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Exastro IT Automation ver1.6.0のキホンの"キ"

Last updated at Posted at 2020-12-14

#関連リンク

#はじめに
2020/11/25にExastro IT Automation Ver1.6.0(以下ITAver1.6.0)がリリースされました。

ITAver1.6.0で追加された機能として、主に以下の4点があります。

  • メインメニュー画面にWidgetを配置することができ、リンクや画像も配置可能になった。
  • アクセス権がロール・メニュー紐付管理のメニュー単位での管理に加え、レコード単位での管理となった。
  • パラメータシートのカラムにパスワード、フィルアップロード、リンクが作成できるようになった。
  • サーバなどの機器へパラメータを収集するplaybookを実施し、収集した値をパラメータシートに自動登録することができるようになった。

本記事ではExastro IT Automation ver1.5.0のキホンの"キ"を参考に、ITAver1.6.0で進めようと思います。
また、Conductor実施時には(簡単にですが)分岐機能を使っての処理を追加してみたいと思います。

###作業環境

2台のターゲットサーバにそれぞれ異なるディレクトリを作成します。

図1-1.png

  • Exastro IT Automation 1.6.0
  • CentOS Linux 7.8(ITAサーバ用)
  • CentOS Linux 7.8(ターゲットマシン用)×2
  • Windows 10(クライアント)
  • Google Chrome 83.0.4103.116(Win10側)

#今回紹介するシナリオ

まず、Playbookを実行できるようにし、パラメータシートとPlaybookの変数を紐付けを行います。
次に、CMDBにパラメータシートを設定し、データを登録します。
そして、高度なジョブフロー(Conductor)を実行します。

【仕込編】1. Playbookをアップロードしてジョブ(Movement)に紐付ける
【仕込編】2. ジョブ(Movement)をジョブフロー(Conductor)に組み込む
【仕込編】3. CMDBにパラメータシートを設定
【仕込編】4. パラメータシートの項目とPlaybookの変数の紐づけ
【仕込編】5. ITAのCMDBの機器一覧(デフォルト)にターゲットとなるLinuxマシンを登録
【実行編】6. 作業名(Operation)の登録
【実行編】7. パラメータシートにデータを登録
【実行編】8. ジョブフロー(Conductor)の実行
【実行編】9. 実行結果の確認

図1.png

今回は以下のPlaybookを利用します。

mkdir.yml
- name: Make Directory
  file:
    path: "{{ VAR_dir_name }}"
    owner: "{{ VAR_owner }}"
    group: "{{ VAR_group }}"
    mode: "{{ VAR_mode }}"
    state: directory
error_output.yml
- name: Error Output
  shell: echo "`date '+%Y/%m/%d %H:%M:%S'` failed to make directory "{{ VAR_dir_name }}"" >> /tmp/error_log

##【仕込編】1. Playbookをアップロードしてジョブ(Movement)に紐付ける
###1.1 Movementを登録
「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「Movement一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録したデータは以下です。

Movement名 ホスト指定形式
ディレクトリ作成 IP
エラーファイル出力 IP

図2.png

ITA 1.6.0で追加されたアクセス権
ITA1.5.0以前では、メニュー単位でのアクセス権管理(ロール・メニュー紐付管理)のみとなっていましたが、 ITA1.6.0から登録するレコード単位でアクセス権の設定が可能となっています。 ![図4-2.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/761097/31465ce8-79e5-8aca-4e89-bb11e573d555.png)

###1.2 Playbookアップロード
「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「プレイブック素材集」メニュー
を選択し、用意したmkdir.ymlerror_output.ymlをプレイブック素材にアップロードを行います。

登録するデータは以下です。

プレイブック素材名 プレイブック素材
mkdir mkdir.yml
error_output error_output.yml

図3.png

ファイルをアップロードするときのハマりどころ
playbookをアップロードする際には、事前アップロードボタンを押してから登録ボタンを押す必要があります。 ![図4.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/761097/4fe5bd34-d81e-2bbf-82d4-c4ac634a5920.png)

###1.3 アップロードしたplaybookをMovementに紐付け
「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「Movement詳細」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

Movement プレイブック素材 インクルード順序
1:ディレクトリ作成 mkdir 1
2:エラーファイル出力 error_output 1

図5.png

**

インクルード順序って何?

今回のシナリオでは1ジョブ(Movement)に対して1つのplaybookを紐付けましたが、
1つのジョブ(Movement)に複数のplaybookを紐づけられます。
playbookが様々なジョブ(Movement)に再利用できます。
図5-2.png
**

##【仕込編】2. ジョブ(Movement)をジョブフロー(Conductor)に組み込む
「Conductor」メニューグループ >> 「Conductorクラス編集」メニュー
を選択し、Nameを設定し、右側のMovementタブから作成したMovementをドラッグ&ドロップします。
今回のシナリオでは2つのMovementを扱い、エラー時の動作も準備します。
functionタブには条件分岐や別のジョブフロー(Conductor)を呼び出す部品群がありますので、作成したいジョブフロー(Conductor)に合わせて利用することが可能となっています。

図6.png
図6-2.png

##【仕込編】3. CMDBにパラメータシートを設定

ところで、ITAのメニューグループとメニューの関係について、改めて整理してみました。
下図のように、メニューグループ内にたくさんのメニューが入っていて、
メニュー=パラメータシートと考えてよいと思います。

