能書き
自宅サーバー構築譚:基本構想に基づく自宅サーバー構築、Ubuntu22.04LTSインストールその2の続きです。
そろそろ Ubuntu クライアントが欲しくなってきたのですが、とりあえず Windows マシンの Hyper-V に構築する事にしました。私の普段使いの実機が Windows マシンなものでして。
Ubuntu で Hyper-V というと WSL2 がありまして、これは非常に出来が良く、それを流用というのも考えたのですが。Ubuntu デスクトップを実機にインストールする前の手順確認を兼ねて、Hyper-V にインストールする事を決めたのでした。
そして Ubuntu の Hyper-V へのインストールは以前も試みています。今回はサーバーではなくてデスクトップを入れてみます。また、第1世代(BIOS)ではなくて第2世代(UEFI)での構築を試してみます。
参考文献
- 自宅サーバー構築譚:Ubuntu on ZFS in Hyper-V (第1世代)
- Ubuntu 22.04 Root on ZFS - OpenZFS Documentation - OpenZFS
環境
ホストマシン
Windows10Pro です。以前の記事を参照。これで使えるHyper-Vにインストールを試みます。
ゲストマシン
- Hyper-V。上述の通り。
- 第2世代(UEFI起動)
- メモリ: 1024MB、動的メモリを有効にする
- 仮想プロセッサの数: 1
- ハードドライブ: 16GB を1台。実機と違い、ブートローダは仮想 HDD にパーティションを区切って入れる事にしました。
- チェックポイント: どーでもいいんですが、自動チェックポイントは使用しない方向で。
大事なポイント。セキュアブートは無効にしておきます。
インストール環境の整備
暗号化はしない方針です。家庭用なので。
デスクトップインストーラーを起動しsshの環境整備
デスクトップ版のisoを使用します。Ubuntuのサイトからダウンロードします。これはホストマシンに置いておき、ゲストマシンから参照するようにして起動。
GUI インストーラーが立ち上がって Welcome という画面が表示されたら、 TAB キーを押して Try Ubuntu ボタンにフォーカスを移動して(ボタンにオレンジの枠がつきます) Enter キーを押します。
ウィンドウ環境に切り替わったらターミナルを起動しますが、マウス操作またはショートカットキー Ctrl+Alt+T でどうぞ。
主な作業はsshで接続して行いたいので、そのように準備します。sshで接続するのはコマンドをコピペできるから。
ターミナルで下記のコマンドを実行。
sudo apt update
OpenSSHサーバーと、フルのvimをインストール。
sudo apt install --yes openssh-server vim
ssh接続用にユーザー ubuntu のパスワードを設定。
passwd
ssh接続先のIPアドレスを確認します。
ip a
別のマシンから対象のサーバーに ssh してインストール作業を続行
ssh はほとんどのOSで利用可能でしょう。Windows10でもコマンドプロンプトからsshコマンドを実行できます。
ssh ubuntu@接続先のIPアドレス
インストール作業を同じマシンでやり直してたりすると、ここでエラーが出る事があります。そんな時には .ssh\known_hosts
を削除してから、sshコマンドを実行します。
del %USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
rootユーザーになります。
sudo -i
debootstrapとZFSを Live CD 環境にインストールします。
apt install --yes debootstrap gdisk zfsutils-linux
systemctl stop zed
ディスクのフォーマット
フォーマット対象ディスクを確認します。
lsblk
今回は下記のように表示されます。
root@ubuntu:~# lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
loop0 7:0 0 2.1G 1 loop /rofs
loop1 7:1 0 62M 1 loop /snap/core20/1587
loop2 7:2 0 4K 1 loop /snap/bare/5
loop3 7:3 0 163.3M 1 loop /snap/firefox/1635
loop4 7:4 0 400.8M 1 loop /snap/gnome-3-38-2004/112
loop5 7:5 0 91.7M 1 loop /snap/gtk-common-themes/1535
loop6 7:6 0 284K 1 loop /snap/snapd-desktop-integration/14
loop7 7:7 0 45.9M 1 loop /snap/snap-store/582
loop8 7:8 0 47M 1 loop /snap/snapd/16292
sda 8:0 0 16G 0 disk
sr0 11:0 1 3.6G 0 rom /cdrom
loop0
~loop8
はインストーラによる設定でしょうか。
sda
が内蔵HDDです。
sr0
はCR-ROMドライブと思われます。インストーラが入っています。
