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自宅サーバー構築譚:LAN内DNSサーバー Unbound・Ubuntu 22.04

Last updated at Posted at 2023-01-28

能書き

自宅サーバー構築譚:基本構想に基づく自宅サーバー構築、Ubuntu22.04LTSインストールのその後です。

以前も同じ内容を書きましたが、22.04になってどうも勝手が変わったようなので、改めて記事を立てます。

※DHCP サーバよりも先に DNS サーバを立てるべきです。

※22.04になってちょっと勝手が変わったような気がしますので、それに対応して参考文献を幾つか追加しました。

参考文献1:Set Up Unbound DNS Resolver on Ubuntu 22.04/20.04 Server参考文献2:第386回 Unboundでお手軽に家庭内DNSサーバーを作ろう - Ubuntu Weekly Recipe
参考文献3:俺様サーバー構築記 - LAN内DNSサーバー Unbound @デスクトップパソコン(BIOS)
参考文献4:Unbound - ArchWiki
参考文献5:自宅サーバを立てる際の家庭内名前解決の落とし穴
参考文献6:Ubuntu 18.04 の systemd-resolved で local DNS stub listener の利用をやめる
参考文献7:Ubuntuで指定されているDNSサーバ 127.0.0.53
参考文献8:ubuntu systemd-resolved で ローカルドメインの解決をする

余談。こんな事もあった模様。

参考文献9:Ubuntu 20.04 その64 - Unboundにアンプ攻撃やDoSの脆弱性・アップデートを -
kledgeb

準備

家庭内ドメイン

自分ちのドメイン名、何にしますか?
一番正しいのはお金を出して買う事です。維持費も掛かります。しかし月に缶ジュース1~2本分も出せば、結構良い奴を維持できます。

ただ、家庭内限定ならロハで .home とかでも良さそうです。会社だったら .corp でしょうか。外部には公開できませんが、家庭内ですし。
我が家は .home に決めました。

因みに .local はやめましょう。

参考文献:TLDにおける名前衝突 (Name Collision)問題 - JPNIC

スナップショット

インストール前にスナップショットを撮りましょう。

zfs snapshot tank/ROOT/ubuntu@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_before_Unbound
zfs snapshot tank/ROOT/ubuntu/var/lib/apt@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_before_Unbound
zfs snapshot tank/ROOT/ubuntu/var/lib/dpkg@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_before_Unbound

起動

インストール

下記コマンドを実行。

apt install -y unbound

インストールできたら/etcをバージョン管理します。

cd /etc
svn st

こうなりました。

# cd /etc
# svn st
?       apparmor.d/local/usr.sbin.unbound
?       apparmor.d/usr/sbin/unbound
M       group
M       gshadow
?       init.d/unbound
?       insserv.conf.d
M       ld.so.cache
M       passwd
?       rc0.d/K01unbound
?       rc1.d/K01unbound
?       rc2.d/K01unbound
?       rc3.d/K01unbound
?       rc4.d/K01unbound
?       rc5.d/K01unbound
?       rc6.d/K01unbound
?       resolvconf
M       shadow
?       unbound
M       zfs/zpool.cache

相変わらずな感じです。

  • apparmorはウイルス対策ソフトの一種と思われる
  • ld.so.cacheはライブラリの場所のキャッシュ
  • アカウントとグループの追加(groupgshadowpasswdshadow
  • init.d 関連と systemd 関連
  • unboundは設定ファイルのディレクトリと思われる
  • resolvconfは何でしょう?