図7.png

今回、新しいパラメータシートを設定する、つまりメニューを作ることになります。
作成するメニューにはその置き場となるメニューグループが必要ですので、
まずはメニューグループを登録します。
それから、メニュー(=パラメータシート)を設定します。

図8.png

詳しくは、ITAの利用手順マニュアル メニュー作成機能を参照ください。

###3-1. パラメータシートのメニュー名を定義する
「メニュー作成」メニューグループ >> 「メニュー定義/作成」メニュー
を選択し、登録します。

下記図の②で登録するデータは以下です。

メニュー名 作成対象 表示順序
ディレクトリ設定 パラメータシート(ホスト/オペレーション含む) 1

図12.png

下記図の⑦で登録するデータは以下です。
単一行以外の表記については、利用手順マニュアル メニュー作成機能に記載がありますが、今後、パラメータシートの作成詳細編を記事公開したいと思います。

項目名 入力方式 最大バイト数
path 文字列(単一行) 32
owner 文字列(単一行) 32
group 文字列(単一行) 32
mode 文字列(単一行) 32

図13.png


###3-2. 作成したパラメータシートを確認する

「メニュー作成」メニューグループ >> 「メニュー作成履歴」メニュー
から作成したパラメータシートを確認します。

図14.png

メニューを再作成するときのハマりどころ
既存のメニューに対してメニュー作成開始ボタンを押下すると、メニューの再作成として、登録済みのデータは削除されます。

##【仕込編】4. パラメータシートの項目とPlaybookの変数の紐付け
パラメータシートの項目とPlaybookの変数を紐付けます。
一度紐付け設定を行っておけば、パラメータシートにデータを登録するだけで、Playbook実行時に登録データが利用できます。

「Ansible-Legacy」メニューグループ >> 「代入値自動登録設定」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

メニューグループ:メニュー 項目 登録方式 Movement Value変数
変数名
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/path Value型 1:mkdir 1:VAR_dir_name
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/owner Value型 1:mkdir 2:VAR_owner
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/group Value型 1:mkdir 3:VAR_group
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/mode Value型 1:mkdir 4:VAR_mode
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/path Value型 2:error_output 5:VAR_dir_name

図15.png

##【仕込編】5. ITAのCMDBの機器一覧(デフォルト)にターゲットとなるLinuxマシンを登録
「基本コンソール」メニューグループ >> 「機器一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

HW機器種別 ホスト名 IPアドレス ログインユーザID ログインパスワード
管理
ログインパスワード Legacy/Role利用情報
認証方式
SV target101 10.197.18.77 root ******** パスワード認証
SV target102 10.197.18.79 root ******** パスワード認証

図16.png

##【実行編】6. 作業名(Operation)の登録
「基本コンソール」メニューグループ >> 「投入オペレーション一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

オペレーション名 実施予定日時
ディレクトリ作成作業 2020/12/04 12:00

図17.png

##【実行編】7. パラメータシートにデータを登録
いよいよターゲットマシンに設定するデータの登録を行います。
データの登録先は前の手順で設定したパラメータシートです。

「入力用」メニューグループ >> 「ディレクトリ設定」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

|ホスト名|オペレーション|path|owner|group|mode|
|:---:|:---:|:---:|:---:|:---:|:---:|:---:|
|target101|2020/12/04 12:00_1:ディレクトリ作成作業|/work1|root|root|0644|
|target102|2020/12/04 12:00_1:ディレクトリ作成作業|/work2|root|root|0755|

図18.png

##【実行編】8. ジョブフロー(Conductor)の実行
最後に、ターゲットマシンへ登録データを設定します。

「Conductor」メニューグループ >> 「Conductor作業実行」メニュー
を選択し、作成したジョブフロー(Conductor)と作業名(Operation)のラジオボタンを選択し、実行ボタンをクリックします。

図19.png

ジョブ(Movement)を選択し、右側のOperation statusをクリックすると詳細を確認することができます。
詳細画面のInputDataから実行時のplaybook一式(host_varsやinventryを含む)をダウンロードできます。
また、ResultDataから実行結果をダウンロードできます。

図20.png

ジョブフロー(Conductor)が正常終了すると、以下の画面が表示されターゲットマシンへの設定も完了です。

図21.png

ディレクトリ作成が失敗した場合、条件分岐が行われエラーファイル出力が実行されます。
図22.png

##【実行編】9. 実行結果の確認
パラメータシートに登録したデータが反映できているか確認しました。
ターゲットマシンに接続して、作成したディレクトリを確認しました。

target101
$ ll / | grep work
drw-r--r--   2 root root    6 Dec  4 21:17 work1
target102
$ ll / | grep work
drwxr-xr-x   2 root root    6 Dec  4 21:17 work2

パラメータシートに登録したデータが設定されていることを確認できました。

ディレクトリ作成が失敗した場合には、エラーファイル出力が実行され、エラーログが出力されます。

$ cat /tmp/error_output
2020/12/04 21:17:30 failed to make directory /work1

#まとめ

Exastro IT Automation ver1.5.0のキホンの"キ"をITAver1.6.0で実施してみました。

今回はシンプルなシナリオに、成否での分岐機能を追加してみましたが、
Conductorには、平行処理機能や一時停止機能、
他のジョブフロー(Conductor,Symphony)呼出など様々な機能があります。
それらを組み合わせることで、より複雑な作業を自動化できると考えています。

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