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EvernoteからObsidianへの移行ガイド

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Last updated at Posted at 2026-07-12

Evernoteからの移行は「エクスポート → インポート → タグ整理 → GUI/管理方法の調整 → NAS同期」の順で進めるとスムーズです。この記事では、それぞれの手順を「なぜそうするのか」「つまずきやすいポイント」も含めて詳しく解説します。

はじめに

Evernote歴15年、ノート数4,000以上の私が、EvernoteからObsidianに移行した経験をまとめました。

度重なる値上げや仕様変更もあり、これまで何度も移行先を検討しては頓挫していましたが、やっと移行先が見つかりました。Obsidianです。Obsidian自体もこれまで数回試していたのですが、いまいちフィーリングが合いませんでした。しかし、AIプラグインが複数登場したことや、NASと連携させることでスマホでもPC側のObsidianデータを共有できるようになったことから、本気で移行を進めました。

💡 Obsidianを知らない人向けに一言:Obsidianは、ノートを「Markdown形式のテキストファイル」としてローカルに保存するノートアプリです。クラウドのアプリと違い、ファイルは自分のPC上にあるので、サービスが終了してもデータが消える心配がありません。この「自分のファイルとして残る」という点が、Evernoteのような値上げ・改悪リスクのあるクラウドサービスからの移行先として選ばれる大きな理由です。

1. Evernoteからのエクスポート(ENEX)

まず、Evernote側のデータを「ENEX(.enex)」という形式で書き出します。ENEXはEvernote独自のXMLベースの書き出しフォーマットで、ノート本文・添付ファイル・タグ・作成日時などをまとめて1つのファイルに保存できます。

注意点:エクスポート機能はデスクトップ版のEvernoteアプリでのみ利用できます。Web版のEvernoteにはエクスポート機能がないため、ブラウザだけで作業している方は、先にデスクトップアプリをインストールしてください。

手順は以下の通りです。

  1. デスクトップ版Evernoteを開き、左メニューの「ノートブック」一覧を開く
  2. 各ノートブックの「…」(その他操作)→「ノートブックをエクスポート」
  3. 形式は ENEX (.enex) を選択
  4. 保存先を指定してエクスポート

ポイント:ノートブックごとに1ファイルずつエクスポートするのが基本です。もし「スタック」(Evernoteのノートブックのグループ化機能)を使っている場合、Obsidian側でもフォルダ階層として再現できます。その場合はエクスポートしたファイル名を

スタック名@@@ノートブック名.enex

の形式にリネームしておくと、インポート時に スタック名/ノートブック名/ というフォルダ構造で自動的に復元されます(これはObsidian公式のImporterプラグインが認識する命名ルールです)。例えば「Stack1」というスタックの中に「NotebookA」というノートブックがある場合、ファイル名を Stack1@@@NotebookA.enex にリネームすると、Stack1/NotebookA/ フォルダの中にノートが作られます。

2. Obsidianへのインポート(公式Importerプラグイン)

Obsidianには、Evernote・OneNote・Apple Notes・Notionなど他アプリからのデータ移行を助ける公式プラグイン「Importer」が用意されています。Evernoteのインポートは、内部的に「YARLE(Yet Another Remarkable Evernote Exporter)」というオープンソースのライブラリを使ってENEXファイルをMarkdownに変換する仕組みになっています。

  1. Obsidianの設定 →「コミュニティプラグイン」を有効化(初期状態では制限モードがONになっているので、これをOFFにする必要があります)
  2. 「Importer」(Obsidian公式プラグイン)を検索してインストール・有効化
  3. コマンドパレット、またはリボンアイコンから「Importer」を開く
  4. File formatで Evernote (.enex) を選択
  5. 先ほどのENEXファイル(またはフォルダごと)を選択してインポート実行

添付画像・PDFなどは自動的に抽出され、_resources フォルダ配下に保存されます。ノートの作成日時・更新日時も維持されます。

⚠️ 注意:ImporterプラグインのEvernote機能は、PC本体のファイルシステムに直接アクセスする仕組みのため、デスクトップ版Obsidianでのみ動作します。iPhone/AndroidのObsidianアプリ単体ではEvernoteのインポートはできないので、必ずPCで作業しましょう。

ノート数が多い場合(数千件など)は、インポートに時間がかかります。画面に進捗(インポート済み件数・残り件数・失敗件数)が表示されるので、途中で失敗したノートがないか確認しておくと安心です。

3. タグの移行時の注意

ここが移行作業の中で一番つまずきやすいポイントです。

なぜタグの階層が消えるのか

ENEXファイルの仕様上、Evernoteの「親タグ/子タグ」という階層構造の情報は保持されません。エクスポートすると、すべてのタグがフラット(階層なし)な一覧になってしまいます。これはObsidianのImporter側の制限ではなく、ENEXというファイル形式そのものの仕様です。

対策1:Evernote側で先に対処する(おすすめ)

