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ダイバーシティーインクルージョンとは?【心理的安全性シリーズ 3/3】

Last updated at Posted at 2023-01-16

心理的安全性とは

ここ数年、多くの人がメディアなどで心理的安全性についての記事を書いたり、語ったりしているのを目にしますが、そのきっかけとなったのは、ニューヨーク・タイムズ紙の記事「グーグルは完璧なチームを築く過程で何を学んだか(What Google Learned from Its Quest to Build the Perfect Team)」(2016年2月25日)です。

グーグルの「プロジェクト・アリストテレス」の目的は、「結果を出すチームをつくるにはどうしたらいいか」という問いに対する答えを見つけ出すことでした。Googleの研究者たちは、社員が一人でいるよりも一緒に働いたほうがより多くのことができると考えました。そこで、アリストテレスの「全体は部分の総和に勝る」 という考え方から、プロジェクト名が採用されました。

仕事の多くがチームによる共同作業で行われています。しかし、人間関係の問題、スキルセットの不一致、グループの目標の不明確さなどが生産性を妨げ、摩擦を引き起こす場所でもあります。

研究者たちが特定した、効果的なチームの重要な力学は、次の5つです。

2015年11月、Googleは研究結果を「チームを成功へと導く5つの鍵」として発表しました。

「一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思えるか。
「有効な意思決定プロセスがある」と思えるか。
「仕事は、自分自身にとっても意義がある」と思えるか。
「成果が組織の目標達成にどう貢献するかを理解してる」か。
「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と思えるか。

この発表の中で、Googleは、「誰がチームのメンバーであるかよりも、チームがどのように協力しているかが重要」 と述べています。そして、「心理的安全性は単なる1要素ではなく、その他の4つを支える土台であり、「チームの成功に最も重要な要素である」と発表したことによって、世界中の企業から心理的安全性という言葉が大きな注目を浴びることになりました。

結果を出すチームをつくるには、個々のチームメンバーの経歴やスキルはそれほど重要ではなく、心理的安全性 こそが最も重要な要因だという事です。

1)心理的安全性の必要性

ダイバーシティインクルージョンとは、多様な人材を受け入れ、その能力を発揮させる考え方を指します。

かつては、労働者に仕事をさせる場合、不安が効果的だったかもしれないが、
今や、自分と異なる考え方をもつ人のやり方を受け入れ、学習や協力をしなければ、成功できない仕事の方が多く、不安がやる気を引き出す要因になる事はありません。

心理的安全性は、自分と異なる考え方をもつ人の才能を引き出し、価値を創造するためには、なくてはならないものです。

課題は、「率直な発言」「率直な思い」を引き出す事です。あなたは、どのようにこの課題に取り組みますか?

2)心理的安全性を高める考え方

エドモンソン氏は、TEDx Talks でのスピーチの中で、心理的安全性を高めるためにできる取り組みとして、
次の 3 点を挙げています。

仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える。
自分が間違うということを認める。
好奇心を形にし、積極的に質問する。

「好奇心を形にし、積極的に質問する。」 という時に必要なのは、「あなただから、質問したい」という気持ちです。
あなたではなくても、いいんだけど、あなたに質問したいと言われたら、どうです?
回答する気持ちにならないですよね。忙しいんだから、他の人に聞いてくれってなりませんか?

この「あなただから」という姿勢こそが、
心理的安全性を相手に感じさせ、「率直な発言」を引き出せるんだと、私は、思います。

3)心理的安全性を高めるフレーズ

1.あなたに、どんな手助けが出来ますか?
2.あなたは、どんな問題にぶつかっているのですか?
3.あなたには、どんな事が気がかりなんですか?