取り敢えず全部追加して更新。

svn st | grep "^?" | cut -b9- | xargs -I{} find {} -type f -or -type d -or -type l | xargs -rt svn add

ちょっと警告が出ます(already under version control)が、こいつは無視して下さい。心配ならsvn stで全部追加されてる事を確認すればOKです。

それからcommitします。

svn ci -m"installed Unbound"

systemd-resolved の設定を変更

こいつはDNSの名前解決をするsystemdサービスです。 IP アドレス 127.0.0.53 のポート 53 で待ち受けています。言いたい事は山程ありますが、それは置いときましょう。以前は放置で問題無かったと思うのですが、今回は放置してはダメでした。対策しないとUnboundが起動しません。

systemd-resolvedを止める方法もあります。

参考文献:Ubuntu 18.04 の systemd-resolved で local DNS stub listener の利用をやめる

ただ、止めなくても何とかなるようですな。

参考文献:Dnsmasq で おうち DNS on Ubuntu 20.04 LTS
参考文献:unbound.conf(5) - 日本Unboundユーザー会

とりあえず下記のように設定ファイルを修正しときます。

  • DNSサーバーとして 172.16.1.3 (現在いじっているサーバーマシン)を指定する
  • 家庭内ドメイン .home を自動で補う
sed -i -e"/^#DNS=/c DNS=172.16.1.3" -e"/^#Domains=/c Domains=home" /etc/systemd/resolved.conf
systemctl restart systemd-resolved

Unbound 設定ファイル

参考文献や上述の/etcに追加されたディレクトリなどから判断して、主な設定ファイルは/etc/unbound/unbound.confです。この中身はinclude: "/etc/unbound/unbound.conf.d/*.conf"というだけの恐ろしく単純な1行、及び英語のコメント。従ってオレオレ設定は/etc/unbound/unbound.conf.dに適当なファイル名で置けば良いのでしょう。

今回は下記のように修正しました。

待ち受けるIPアドレスは、外部からの問い合わせも全部受けるなら0.0.0.0を指定するのが一般的です。が、これを指定するとsystemd-resolvedと衝突して起動に失敗します。そこで172.16.1.3(このマシンのIPアドレス)を指定する事にします。

もしIPアドレスを複数割り当てている場合には、その分だけinterface行を増やせば良いようです。

参考文献:unbound.conf(5) - 日本Unboundユーザー会

cd /etc/unbound/unbound.conf.d/
cat >home.conf <<___
server:
  username: unbound
  verbosity: 1
  interface: 172.16.1.3
  access-control: 172.16.0.0/16 allow
  root-hints: "/etc/unbound/unbound.conf.d/parent.hints"
  include: "/etc/unbound/unbound.conf.d/machines.list"
  hide-identity: yes
  hide-version: yes
remote-control:
  control-enable: no
___
touch machines.list

ルートヒントは、世界的に使用されているグローバル標準 https://www.internic.net/domain/named.cache がある訳ですが。家庭内LANなのでプロバイダが指定してくる物を上位DNSとすれば十分かなと。という訳で、ルートヒントは家庭内LANのルータ172.16.2.1を指定するだけのファイルを用意しました。定期的な更新なんかも不要ですしね。

(2023.05.24. 追加ここから)
どうやら家庭内LANのwifiルータ172.16.2.1を指定すると、思った通りには動かないようです。名前解決が時々できなくなってしまう模様。機種によるのかな?
プロバイダから指定されているDNSサーバーを指定したら上手くいった気がします。読者諸氏におかれましては御注意されたし。
(2023.05.24. 追加ここまで)

cat >parent.hints <<___
.            3600000 NS ROUTER.HOME.
ROUTER.HOME. 3600000 A  172.16.2.1
___

Unbound の設定ファイルを修正したら、文法チェックのツールを実行しておきましょう。

参考文献:unbound-checkconf(8) - 日本Unboundユーザー会

unbound-checkconf

起動

unbound の設定変更時には、systemctl reloadでは駄目でsystemctl restartが必要のようです。権限がどうとか。

systemctl enable unbound
systemctl restart unbound

起動を確認。

systemctl status unbound

外の名前解決を確認。

nslookup example.com

Subversion 登録

一応大丈夫そうなので/etcをコミットしましょう。

cd /etc
svn st | grep "^?" | cut -b9- | xargs -rt svn add
svn ci -m"Unbound initial settings"

