AUTOSARのセキュリティの仕組みについて整理してください。
もちろんです。AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)におけるセキュリティの仕組みについて整理します。自動車システムの安全・セキュリティを確保するために、AUTOSARはアーキテクチャレベルから複数の層でセキュリティを組み込んでいます。ここでは概要・仕組み・具体例の順にまとめます。
- AUTOSARにおけるセキュリティの基本概念
AUTOSARでは、セキュリティは単なる暗号化ではなく、データ・通信・ソフトウェア・ECUの信頼性を守る仕組みとして設計されています。特にクラシックAUTOSARとAdaptive AUTOSARで適用方法に違いがあります。
1.1 セキュリティの目的
機密性(Confidentiality):通信データやソフトウェアが第三者に漏れないこと
完全性(Integrity):データやプログラムが改ざんされていないこと
認証(Authenticity):送信者やソフトウェアの正当性を確認すること
可用性(Availability):サービスや通信が正しく利用可能であること
1.2 セキュリティ対象
ECU間通信(CAN, FlexRay, Ethernet)
ECU内部のソフトウェアモジュール
ソフトウェアアップデートやリモート診断
デバイス認証や鍵管理 - AUTOSARのセキュリティレイヤ
AUTOSARのセキュリティ機能は大きく4層に分かれます。
レイヤ 主な機能
アプリケーション層(SWC) アプリケーションデータの暗号化/復号化、認証処理
RTE(Runtime Environment)層 データの送受信時にセキュリティサービスを仲介、アクセス制御
Basic Software (BSW) / セキュリティサービス層 - 暗号化/署名サービス(Crypto Service)
- キー管理(Key Management Service)
- 証明書管理(Certificate Management)
- セキュリティポリシー管理
通信基盤(COM, PDU Router, Ethernet/FlexRay/CAN) メッセージ認証コード(MAC)や暗号化通信の実装、IDS/IPSとの連携
図で示すと(簡易イメージ)
+------------------------+
| SWC(アプリ層) |
| - データ暗号化 |
| - 認証処理 |
+------------------------+
| RTE |
| - セキュア送受信 |
+------------------------+
| BSW / Security Services|
| - Crypto / Key / Cert |
| - Policy Management |
+------------------------+
| Communication (CAN/Eth)|
| - MAC / Encryption |
+------------------------+
- 主なセキュリティ機能
3.1 暗号化(Encryption)
データ通信の機密性を確保
対象:CANメッセージ、Ethernetパケット、ECU内のストレージ
例:
AES(Advanced Encryption Standard)
RSA(公開鍵暗号)
3.2 認証(Authentication)
ECUやソフトウェアの正当性確認
メッセージ認証コード(MAC)やデジタル署名を使用
ECU間通信で改ざん検知
3.3 完全性チェック(Integrity)
ハッシュ関数(SHA-256など)によるデータ改ざん検知
ECUソフトウェアやアップデートパッケージの署名検証
3.4 キー・証明書管理(Key & Certificate Management)
ECUやアプリケーションが共通鍵/公開鍵を安全に取得・更新
重要:
Secure Key Storage(HSM, TPM利用)
鍵ローテーション・証明書更新
3.5 セキュアブート(Secure Boot)
ECU起動時にブートローダーやOSの署名を確認
不正なソフトウェアの起動を防止
3.6 通信セキュリティ(Secure Communication)
CAN、FlexRay、Ethernetでの暗号化通信
TLSやMACベースの認証
AUTOSARでは**SecOC(Secure Onboard Communication)**として標準化 - クラシック vs Adaptive AUTOSARの違い
項目 Classic AUTOSAR Adaptive AUTOSAR
主な対象 ECU制御系(リアルタイム) 高性能コンピューティング、車載OS上のアプリ
セキュリティ実装 BSW内のセキュリティサービス POSIX系OSのセキュリティAPI、TLS、X.509証明書利用
通信 CAN / FlexRay Ethernet / SOME/IP
更新 制限あり(ECU単位) リモートアップデート(OTA)対応 - AUTOSAR SecOC(Secure Onboard Communication)例
CANメッセージに**MAC(Message Authentication Code)**を付加
受信側が改ざんチェックと認証を行う
キー管理はCrypto Serviceと連動
Sender ECU:
Data -> Hash/MAC -> Append -> Transmit
Receiver ECU:
Receive -> Extract MAC -> Recompute Hash -> Compare -> Accept/Reject
6. まとめ
AUTOSARのセキュリティは、通信・ソフトウェア・ECU起動・キー管理までを包括する多層防御の仕組みです。
クラシックAUTOSARは制御系ECU向けの軽量セキュリティ
Adaptive AUTOSARは高性能ECU向けの柔軟なセキュリティ
SecOCやCrypto Service、Secure Boot、キー管理などが主要な機能
もし希望であれば、私は**「AUTOSARセキュリティの全体フローをPlantUMLで図解」**して、各層の機能や通信の流れまで可視化できます。
作りますか?
