はじめに
本記事はCData Software Advent Calendar 2025 20日目の記事です。
こんにちは!CDataでコンテンツやWeb開発を担当している加藤です。
先日、『マーケティングをAIで超効率化!ChatGPT APIのビジネス活用入門』という本を読みました。ChatGPTのマーケティング業務への活用を具体例を挙げて詳しく解説しておりとても参考になる内容で、ペルソナ作成や広告文の生成などすぐに活用させてもらいました。
とはいえ、(本書では他の業務システムの連携についてはあまり触れられていなかったので)「他システムのデータを連携できればもっとAIのアウトプットの質を上げられるのに・・・!」と思うユースケースもちらほらありました。
ということで、本記事ではAIがデータにアクセスできるとマーケティング業務の効率化にこんなに役立つよ、ということをお伝えできればと思います。
MCPとは
MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のデータソースやツールに直接アクセスするためのプロトコルです。いわば、「AIをデータにアクセスさせる」ための決まり事です。2024年11月にAnthropicが公開し、現在はClaude DesktopやChatGPTなど多くのAIサービスが対応しています。
マーケターにとってMCPが革命的なのは、AIが自社のデータを自律的に取りに行けるようになるという点です。AIがいくら賢いといっても、AIにまかせたい業務に関連するデータがなければよいアウトプットは生まれないでしょう。MCPを使えば、AIはCRMや各種広告プラットフォーム、アクセス解析などのデータに直接接続し、データ収集から分析、施策提案までを一気通貫で実行できます。MCPについてさらに詳しくはこちらをご覧ください。
MCPが解決するマーケターの課題
冒頭で紹介した『マーケティングをAIで超効率化!』では、競合調査、市場分析、ペルソナ作成、広告文の作成など、ChatGPTの具体的な活用法が多数紹介されています。
しかし、これらの手法には共通の課題があります。
「データ準備」という見えないコスト
本書でも触れられているように、AIにマーケティングタスクを依頼する際は、関連データをプロンプトに含める必要があります。
- ペルソナ作成のために、顧客データをCSVでエクスポートして貼り付ける
- 競合分析のために、Webサイトの情報を手動でコピーする
- 広告パフォーマンスを分析するために、管理画面からレポートをダウンロードする
- メール文案を作成するために、過去の配信データを整理する
せっかく自社にはCRM、サポートシステム、アクセス解析、広告プラットフォームなど豊富なデータがあるのに、それを活かすための準備に時間を取られていてはもったいない。
そして何より、この「手動でデータを集める」プロセスには限界があります。
- 複数のデータソースを横断した分析ができない
- リアルタイムのデータを反映できない
- 毎回同じ準備作業を繰り返す必要がある
MCPによる解決
MCPは、この「データ準備」の課題を根本から解決します。AIがMCPサーバーを通じて各種データソースに直接アクセスし、必要なデータを自ら取得・分析できるようになります。マーケターは「何を分析したいか」を伝えるだけ。データ収集の手間から解放され、本来やるべき戦略立案や施策の実行に集中できるのです。
では具体的に、MCPを使うとマーケティング業務がどう変わるのか?本書で紹介されている事例も参考に、活用例を見ていきましょう。
活用事例
1. ペルソナ作成の自動化
接続先: CRM、サポートシステム、顧客DBなど
マーケティング施策の土台となるペルソナ。営業やカスタマーサポートへのヒアリング、顧客アンケートの分析など、多大な労力をかけて作成するのが普通です。
MCPを活用すれば、CRMに蓄積された商談履歴、サポートチケットの内容、取引先企業の属性情報などをAIが直接参照し、データに基づいたペルソナをAIに生成してもらえます。
実際に弊社のSalesforce上に蓄積されたデータをもとにペルソナを作成してみましょう(Claude DesktopでClaude Opus 4.5を使用)。以下のプロンプトを使用します。
あなたはBtoBマーケティングの専門家です。
Salesforceから以下のデータを取得し、主要なペルソナを3つ作成してください。
- 過去1年間の成約商談(金額上位20件)
- 各商談の取引先企業情報(業種、従業員規模、地域)
- 商談に紐づく活動履歴(課題、導入の決め手)
ペルソナには以下を含めてください。
- 役職・部署
- 抱えている課題
- 情報収集の方法
- 導入の意思決定プロセス
リードや取引先担当者、商談履歴など関連するデータのSQLを使った取得、分析、内容のまとめまで、1プロンプトですべて自律的に完了してくれました。「ソフトウェアベンダーのOEM担当者」、「大手製造業のDX推進担当者」などしっかりマッチした結果を出してくれています。
作成したペルソナは、LP、広告クリエイティブ、メールマガジン、営業資料など、あらゆるコンテンツ制作に活用できます。データに基づいているため、チーム内での認識のズレも防げます。
2. データドリブンなページ改善(LPO)
接続先: GA4、Microsoft Clarity