実はObsidian公式ドキュメントでも案内されている方法として、エクスポートする前に、Evernote側で子タグの名前を「親タグ名/子タグ名」の形にリネームしておく、というやり方があります。

例えば「仕事」というタグの下に「会議」という子タグがある場合、Evernote上で「会議」タグを右クリックして「名前を変更」を選び、「仕事/会議」という名前に変更しておきます。こうしておけば、エクスポート→インポートの過程でタグ名の文字列(仕事/会議)はそのまま保持されるため、Obsidian側で追加の作業をしなくても、Obsidianが / 区切りを階層タグとして自動認識してくれます。

対策2:インポート後にObsidian側でリネームする

Evernote側で先にリネームするのを忘れた場合や、タグ数が多すぎて事前準備が大変な場合は、インポート後にObsidian側で

親タグ/子タグ

の形に一括リネームすることでも階層を復元できます。この作業は、後述する「Tag Wrangler」プラグインを使うと、GUI上でタグ名を変更するだけで済むので楽になります(デフォルトの一覧では手作業のリネームになりますが、タグ数が多い場合は正規表現置換や簡単なスクリプトでの一括処理も検討してください)。

4. Evernote風のGUI・管理方法を再現する

Obsidianは初期状態だと、Evernoteの「3ペイン(ノートブック一覧/ノート一覧/本文)」とは見た目がかなり異なります。近づけるなら、以下のコア機能(Obsidianにあらかじめ内蔵されている標準プラグイン)の設定がおすすめです。

Evernoteの要素 Obsidianでの対応
ノートブック フォルダ(左サイドバーの「ファイルエクスプローラー」コアプラグイン)
ノートブックスタック フォルダの中のサブフォルダ(前述の@@@命名で自動生成済み)
タグパネル 「タグ」コアプラグイン(左サイドバーにタグ一覧をツリー表示)
ショートカット(お気に入り) 「ブックマーク」コアプラグインでノート/フォルダ/検索をピン留め
ノート一覧(更新日順) ファイルエクスプローラーの並び替えを「更新日時」に設定、または検索結果・ノート一覧を利用
全文検索 コアプラグイン「検索」で十分だが、より高機能にしたい場合はコミュニティプラグイン「Omnisearch」
ノート本文編集(リッチテキスト風) 設定 → エディタで「実時間プレビュー(Live Preview)」をオンにすると、Markdown記法を書きながらほぼWYSIWYGに近い見た目になる

コアプラグインは、設定画面の「コアプラグイン」からON/OFFを切り替えられます。まずはこれらを有効にするだけでも、だいぶEvernoteに近い操作感になります。

3ペインレイアウトを維持したい場合は、左に「ファイルエクスプローラー+タグ」、中央に「検索結果 or ノート一覧」、右に「エディタ」という配置でタブをピン留めしておくと、Evernoteの操作感にかなり近づきます。

5. Evernote風プラグイン

ここからはコミュニティプラグイン(サードパーティ製の拡張機能)の紹介です。導入は共通して「設定 → コミュニティプラグイン → 閲覧 → 該当プラグインを検索してインストール → 有効化」の流れです。

プラグイン 用途 補足
Notebook Navigator(特におすすめ) Evernote/Apple Notes/Bear風の2ペイン表示に、標準のファイルエクスプローラーを置き換える。ノートのプレビューやサムネイル表示も可能 設定項目名はバージョンによって変わることがあります。「ノートのプレビュー表示」や「開いているノートをツリーで自動的に選択状態にする(Auto-reveal active file)」といった項目を探して有効化するとよいでしょう
Editing Toolbar WordのようなツールバーをObsidianに追加し、太字・チェックリスト・ハイライトなどをワンクリックで挿入できる ⚠️ 見た目はリッチテキストエディタ風ですが、実際にはボタンを押すとMarkdown記法(**太字** など)が自動入力される仕組みです。裏側は普通のMarkdownファイルのままなので安心してください
Tag Wrangler タグの改名・統合・階層化がGUI上で簡単にできる(Evernoteのタグツリー操作に近い感覚) 前述のタグ階層復元作業で活躍します
Templater Evernoteの「定型ノート」に相当するテンプレート機能 Templatesフォルダにテンプレートを作成。設定でTemplate folder = Templates、Trigger on new file = ON にしておくと、新規ノート作成時にテンプレートを自動適用できます
QuickAdd ホットキー一つでどこからでもInboxノートにメモを追加できる(Evernoteの「クイックノート」代替) 例:Ctrl + Shift + N を割り当てておくと便利
Tasks タスクに期限を付けられる(Evernoteのリマインダー機能の代替) 例:📅 2026-06-25 と書くだけで期限付きタスクとして認識される
Dataview ノートをデータベースのように一覧・集計できる(Evernoteの「タグで絞り込み」の上位互換) 例:特定のタグが付いたノートを自動的に一覧表示するInboxノートを作る、など
Omnisearch 全文検索を高速化するプラグイン Notebook Navigatorの検索機能と連携させることも可能
TagMany フォルダ単位で複数ノートに一括タグ付けできる 対象フォルダを右クリック →「Tag all Notes in this Folder」を選択し、カンマ区切りでタグを入力する仕組み。Evernoteから来た大量ノート(例:700件)の整理に有用。ただしルートフォルダには使えない、Canvasファイルには非対応という制限があります
Obsidian Web Clipper(ブラウザ拡張) 公式のブラウザ拡張機能(Evernote Web Clipperの代替) Webページの内容をMarkdownとして直接Vaultに保存できます。サイトによっては整形が崩れることがあります。保存先やテンプレートは拡張機能側の設定で指定します

