15
14

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

ASP.NET Core 3.1のREST-APIをVisualStudio2019とDockerでHerokuにデプロイする手順

Last updated at Posted at 2020-02-16

はじめに

背景

ASP.NET Coreを社内で啓蒙しようとした際、ちょうどいい記事が見つからなかったので、投稿しておきます。

前提

「ゼロからの初心者が、最初のデプロイを成功させるまで」の説明をします。
但し、Herokuアカウントが必要です。またHeroku CLIを端末にインストールしておいてください。

  • Visual Studio 2019を使用します。持っていない方のためにインストール手順を後述します。なお、無償のCommunity Editionを利用される場合は、使用権に制限があるのでライセンス条項を読みましょう。但しこの記事の内容を個人で作成する分には、個人ライセンスが適用されますので問題ありません。
  • 開発環境は、この記事においてはWindows10 + Visual Studio 2019に限定します。for MacやVisualStudio Codeでもできるはずですが、今回の趣旨に合わないので割愛させてください。
  • 執筆時点で最新のLTSである.Net Core 3.1を使用します。

準備

Visual Studio 2019 をインストールしよう

  • Visual Studio 2019がインストールされていなければ、インストールしてください。

  • Visual Studio 2019に「ASP.NETとWeb 開発」のワークロードがセットアップされていなければ、セットアップしてください。

上記の前提の環境を作成するために、よければ以下の記事を参考にしてください。
ASP.NET Coreを利用するためのVisual Studio 2019のインストール方法

Docker Desktopをインストールしよう

  • Windows 10 Homeの人は、この手順は省略してください。(Hyper-Vの有効化ができないため)

ただしDocker Desktopのインストール手順は割愛します。
ざっくり書くと、以下の手順になります。

  • Hyper-Vの有効化(有効化後、端末の再起動が必要です)
  • Docker Hubへのサインアップ
  • Docker Desktop for Windows のインストール
  • ↑インストールの際、Use Windows containers instead of Linux containersのチェックは不要です。
    (Azureへもlinuxベースのコンテナでデプロイできるため)

なお、以下のページの手順がわかりやすかったです。よければご参照ください。
【入門】はじめての Docker Desktop for Windows のインストールと CentOS の仮想環境構築のセットアップ

さぁ、はじめよう

ASP.NET Core 3.1のREST-APIプロジェクトを作成しよう

ASP.NET Core 3.1のREST-APIプロジェクトは、以下の構成を選択してプロジェクトを作成します。

  • プロジェクトテンプレート: ASP.NET Core Web アプリケーション
  • プロジェクトの構成: API

プロジェクトの作成方法の詳細は、以下の記事を参考に進めてみてください。
ASP.NET Core(C#)とVisualStudio2019でREST-APIを開発するためのプロジェクト作成方法

プロジェクト名/ソリューション名は、まだ特にアイディアがなければ、MyHelloServiceとでもしておきましょう。

↓上記の手順が完了すると、以下の状態になります。
MyHelloService - Microsoft Visual Studio 2020_02_15 17_49_06.png

ASP.NET Core 3.1のREST-APIプロジェクトをデバッグしてみよう

いきなり動かしてみる

さっそく、MyHelloServiceをデバッグしてみましょう。テンプレートから作成したプロジェクトは、そのままでも動作するようになっています。

デバッグする方法は、2種類。

  • IIS Expressで動作させて、デバッガをアタッチする
  • Kestrelで動作させて、デバッガをアタッチする

Kestrel は、ASP.NET Core 向けのクロスプラットフォーム Web サーバーです
--引用:ASP.NET Core への Kestrel Web サーバーの実装

とのことなので、今回はこちらを使いましょう。

↓「IIS Express」ボタンの右端にある「▼」をクリックし、「MyHelloService」を選択します。
スクリーンショット (3).png

↓どうやらこのプロジェクトはデフォルトでSSLが有効になっているようです。「はい」を選んであげましょう。
スクリーンショット (4).png

↓Windowsがセキュリティ警告を発しますが、「はい」を選んであげましょう。
スクリーンショット (5).png

するとどうでしょう。ブラウザが開き、5日間のお天気情報が表示された・・・だと・・・!?
↓うだるような暑さ・・・?
Microsoft Edge 2020_02_15 19_00_29.png

