AWSのストレージサービスの全体像
AWSのストレージは大きく3種類に分類できます
| 種類 | 身近なイメージ例(Googleサービス中心) | 主なAWSサービス |
|---|---|---|
| ファイルストレージ | Filestore,SMB共有フォルダなど | Amazon EFS |
| オブジェクトストレージ | Google Drive,OneDrive,iCloud Driveなど | Amazon S3 |
| ブロックストレージ | Windows CなどのPCやスマホの内部ストレージ(SSDやHDD) | Amazon EBS |
それぞれの方式には用途や性能要件に応じた使い分けがあり、この記事では主要な3サービス(S3、EBS、EFS)を中心に紹介します。
🟡 Amazon S3(オブジェクトストレージ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主用途 | オブジェクト(画像、動画、ログ、バックアップ等) |
| 接続方法 | REST API / HTTPS 経由(どこからでもアクセス可能) |
| 永続性 | 11ナイン(99.999999999%)の耐久性 |
| 冗長性 | リージョン内の複数AZに自動レプリケーション |
| EC2との関係 | 完全に独立(EC2やEBSが止まっても影響なし) |
| 特徴 | スケーラブルかつサーバーレスなデータ置き場 |
| 使用例 | バックアップ、静的Webホスティング、機械学習データ、IoTログ |
S3のストレージクラス(代表)
| クラス | 特徴 | 使用例 |
|---|---|---|
| S3 Standard | 高可用性・高パフォーマンス | 頻繁に使う画像や動画 |
| Intelligent-Tiering | 自動で最適コスト階層へ移行 | 使用頻度が読めないデータ |
| S3 Standard-IA | 低頻度アクセス向け、低コスト | 月1程度の参照があるバックアップ等 |
| S3 One Zone-IA | 単一AZのみ、低コストだが冗長性低 | 再取得可能な低重要データ |
| S3 Glacier / Glacier Deep Archive | アーカイブ専用、取得に数分~12時間 | ログの長期保存、法令データ |
🔵 Amazon EBS(ブロックストレージ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主用途 | EC2インスタンスのディスクとして使う |
| 接続方法 | EC2にアタッチ(1つのインスタンスに限定) |
| 永続性 | 高(スナップショットによるバックアップ可) |
| 冗長性 | 同一AZ内でレプリケーションされる |
| EC2との関係 | アタッチされたインスタンス停止後もデータ保持可能 |
| 特徴 | ランダムアクセス性能が高く、DBやOS向けに最適 |
| 使用例 | OSディスク、DB格納先、キャッシュ、ログファイルなど |
EBSのボリュームタイプ
| タイプ | 特徴 | 使用例 |
|---|---|---|
| gp3(General Purpose SSD) | バランス型、コスパ良好 | Webサーバー、開発環境 |
| io1 / io2 | 高IOPS、ミッションクリティカル向け | 大規模DB、トランザクション処理 |
| io2 Block Express | 超高性能、高可用性 | SAP HANAなど |
| st1(スループット最適HDD) | 大容量読み込みが得意、コスパ良 | ビッグデータ処理、ログ |
| sc1(低頻度アクセスHDD) | 最安、性能は低 | ほぼ読み出し専用のアーカイブ |
🟢 Amazon EFS(ファイルストレージ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主用途 | EC2複数台間で共有可能なファイルシステム(NFSベース) |
| 接続方法 | EC2インスタンスがNFSマウントしてアクセス |
| 永続性 | 高(耐久性と可用性を兼ね備える) |
| 冗長性 | マルチAZ対応(リージョン内で自動冗長化) |
| EC2との関係 | 同一VPC内の複数EC2から同時アクセス可 |
| 特徴 | スケーラブル、自動伸縮、サーバレス、ファイル単位で管理 |
| 使用例 | アプリ共有ストレージ、分析結果の共有、WordPressの共有ファイルなど |
EFSのストレージクラス
| クラス | 特徴 | 使用例 |
|---|---|---|
| Standard | 頻繁に使うファイル向け | Webアプリ、設定ファイルの共有 |
| Infrequent Access | 低コスト、低頻度アクセスファイル向け | アーカイブ、ログ、バックアップ |
補足:その他関連ストレージサービス
| サービス名 | 種類 | 主な特徴・用途 |
|---|---|---|
| FSx for Windows/Linux | ファイル | SMB/NFSベースのフルマネージドファイルシステム |
| AWS Backup | バックアップ | 複数のAWSサービスのバックアップ一元管理 |
| Storage Gateway | ハイブリッド | オンプレとS3の橋渡し(仮想テープライブラリ等) |
総まとめ
- S3:全世界からアクセス可能な高耐久ストレージ(オブジェクト型)
- EBS:EC2に直結する高速ストレージ(ブロック型)
- EFS:複数EC2が共有可能なファイルストレージ(ファイル型)
それぞれの用途を明確にし、目的に応じた最適なストレージの選定が重要です。