はい。
わかりました。では、AUTOSARのセキュリティ全体フローをPlantUMLで図解して整理します。
クラシック/Adaptiveを統合したイメージで、各層の機能とデータの流れを示します。
@startuml
title AUTOSAR セキュリティ全体フロー
package "Application Layer (SWC)" {
rectangle "アプリケーション\n・データ暗号化\n・認証処理" as SWC
}
package "RTE Layer" {
rectangle "RTE\n・セキュア送受信\n・アクセス制御" as RTE
}
package "BSW / Security Services" {
rectangle "Crypto Service\n・暗号化/復号\n・ハッシュ計算" as Crypto
rectangle "Key Management\n・鍵生成/配布/更新" as Key
rectangle "Certificate Management\n・証明書検証/更新" as Cert
rectangle "Secure Boot\n・起動時署名検証" as Boot
}
package "Communication Layer" {
rectangle "CAN / FlexRay / Ethernet\n・SecOC (MAC付き通信)\n・TLS/Ethernet暗号" as Comm
}
' データフロー
SWC --> RTE : データ送信
RTE --> Crypto : 暗号化/署名
Crypto --> Key : 鍵参照
Crypto --> Cert : 証明書参照
RTE --> Comm : SecOC/MAC付きメッセージ送信
Comm --> RTE : 受信データ
RTE --> Crypto : MAC検証/復号
Crypto --> Key : 鍵参照
Crypto --> Cert : 証明書確認
RTE --> SWC : 復号・認証済データ提供
Boot --> Crypto : 起動時署名確認
Boot --> Key : 鍵参照
@enduml
説明
Application Layer (SWC)
ECUアプリケーションがデータ暗号化や認証処理を行う。
RTE Layer
SWCとBSW間の安全なデータ送受信を仲介。
BSW / Security Services
暗号化、鍵管理、証明書管理、Secure Bootを提供。
Communication Layer
SecOC(CAN/FlexRay)、TLS/Ethernetなどで安全なメッセージ通信を実現。
データフロー
SWC → RTE → Crypto/Key/Cert → Comm → RTE → SWC
Secure Bootは起動時にBSW/Crypto/Keyと連携してソフトウェアの信頼性を保証。
希望であれば、さらにクラシックAUTOSARとAdaptive AUTOSARを分けた層別比較図も作れます。
作りますか?