これはテンプレートが、サンプルコードWeatherForecastController を含んでいるからですね。
↓なお、お天気情報は実際のものではなくランダムに表示されている。
MyHelloService - Microsoft Visual Studio 2020_02_15 18_12_29.png

以上が、最もシンプルなコードのデバッグ方法です。
しかしそれは、「開発環境では動作します」というレベルに過ぎないので、心許ないですね。

そこで、第3の選択肢。

  • Dockerコンテナ内で動作させて、デバッガをアタッチする

その方法を、紹介します。
※Windows 10 Homeの方は、できない手順になりますので、
 「ASP.NET Core 3.1のREST-APIプロジェクトをHerokuにデプロイしよう」
 まで読み飛ばしてください。

より実行環境に近い、Dockerコンテナ内で動かす

1) プロジェクトにDockerコンテナの構成ファイル(Dockerfile)を追加する

Dockerコンテナの構成ファイル(Dockerfile)は、VisualStudio2019の機能で作成することができます。

そのためには、以下の手順を行いましょう。
↓「プロジェクトを右クリック」>「追加」>「Dockerサポート」を選択。
スクリーンショット (14).png

↓すると、次のようなDockerFileが作成されます。
スクリーンショット (19).png

2) Dockerコンテナの構成ファイル(Dockerfile)をHeroku用に修正する

作成されたDockerfileは、Microsoft Azureに発行する際はそのまま使えるのですが、
Herokuに発行する際は少し手を加える必要があります。

これから紹介する修正内容は、次のブログ記事を参考にさせていただきました。
Deploy ASP.NET Core 3.1 Web API to Heroku with Docker

次のFor heroku-container modificationで囲まれた範囲を修正してください。

#See https://aka.ms/containerfastmode to understand how Visual Studio uses this Dockerfile to build your images for faster debugging.

FROM mcr.microsoft.com/dotnet/core/aspnet:3.1-buster-slim AS base
WORKDIR /app
EXPOSE 80
EXPOSE 443

FROM mcr.microsoft.com/dotnet/core/sdk:3.1-buster AS build
WORKDIR /src
#-- For heroku-container modification -- START
#COPY ["MyHelloService/MyHelloService.csproj", "MyHelloService/"]
#RUN dotnet restore "MyHelloService/MyHelloService.csproj"
#COPY . .
#WORKDIR "/src/MyHelloService"
COPY ["MyHelloService.csproj", "MyHelloService/"]
RUN dotnet restore "MyHelloService/MyHelloService.csproj"
WORKDIR "/src/MyHelloService"
COPY . .
#-- For heroku-container modification -- END
RUN dotnet build "MyHelloService.csproj" -c Release -o /app/build

FROM build AS publish
RUN dotnet publish "MyHelloService.csproj" -c Release -o /app/publish

FROM base AS final
WORKDIR /app
COPY --from=publish /app/publish .
#-- For heroku-container modification -- START
#ENTRYPOINT ["dotnet", "MyHelloService.dll"]
CMD ASPNETCORE_URLS=http://*:$PORT dotnet MyHelloService.dll
#-- For heroku-container modification -- END

3) Dockerを指定してデバッグする

先ほどデバッグする際に選択した「MyHelloService」ボタンの右端にある「▼」をクリックすると、「Docker」が追加されているので、これを実行しましょう。

↓すると、Docker Desctopが、Cドライブへのアクセスを求めてきました。(画像右下の通知を見てください)「Share it」を選択してあげましょう。
スクリーンショット (20).png