Evernote風レイアウトの一例

  • 左ペイン:Notebook Navigator(フォルダ・タグの一覧)
  • 右ペイン:Dataviewで作ったInboxノート(未整理ノートの一覧)
  • 下部:タグペイン

6. NASを使ったPC・スマホ連携

NASをTailscale経由でObsidianと接続し、「Remotely Save」プラグインを使ったWebDAV同期で運用する構成が、この移行後のVaultにもそのまま使えます。

⚠️ 前提として:Remotely Saveは非公式のコミュニティプラグインです(Obsidian公式の同期サービスではありません)。公式サポートがない分、設定を誤るとデータを失うリスクもあるため、運用を始める前に必ずVault全体を別の場所にバックアップしてください。これはプラグインの開発者自身も強く推奨している注意点です。

NAS側の準備

  • Synology DSMで「WebDAV Server」パッケージをインストール・有効化(HTTPS推奨)
  • 共有フォルダを作成し、同期専用アカウントに読み書き権限を付与

Tailscaleでの接続経路確保

  • PC・NAS・スマホすべてを同じ Tailnet に参加させる
  • これにより外出先からもNASのIPに直接WebDAVアクセスが可能(ポート開放不要)

PC側(Windows)

  • Vaultをファイルエクスプローラー(コアプラグイン)で表示するフォルダに配置
  • 「Remotely Save」プラグインをインストールし、WebDAVの接続先URLに https://***.***.***.***:*****/Vault名(ポートはDSM設定に合わせる)を設定
  • 同期方式は「双方向同期」を選択

スマホ側(iPhone)

  • Obsidianアプリをインストールし、新規Vaultを作成
  • 同じくRemotely Saveプラグインを入れて、PC側と同一のWebDAV接続情報を設定
  • 初回同期でPC側のVaultの内容がスマホに反映される

運用のコツ・仕様上の注意点

  • 自動同期の間隔を短め(数分おきなど)に設定しておくと、複数端末での編集がかぶりにくくなります
  • 自動同期はObsidianアプリを開いている間しか動きません。バックグラウンドでの自動同期はできない仕様なので、「スマホで編集したのにPCで反映されない」と思ったら、まずObsidianを開いて手動同期(サイドバーの円形矢印アイコン、または反対向きの2つの半円アイコン)を試してください
  • コンフリクト(同じファイルが複数端末でほぼ同時に編集された場合)が発生すると、Remotely Saveの無料版では「新しい方を残す」か「サイズが大きい方を残す」かをユーザーが選ぶ形で通知されます。ファイルを自動的に分けて両方残してくれるわけではないので、選択を誤ると片方の編集内容が失われる可能性がある点に注意してください(両方を自動保存・自動マージしてくれる「Smart Conflict」機能は有料のPRO版限定です)
  • 自動同期が失敗した場合、エラーが表示されず静かに失敗する仕様になっているので、時々は手動で同期ボタンを押して正常に動いているか確認する習慣をつけると安心です

この構成であれば、クラウドサービス(Obsidian Sync等)を使わずにNASだけで完結でき、データも自分の管理下に置けます。

最後に

Notion、UpNoteなどいろいろ試しましたが、いずれも「痒い所に手が届かない」感覚が拭えず、結局長続きしませんでした。それに対して今回のObsidian+プラグインの組み合わせは、自分好みに細かくカスタマイズできる分、Evernoteの移行先として、ようやくなんとかやっていけそうな手応えを感じています。

まだ移行後1か月ということもあり、今後タグの整理や運用ルールを詰めていく中で新たに見えてくる課題もあると思います。落ち着いた頃にまた、実際に使ってみての感想や、ここに書いた手順のその後のアップデートなどを書きたいと思います。

そして何より、月額・年額課金の一切ないランニングコスト0円で運用できる点が、自分にとっては最大のメリットです。Evernoteのように「値上げのたびに乗り換えを検討する」というストレスから解放されるだけでも、今回の移行には十分な価値があったと感じています。

2026/10/02追記

運用に困っていることはないですが、強いて言うとPCとスマホの連携である「Remotely Save」の反映がうまくいかないケースが多々あるので、その点はマイナスです。 NotionやEvernoteにその点は劣っているかなと思いますが無料なので、少し我慢かなと思います。

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