自分と異なる考え方を受け入れるスタンスを持つ事が重要

「みんな違ってみんないい」
「人と違っていても良い、人と違うからこそ良い、あなたはあなたで良い」

4)成功事例

今回は、才能を発揮するための融資すら受けられない人達が、「率直な思い」を
「マイクロファイナンス」を通じて、社会に伝えられるようになった事例をご紹介致します。

※マイクロファイナンスとは
マイクロクレジットとは、貧しい人々に対し無担保で小額の融資を行う貧困層向け金融サービスのことです。2006年、マイクロクレジットの普及に努めてきた グラミン銀行 と、創始者であるムハマド・ユヌス総裁が、ノーベル平和賞に選ばれました。当初は、貧しい人々はお金を借りて商売しても大して稼げないので結局借金が膨らむだけだ、と、貧困層への融資に懐疑的な声が大半でしたが、「貧しい人々も企業家としての能力を持っており、資金さえあれば商売を始めて利益を得ることができる」 との信念の下、様々な革新的なスキームを取り入れ、返済率の高い貧しい人々のための銀行を作り上げることに成功したのです。このグラミン銀行の成功により、世界中至る所で同様のマイクロクレジット機関が設立され、貧困層への融資が積極的に行われるようになりました。近年では、融資(クレジット)のみならず、貯蓄や保険など、広範な金融(ファイナンス)サービスも行われるようになってきたため、マイクロファイナンスと呼ばれるのが一般的です。
https://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Theme/Eco/Microfinance/200608_kono.html

社会課題を解決するソーシャルビジネスでは、
信頼関係を築くために、個人との向き合い方が重要だそうです。
ユヌスさんは、銀行のオーナーとして、貧困だからお金を貸すのではなく、
「あなただからお金を貸す」という姿勢を大事にしてきた。とおっしゃっていました。
この「あなただから」という姿勢が、「率直な思い」を引き出すのだろうと思いました。
心理的安全性とは、「率直な思い」を引き出す仕組みなんだと思います。

1976年に貧困救済プロジェクトを開始。
1983年に貧困救済プロジェクトはバングラデシュ政府の法律により独立銀行となった。
無担保で少額の資金を貸し出すマイクロ・クレジットでは、8万4000村で558万人ほどの貧しい女性を主対象に貸し出すようになった。
貧困層や低所得者、失業者など銀行から融資を受けられない人に対し、無担保で小口資金を提供する金融サービスを開始した。
貧困層の自立支援対策として1970年代にバングラデシュで始まり、その後、アジアや南米などの発展途上国に広まった。
現在は、貯蓄や送金、保険など経済活動を行う上で必要な金融サービスまで対象を拡大し「マイクロファイナンス」として世界各国で広まっている。

成功事例の仕組み
グラミン銀行の仕組みは、多様な人材を受け入れ、その能力を発揮させるというものだった。
お金を一人では工面できない人たちをグループ化して、個々の「違い」を受け入れ、活かしていく仕組みを作った。

メンバーの条件
日本の貧困ライン以下の生活困窮者であること。
働く意欲があり生活をステップアップしたい人であること。
互助グループ(5人一組)を作ること。
事前に開催される金融トレーニングに参加できること。
融資される資金は消費されていく生活資金に使用することはできません。
起業や就労によって所得を創出することができるものに対してのみ融資されます。
毎週1回のセンターミーティングに参加できること。 
(あなたは、どう考えているのか?「率直な思い」 を受け入れるスタンスをもつ)

マイクロクレジット(日本版)
https://www.hokenerabi.com/choice/micro-finance/

グラミン銀行 詳細
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%8A%80%E8%A1%8C

ハーバード大学で組織行動学を研究している エイミー・エドモンドソン教授(Amy C. Edmondson)の
・TEDトーク
・恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
image.png
を参考にしました。

バックナンバー
何故、率直な発言が出来ないのか?【心理的安全性シリーズ 1/3】
https://qiita.com/kimuni-i/items/7047c79714ac97ce0ed2

組織の力学【心理的安全性シリーズ 2/3】
https://qiita.com/kimuni-i/items/8d4268442ba2d21d8af4

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