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SPSS Modeler18.5の新機能の ネイティブ Python API

Last updated at Posted at 2024-04-15

SPSS Modeler18.5の新機能の ネイティブ Python APIのテストをしてみました。これは、「拡張ノード」のなかでpandasを使ってModelerのデータを読んだり書いたりすることができる機能です。

これは日本からのリクエストが実現したものです。

image.png

Modeler18.4以前でも、拡張ノードでPythonを使うことはできましたが、「Python for Spark」のみでした。Sparkを使っていたために、初回起動時はオーバーヘッドがありました。2回目以降の実行ではあまり気にならないのですが、
また、pandasを使いたい場合には、toPandas()で変換するという面倒さとメモリの無駄遣いがありました。

この記事ではネイティブ Python APIが、どのように利用可能かをテストしてみました。

サンプルストリームは以下です。

  • テスト環境
    • Windows 11 64bit
    • Modeler 18.5
    • Python 3.10.7

各ノードの利用方法は以下の記事に詳しく書きました。

アイコン 拡張ノード
image.png 拡張の入力
image.png 拡張の変換
image.png 拡張のモデル
image.png 拡張の出力
image.png 拡張のエクスポート

バージョンなどの確認

まず「拡張の出力ノード」で、Pythonのバージョンや実体を確認してみます。
「Python」を選択し、「Python Syntax」の欄に以下のスクリプトを記入します。

image.png

# バージョンなどの確認
import sys
import pprint

print('sys.version: '+sys.version)

print('sys.base_prefix: '+sys.base_prefix)

print('sys.path: ')
pprint.pprint(sys.path)

Pythonのバージョンは3.10.7でModelerのインストールディレクトリは配下にある製品同梱のPythonを使っています(Python for Sparkでは別にユーザーが導入したPythonを利用することもできましたが、この機能では製品同梱で固定です)。
image.png

Python for Sparkは引き続き利用可能

Python for Sparkは引き続き利用可能です。
image.png

ネイティブPythonとPython for Sparkとのパフォーマンスの違い

上の単にバージョンを出力するスクリプトを実行した場合で、 ネイティブPythonとPython for Sparkとのパフォーマンスの違いを確認してみたところ、やはり大きな差がありました。Python for Sparkは30-60秒程度の起動のオーバーヘッドがありました。

初回経過秒 二回目経過秒
ネイティブPython 0.63 0.76
Python for Spark 61.22 1.39

image.png

パッケージ導入

パッケージ導入方法は以下の記事に書きました。

ネイティブpythonの拡張ノードでつかうpythonパッケージを導入する

データ型

各データ型がどのように扱われるかについても調べました。

結論からいうと以下のマッピングになっていました。

Modelerデータ型 Pythonデータ型
整数 int64
実数 float64
文字列型 str
日付 datetime.date
タイムスタンプ datetime64[ns]
時間 datetime.time

image.png

image.png

# ネイティブ Python APIのパッケージ
import modelerpy

#Modelerのデータをpandas Dataframeに読込
modelerData = modelerpy.readPandasDataframe()

#Modelerのデータモデルを取得
modelerDataModel = modelerpy.getDataModel()

#データの表示
print("----modelerData----")
print(modelerData)

#データモデルの表示
print("----modelerDataModel----")
for f in modelerDataModel.getFields():
    print(f.getName()+" "+f.getStorage()+" "+f.getMeasure())

#pandasとしてデータ型確認
print("----modelerData----")
print(modelerData.dtypes)
print(type(modelerData['STR'][0]))
print(type(modelerData['DATE'][0]))
print(type(modelerData['TS'][0]))
print(type(modelerData['TIME'][0]))

結果は以下のようになっています。(日本語のコンソール出力が文字化けしていますが、実データは特に化けていません)

----modelerData----
   INT  FLOAT  STR        DATE                  TS      TIME
0    1    1.0  ���{��  2000-01-31 2022-01-31 23:59:59  13:20:58
----modelerDataModel----
INT integer continuous
FLOAT real continuous
STR string flag
DATE date continuous
TS timestamp continuous
TIME time continuous
----modelerData----
INT               int64
FLOAT           float64
STR              object
DATE             object
TS       datetime64[ns]
TIME             object
dtype: object
<class 'str'>
<class 'datetime.date'>
<class 'pandas._libs.tslibs.timestamps.Timestamp'>
<class 'datetime.time'>

テンプレート

「インポート」「変換」「モデル作成」「出力」「エクスポート」それぞれにあわせた拡張ノードのテンプレートが自動的に入るようになっています。

例えば「インポート」の場合ですと以下のスクリプトが自動的に入力されます。

###Use this code to export data from Python to Modeler
#import modelerpy
#if modelerpy.isComputeDataModelOnly():
#    outputDataModel = None
###Compute output data model here

#    modelerpy.setOutputDataModel(outputDataModel)
#else:
#    outputData = None
###Compute output data here

#    modelerpy.writePandasDataframe(outputData)

ちなみにこれも日本からのリクエストが実現したものです

その他

  • コンソールへの日本語出力は現時点では文字化けしています。ただし、データとして扱う分には問題はありません。
  • コンソールは、以前実行の出力が残ってしまうことがあるようです。
  • scikitlearnのモデルはストリーム内に保存されるようになりました。外部のフォルダにpickleで保存する必要はありません。ちなみにこれも日本からのリクエストが実現しました。

参考

SPSS Modeler 18.5リリース #SPSS - Qiita

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