterContract);
}

最後にテストを実行する。

truffle test

以下のように「1 passing」となれば成功です。
スクリーンショット 2023-07-17 21.38.21.png

作業の終了と再開方法

ついでに、毎回dockerコマンドを忘れて調べ直しているので書き記しておきます。
上で作った仮想環境を停止する時は

exit # ubuntu環境の終了
docker stop truffle # ubuntuコンテナの停止

上記で作った仮想環境で作業を再開する時は

docker start truffle
docker exec -it truffle /bin/bash
  1. Kevin Solorio、 Randall Kanna、 David H. Hoover 著『SolidityとEthereumによる実践スマートコントラクト開発』(オライリー・ジャパン刊、ISBN978-4-87311-934-2)

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