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Junoscriptを使ってみよう #1 ConfigにCommitしたユーザを埋め込もう

Last updated at Posted at 2015-12-30

はじめに

Junoscriptを使ってみよう ということで、簡単なJunoscriptの例を紹介していきます。

Junoscriptとは、Junosルータ上で動作するスクリプト環境で、動作するタイミングによってCommit Script(設定のコミット時に動作)とOp Script(任意のタイミングで動作)、Event Script(何らかのイベントに応じて動作)に分かれます。
Junoscriptを記述する言語として、XSLTとSLAXという2つの言語が存在しますが、今後の記述はSLAXに統一して行います。
詳しくは、公式ドキュメントを参照してください。

さて、先日 Junosの自動バックアップ機能であるConfiguration Archival機能をご紹介しました
普段、JunosのConfigをshow configurationsコマンド等で表示すると、Configの先頭に ## Last commit: 2015-12-31 00:23:45 JST by kazubu などといった形で、コミットしたユーザ名が表示されます。しかしながら、Configuration ArchivalによってバックアップされるConfigには、この行は含まれません。
そこで、今回は、Commit Scriptを用いて、Configの中にCommitしたユーザ名をコメントとして埋め込む事により、Configの履歴管理をより使いやすくしていくことを考えます。

環境

今回紹介するスクリプトは、以下の環境にて動作確認を行っています。

  • SRX 12.1X46-D40
  • vMX 14.1R5.4
  • vMX 15.1F3.11
  • vMX 15.1F4.15

SLAXについて

前述したとおり、JunoscriptはXSLTまたはSLAXによって記述されます。
歴史を遡ると、Junoscriptは当初、XSLTによってのみ記述が可能でした。しかし、XSLTはXMLによってXML文章を操作する為の言語であり、人間にとっては可読性が高くなく、記述しにくいという点がありました。そこで用意されたのがSLAXです。
SLAXは、Juniperによって開発された、XSLTと同等の操作をC/Perlライクな記述で可能にするためのXSLTのサブセットであり、XSLTと相互に変換が可能です。SLAXによって、比較的簡単にJunoscriptを記述することが可能になりました。

SLAXを学習するにあたっては、This Week: Applying Junos Automation という入門書が用意されていますので、ご興味のある方はぜひ読んでみることをおすすめします(要Juniperアカウント)。

ConfigにCommitしたユーザを埋め込もう

それでは早速、標題のスクリプトをご紹介します。
次のスクリプトでは、以下の処理を行います。

  1. ユーザ名と(あれば)コミットコメント、バージョンを変数に格納
  2. コミットコメントがない場合、"commiter: ユーザ名" というコメントをversion節に対して記載
  3. コミットコメントがあった場合、"commiter: ユーザ名;comment: コメント" というコメントをversion節に対して記載
commit-user-annotate.slax
version 1.0;
/* Import namespaces */
ns junos = "http://xml.juniper.net/junos/*/junos";
ns xnm = "http://xml.juniper.net/xnm/1.1/xnm";
ns jcs = "http://xml.juniper.net/junos/commit-scripts/1.0";
import "../import/junos.xsl";

/* For configuration script */
match configuration {
        var $cuser = $junos-context/user-context/login-name;
        var $ccomment = $junos-context/commit-context/commit-comment;
        var $version = version;

        /* Is commit comment empty? */
        if( jcs:empty ($ccomment)) {
                /* Create annotate which includes committer username */
                var $annotate = "committer:" _ $cuser;
                /* Make a change for configuration to include an annotate */
                <change> {
                        <junos:comment> $annotate;
                        <version> $version;
                }
        } else {
                /* Create annotate which includes committer username and commit comment */
                var $annotate = "committer:" _ $cuser _ ";comment:" _ $ccomment;

                /* Make a change for configuration to include an annotate */
                <change> {
                        <junos:comment> $annotate;
                        <version> $version;
                }
        }
}

実際に動かしてみるには、このスクリプトを、/var/db/script/commit/の中にcommit-user-annotate.slaxとして配置し、以下の設定を投入します。

set system scripts commit file commit-user-annotate.slax

Commitを行った後にConfigを見てみると、

kazubu@r1> show configuration
## Last commit: 2015-12-31 03:25:49 JST by kazubu
/* committer:kazubu */
version 15.1F4.15;
system {
    host-name r1;
    domain-name lab.kazubu.jp;
...

といった感じで、設定の先頭行にコミットした人の名前が自動的に埋め込まれます。
コミット時にコメントを書いた場合は、以下のようになります。

kazubu@r1# commit comment "deleted interface ge-X/Y/Z"
commit complete

[edit]
kazubu@r1# show
## Last changed: 2015-12-31 04:08:09 JST
/* committer:kazubu;comment:deleted interface ge-X/Y/Z */
version 15.1F4.15;
system {
...

これにより、Git等でのConfigの履歴管理が捗ります。やったね!

さいごに

今回は、極々簡単なJunoscriptを紹介してみました。Junoscriptを使うとこのように、簡単にJunosを拡張することが可能です。
ネタを思いついたら今後も書いてみようかと思いますので、良いネタを思いついた人は、是非コメントで教えてください。

それではまた!

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