これまでの生存戦略
それほど尖った能力や知識がない中で、私のこれまでの生存戦略としては求められればなんでもやる、少しくらい泥水でも飲むというものでした。
フロントエンドからバックエンド、データベース設計、API設計、実装、インフラ側の設定、提案書作成、プレゼンテーション、プロジェクト進行、どれも“専門家として誇れるか”というと疑問がありますが、求められればなんでもやるスタンスでそれが自分の価値提供の形と考えていました。
また、以前までは「若い」というのも、強みでした。
一回りほど上の年齢に見られることも珍しくなく、「そんな若かったのか」と驚かれるなかで、「若いのに頑張ってるね」と年齢のフィルターで大目にみてもらえました。
しかし、そんな私も気が付けば40歳、もう若さという武器はありません。
(つい先日まで20代だったはずなのに..何かおかしい..)
体力的にも無理が効かず、新しいことを学ぶ力や記憶力の衰えも感じはじめました。
人工知能が仕事を奪う
最近の仕事では、GitHub Copilotを用いて、AIに書いてほしいコードを伝える意味でコメントを書いては生成したものを修正して、思い通りにならない場合は自分で書き直して、というような進め方をしています。
プログラミング時にサジェストされるもの採用率はおおよそ50%くらいで、以前までの半分くらいしかコードを書いていないと言えます。
(Copilotが意図通りにコードを吐くように、コメントを入れたり、冒頭を書き始めたりするので、プログラミングという行為自体のアプローチが変わったともとれます。)
ChatGPTに依頼したほうが早い作業やコード生成はChatGPTに依頼することもあります。
下記の「ChatGPTと一緒にWebサイト制作」シリーズでも対話しながらプログラムコードを作成しました。
- ChatGPTと一緒にWebサイト制作① 調査編
- ChatGPTと一緒にWebサイト制作② ヒアリング編
- ChatGPTと一緒にWebサイト制作③ UML編
- ChatGPTと一緒にWebサイト制作④ サイトマップ作成編
上記の記事の中でもわかるように、現時点では自力でそのコードを書く能力がある人ではないと使いこなすことは難しい状況です。
しかし、改善したい課題や欲求が明確な場合、具体的な手法がイメージできていなくてもAIと協力しながら成し遂げられる世界は、もうすぐそばに来ていると感じています。
すなわち、クライアントが我々のような専門家に依頼する機会やインセンティブが大幅に減ることが予測されます。
これからの生存戦略
時代の急速な変化の中、「もう、生きていくには気のいいおっちゃんを目指すしかないな。」と言うことがあります。
これは半分冗談で、半分本気です。
プログラムのコードや中間成果物のアウトプット自体の価値が今後さらに低下するのは免れません。
目指している人物像
今後のキャリアプランとしては、下記のような人物像(便利なおっちゃん)を意識しています。
- おっちゃんは自分の仕事に明確な境界を引かない
- 「みんな時間ないなら、おっちゃんがこの作業やっとくなー」
- おっちゃんは暗黙の期待をせず、言葉に出す
- 「おっちゃんは、こういうことを期待しているし、やってほしいと考えているけど、この期待を持ったままでいい?」
- おっちゃんはフットワーク軽く具現化する
- 「考えていることの認識にギャップないか、おっちゃんの考えまとめてみたけどどう?あってる?ほな、来週はちょっと動くモックにしてみせるな」
- おっちゃんはたまにアホな質問をするが、たまにアホな質問が役に立ったり前提を見直す機会につながる
- 「ごめん、アホなこと言うようやけど、これって実現せなあかんのって何でやったっけ?」
- おっちゃんはうっかりしていることもあるけど、間違いを認められる
- 「こないだ言ってたやつやけど、よく考えるとおっちゃんが間違えてたわ。ほんまごめんな」
- おっちゃんは困ったら助けを求められる
- 「ごめん、全然どうしたらいいかわからんくって、知恵かしてくれへん?」
- おっちゃんはいざという時、すごい頑張る
- 「それは大変やな、踏ん張りどころやとおもうから、おっちゃんも一緒にやるわ」
- おっちゃんは顧客の成功を心から願う
- 「業務改善につながって、ほんま喜んでたで、嬉しい話やな」
- おっちゃんは沢山の引き出しをもっていて、色々な提案ができる
- 「もしかしたら開発せんくても、表計算の機能で目的達成できるかもしれんな」
- おっちゃんは周りの成長を喜ぶ
- 「おっちゃんに出来ひんこと、いっぱい出来るようになって嬉しいし、尊敬やわ」
- おっちゃんはなんだかんだで身銭をきれる
- 「お、いいよ。飲み行こうか?でも会社のお金はつかえへんから割り勘やで〜」「今日はおっちゃんの話相手になってくれたから払っとくわ〜ありがとうな」
- おっちゃんは嫌な役回りでも買って出る
- 「依頼した業者さん、全然うごいてくれへんな、約束もやぶってばっかりやし、先方の上司も同席してもらって、おっちゃんが改めて現状の問題とか経緯を説明するな」
- おっちゃんはすぐに夢やビジョンを語る
- 「このプロジェクトは社会の役に立つし、関係しているみんながちょっと幸せになると思うで」
- おっちゃんは実は自分が不要になることを目指している
- 「おっちゃんは、おっちゃんはもういなくても大丈夫やで。って言われるのがゴールやと思っているで」
実際には、無個性を目指しているので、標準語を話す関西人ですが、 “なんだかいてくれると助かる、便利なおっちゃん” になれたらなんとか生きていけるのではないかなと考えています。