ディスクの指定にはIDを使います。
ls -l /dev/disk/by-id
これを変数に設定するのがubuntu流らしいですが、ここは私の流儀で取得する事にします。
DISK=$(cd /dev/disk/by-id; ls wwn-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/sda" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done)
スワップパーティションが使用されていない事を確認します。
swapoff --all
仮想 HDD のパーティションを全削除します。
wipefs -a $DISK
パーティションテーブルをクリアします。
sgdisk --zap-all $DISK
ブートローダー パーティションを作成します。
sgdisk -n1:1M:+512M -t1:EF00 $DISK
スワップについて。
参考文献によると、zvolにスワップを置くとデッドロックの危険性があるので非推奨だそうです。バグレポートが上がっているらしい。
しかし Linux ではスワップを有効にした方が、メモリ管理の都合上、良いらしいです。今回はメモリが不足しているという意味もあります。
sgdisk -n2:0:+4G -t2:8200 $DISK
ブートプールパーティションを作成します。
sgdisk -n3:0:+2G -t3:BE00 $DISK
ルートプールパーティションを作成します。
sgdisk -n4:0:0 -t4:BF00 $DISK
設定を確認するコマンドは下記になります。
sgdisk -p $DISK
いよいよzfsフォーマットします。ここが今回最大のコピペポイント!これをコピペする為にssh経由で接続していると言っても過言ではありません。
因みにこのzpool名はbpool
固定らしい。変更したい場合はupdate-grub
後に/etc/grub.d/10_linux_zfs
を修正すればいいらしいのですが、試していません。
※なおインストール2回目以降でエラーが出る際には、コマンドの末尾かどこかに -f
オプションを付加します。
zpool create \
-o ashift=12 \
-o autotrim=on \
-o cachefile=/etc/zfs/zpool.cache \
-o compatibility=grub2 \
-o feature@livelist=enabled \
-o feature@zpool_checkpoint=enabled \
-O devices=off \
-O acltype=posixacl -O xattr=sa \
-O compression=lz4 \
-O normalization=formD \
-O relatime=on \
-O canmount=off -O mountpoint=/boot -R /mnt \
bpool ${DISK}-part3
エラー「not in specified 'compatibility' feature set.」(指定された「互換性」機能セットにない)は無視します。
そしてルートプールを作成します。
こちらのzpool名は何でも良いそうです。zfsの伝統に則ってtank
にしてみました。
zpool create \
-o ashift=12 \
-o autotrim=on \
-O acltype=posixacl \
-O xattr=sa -O dnodesize=auto \
-O compression=lz4 \
-O normalization=formD \
-O relatime=on \
-O canmount=off -O mountpoint=/ -R /mnt \
tank ${DISK}-part4
作成したプール一覧の確認は下記。このコマンドはコピペではなくて zpool list
zpool status
と手打ちでお願いします。別に良いよねこの位は。
root@ubuntu:~# zpool list
NAME SIZE ALLOC FREE CKPOINT EXPANDSZ FRAG CAP DEDUP HEALTH ALTROOT
bpool 1.88G 552K 1.87G - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
tank 9G 504K 9.00G - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
root@ubuntu:~# zpool status
pool: bpool
state: ONLINE
status: One or more features are enabled on the pool despite not being
requested by the 'compatibility' property.
action: Consider setting 'compatibility' to an appropriate value, or
adding needed features to the relevant file in
/etc/zfs/compatibility.d or /usr/share/zfs/compatibility.d.