LPの作成は、デジタルマーケをやる上で欠かせない要素ですよね。広告や記事のランディング先として、資料請求や商品購入などのアクションに繋がるかの決め手の1つです。LPO(ランディングページ最適化)では、こうしたランディングを継続的に改善することでユーザーのコンバージョン率の改善を目指します。LPOではアクセスデータ、ユーザー行動、実際のページ内容など複数の情報を総合的に分析する必要があります。MCPを使えば、これらを一度に扱い、データ取得から改善提案まで一気通貫で実行できます。
組み合わせるMCPサーバー
- GA4 MCP: ページビュー、コンバージョン率、流入元などのアクセスデータ
- Clarity MCP: ヒートマップ、スクロール到達率、クリック分布
- Chrome DevTools MCP: 実際のページ内容、表示速度、レイアウト
Step 1: GA4で改善対象ページを特定
まず、GA4のデータから改善が必要なページを洗い出します。
GA4のデータを参照して、期間内の指標の昨対比を確認、改善が必要なページを洗い出してください。
期間: 2025/11/1 - 2025/11/30
比較対象期間: 2024/11/1 - 2024/11/30
分析対象: https://example.com/products/ 配下のページ
参照する指標: セッション数、エンゲージメント率、キーイベント率
# 出力形式
結果は以下の観点でExcelにまとめ、改善アクションを提案してください。
・数字のサマリー
・比較データ
・改善優先度
の3点をまとめてください。
実際に、弊社のドライバーディレクトリ配下のページについて分析してもらいましょう。AIがGA4からデータを取得し、昨対比を分析。改善優先度まで含めたレポートをExcelで自動生成してくれます。
Step 2: Clarityで改善仮説を立てる
改善対象ページが特定できたら、次はClarityでユーザー行動を分析し、改善の仮説を立てます。
改善優先度の高い5つのページの改善案を検討していきましょう。
改善ポイントの仮説を生成するため以下を実施してください。
・Clarityでスクロール・ヒートマップデータを確認
・Chrome DevToolsで実際にページにアクセスしてページを確認
まずはClarityでデータを確認してください。
AIが「データを見る」「行動を見る」「ページを見る」を同時に行うことで、人間が見落としがちなボトルネックを発見できます。
3. 広告運用の効率化
接続先: Google広告 / GA4 / BigQuery
広告運用では、日々のパフォーマンス確認と改善施策の実行が欠かせません。複数のキャンペーンを運用している場合、データの確認だけでも相当な時間がかかります。
MCPを使えば、AIが広告プラットフォームに直接アクセスし、パフォーマンス分析から改善提案までを自動で行えます。
Google広告とGA4のデータを使って、先週(12/9-12/15)の広告パフォーマンスを分析してください。
結果は以下の観点でWordにまとめ、改善アクションを提案してください。
- キャンペーン別のCPA・ROAS比較
- 予算消化ペースと残り予算の最適配分
- パフォーマンスが低下している広告グループの特定
- 広告文のA/Bテスト結果と次のテスト案
実際にGA4とGoogle広告のデータを統合して分析、結果をWordレポートにまとめてくれました。
AIでのデータ活用を簡単に始めるなら:Connect AIのすすめ
MCPを活用するには、各データソースに対応したMCP Serverを用意する必要があります。(Google系サービスなど)一部は公式がMCP Serverを提供していますが、個別にさまざまなMCPを導入すると設定や管理が煩雑になりがちですし、公式にMCP Serverを提供していない業務ツールも多いです。そんなときに便利なのが、CData Connect AIです。
Connect AIの特徴
- 300種類以上のデータソースに対応: Salesforce、HubSpot、Google広告、GA4、BigQuery、kintone、Snowflakeなど、マーケで使う主要なSaaS・データベースをカバー
- 統一されたインターフェース: 各サービス個別のMCPサーバーを探す必要がなく、Connect AIひとつで複数のデータソースに接続可能
- セットアップが簡単: GUIで接続設定を行い、生成されたMCP設定をClaude DesktopやChatGPTなどお好みのAIツールに追加するだけ
14日間は完全無料で利用できるので、まずは自社で使っているツールとの接続を試してみてください!
導入方法などさらに詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
MCPを活用することで、デジタルマーケターの業務は大きく変わります。
- ペルソナ作成: CRMやサポートデータから、リアルな顧客像を自動生成
- LPO: アクセスデータ、行動データ、ページ内容を総合的に分析して改善
- 広告運用: パフォーマンス分析から施策提案までをAIが一括実行
これまで「データ準備」に費やしていた時間を、「戦略を考える」時間に変えられます。
MCPはまだ新しい技術ですが、対応ツールは急速に増えています。まずはConnect AIで身近なデータソースに接続し、小さなタスクから試してみてはいかがでしょうか。AIが自社データを理解してくれる便利さを、ぜひ体験してみてください。



