複数のパラメーターを調整して何らかの目標仕様を満たしたいということがあります。
例えば、シリコン量と鉄分の量(パラメーター)を調整して、ある強度(目標仕様)のパーツを作りたいというようなことです。
このようなパラメーター調整をSPSS Modelerを使って行う方法を、3回シリーズで解説しています。
この記事はそのシリーズの①番目の記事です。
以下のような試作品開発、サロゲート・モデル、配合、マテリアルズ・インフォマティクス、プロセス・インフォマティクスなどの分野で活用できます。
ここではCAEのシミュレーターのテスト結果の複数のパラメーターから目標仕様を予測するというシナリオで説明します。
実行動画(動画は、シリーズ①②③をすべてを解説しています。)
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テスト環境
- Modeler 18.5
- Windows 11 64bit
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サンプルストリーム
- サンプルデータ
1.データの読み込み
まず、「CAEdata.csv」からCAEのシミュレーターでの結果を読み込みます。
「P1」から「P27」のパラメーターでシミュレーションを行った結果として「摩擦係数」や「強度」、「コスト」などの目標仕様がどうなったかという結果が記録されています。
2.目標仕様予測モデルの作成
ここではまず「P1」から「P27」を説明変数にして「摩擦係数」を予測するモデルを作ってみます。
「データ型」ノードを接続し、「値を読み込み」をクリックして、「摩擦係数」のロールを「対象」、「P1」から「P27」のロールを「入力」にします。
「1次」のモデル作成ノードを接続し、右クリックで「実行」します。
以下のようにモデルが出来上がりますので、「編集」で内容を見てみます。
「係数」のグラフを開いて「スタイル」を「表」にすると係数に影響をしているパラメータとその係数がわかります。
ここから「摩擦係数」を下げるには「P13」や「P7」を大きくするという手が考えられることがわかります。
3.目標仕様のスコアリング
出来上がったモデルをつかってスコアリングをしてみます。「CAE候補data.csv」をモデルナゲットに接続します。
以下のように「P1」から「P27」のパラメーターのみが入ったデータです。このパラメーターでCAEのシミュレーションを行ったときに、目標仕様である「摩擦係数」がどのくらいになるかを予測できます。、
モデルナゲットに「テーブル」ノードを接続して実行します。
以下のようにこのパラメーターのセットだと1.731の「摩擦係数」になることが予測できました。
このように時間のかかるCAEシミュレーションを行わずに目標仕様を予測することで、時間とコストを削減することができます。
参考
2023春IBMソリューションタイム SPSS Modelerでシミュレーションができるの?!―Modelerで行う最適パラメーター推定―