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
bpool ONLINE 0 0 0
wwn-0x600224809452ff2c57172f8cc7e51667-part3 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
pool: tank
state: ONLINE
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
tank ONLINE 0 0 0
wwn-0x600224809452ff2c57172f8cc7e51667-part4 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
システムのインストール
ディレクトリ構造に合わせたデータセット作成
Linuxのディレクトリ構造については、大昔にちょっと調べただけで実はあんまり良く分かっていません。その為なるべく参考文献通りにしています。
コンテナとして機能するファイルシステムデータセットを作成します。
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none tank/ROOT
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none bpool/BOOT
ルートおよびブート ファイル システムのファイル システム データセットを作成します。
参考文献はUUID(っぽいランダムな6文字)を付加したデータセット名にしていますが、これをやると後々とっても扱いづらくなります。ubuntu以外はインストールしないし、複数インストールもしない予定なので、UUIDは無しの方向にしました。
zfs create -o mountpoint=/ \
-o com.ubuntu.zsys:bootfs=yes \
-o com.ubuntu.zsys:last-used=$(date +%s) tank/ROOT/ubuntu
zfs create -o mountpoint=/boot bpool/BOOT/ubuntu
データセットを作成します。
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs=no -o canmount=off tank/ROOT/ubuntu/usr
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs=no -o canmount=off tank/ROOT/ubuntu/var
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/log
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/spool
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=/ tank/USERDATA
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs-datasets=tank/ROOT/ubuntu \
-o canmount=on -o mountpoint=/root tank/USERDATA/root
chmod 700 /mnt/root
参考文献から、今回必要なデータセットのオプションを選んで設定します。
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib/apt
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib/dpkg
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs=no tank/ROOT/ubuntu/srv
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib/AccountsService
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib/NetworkManager
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/lib/docker
zfs create tank/ROOT/ubuntu/var/www
/run
に tmpfs をマウントします。
mkdir /mnt/run
mount -t tmpfs tmpfs /mnt/run
mkdir /mnt/run/lock
なお/home
はユーザー追加時に作成します。
debootstrap
Ubuntu 22.04 LTS 通称 jammy をインストール。
debootstrap jammy /mnt
終わったら以下のコマンドを実行します。
mkdir /mnt/etc/zfs
cp /etc/zfs/zpool.cache /mnt/etc/zfs/
システム構成
マシン名
まずはホスト名を決めます。
hostname ホスト名
hostname >/mnt/etc/hostname
ネットワーク関連
hostsファイルを修正。
sed -i -e"/^127.0.0.1/a 127.0.1.1\t$(hostname)" /mnt/etc/hosts
netplan のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を作成します。まずはネットワークインターフェイス名を確認。どうやらeth0
のようですな。
root@ubuntu:~# ip addr show
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
link/ether 00:15:5d:38:01:02 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.2.19/16 brd 172.16.255.255 scope global dynamic noprefixroute eth0
valid_lft 84107sec preferred_lft 84107sec
inet6 fe80::be5e:7b3d:412:aedc/64 scope link noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
以前の記事の通りにIPアドレスを割り振ります。今回はDHCPにします。
参考文献:固定IPアドレスの割当(IPv4、IPv6) - Netplanの使い方 - komeの備忘録
cat > /mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml <<___
network:
version: 2
ethernets:
eth0:
dhcp4: true
___
パッケージソース
cat >/mnt/etc/apt/sources.list <<___
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy main restricted universe multiverse
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-updates main restricted universe multiverse
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-backports main restricted universe multiverse
deb http://security.ubuntu.com/ubuntu jammy-security main restricted universe multiverse
___
chroot
