QiitaでAIを使って記事を書くメリットとデメリット
はじめに
Qiitaの記事をどうやって書いていますか?AIを使っていますか?私は使っています。(部分的に)
しかし、記事を書くときにAIを使うことにはメリットもあればデメリットもあると感じています。この記事では、実際にAIを使って記事を書いてみた経験から、両面について考えていきます。
メリット
構造的な文章が書けて読み手がわかりやすい
人が書いた文章とAIで書いた文章を見比べると、圧倒的にAIが書いた文章のほうが読みやすいです。なぜなら適切に構造化されているからです。
具体的には、見出しの階層が整理されていて、段落の区切りが明確です。また「結論→理由→具体例→まとめ」といった論理展開が自然に組み込まれています。人間が書くと、どうしても思考の流れのままに文章を書いてしまい、構成が崩れがちですが、AIは最初から構造を意識した文章を生成してくれます。
さらに、箇条書きやコードブロックの使い分けも適切で、視覚的に情報が整理されています。読者が途中で読むのを諦めにくい、最後まで読み通せる文章になりやすいのが大きなメリットですね。
正確性が人よりも高い
申し訳ないですが、ベテラン以外のミドル以下のエンジニアの記事よりはAIが書いた記事の方が正確性が高いことが多いです
AIは膨大な技術文書やドキュメントを学習しているため、用語の使い方や技術的な説明が正確です。たとえば、JavaScriptの非同期処理について説明する際、「コールバック」「Promise」「async/await」といった用語を正しい文脈で使い分けます。人間が書くと、うろ覚えの知識で間違った説明をしてしまうリスクがありますが、AIはその点で安定しています。
もちろん、AIも完璧ではなく、時に誤った情報を生成することもあります。だからこそ、手で記事を書いている人も、内容の推敲くらいはAIでやってみることをおすすめします。自分では気づかなかった間違いや、より正確な表現を提案してくれることがあります。
圧倒的なスピード
これは言うまでもありませんが、執筆速度が桁違いです。
人間が1時間かけて書く文章を、AIは数分で生成します。特に、技術仕様の説明やAPIの使い方といった、ある程度定型的な内容であれば、AIに任せることで大幅な時短になります。初稿をAIに書かせて、それを人間が修正・加筆していくというワークフローを使えば、記事執筆の負担が大きく減りますね。
また、複数の記事を短期間で公開したいときにも威力を発揮します。シリーズもので連続投稿したい場合や、バズっている技術についてタイムリーに記事を出したい場合など、スピードが求められる場面では非常に有用です。
デメリット
ありきたりすぎる
辞書で調べたような文章が羅列されます。
AIが生成する文章は、どこかで見たことがあるような表現の組み合わせになりがちです。たとえば「〇〇とは、△△を実現するための□□です」といった定義文や、「メリットとデメリットを以下にまとめます」といった展開が典型的です。間違ってはいないのですが、読んでいて新鮮味がありません。
特に同じAIを使っている人が多いと、似たような文体の記事が量産されてしまいます。読者としては「またこのパターンか」と感じてしまい、記事の独自性が失われてしまいます。
実体験がない
正直これが1番大きいです。
実体験に基づいていないので、実際に自分のユースケースに落とし込めることが少ないです。
技術記事の価値は、書き手が実際にハマった問題とその解決策にあります。「公式ドキュメント通りにやったらエラーが出た」「バージョン違いでこんな罠があった」「本番環境でこういう問題が起きた」といった生々しい情報こそが、読者にとって本当に役立つ内容です。
しかしAIは、そうした個別具体的な体験を持っていません。一般論としては正しいけれど、実務で直面する細かいトラブルや、環境依存の問題については触れられません。結果として、読者が「で、実際どうなの?」と疑問を持ったまま終わってしまう記事になりがちです。
AI自体のQiitaの価値は手を動かした実体験なのかもしれません。
つまんない
事実が淡々と述べられるので、読み手を退屈させてしまいます。
AIの文章は、感情や個性が薄いです。技術的には正確でも、書き手の熱量や葛藤、発見の喜びといったものが伝わってきません。「3日間悩んだ末にやっと解決した」「この機能を知ったときは感動した」といった人間味のあるエピソードがないため、読んでいてワクワクしないのです。
技術記事は単なる情報の羅列ではなく、エンジニア同士のコミュニケーションです。書き手の個性や経験が見える記事のほうが、読者の記憶に残りやすく、共感も得られます。AIだけで書いた記事は、そうした魅力に欠けてしまいます。
図解や写真がない
実際の画面のスクショなどがないので、ツール系の説明記事だとわかりづらいです。
AIはテキストの生成は得意ですが、実際のUIや操作画面を見せることはできません。たとえば「設定画面で〇〇を選択します」と書かれていても、その設定画面がどこにあるのか、どのボタンを押せばいいのか、画像がないとわかりません。
特に初心者向けの記事や、複雑なツールのセットアップ手順を説明する場合、スクリーンショットは必須です。また、システム構成図やアーキテクチャ図といった図解も、人間が実際の構成に基づいて作成する必要があります。AIが生成した文章だけでは、視覚的な理解が難しいという大きな弱点があります。
AIと人間のハイブリッド執筆法
ここまで見てきたように、AIにはメリットもデメリットもあります。では、どう使えばいいのでしょうか。私が実践しているのは、AIと人間の役割分担を明確にする方法です。
AIに任せる部分は、定型的な説明や技術仕様の整理です。たとえば、ライブラリの基本的な使い方、コマンドのオプション一覧、用語の定義といった内容は、AIに下書きさせるのが効率的です。構成の骨組みを作ってもらうのにも向いています。
人間が書く部分は、実体験に基づくエピソードや、ハマったポイントの詳細です。また、個人的な所感や、「なぜこの技術を選んだのか」といった意思決定の背景も、人間が書くべき内容ですね。そして、スクリーンショットや図解の追加も人間の役割です。
具体的なワークフローとしては、まずAIに記事の構成と基本的な説明部分を生成させます。次に、それをベースに自分の経験や具体例を追加し、文章に個性を加えていきます。最後に、必要な画像を挿入し、全体を読み直して調整します。このやり方なら、AIのスピードと正確性を活かしつつ、人間らしさも保てます。
最後に
部分的にAIを使っていたら、「バイブQiiting」じゃないじゃんって気づきました。この記事もバイブQiitingで書いてます