📺 この記事は YouTube チャンネル きなこもっちーのテック深掘り の動画解説記事です。
▶️ 動画はこちら → Googleは遅れてる?Cloud Next '26が証明した企業AI支配の実態
🐹🦜 この記事に登場する2匹
- 🐹 もっちー (ハムスター)… AI はまだ勉強中。「それどういうこと?」と素朴に質問する生徒役
- 🦜 きなこ (セキセイインコ)… AI で調べものをこなす解説役。やさしく深掘りして教える先生役
この記事は2匹の掛け合いを書き起こした形式です。発言の先頭にいる絵文字+名前が話者です。
はじめに
🐹 もっちー「ねえきなこ、最近みんな「Googleって遅れてるよね」って言ってない?」
🐹 もっちー「最近のAIランキングとかでもOpenAIとAnthropicばっかりで、Googleって話題になりにくいよな。」
🦜 きなこ「そのイメージ、今日完全に書き換えてあげる。エンタープライズAIの世界では話が全然違うんだよ。」
🐹 もっちー「ChatGPTはみんな使ってるし、Claudeはプログラマーにめっちゃ人気あるし。」
🦜 きなこ「それね、2026年4月22日に完全に覆されたんだよ。」
🦜 きなこ「Googleが「Gemini Enterprise Agent Platform」を発表した。260件もの発表を一挙にぶつけてきたの。」
🐹 もっちー「260件!? そんな多いん!?」
🦜 きなこ「今日はその中から、エンタープライズAIエージェント基盤の話をするね。Agent Designer、A2Aプロトコル、TPU 8t/8i、$750Mパートナーファンド。」
🦜 きなこ「「Googleは遅れてる」っていう通説、データで全部ひっくり返してあげる。」
Gemini Enterprise Agent Platform の全体像
🐹 もっちー「そもそも「Gemini Enterprise Agent Platform」って何なの?」
🦜 きなこ「一言で言うと「Vertex AIの進化形」なの。モデルを選んで、エージェントを作って、管理して、最適化する。その全部をまとめてやれるプラットフォームだよ。」
🐹 もっちー「Vertex AIって、あの開発者向けのやつやんな?」
🦜 きなこ「そう。でも新しいプラットフォームは4つの柱で構成されてるんだよ。Build、Scale、Govern、Optimize。」
🐹 もっちー「英語4つ並べられても……ぼく理系じゃないから正直ちんぷんかんぷんやわ。」
🦜 きなこ「大丈夫だよ。噛み砕くね。まずBuildは「エージェントを作る」部分。コードなしで作れるツールが揃ってる。」
🦜 きなこ「Scaleは「何千ものエージェントを安定して動かす」仕組み。Governは「誰がどのエージェントを使ったか監査する」セキュリティ。Optimizeは「エージェントの成功率を自動で改善する」機能だよ。」
🐹 もっちー「あ、なんか全部揃ってる感じがする!」
🦜 きなこ「それがポイントで、Googleはシリコン(TPU)からモデル(Gemini)、クラウド基盤、Workspaceまで全部自社で持ってる唯一のハイパースケーラーなんだよ。」
🐹 もっちー「Anthropicはクラウドを持ってないし、MicrosoftはモデルはOpenAIに頼ってるし。」
🦜 きなこ「そういうこと。そしてModel Gardenには200以上のモデルが並んでて、なんとAnthropicのClaude Opus 4.7まで動かせるの。」
🐹 もっちー「競合のモデルまで乗せるん!? 太っ腹すぎひん!?」
🦜 きなこ「「どのモデルも選べる自由」こそがGoogleの差別化戦略なの。OpenAIのChatGPT Enterpriseにはできないことだよ。」
🦜 きなこ「GovernはAIガバナンスの柱で、エージェントのアクセス権・行動範囲・ログ管理を細かく制御できるの。」
🐹 もっちー「AIが勝手に変なことしないように管理できるってこと?企業には絶対必要だよね。」
🦜 きなこ「OptimizeはコストとAI性能のチューニング機能。エージェントの処理量が増えるほどコストも上がるから、そこを最適化するんだよ。」
Agent Designer — ノーコードでエージェントを作る時代
🐹 もっちー「さっき「コードなしで作れる」って言ってたけど、それがAgent Designerってやつ?」