Live CD 環境の仮想ファイルシステムをバインドマウントして、上記でセットアップした環境に chroot します( --bind ではなく --rbind を使っていることに注意)。
mount --make-private --rbind /dev /mnt/dev
mount --make-private --rbind /proc /mnt/proc
mount --make-private --rbind /sys /mnt/sys
chroot /mnt /usr/bin/env DISK=$DISK bash --login
chroot 環境内の apt のインデクスを更新します。
apt update
ロケール
en_US.UTF-8 と ja_JP.UTF-8 と、後は個人的な好みで。私は ja_JP.EUC-JP を入れます。
locale-gen --purge en_US.UTF-8 ja_JP.UTF-8 ja_JP.EUC-JP
エディタ
個人的な好みで vi です。
apt install --yes vim
タイムゾーン
参考文献には書かれていませんが、タイムゾーンを設定します。
日本なら Asia/Tokyo です。
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
dpkg-reconfigure -f noninteractive tzdata
EFI ファイルシステム
EFI ファイルシステムを作成します。
apt install --yes dosfstools
mkdosfs -F 32 -s 1 -n EFI ${DISK}-part1
mkdir /boot/efi
echo /dev/disk/by-uuid/$(blkid -s UUID -o value ${DISK}-part1) /boot/efi vfat defaults 0 0 >> /etc/fstab
mount /boot/efi
/boot/grub
を設定します。
mkdir /boot/efi/grub /boot/grub
echo /boot/efi/grub /boot/grub none defaults,bind 0 0 >> /etc/fstab
mount /boot/grub
カーネルイメージなど
Linux のカーネルイメージと ZFS を chroot 環境にインストールします。
apt install --yes grub-efi-amd64 grub-efi-amd64-signed linux-image-generic shim-signed zfs-initramfs zsys
Windowsなど他のOSを入れる予定は無いので、os-proberを削除します。
apt purge --yes os-prober
ここで下記のエラーが出ますが、これは無視して良さそうです。多分。
ERROR couldn't connect to zsys daemon: connection error: desc = "transport: Error while dialing dial unix /run/zsysd.sock: connect: no such file or directory"
rootパスワード
パスワードを設定します。
passwd
スワップを構成
下記コマンドを実行します。
mkswap -f ${DISK}-part2
echo /dev/disk/by-uuid/$(blkid -s UUID -o value ${DISK}-part2) none swap discard 0 0 >> /etc/fstab
swapon -a
tmpfs
次回起動時に tmpfs を /tmp にマウントするようにします。
cp /usr/share/systemd/tmp.mount /etc/systemd/system/
systemctl enable tmp.mount
システムグループ
無くてもいいかなと思ったけれど、一応Ubuntuなので、念の為に作成しておきます。
addgroup --system lpadmin
addgroup --system lxd
addgroup --system sambashare
SSH
SSH をインストールします。
apt install --yes openssh-server
ここでも下記のエラーが出ますな。無視。
ERROR couldn't connect to zsys daemon: connection error: desc = "transport: Error while dialing dial unix /run/zsysd.sock: connect: no such file or directory"
rootログインできるように設定。
sed -i -e"/^#PermitRootLogin /a PermitRootLogin yes" /etc/ssh/sshd_config
GRUB のインストール
ZFSの認識
ZFS のブートファイルシステムが認識されていることを確認します。zfs
と出力されれば OK です。
grub-probe /boot
initrd更新
initrdファイルを更新します。
update-initramfs -c -k all
設定ファイル
メモリのゼロ化を無効にします。
sed -i -e'/^GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=/s/"$/ init_on_alloc=0"/' /etc/default/grub
ブート構成を更新します。
update-grub
ブートローダーをインストール
UEFI 用に GRUB をインストールします。
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=ubuntu --recheck --no-floppy
ZFS のモジュールがインストールされていることを確認します。
ls /boot/grub/*/zfs.mod
grub-initrd-fallback.service
を無効にします。
systemctl mask grub-initrd-fallback.service
ファイルシステムのマウント順序を修正
zfs-mount-generator
を有効にする必要があります。これによりsystemdは個別のマウントポイントを認識します。これは/var/log
や/var/tmp
などにとって重要です。また、rsyslog.service
はlocal-fs.target
を介してvar-log.mount
に依存し、systemdのPrivateTmp
機能を使用するサービスは自動的にAfter=var-tmp.mount
を使うようになります。
……との事。
mkdir /etc/zfs/zfs-list.cache
touch /etc/zfs/zfs-list.cache/bpool
touch /etc/zfs/zfs-list.cache/tank
zed -F &
これらが空でない事をチェックして、キャッシュが更新された事を確認します。
空だった場合の対応は参考文献を参照。
cat /etc/zfs/zfs-list.cache/bpool
cat /etc/zfs/zfs-list.cache/tank
キャッシュにデータが含まれたらzed
を停止します。
fg
(Ctrl-C)
パス/mnt
を除去するように修正します。
sed -Ei "s|/mnt/?|/|" /etc/zfs/zfs-list.cache/*
chroot終了
chroot環境を終了して LiveCD 環境に戻ります。
exit
初回のブート
LiveCD 環境で次のコマンドを実行して、すべてのファイルシステムをアンマウントします。
mount | grep -v zfs | tac | awk '/\/mnt/ {print $3}' | xargs -n 1 -r umount -lf
zpool export -a
なぜかエラーが出ます。原因不明。仕方が無いので放置します。
root@ubuntu:~# zpool export -a