内向きDNS

これです。この為に、家庭内名前解決とか面倒臭い事をするんです。

設定

マシン名は/etc/unbound/unbound.conf.d/machines.listに追加します。正引きと逆引きの両方が必要です。後は好きに設定して下さい。

参考文献:2.5 内向きDNS - 2 Unboundのインストール - Unboundで内向きDNSを建てる - 純規の暇人趣味ブログ

cd /etc/unbound/unbound.conf.d/
cat >>machines.list <<___
local-data: "secondary.home. 3600000 IN A 172.16.1.3"
local-data-ptr: "172.16.1.3 3600000 secondary.home."
___
unbound-checkconf

確認

設定ファイルを読み込みます。

systemctl restart unbound

ちょっと確認。別のマシンからnslookupコマンドを実行してみます。

nslookup secondary.home

外部のドメイン名 example.com 等も、引き続ききちんと名前解決できる事を確認します。

nslookup example.com

設定保存

cd /etc
svn ci -m"DNS setting: secondary"

設定:無線 LAN 親機

通常の家庭の場合、無線 LAN の親機がルータや DHCP 等の設定も持っているでしょう。この内 DNS を、我が家で言えば 172.16.1.3 に向けるように設定します。

  1. DHCPサーバから通知するDNSサーバアドレスを設定
  2. DNSルーティング設定とかいう機能で、家庭内で解決する名前のドメイン毎に、Unboundを立てたサーバのIPアドレスを設定

これは機種によって異なります。それぞれのマニュアルを確認して下さい。

ウチは最近になって無線 LAN ルーターを買い替えました。とある有名なゲーミングルーターが安売りしてたので飛びついたのですが、ちょっと失敗だったかも知れません。良いと思っていた機能が無くなってしまったので。その内の一つが、DHCP の設定として DNS サーバーアドレスを指定する機能。残念。

仕方が無いのでクライアントマシン側で設定します。

しかも Windows は、Hyper-V を設定するとネットワーク環境は複雑怪奇になるんですな。しかもそれを解説した記事が出てきません。困った物です。

まずはタスクバー右端の wifi の電波マークを右クリックして、ポップアップメニューから「ネットワークとインターネットの設定を開く」

まずは Winキー>設定>ネットワークとインターネット

ネットワークとインターネット.png

画面左のメニュー>イーサネット>ネットワークと共有センター

イーサネット.png

画面右の接続>vEthernet (wifi)

ネットワークと共有センター.png

vEthernet (wifi)の状態ダイアログが表示されるので、プロパティボタンをクリック。

vEthernet(wifi)の状態.png

vEthernet (wifi)のプロパティダイアログで「インターネット プロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)」を選択し、プロパティボタンをクリック。

vEthernet(wifi)のプロパティ.png

インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティダイアログが表示されます。「次の DNS サーバーのアドレスを使う」ラジオボタンを選択し、優先 DNS サーバーに、今回設定しているサーバーの IP アドレスを入力します。

インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)のプロパティ.png

更にここから詳細設定ボタンをクリック。
TCP/IP 詳細設定ダイアログの「以下の DNS サフィックスを順に追加する」に home を追加すればOKです。

TCPIP詳細設定.png

こうして DNS サフィックスを設定しておけば、後で内向きDNSを設定した時に、secondary.homeではなくてsecondaryだけで名前解決してくれるようになります。

なぜか上手くいきません。

DOSプロンプトからnslookupコマンドを打ってみたのですが、なぜか、名前解決してくれません。はこれで上手くいったんだけどなぁ。

第2引数としてDNSサーバーのIPアドレス 172.16.1.3 を与えると、きちんと名前解決します。従って問題はサーバー側ではなくてWindows側だと思われますが。

困った事にpingコマンドだと正しく名前解決してくれるんですよね。逆だと事例が溢れていますが、このケースは他に無さそうですな。困りました。

けど、ここに拘ってるといつまでも進まないので、放置する事にしました。

仕舞い

これで設定完了となります。やったね:thumbsup_tone2:

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