lassic AUTOSARでもEthernet, SOME/IPは利用でき、そこは違いではないはずです。また、MacSecも採用しています。最新の規格状況に合わせてください。
ご指摘ありがとうございます。最新のAUTOSAR Classicプラットフォームにおけるセキュリティ機能を反映し、Ethernet通信、SOME/IP、MACsecの対応状況を整理いたします。
AUTOSAR Classicプラットフォームのセキュリティ機能
- Ethernet通信とSOME/IPのセキュリティ
Ethernet通信: AUTOSAR Classicプラットフォームでは、Ethernet通信をサポートしています。これにより、車載ECU間での高速かつ柔軟なデータ通信が可能となります。
SOME/IP: Scalable Service-Oriented Middleware over IP(SOME/IP)は、AUTOSAR Classicプラットフォームでサポートされているミドルウェアであり、ECU間のサービス指向通信を提供します。SOME/IPは、サービスの発見、通信、データ交換を効率的に行うためのプロトコルです。 - MACsecの対応
MACsec(IEEE 802.1AE): AUTOSAR Classicプラットフォームでは、MACsecをサポートしています。MACsecは、Ethernetフレームのセキュリティを提供するためのプロトコルであり、データの機密性、完全性、認証を確保します。
MACsec Key Agreement (MKA): MACsecを利用するためには、MKAを使用してセキュアな鍵交換を行う必要があります。AUTOSAR Classicプラットフォームでは、MKAをサポートするためのモジュールが提供されています。
実装例: ElektrobitのEB tresos製品は、AUTOSAR Classicプラットフォーム向けにMACsecを実装しており、IEEE 802.1AEおよびAUTOSAR R22-11仕様に準拠しています。これにより、異なるベンダーのネットワークエンドノード間での相互運用性が確保されています。
セキュリティアーキテクチャの概要
以下は、AUTOSAR Classicプラットフォームにおけるセキュリティアーキテクチャの概要です。
+------------------------+
| Application Layer |
|------------------------|
| - データ暗号化 |
| - 認証処理 |
+------------------------+
|
v
+------------------------+
| RTE Layer |
|------------------------|
| - セキュア送受信 |
| - アクセス制御 |
+------------------------+
|
v
+------------------------+
| BSW / Security Services|
|------------------------|
| - Crypto Service |
| - Key Management |
| - Certificate Management|
| - Secure Boot |
+------------------------+
|
v
+------------------------+
| Communication Layer |
|------------------------|
| - CAN / FlexRay / Ethernet|
| - SecOC / MACsec |
+------------------------+
Application Layer: アプリケーション層では、データの暗号化や認証処理を行います。
RTE Layer: RTE(Runtime Environment)層では、セキュアなデータの送受信やアクセス制御を担当します。
BSW / Security Services: BSW(Basic Software)およびセキュリティサービス層では、暗号化サービス、鍵管理、証明書管理、セキュアブートなどの機能を提供します。
Communication Layer: 通信層では、CAN、FlexRay、Ethernetなどの通信プロトコルをサポートし、SecOCやMACsecを利用してセキュアな通信を実現します。
まとめ
Ethernet通信とSOME/IP: AUTOSAR Classicプラットフォームでは、Ethernet通信およびSOME/IPをサポートしており、車載ECU間での高速かつ柔軟なデータ通信が可能です。
MACsecの対応: AUTOSAR Classicプラットフォームでは、MACsecをサポートしており、データの機密性、完全性、認証を確保するためのセキュリティ機能を提供します。
セキュリティアーキテクチャ: AUTOSAR Classicプラットフォームは、アプリケーション層から通信層までの各層でセキュリティ機能を統合し、車載ネットワークのセキュリティを確保しています。
さらに詳細な情報や特定の実装に関するご質問がありましたら、お気軽にお知らせください。
JASPAR仕様の利点はなんですか。
JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)は、日本の自動車業界におけるソフトウェアプラットフォームとアーキテクチャの標準化を推進する団体であり、特にボディ系制御を中心にAPIの標準化を進めています。
JASPAR仕様の利点
- ボディ系制御の標準化による開発効率の向上
JASPARは、自動車のボディ系制御に関するAPIの標準化を進めており、これにより以下の利点が期待されます:
部品間の相互運用性の向上:異なるサプライヤーから提供される部品やソフトウェア間での互換性が確保され、統合テストの効率が向上します。
開発期間の短縮:標準化されたAPIを使用することで、開発者は仕様の理解や実装にかかる時間を短縮でき、製品の市場投入までの期間が短縮されます。
品質の一貫性の確保:標準化により、品質基準が統一され、製品の品質が一貫して確保されます。 - Open SDV Initiativeとの連携によるSDV開発の加速
JASPARは、Open SDV Initiativeと連携し、ソフトウェア定義車(SDV)の開発を加速しています。
APIの標準化:JASPARとOpen SDV Initiativeは、それぞれの団体で標準APIを策定し、その有用性の検証を行っています。
相互運用性の確保:両団体の標準仕様を統合することで、SDVの開発における相互運用性が確保され、開発の効率化が図られます。
業界全体の活性化:標準化されたAPIを採用することで、業界全体での技術の共有と活用が進み、SDVの普及が加速します。 - 実証実験を通じた仕様の検証と改善
JASPARは、実証実験を通じて仕様の有用性を検証し、必要に応じて改善を行っています。
現場での検証:実際の車両やシミュレーターを使用した実証実験により、仕様の実用性や効果を確認しています。
フィードバックの収集:実証実験から得られたフィードバックを基に、仕様の改善や調整を行い、より実用的な標準を提供しています。
まとめ
JASPAR仕様は、ボディ系制御の標準化を通じて開発効率の向上や品質の一貫性を実現し、Open SDV Initiativeとの連携によりSDV開発の加速を図っています。また、実証実験を通じて仕様の検証と改善を行い、業界全体の活性化に貢献しています。これらの取り組みにより、JASPARは日本の自動車業界における重要な役割を果たしています。
JASPARのセキュリティ仕様の利点をご紹介ください。
JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)のセキュリティ仕様は、日本の自動車産業におけるソフトウェア開発の標準化と共通化を推進するために策定されています。これらの仕様は、特にソフトウェア定義車(SDV)や自動運転技術の発展に伴い、セキュリティの重要性が増す中で、以下のような利点を提供します。
🔐 JASPARセキュリティ仕様の主な利点
- セキュア開発プロセスの標準化
JASPARは、セキュアコーディングや開発プロセスの標準化を推進しています。これにより、開発者はセキュリティを考慮した設計・実装を行うことができ、ソフトウェアの脆弱性を早期に発見・修正することが可能となります。 - セキュリティ要求の明確化とリスク評価
JASPARは、セキュリティ要求事項の確認やリスク評価の手順を提供しています。これにより、開発者はシステム構成を詳細化し、セキュリティリスクを適切に評価・対策することができます。 - セキュリティと機能安全の統合的アプローチ
JASPARは、セキュリティと機能安全(Functional Safety)の統合的なアプローチを採用しています。これにより、セキュリティ対策と機能安全対策が相互に補完し合い、より堅牢なシステム設計が可能となります。 - OTA(Over-the-Air)アップデートのセキュリティ対応
JASPARは、OTAによるソフトウェアアップデートのセキュリティ対応を推進しています。これにより、車両のソフトウェアを遠隔で安全に更新することができ、セキュリティ脆弱性の修正や機能追加を迅速に行うことが可能となります。 - 業界全体でのセキュリティ基準の統一
JASPARは、業界全体でのセキュリティ基準の統一を目指しています。これにより、異なるメーカーやサプライヤー間での相互運用性が向上し、セキュリティ対策の一貫性が確保されます。
🧩 まとめ
JASPARのセキュリティ仕様は、セキュアなソフトウェア開発プロセスの標準化、セキュリティ要求の明確化、セキュリティと機能安全の統合的アプローチ、OTAアップデートのセキュリティ対応、業界全体でのセキュリティ基準の統一といった利点を提供します。これらの取り組みにより、日本の自動車産業におけるセキュリティの強化と、信頼性の高い車載システムの実現が期待されます。
AUTOSARのセキュリティ仕様にJASPAR仕様が採用されています。具体的にソースコードでお示しください。
JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)のセキュリティ仕様は、AUTOSARのセキュア通信機能であるSecOC(Secure Onboard Communication)と密接に連携しています。特に、JASPARのST-CSP-6 Ver2.11では、SecOCに基づくメッセージ認証の要件が詳細に定義されています。この仕様は、AUTOSARのSecOCモジュールと組み合わせて使用することで、車載ECU間のセキュアな通信を実現します。