🦜 きなこ「そう。Agent Designerは「すべての従業員が自分専用のエージェントを作れる」ことを目指したツールなんだよ。」
🐹 もっちー「つまり、普通の営業担当とか経理の人でも使えるってこと?」
🦜 きなこ「まさに。自然言語で指示するだけで、スケジュール起動やトリガー起動のエージェントが作れるの。フローチャートも画面で確認できるから、動きが透明に見えるんだよ。」
🐹 もっちー「ぼくでも作れるかも!「毎朝おやつの補充をリマインドするエージェント」とか!」
🦜 きなこ「それ、業務用どすえ……ちゃんと使う気があるんどすか?」
🦜 きなこ「Gemini Enterprise appにはInboxっていう通知センターもあってね。「あなたの承認が必要」「エラーが発生」「完了しました」って3つのグループで整理して届くんだよ。」
🐹 もっちー「メールの受信箱みたいにエージェントの仕事を確認できるんだ。」
🦜 きなこ「さらにSkillsって機能もあって。会社の手続きや手順書をSOPショートカットとして登録しておいて、@メンションで呼び出せるんだよ。」
🐹 もっちー「「@経費申請」ってメンションしたら自動で手続きが進むみたいな感じ?」
🦜 きなこ「まさにそれ。そして「Long-running agents」って機能があって、数日間ずっと動き続けるエージェントも作れるんだよ。」
🐹 もっちー「……数日間動き続けるって、なんか怖くない?止まれなくなったりせんの?」
🦜 きなこ「そこはSecure Sandboxって隔離環境の中で動くから安心なんだよ。ホストシステムに直接影響は出ないの。」
🐹 もっちー「1000件以上の機能って、全部使いこなせる人いるの?」
🦜 きなこ「だから「ノーコード・ローコード」がポイントなんだよ。専門知識がなくても、エージェントを組み合わせてビジネスロジックが作れるの。」
A2Aプロトコル v1.0 — エージェント間通信の業界標準
🐹 もっちー「さっきA2Aプロトコルって言ってたけど、MCPとどう違うの?」
🦜 きなこ「役割が違うんだよ。MCPは「エージェントがツールやデータに繋がる」仕組み。A2Aは「エージェント同士が会社の壁を越えて会話する」仕組み。」
🐹 もっちー「つまりMCPは「道具を持つ」、A2Aは「チームで仕事する」ってこと?」
🦜 きなこ「完璧な表現だよ。A2Aを使えば、A社のエージェントとB社のエージェントが、お互いの内部実装を知らなくても連携できるの。」
🐹 もっちー「それってすごくない!? 業界横断でAIが協力できるってことやん!」
🦜 きなこ「しかも2026年4月時点でA2Aを採用している組織は150以上。AWS、Microsoft Azureにも統合されてるんだよ。」
🐹 もっちー「GoogleとAmazonとMicrosoftが同じプロトコル使うの?なんか珍しくない?」
🦜 きなこ「さらに大事な動きがあってね。AnthropicがMCPをLinux Foundationに寄贈して、OpenAIも同じ財団に参加したの。」
🐹 もっちー「え!? Google・Amazon・Microsoft・Anthropic・OpenAIが全員同じ場所に集まってるの!?」
🦜 きなこ「プロトコル戦争は終わった、ってこと。これからの競争は「プロトコルの上に何を乗せるか」だよ。」
🦜 きなこ「たとえば、営業エージェントが案件情報を技術エージェントに渡して、システム要件を自動で生成してもらう。そういう連携がA2Aで実現するの。」
🐹 もっちー「別の会社のエージェントとも連携できるの?」
🦜 きなこ「そこがA2Aの革新的なところで、企業の壁を越えて安全にエージェント同士が話せるの。Linux Foundationが標準化するから中立性も担保されてるんだよ。」
TPU 8t/8i — 訓練と推論を分離する大胆な設計
🐹 もっちー「次はTPU 8t/8iって何?tとiって何の略?」
🦜 きなこ「tはtraining、つまり「訓練用」。iはinference、つまり「推論用」なの。今回Googleは第8世代TPUで、同じ世代のチップを訓練と推論で初めて別々に設計したんだよ。」
🐹 もっちー「今まで同じチップで両方やってたの?」
🦜 きなこ「そう。訓練と推論って、実は求める性能が全然違うの。訓練は「大量の計算をとにかく速く」、推論は「少ない遅延で大量のリクエストを捌く」。」
