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Exastro IT Automation ver1.5.0のキホンの"キ"

Last updated at Posted at 2020-08-12

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はじめに

2020/07/31にExastro IT Automation ver1.5.0(以下ITAver1.5.0)がリリースされました。
パラメータシートが感覚的に作成できるようになり、より高度なジョブフローを作成できるConductorが搭載されました。
前回紹介した記事Exastro IT Automationのキホンの”キ”をITAver1.5.0で実施してみたいと思います。
今回の記事でもExastro IT Automation(以下ITAと表記)のWeb画面を使って、CMDBを設定し、Ansible Playbook(以下、playbook)と連動させた自動作業をご紹介します。

playbookを実行するにあたり、ITAに必要なデータを登録する【仕込編】と、実際に実行する【実行編】の両方をご紹介します。
ITAは動作させる1playbookに対して、一度【仕込編】を行えば、その後パラメータを変更して実行する際には【実行編】のみ実施すればよいソフトウェアとなっています。

ITAをまだインストールしていない場合は、関連リンクのExastro IT Automationインストール(v1.5.0)をお試しください。

今回はExastro IT Automationインストール(v1.5.0)で作成したシステム管理者(administrator)で操作します。

作業環境


  • Exastro IT Automation 1.5.0
  • CentOS Linux 7.8(ITAサーバ用)
  • CentOS Linux 7.8(ターゲットマシン用)×2
  • Windows 10(クライアント)
  • Google Chrome 83.0.4103.116(Win10側)

2台のターゲットサーバにそれぞれ異なるディレクトリを作成します。

今回紹介するシナリオ

まず、Playbookを実行できるようにし、パラメータシートとPlaybookの変数を紐付けを行います。
次に、CMDBにパラメータシートを設定し、データを登録します。
そして、高度なジョブフロー(Conductor)を実行します。
新機能のところだけ知りたい方は【仕込編】2. ジョブ(Movement)をジョブフロー(Conductor)に組み込む【仕込編】3. CMDBにパラメータシートを設定を見ていただければよいです。

【仕込編】1. Playbookをアップロードしてジョブ(Movement)に紐付ける
【仕込編】2. ジョブ(Movement)をジョブフロー(Conductor)に組み込む
【仕込編】3. CMDBにパラメータシートを設定
【仕込編】4. パラメータシートの項目とPlaybookの変数の紐づけ
【仕込編】5. ITAのCMDBの機器一覧(デフォルト)にターゲットとなるLinuxマシンを登録
【実行編】6. 作業名(Operation)の登録
【実行編】7. パラメータシートにデータを登録
【実行編】8. ジョブフロー(Conductor)の実行
【実行編】9. 実行結果の確認

図2-2.png

今回は以下のPlaybookを利用します。

mkdir.yml
- name: Make Directory
  file:
    path: "{{ VAR_dir_name }}"
    owner: "{{ VAR_owner }}"
    group: "{{ VAR_group }}"
    mode: "{{ VAR_mode }}"
    state: directory

【仕込編】1. Playbookをアップロードしてジョブ(Movement)に紐付ける

1.1 Movementを登録

「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「Movement一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録したデータは以下です。

Movement名 ホスト指定形式
ディレクトリ作成 IP

図3.png

1.2 Playbookアップロード

「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「プレイブック素材集」メニュー
を選択し、用意したmkdir.ymlをプレイブック素材にアップロードを行います。

登録するデータは以下です。

プレイブック素材名 プレイブック素材
mkdir mkdir.yml

図4.png

ファイルをアップロードするときのハマりどころ

playbookをアップロードする際には、事前アップロードボタンを押してから登録ボタンを押す必要があります。
図5.png

1.3 アップロードしたplaybookをMovementに紐付け

「Ansible-Legacy 」メニューグループ >> 「Movement詳細」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

Movement プレイブック素材 インクルード順序
1:ディレクトリ作成 mkdir 1

図6.png

インクルード順序って何?

今回のシナリオでは1ジョブ(Movement)に対して1つのplaybookを紐付けましたが、
1つのジョブ(Movement)に複数のplaybookを紐づけられます。
playbookが様々なジョブ(Movement)に再利用できます。
図2-7.png

【仕込編】2. ジョブ(Movement)をジョブフロー(Conductor)に組み込む

「Conductor」メニューグループ >> 「Conductorクラス編集」メニュー
を選択し、Nameを設定し、右側のMovementタブから作成したMovementをドラッグ&ドロップします。
今回のシナリオでは1つのMovementを扱うのみなので、高度な機能は利用しませんが、
functionタブには条件分岐や別のジョブフロー(Conductor)を呼び出す部品群がありますので、作成したいジョブフロー(Conductor)に合わせて利用することが可能となっています。

図2-8.png

【仕込編】3. CMDBにパラメータシートを設定

ところで、ITAのメニューグループとメニューの関係について、改めて整理してみました。
下図のように、メニューグループ内にたくさんのメニューが入っていて、
メニュー=パラメータシートと考えてよいと思います。

図2-11.png

今回、新しいパラメータシートを設定する、つまりメニューを作ることになります。
作成するメニューにはその置き場となるメニューグループが必要ですので、
まずはメニューグループを登録します。
それから、メニュー(=パラメータシート)を設定します。

図12.png

詳しくは、ITAの利用手順マニュアル メニュー作成機能を参照ください。

3-1. パラメータシートを所属させるメニューグループを用意する

「管理コンソール」メニューグループ >> 「メニューグループ管理」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。
後程パラメータシートを作成する際に参照用に所属させるメニューグループも合わせて作成しておきます。

メニューグループ名称 表示順序
サーバ基本設定 1
サーバ基本設定(参照用) 2

図2-13.png

参照用って何?

