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何故、率直な発言が出来ないのか?【心理的安全性シリーズ 1/3】

Last updated at Posted at 2023-01-13

「率直な発言が出来ない」という事は、多くの人にある。

懸念を抱いても、上司に話すのは 無理だと感じた経験が少なくとも一度はある。
ある市場調査結果では、85% の人々がそう回答している。

「ミーティングでは、他の人が気づかない問題点が、私にはとてもはっきり見えることがよくあった。」
「だが、間違っている事を恐れて、何も言わず、傍観する事を覚えた。」
「他の人を敵にまわさないためだ。」
「私は、発言して愚かに見えてしまうかもしれないリスクを冒すより、
安全地帯に留まる事によって、仕事を維持したいと思った。」

元アップルの幹部の言葉である。

「率直な発言」は、どのような影響を与えているのだろうか?

エイミーエドモンドソンは、「率直な発言」の重要性に気づいた経緯を次のように説明している。

高い成果を上げるチームは、ミスが少ないという仮説を検証した所、
有能なチーム程、ミスを多くしているという事がわかった。

有能なチーム程、ミスが多いのは、何故か分析した所、
実は、有能なチームは、ミスが多いのではなく、ミスの報告数が多かった。
率直に発言が出来るようなチームだから、高い成果を出せるという事を発見した。
(逆を言うと、「率直な発言が出来ない」と言う事が業務にマイナスの影響を与えていると言う事である。)

ハーバードビジネススクール教授、エイミー・C・エドモンドソンは、
「心理的安全性」の定義を「対人関係のリスクをとっても安全だと信じられる職場環境」としている。

皆さんは、「率直な発言」を受け入れてもらえないと感じた事は、ありますか?
「率直な発言」をしても、たぶん、聞いてもらえないだろうな。と感じて、発言しなかった事は、あるかと思います。
その時、「対人関係のリスク」を取ってまで、発言する程の事ではないと考えたのではないでしょうか。

ただ、トロイの木馬の裏話を聞いても、そう考えるでしょうか?

image.png
木馬の中に兵士を忍び込ませ、敵国に攻め込んだ話です。

裏話として、悲劇の王女カッサンドラの話があります。

image.png

彼女は、予言の力を授かったが、その予言を信じてもらえないという呪いもあわせてかけられた。
トロイの木馬をイリオス市民が市内に運び込もうとした時、破滅につながることを予言して抗議したが、誰も信じなかった。
「率直な発言」が受け入れてもらえなかった。

王女カッサンドラの「率直な発言」を聞いていれば、国は滅びなかった。
「対人関係のリスク」を取ってでも、発言すべき事は、あるという事です。
そして、「率直な発言」をばかにせず、「素直に耳を傾ける」必要があるという事です。

対人関係のリスクとは

「率直な発言」をする事によって、
「無知だと思われたり」「無能だと思われたり」「邪魔をしていると思われたり」「否定的だと思われたり」
する可能性がある事を指します。

Ⅰ 無知だと思われる不安
Ⅱ 無能だと思われる不安
Ⅲ 邪魔をしていると思われる不安
Ⅳ ネガティブだと思われる不安

Ⅰ 無知だと思われる不安

業務で知らないことやわからないことを聞く際、「こんなことも知らないのか」と思われないか不安になり、上司や同僚に必要な質問ができなくなってしまう。相談することが不安になり、従業員同士のコミュニケーションがなくなっていく。
「分からない」と言えない。
知らない事や不明点を聞く事が出来ない。

Ⅱ 無能だと思われる不安

業務で失敗した際、「こんなこともできないのか」と思われないか不安になり、
ミスを報告しなかったり、自分の失敗を認めなかったりするようになる。
失敗やミスを隠したくなる。
過ちを認めると責められると感じる。

Ⅲ 邪魔をしていると思われる不安

ミーティングの時に、自分の発言で議論が長引いたり本題から外れたりした際、上司や同僚から「いつも議論の邪魔をしてくる」と思われないか不安に駆られてしまう。自分から提案や発言をしなくなっていくため、新たなアイデアやイノベーションも生まれにくくなる。
自分の考えが言えない。
新しいアイディアを出しても、否定されると感じる。

Ⅳ ネガティブだと思われる不安

現状の改善について提案しようと思った際、「いつも他人の意見を否定する」と思われないか不安になってしまう。上司や同僚に否定的に捉えられる可能性があると、発言をためらったり、本当に重要な指摘をしなくなったりする。やがて常に自分を隠して仕事をするようになる。
間違いを指摘しにくい。
問題を指摘しにくい。

誰もが率直な発言が出来るように取り組む事は、
時間がかかりすぎて、非効率ではないか?

著者は、心理的安全性は効率性に役立つ可能性があり、時間の浪費ではなく節約になるとしています。
時間を節約できるかどうかは、あなた次第です。

ハーバード大学で組織行動学を研究している
エイミー・エドモンドソン教授(Amy C. Edmondson)の

・TEDトーク
・恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
image.png

を参考にしました。

次に続く
組織の力学【心理的安全性シリーズ 2/3】
https://qiita.com/kimuni-i/items/8d4268442ba2d21d8af4

ダイバーシティーインクルージョンとは?【心理的安全性シリーズ 3/3】
https://qiita.com/kimuni-i/items/c84777691aaf06e20461

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