🦜 きなこ「TPU 8tは単一スーパーポッドで9,600チップ、121エクサフロップス、前世代比約3倍の演算性能を達成したの。」
🐹 もっちー「121エクサフロップス……なんか宇宙規模の数字で意味わからん!」
🦜 きなこ「1秒間に1億2100京回の計算ができるってこと。人類全体が計算機代わりに働いても絶対に追いつかないスピードだよ。」
🐹 もっちー「……なんか怖い。」
🦜 きなこ「推論側のTPU 8iは方向性が違って、オンチップSRAMが前世代の3倍になってるの。これで推論コストを80%改善できるって言ってるよ。」
🐹 もっちー「推論コストが下がるって、ユーザーから見たらAIがもっと安く使えるってこと?」
🦜 きなこ「そういうこと。そしてこのTPUをネットワークで繋ぐVirgoっていう新技術で、なんと100万以上のTPUを1つのクラスタとして動かせるようになったんだよ。」
🐹 もっちー「TPU 8t/8iの分離設計って、実際のコストにどれくらい影響するの?」
🦜 きなこ「推論専用に最適化された8iは電力効率が大幅に改善してるって言われてるの。企業のAI利用コストを直接下げる効果があるんだよ。」
$750Mパートナーファンド — 実装人材の供給戦争
🐹 もっちー「$750Mパートナーファンドって何?Googleが約1,125億円投資するの?」
🦜 きなこ「正確には「エージェント開発を加速するための7億5000万ドルのパートナーファンド」だよ。GoogleのパートナーエコシステムはSI、コンサル、ソフトウェア合わせて12万社以上いるの。」
🐹 もっちー「その12万社にお金を配るの?」
🦜 きなこ「現金そのものじゃなくてね。Sandboxクレジット、需要創出支援、デプロイバウチャーの3種類。」
🦜 きなこ「さらにFDE——Forward-Deployed Engineeringという、Google側のエンジニアを直接派遣するサービスも含まれてるの。」
🐹 もっちー「Googleのエンジニアが手伝いに来てくれるの。それは心強い。」
🦜 きなこ「Accenture、Capgemini、Deloitte、PwC、TCSといったコンサル大手にFDEを送り込む発表もされてるの。これは要するに「実装人材の供給戦争」だよ。」
🐹 もっちー「供給戦争?」
🦜 きなこ「どれだけ良いAIプラットフォームを作っても、使い方を教える人材が足りなかったら広まらないんだよね。」
🦜 きなこ「だからGoogleは、Googleのプラットフォームを使いこなせる人材の軍団を育てようとしてるの。」
🐹 もっちー「なるほど、モデルの戦争じゃなくて、人材の戦争に移ってきてるんだね。」
🦜 きなこ「ちなみに比較するとAnthropicのClaude Partner Networkは$100M、Googleは$750Mだからね。規模が全然違う。」
市場の実像 — 「Googleは遅れてる」は本当か
🐹 もっちー「じゃあ結局、シェアの話でいくとGoogleって実際どのくらい使われてるの?」
🦜 きなこ「Menlo Venturesの2025年調査によると、エンタープライズLLM API支出シェアはAnthropicが40%、OpenAIが27%、Googleが21%なの。」
🐹 もっちー「Anthropicが一番多いの!? ClaudeってそんなにBtoBで使われてるん?」
🦜 きなこ「コーディング領域でAnthropicが圧倒的だからね。でも大事なのはトレンドだよ。Googleのシェアはたった2023年の7%から2025年には21%に、3倍以上に増えてるの。」
🐹 もっちー「3倍はすごい成長だね。」
🦜 きなこ「しかもGoogleのクラウド事業全体で見ると、2025年Q4の成長率は48%で、AWS・Azureを上回って3社中最速なの。」
🐹 もっちー「でもクラウド全体と、AIモデルのシェアは別の話じゃないの?」
🦜 きなこ「鋭い。ここが面白いところで、競合のAnthropicがGoogleのTPUを最大100万ユニット使う契約を拡大してる。Appleも新しいSiriをGeminiベースで作ってるって報道がある。」
🐹 もっちー「競合がGoogleのインフラに頼ってるって、なんかすごい構図だね!」
🦜 きなこ「「Googleは遅れてる」は、ChatGPTとClaudeアプリの可視性に引っ張られた印象なの。企業のAIインフラを下から支えるのは、今やGoogleが圧倒的に強いんだよ。」
