この記事では、IBM Application Modernization Accelerator (AMA) と IBM Bob の Liberty 移行機能 を使って、従来型の WebSphere Application Server (tWAS) 上のアプリケーションを Liberty に移行する流れを試してみます。
今回は、AMA による事前分析から、Bob を使った修正・デプロイ・動作確認までを一通り実施しました。
この記事で分かること
- AMA を使った tWAS 環境の分析方法(概要)
- Discovery Tool の実行と分析結果の取り込み
- Bob を使った Liberty への移行手順
- Liberty 上での動作確認までの流れ
前提条件
Bob で Liberty 移行機能を利用するには、以下の 2 つの条件を満たす必要があります。
-
IBM Bob の Liberty 移行機能
Bob の Add-on である Java Modernization Premium Package が必要です。
※ 2026/04/13 時点では未リリースです。 -
AMA の利用
WebSphere の上位ライセンスである IBM Enterprise Application Runtimes が必要です。
AMA をお試しで触ってみたい場合は、 90 日間の無償ライセンス を使用することができます。
本番環境で利用する場合は、IBM Enterprise Application Runtimes など適切なライセンスが必要です。
今回は tWAS 環境として、RHEL8 に ModResorts というサンプルアプリを構築しています。
全体像
今回の記事の内容の全体像は以下のとおりです。
今回は tWASサーバーの実行環境と AMA を別の環境として構築していますが、tWAS サーバー上に AMA を構築することも可能です。
同一環境で AMA と Discovery Tool を実行している場合は、収集データが AMA に自動アップロードされます。
AMA のインストール・起動
まずは、AMA 自身の実行環境を構築します。
手順の詳細については、以下の Qiita 記事を参照してください。
https://qiita.com/autonomura/items/cbb16b2b58f080d7ae53
今回は MacBook 上の podman を使用してAMAを構築しています。
AMA を起動したら、まずワークスペースを作成します。
ディスカバリーツールのインストール・実行
次に表示される画面から、ディスカバリーツール をダウンロードします。
ディスカバリーツールは、対象のミドルウェア環境をスキャンして、アプリケーション構成や設定情報、依存関係などを収集するためのツールです。
今回は RHEL8 上の tWAS アプリをスキャンするため、OS は Linux を選択します。
ディスカバリーツールを tWAS 環境に配置し、AMA に記載の手順に従ってインストールします。
インストール後、tWAS環境でツールを実行します。
今回は、以下の設定で実行しました。
-
ドメイン:
IBM WebSphere -
分析タイプ:
アプリおよび構成
ドメインは WebSphere のほかに Db2 / WebLogic / JBoss / Tomcat なども選択できます。
また、分析タイプとしては アプリのみ や .earまたは.warファイル も選択可能です。
同一環境で AMA と Discovery Tool を実行している場合は、収集データが AMA に自動アップロードされます。
今回は別環境で実行したため、tWAS の環境でzip 形式の分析結果ファイルが出力されました。

この zip ファイルを AMA にアップロードします。
続いて、ターゲットとしてどの環境へ移行するかを選択します。
今回は Liberty に移行したいため、Liberty を選択します。
AMA で分析結果を確認
AMA では、アプリケーション環境をスキャンした結果を確認できます。
AMA では対象となる環境における DB やキューを含む依存関係を可視化することができます。
(今回は WAS にシンプルなサンプルアプリを乗せているなので絵面が地味ですが、複雑なアプリケーション環境では特に便利そうですね。)
さらに、評価タブではアプリケーションごとの複雑さを可視化し、移行にかかるコストを比較することが可能です。
今回の分析対象のアプリである modresorts-test.ear をクリックしてみます。
アプリの詳細画面からは、それぞれのアプリで修正が必要な箇所や分析結果のレポートを確認できます。
マイグレーション計画のページからは、分析結果の成果物をダウンロードすることができます。
この後の工程では、こちらを使用して Bob で Liberty への移行機能を試してみます。
Bob による Liberty 移行
ここからは、ダウンロードしたマイグレーション計画を使用して、Bob で tWAS から Liberty への移行を進めていきます。
Bob で tWAS アプリケーションのプロジェクトを開き、Java モダナイゼーションのワークフローを開始します。
Liberty リプラットフォーミング を選択します。
先ほどダウンロードしたマイグレーション計画の zip ファイルをアップロードします。
OpenRewrite によって自動で修正できる箇所は、自動修正が可能です。
次に、Bob による修正を実施します。
ローカルにLibertyのデプロイメントを実施するためのサブタスクを開始します。
確認が必要な項目がある場合、Bob はユーザーに対して質問をしてくれます。
Bob がどのようにコードを修正したかを確認しながら、承認して進みます。
アプリのデプロイが完了すると、curl コマンドで正常に起動しているか確認してくれます。
アプリがデプロイされた URL にアクセスすると、無事にアプリケーションが Liberty 上で動作していることが確認できました!
まとめ
今回は、AMA を使って tWAS アプリケーションを分析し、その結果をもとに Bob の Liberty 移行機能で Liberty への移行を試してみました。
AMA を使うことで、依存関係の可視化 や 移行難易度の把握 ができ、移行前の見積もりや計画立案に役立つことが分かりました。
さらに、Bob を組み合わせることで、OpenRewrite による自動修正 と 対話型のコード修正支援 を活用しながら、効率的に移行作業を進められます。
実際に使ってみると、OpenRewrite で機械的に置き換えられる部分と、Bob が対話的に補ってくれる部分がうまく分かれており、移行作業をスムーズに進めやすい印象でした。
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