cannot export 'tank': pool is busy
そのままシャットダウン。
shutdown -h now
その後、インストールメディアを取り出して、それからマシンの電源を入れます。
grub
案の定、grubでエラーが出ます。
ここで慌てず騒がず、grubのプロンプトで普通にzpoolをimportします。
zpool import -f tank
exit
今度はちゃんと起動します。
rootログイン
root ユーザーでパスワードを入力してログインします。それからip a
コマンドで IP アドレスを確認。
# ip a
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
link/ether 00:15:5d:38:01:02 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.2.19/16 metric 100 brd 172.16.255.255 scope global dynamic eth0
valid_lft 85993sec preferred_lft 85993sec
inet6 fe80::215:5dff:fe38:102/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
SSH サーバを入れたのでssh
で接続できます。取得した IP アドレスに ssh 接続、root ユーザーでパスワードを入力してログインします。
del %USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
ssh root@172.16.2.19
ユーザーアカウントの作成
ユーザーを作成します。
username=ユーザー名
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs-datasets=tank/ROOT/ubuntu -o canmount=on -o mountpoint=/home/$username tank/USERDATA/$username
adduser $username
cp -a /etc/skel/. /home/$username
chown -R $username:$username /home/$username
usermod -a -G adm,cdrom,dip,lpadmin,lxd,plugdev,sambashare,sudo $username
フルのソフトウェアインストール
ミニマムインストールをアップグレードします。
apt dist-upgrade --yes
デスクトップ用として GUI 環境をインストールします。メモリがしょぼいので、ubuntu-desktop
ではなくてlubuntu-desktop
を選んでみました。
apt install --yes lubuntu-desktop
GUI 環境をインストールする場合は NetworkManager を使用してのネットワーク管理が推奨されています。lubuntu も同じでいいよね、多分。
rm /etc/netplan/01-netcfg.yaml
cat >/etc/netplan/01-network-manager-all.yaml <<___
network:
version: 2
renderer: NetworkManager
___
日本語キーボード配列
サーバーのコンソールで記号を打ってみるとわかりますが、英語配列になっています。日本語配列に変更する手順は以下の参考文献を参照。バージョンは古いですが、画面キャプチャがあるのでわかりやすいです。
参考文献:Ubuntuでキーボードレイアウト変更 - Ragnite Blue
コマンドは下記。
dpkg-reconfigure keyboard-configuration
設定後、次のコマンドを打つ必要があるようです。
setupcon
再起動して確認
reboot
GUI 画面でログインします。
そして色々確認。
- キーボードが日本の配列になっている事。アットマーク @ を打ってみて確認。
- ネットワ-クが有効になっている事。仮想環境など状況によってNICの名称が変わる事があり、その場合は上述の設定
/etc/netplan/01-network.yaml
のNIC名eth0
を変更する必要があります。
ネットワークに関しては、次のようなコマンドを試してみればわかります。
※ example.com はドメインの例示の際に使うべしとRFC2606で定められています。何か適当なサーバーを選んで下さい。
ping -c2 example.com
失敗した場合には、上述のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を修正します。その為のNIC名取得は下記のコマンドで。
参考文献:Linux から認識されている、すべてのネットワークインターフェイス名だけを取得する - Qiita
for d in `find /sys/devices -name net | grep -v virtual`; do ls $d; done
手打ちのコマンドとしてはip a
の方が簡単ですが、上記のコマンドならNIC名だけを取り出せますので自動化が可能です。
root 無効化
引き続き GUI 画面で作業するか、あるいは ssh 接続。
そして root パスワードを無効にします。
sudo usermod -p '*' root
root での SSH ログインを無効にします。
sudo sed -i -e"/^PermitRootLogin/d" /etc/ssh/sshd_config
一度ログアウトして、root ではログインできない事を確認します。
Lubuntu の日本語設定
Lubuntu の日本語化を済ませます。
一般的な Lubuntu 設定なので、ネットを検索していただければそこら中に解説記事があります。
メインメニュー > Preferences > LXQt Settings > Locale
Region で「日本 - 日本語 (ja_JP)」を選択して Close ボタンをクリックします。
確認ダイアログが表示されるので Save ボタンをクリックします。
日本語入力に関しては、なぜか、上手くいきません。
sudo apt install --yes fcitx-mozc
してログアウト→ログインしたのですが、どうしても mozc が有効になりません。
とりあえず当面の作業に支障はありませんので、放置する事にしました。
家庭内DNS
以前のサーバー設定で Unbound を立ち上げています。家庭内ルーターの DHCP などで上手く設定できていれば問題ありませんが、我が家のルーターでは設定できませんでした。
仕方が無いので、クライアントマシンの名前解決の設定を弄ります。
sudo sed -i -e"/^#DNS=/c DNS=172.16.1.3" -e"/^#Domains=/c Domains=home" /etc/systemd/resolved.conf
sudo systemctl restart systemd-resolved
スナップショット
初回インストールのスナップショットを作成しておきます。こういう事をしたいが為にZFSを使うのです。
sudo zfs snapshot -r tank@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_install
スナップショットの一覧を表示して確認します。
zfs list -t snapshot
ただ、どうも、自動的にsnapshotを撮られているようです。apt-getのタイミングなんでしょうかね。自分で手動snapshotした分を表示するには下記コマンドが良さそうです。
zfs list -t snapshot | grep -v autozsys
仕舞い
これで最小限の Ubuntu デスクトップをZFSの上にセットアップできました。
この後は下記の記事に従って整備します。
これで Ubuntu デスクトップ環境(Lubuntu)は一通り構築完了になります。やったね