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【プラクティス紹介】1分でさらっと分かる「EAT」

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Last updated at Posted at 2026-06-27

プラクティス名(別名)

EAT (Executive Action Team、イート)

EATは大規模アジャイルフレームワークScrum@Scale(以下S@S)において、最上位で組織改善を担うチームです。スクラムチームでは解決できない課題を扱います。本稿ではEATの運営を1つのプラクティスとして紹介します。S@Sの全体像は公式ガイドを参照下さい。複数のスクラムチームが連携してプロダクト開発を行っている状況が前提となります。

プラクティスの目的・狙い

  • 組織のプロセスを改善し、組織課題を解消する
  • 組織全体へのスクラム定着を支援する
  • 組織内の非アジャイル領域との調整/整合性を図る

どんな時に使うか

  • 単一スクラムチームおよび複数チーム(スクラム・オブ・スクラム)では解決できない組織レベルの障害を解消したい時
  • スクラムチームが自律的に活動できるように、組織のルールや環境を変えたい時
  • 経営層と現場をつなぎ、経営戦略をアジャイルな実行へ結びつけたい時

実施手順

  1. EATの参加者を選出する(必要最小限に絞る)
    ・EATを運営する人(EATのSM)
    ・プロダクト全体の優先順位をつけられる人(EMSのPO)
    ・組織的な決定権を持つ人(CEO,CTOなど)
    ・財政や人事の権限を持つ人(CFO,CHROなど)
    ・セキュリティやコンプラに責任を持つ人(CISO,CLOなど)
    ・スクラムチームの代表(SoSM,SM,PO,アジャイルコーチなど)
    ※参加者は組織規模やS@Sの適用範囲によっても変わります
  2. 各チームから挙がってきた組織課題をバックログ化し、優先順位をつける(変革バックログ)
  3. 定期的に対策検討/報告する場を設け、実施する施策を決定する
  4. 実行者に権限委譲し、施策が完了するまでフォローする

EATの具体的な活動例

組織改善・変革

  • アジャイル変革のロードマップ策定
  • 組織構造(チーム編成/部門)の見直し
  • 権限委譲の促進

組織課題の解消

  • チーム/部門間の調整不足解消、依存関係の緩和
  • Dev / Ops / QA / Security の壁を取り除く、承認フローの簡素化
  • 人事/評価や予算/調達の制度見直し

スクラムの普及・促進

  • スクラムの価値観・原則が守られるように支援
  • ルールやガイドの整備、学びのコミュニティ運営
  • 教育/研修の提供、SMやPOの育成

継続的改善と成果確認

  • プロダクト品質の指標をモニタリング(例:顧客満足度)
  • 組織改善の指標を定義、効果測定(例:リードタイム、デプロイ頻度)
  • 変革バックログの管理、優先順位見直し

経営との連携

  • 経営戦略に基づく優先順位の調整
  • 経営層への定期報告、フィードバック取得
  • 新たな事業戦略に応じて組織の方針を見直す

アレンジ例

  • EAT活動をスクラムイベントに倣って定例化する
EAT会議名 具体的な活動例
EATプランニング 変革バックログから、今期取り組む施策を選ぶ
EATデイリー(or週次or隔週) 改善状況や障害を短時間で共有する
EATレビュー 改善施策の成果を経営層に報告する
EATレトロ 組織変革の進め方をふりかえる
EATリファインメント 変革バックログを整理し、優先順位を見直す

アンチパターン

  • EATがスクラムチームを管理する組織になってしまう
     →上からの指示待ちになり、チームが自律性を失う

EATは障害物を食べる組織であって、スクラムチームを食べる組織になってはいけません。

参考情報

  • Scrum@Scale公式ガイド

  • 書籍『スクラムの拡張による組織づくり』

こぼれ話(私的コメント)

参考書籍によると「EAT」は障害物を最後に食べてしまう(eat)という意味を込めて「イー・エー・ティー」ではなく「イート」と発音するそうです。ただEATの活動内容を踏まえると、ただ出てきたものを食べるだけでなく、ガイドや研修を提供したりすることもあるので、現場に価値を届ける料理人の一面もあるのかな、と思います。

またEATと対になる概念として、EMS(Executive Meta Scrum)がありますが、EATとEMSは、それぞれスクラムチームのSMとPOの役割を組織全体へ拡張した場と考えると理解しやすいです。SMはチーム改善や問題解決に責任を負っていますが、それを組織全体に拡大するとEATになります。同じようにPOはプロダクト方針や優先順位に責任を負っていますが、組織全体でどのプロダクトにどれだけリソースを割くかを決定しようとするとEMSになる、といったイメージです。


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