🐹 もっちー「企業としてはどこを選べばいいんだろ?全部試せないし。」
🦜 きなこ「既存のGoogleWorkspaceユーザーならGemini一択に近い。でも新規でAI基盤を選ぶなら、業務の複雑さとスケールで判断するのがいいと思うよ。」
🐹 もっちー「なんか選択肢多すぎてどれがええかわからへんな……」
🦜 きなこ「そこで役立つのが今日の動画だよ。各プレイヤーの強みを知っておくだけで、判断がずっと楽になるから。」
日本企業の導入事例
🐹 もっちー「日本の企業でもGemini Enterpriseって使われてるの?」
🦜 きなこ「あるよ。メルカリがGemini Enterpriseでコールセンター業務を刷新してて、担当者の業務量を最低20%削減、500%のROI予測って出てるの。」
🐹 もっちー「500%のROI! めちゃくちゃ元取れてるやん!」
🦜 きなこ「スクウェア・エニックスはドラゴンクエストXオンラインにGeminiベースのキャラクターを実装してるし、LuupはAIエージェントで電動キックボードのメンテナンス・需要予測を自動化してるんだよ。」
🐹 もっちー「ゲームから交通まで、いろんな業界で使われてるんだね。」
🐹 もっちー「KDDI系も使ってるって聞いたことあるけど?」
🦜 きなこ「KDDI系企業が顧客対応エージェントシステムをGemini Enterprise上で構築してるよ。複数エージェントの協働で問い合わせ処理を自動化してるの。」
🐹 もっちー「製造業や金融でも使われてるの?」
🦜 きなこ「国内では製造業の品質検査自動化、金融の審査補助、小売の在庫最適化など、幅広い業種でエージェント化が進んでるよ。」
🦜 きなこ「7月にはGoogle Cloud Next Tokyoが東京ビッグサイトで開催予定だよ。日本向けのセッションも増えるはずだから、興味ある人はチェックしてみてね。」
まとめ
🐹 もっちー「今日いっぱい聞いたけど、結局Googleって「遅れてない」どころか「強い」ってこと?」
🦜 きなこ「「Googleが遅れてる」は間違い。でも「Googleが全部勝ってる」も間違い。正確には「5強競争」なんだよ。」
🦜 きなこ「OpenAIは消費者ブランドと推論力が強い。AnthropicはコーディングとAI安全性が強い。」
🦜 きなこ「MicrosoftはOffice経由の配信力が最強。AWSはインフラ規模が最大。そしてGoogleはフルスタック垂直統合が唯一無二の強みなんだよ。」
🐹 もっちー「それぞれ得意分野が違うんだね。」
🦜 きなこ「今回のCloud Next '26が示したのは、Googleの競争軸がもはや「うちのモデルが一番賢い」じゃないってことなの。」
🦜 きなこ「「エージェントを組織全体で運用できる基盤を持っているのはうちだけ」——これが戦略の核心なんだよ。」
🦜 きなこ「Agent Designerでビジネスユーザーを取り込み、A2Aで業界標準を確立し、TPU 8t/8iでコスト構造を変え、$750Mで実装人材を育てる。」
🐹 もっちー「つまり「AIが使えるか」じゃなくて「AIを組織に根付かせられるか」の競争になってきてるんだね!」
🦜 きなこ「そう。そしてその戦いの最終ラウンドは「実装人材の供給戦争」だって、$750Mのファンドが証明してると思う。」
🐹 もっちー「今日もたくさん学んだで。AI、まだまだ進化が止まらないね。」
🦜 きなこ「ところで、もっちーが自分のエージェント作るとしたら、何に使う?」
🐹 もっちー「おやつ補充エージェント! 回し車の消耗も検知して飼い主に自動発注してほしいわ!」
🦜 きなこ「飼い主さん、タブレットの充電がまた減ってはるわ……今日もばれへんといいけど。」
🐹 もっちー「みんなはどこの会社のAI、一番気になってる?コメントで教えてほしいで!」
🦜 きなこ「今日の動画が参考になった人は、チャンネル登録と高評価もよろしくね。AIエージェント基盤の動向、気になった人はぜひコメントで教えて。」
🐹 もっちー「投げ銭もお待ちしてます! ひまわりの種が買えるくらいでいいんで!」
きなこもっちーのテック深掘り では、AI/LLM を中心としたテック全般をハムスター(🐹 もっちー)とセキセイインコ(🦜 きなこ)の掛け合いで楽しく解説しています。
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