パラメータシートを作成すると、データ登録するメニューと合わせて参照用のメニューが自動で作成されます。
参照用メニューは閲覧専用のメニューで、データ登録されたメニューに登録されているオペレーション日時から指定した日付における最新の登録データを参照できるメニューです。
ITAでCMDBを作成する際に自動で作成されます。
図14.png

メニューグループのパネル画像を自作できる

メニューグループ管理にはパネル画像を自作する機能がついています。
図2-15.png

詳細は利用手順マニュアル 管理コンソールを参照ください。


3-2. パラメータシートのメニュー名を定義する

「メニュー作成」メニューグループ >> 「メニュー定義/作成」メニュー
を選択し、登録します。

下記図の②で登録するデータは以下です。

メニュー名 作成対象 表示順序 用途
ディレクトリ設定 パラメータシート(ホスト/オペレーション含む) 1 ホスト用

図2-16.png

図2-17.png

下記図の⑦で登録するデータは以下です。
単一行以外の表記については、利用手順マニュアル メニュー作成機能に記載がありますが、今後、パラメータシートの作成詳細編を記事公開したいと思います。

項目名 入力方式 最大バイト数
path 文字列(単一行) 32
owner 文字列(単一行) 32
group 文字列(単一行) 32
mode 文字列(単一行) 32

図2-18.png


3-3. 作成したパラメータシートを確認する

「メニュー作成」メニューグループ >> 「メニュー作成履歴」メニュー
から作成したパラメータシートを確認します。

図2-19.png

メニューを再作成するときのハマりどころ

既存のメニューに対してメニュー作成開始ボタンを押下すると、メニューの再作成として、登録済みのデータは削除されます。

【仕込編】4. パラメータシートの項目とPlaybookの変数の紐付け

パラメータシートの項目とPlaybookの変数を紐付けます。
一度紐付け設定を行っておけば、パラメータシートにデータを登録するだけで、Playbook実行時に登録データが利用できます。

「Ansible-Legacy」メニューグループ >> 「代入値自動登録設定」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

メニューグループ:メニュー 項目 登録方式 Movement Value変数
変数名
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/path Value型 1:mkdir 1:VAR_dir_name
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/owner Value型 1:mkdir 2:VAR_owner
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/group Value型 1:mkdir 3:VAR_group
1:サーバ基本設定:1:ディレクトリ設定 パラメータ/mode Value型 1:mkdir 4:VAR_mode

図21.png

【仕込編】5. ITAのCMDBの機器一覧(デフォルト)にターゲットとなるLinuxマシンを登録

「基本コンソール」メニューグループ >> 「機器一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

HW機器種別 ホスト名 IPアドレス ログインユーザID ログインパスワード
管理
ログインパスワード Legacy/Role利用情報
認証方式
SV target101 10.197.18.77 root ******** パスワード認証
SV target102 10.197.18.79 root ******** パスワード認証

図2-9.png

【実行編】6. 作業名(Operation)の登録

「基本コンソール」メニューグループ >> 「投入オペレーション一覧」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

オペレーション名 実施予定日時
ディレクトリ作成作業 2020/07/20 14:00

図2-10.png

【実行編】7. パラメータシートにデータを登録

いよいよターゲットマシンに設定するデータの登録を行います。
データの登録先は前の手順で設定したパラメータシートです。

「サーバ基本設定」メニューグループ >> 「ディレクトリ設定」メニュー
を選択し、登録します。

登録するデータは以下です。

ホスト名 オペレーション path owner group mode
target101 2020/07/20 13:00_1:ディレクトリ作成作業 /work1 root root 0644
target102 2020/07/20 13:00_1:ディレクトリ作成作業 /work2 root root 0755

図20.png

【実行編】8. ジョブフロー(Conductor)の実行

最後に、ターゲットマシンへ登録データを設定します。

「Conductor」メニューグループ >> 「Conductor作業実行」メニュー
を選択し、作成したジョブフロー(Conductor)と作業名(Operation)のラジオボタンを選択し、実行ボタンをクリックします。

図2-23.png

ジョブ(Movement)を選択し、右側のOperation statusをクリックすると詳細を確認することができます。
詳細画面のInputDataから実行時のplaybook一式(host_varsやinventryを含む)をダウンロードできます。
また、ResultDataから実行結果をダウンロードできます。

図2-24.png

ジョブフロー(Conductor)が正常終了すると、以下の画面が表示されターゲットマシンへの設定も完了です。

図2-25.png

【実行編】9. 実行結果の確認

パラメータシートに登録したデータが反映できているか確認しました。
ターゲットマシンに接続して、作成したディレクトリを確認しました。

target101
$ ll / | grep work
drw-r--r--   2 root root    6 Jul 20 14:49 work1
target102
$ ll / | grep work
drwxr-xr-x   2 root root    6 Jul 20 14:49 work2

パラメータシートに登録したデータが設定されていることを確認できました。

まとめ

前回紹介したExastro IT Automationのキホンの”キ”をITAver1.5.0で実施してみました。
大きく変更となる部分は以下2点です。
・パラメータシートが直観的に作成できるようになった。
・Conductorでより高度なジョブフローを定義できるようになった。

本記事では、【仕込編】と【実行編】という区分を設けて、ITAで新規のplaybookを実行する際に、
登録時に一度だけ行う作業を【仕込編】、繰り返し実行する際に行う作業を【実行編】として記載しました。 

今回実施したシナリオは非常にシンプルなシナリオのため、まだパラメータシートの作成やConductorの機能をご紹介しきれていません。
次回実施するシナリオでは、複雑なplaybookやジョブフローを定義し、それらをどうITAで実現するのかをご紹介したいと思います。

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