↓するとどうでしょう。Dockerコンテナ上で動いたっぽい感じになりましたね?
スクリーンショット (21).png

↓日本語もちゃんと表示できています。
Microsoft Edge 2020_02_16 17_17_02.png

これで、このより実行環境に近い「Dockerコンテナ」でも動作することが確認できました。

ではこれを、いよいよHerokuにデプロイしたいと思います。

ASP.NET Core 3.1のREST-APIプロジェクトをHerokuにデプロイしよう

デプロイ先となるHeroku Appを作成する

この作業はコマンドラインでも行えますが、その記事は多数見つかるので、あえてダッシュボードから行きましょう。

↓Herokuのダッシュボードで、Create new app を選択してください。
Personal apps _ Heroku - Mozilla Firefox 2020_02_16 23_19_00.png

↓App nameを入力して、「Create app」ボタンをクリックしましょう。
Personal apps _ Heroku - Mozilla Firefox 2020_02_16 23_22_33.png

↓すると、作成されたHeroku AppのDeployページが開きます。画像右下の「Container Registry」をクリックしましょう。
Personal apps _ Heroku - Mozilla Firefox 2020_02_16 23_24_53.png

↓すると、ページ下部に、このHeroku AppにDockerコンテナをDeployするための手順が表示されます。コマンド付きなので、親切ですね!
Personal apps _ Heroku - Mozilla Firefox 2020_02_16 23_26_59.png

これでデプロイ先となるHeroku Appが作成できました。

次はいよいよ、Heroku Appへのデプロイを行います。

Heroku Appにデプロイする

手順は、Heroku AppのDeployページに書かれている通りの手順で行います。

※Heroku CLIをインストールしていない人は、herokuコマンドを使用するためにインストールが必要です。

以下、Dockerfileが作成されたディレクトリで、コマンドを実行します。

1) herokuにログインする

> heroku login

2) heroku-containerにログインする

> heroku container:login

3) プロジェクトとDockerコンテナ構成ファイルをheroku-containerにプッシュする

my-hello-service-2020021623200はあなたのApp名に置き換えて実行してください

> heroku container:push web -a my-hello-service-2020021623200

このタイミングで、Dockerfileの記述に基づく構成が行われます。
具体的には、ASP.Net Core 3.1実行環境の作成、アプリケーションのビルド、などです。

4) プッシュした内容を、Heroku Appに適用する

my-hello-service-2020021623200はあなたのApp名に置き換えて実行してください

> heroku container:release web -a my-hello-service-2020021623200

これで、Heroku AppでASP.NET Core 3.1 REST-APIプロジェクトが動作する準備が整いました。
次のコマンドを実行するとブラウザでURLを開くことができます。

5) Heroku AppのURLをブラウザで開く

> heroku open -a my-hello-service-2020021623200

※ただしアプリケーションパスは指定されないので、開いたURLに/weatherforecastを足してあげてくださいね。

なお、このコマンドの手順1と2は、サインインした状態を記憶してくれるので、毎回行う必要はありません。

では最後に少しおまけを。

#より便利に利用するために

便利かどうかはそれぞれの主観によるところですが、まぁこういう使い方もあるよってことで。。。

Herokuにデプロイするためのコマンドを、Visual Studioに追加する

Visual Studioは、コマンドをメニューに追加することができます。
メニューバーの「ツール」>「外部ツール」を選択すると開くウィンドウで、以下の入力を行います。

1) heroku container:push コマンドを登録する

↓次のように入力します。
MyHelloService - Microsoft Visual Studio 2020_02_16 23_51_59.png

2) heroku container:push コマンドを登録する

↓次のように入力します。
MyHelloService - Microsoft Visual Studio 2020_02_16 23_56_05.png

3) heroku open コマンドを登録する

↓次のように入力します。
MyHelloService - Microsoft Visual Studio 2020_02_16 23_56_09.png

Herokuにデプロイするためのコマンドを、Visual Studioから実行する

↓「出力ウィンドウを使用」を選択するしたことで、VisualStudioだけで結果を確認することができます。
スクリーンショット (24).png

最後に

この投稿が、マルチターゲットの時代に入った.Netに触れてみるきっかけになれば、幸いです。
また、お読みいただいてわかりにくかった点などありましたら、フィードバックいただけると嬉しいです。

15
14
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
15
14

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?