はじめに
最近はスマートフォンで位置情報付きの写真が簡単に撮影できますので、写真の撮影位置をQGISでも表示できます。
位置情報付き写真をQGISで表示する
しかし、森林内など上空の開けていない場所だと、衛星の測位の速度が遅かったり、位置を正確に測定できないまま写真撮影して、位置が大きくズレているなんてこともあります。
そんなときは、GARMINなどのハンディGNSS機器を同時に携帯しておき、正確な位置はGNSS機器で測定し、GNSS機器の位置情報の時間と、写真の撮影時間を突合することで、写真の撮影位置を推定するQGISプラグインを作成しました。
プラグインのインストール
プラグインはQGISの公式リポジトリに登録していますので、QGISの「プラグイン」>「プラグインの管理とインストール」からインストールすることができます。

GPXファイルをQGISにインポート
GNSS機器からGPXファイルを保存して、QGISにドラッグ&ドロップします。
するとインポートするデータを選択するダイアログが表示されるので、「track_points」と「tracks」を選択して「レイヤを追加」ボタンをクリックします。

処理に使用するのはtrack_pointの時間ですが、位置を確認するためにtracksのラインデータもレイヤに追加しておきます。
写真データは一つのフォルダにまとめておく
写真データは一つのフォルダにまとめておきます。サブフォルダのデータは読み込めません。
プラグインを実行する
プラグインを実行すると、レイヤを選択するダイアログが表示されるので、トラックポイントを選択します。その後、写真フォルダを選択すると、写真の位置が推定されて地図上に表示されます。
あらかじめ、ラスタ画像マーカーで写真を地図上に表示するようにスタイル設定しています。
写真の大きさは横幅が実寸10mで表示されます。ですので、地図をズームアップすると写真も大きく表示できます。

写真ポイントには、フルパス、ファイル名、撮影時間、撮影方向 が属性として記録されます。
写真の撮影時間とGPXの時間
写真の撮影時間は日本の場合は日本の標準時間で記録されますが、GPXファイルの時刻の標準仕様では、日時の表現はISO 8601形式に従い、常に協定世界時 (UTC) で表現されます。そのため日本の時間とは9時間ズレています。
GPX 1.0 Developer's Manual
GPSログデータを時系列として読む
このプラグインではあらかじめの9時間補正して時間を突合するようにしています。
古いGNSS機器の場合は、GPXの仕様が古くてUTCではない場合があるかもしれません。その場合はこのプラグインを利用できないので、あらかじめGPXの時間を変更しておきましょう。
GPXの時間の表記
形式: YYYY-MM-DDThh: mm:ssZ
例: 2002-02-10T21:01:29Z
QT6にも対応
本プラグインは、QT6にも対応していますので、次世代のQGIS4でも安心して利用できます。
最後に
GNSS機器とデジカメやスマートフォンの時間を合わせることで、撮影位置を簡単にQGISに表示することができます。ぜひ現地調査などに活用していただければと思います。
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