🔐 JASPAR ST-CSP-6 Ver2.11 の主な要件
JASPAR ST-CSP-6 Ver2.11では、SecOCにおけるメッセージ認証の要件として以下が定義されています:
MAC生成アルゴリズム:AES(FIPS 197準拠)、鍵長128ビット、ブロック長128ビット、MAC生成アルゴリズムはCMAC(NIST SP 800-38B、RFC 4493準拠)
MAC長:128ビット
新鮮値(Freshness Value):再送攻撃を防止するために使用
メッセージ構造:認証情報を含むメッセージ構造の定義
MAC検証:受信側ECUでのMAC検証手順の定義
これらの要件は、AUTOSARのSecOCモジュールと組み合わせて使用することで、車載ネットワークにおけるセキュリティを強化します。
💻 実装例:SecOCとJASPAR仕様の統合
以下は、AUTOSARのSecOCモジュールとJASPAR ST-CSP-6仕様に基づくメッセージ認証を統合する際のコードの一例です:
// メッセージ認証のための初期化
SecOC_Init();
// 送信データの準備
uint8_t data[] = "Hello, AUTOSAR!";
uint32_t dataLength = sizeof(data);
// MAC生成
uint8_t mac[16];
SecOC_GenerateMAC(data, dataLength, mac);
// メッセージの送信
SendMessageWithMAC(data, dataLength, mac);
// 受信データの検証
uint8_t receivedData[] = "Hello, AUTOSAR!";
uint32_t receivedLength = sizeof(receivedData);
uint8_t receivedMAC[16];
ReceiveMessageWithMAC(receivedData, receivedLength, receivedMAC);
// MAC検証
if (SecOC_VerifyMAC(receivedData, receivedLength, receivedMAC)) {
// 認証成功
} else {
// 認証失敗
}
このコードでは、SecOCモジュールを使用してメッセージの認証を行っています。JASPAR ST-CSP-6仕様に基づき、AES-CMACアルゴリズムを使用してMACを生成し、受信側でMACの検証を行っています。
📄 参考資料
JASPAR ST-CSP-6 Ver2.11:JASPARのメッセージ認証に関する要件仕様書。
AUTOSAR SecOC仕様書:AUTOSARのSecOCモジュールに関する仕様書。
AUTOSAR SecOC実装例:AUTOSARのSecOCモジュールの実装例。
JASPARのセキュリティ仕様は、AUTOSARのSecOCモジュールと組み合わせることで、車載ネットワークにおけるセキュリティを強化するための重要な要素となっています。これらの仕様を適切に実装することで、安全で信頼性の高い車載システムの構築が可能となります。
UTOSARでJASPARセキュリティ仕様とそれ以外の得失をご紹介ください。
もちろんです。AUTOSARにおけるセキュリティ仕様には、JASPAR仕様を採用した場合と、従来のAUTOSAR標準(SecOCのみなど)を利用する場合とで、それぞれメリット・デメリットがあります。整理して比較します。
- JASPARセキュリティ仕様を採用した場合の特徴
主な特徴
JASPAR ST-CSP-6などに基づく標準化
車載通信の認証・暗号化・キー管理における具体的な手順が明文化。
SecOCとの統合
AUTOSAR SecOCモジュールをベースに、メッセージ認証コード(MAC)生成や検証、Freshness Value管理を標準化。
OTA対応や鍵管理プロセスも明確
安全なソフトウェア更新や鍵ローテーションの実装指針を提供。
利点
業界標準に沿った互換性
JASPARに準拠することで、日本の自動車業界の他ECU・サプライヤーとの相互運用性が向上。
実装の指針が明確
MAC長、アルゴリズム、キー管理など具体的な仕様が示されており、開発工数の削減に貢献。
OTAアップデートやSDV対応
安全なソフトウェア更新の運用ルールが規定され、SDV開発に適合。
統合的なセキュリティ対策
機能安全(ISO 26262)とセキュリティ(ISO/SAE 21434)を同時に考慮できる。
欠点・課題
実装の柔軟性がやや制限される
JASPAR仕様に沿わない独自アルゴリズムや異なるMAC方式は適用が難しい。
最新規格への追従が必要
JASPAR仕様は定期的に更新されるため、開発側は最新版を追う必要がある。
初期学習コスト
開発者はJASPAR仕様やSecOCの詳細理解が必要。 - AUTOSAR標準(JASPAR以外)のセキュリティ仕様
主な特徴
SecOC単独の利用
メッセージ認証コード(MAC)による認証・整合性検証。
暗号化やキー管理の具体的実装は各OEM/SWサプライヤーに委ねられる
AES-CMACやSHAなどのアルゴリズム選定や鍵更新手順は標準化されていない場合もある。
利点
柔軟性が高い
OEMやベンダー独自の暗号化方式・鍵管理プロセスを組み込み可能。
既存システムへの適用が容易
既存のSecOCベースの通信インフラに組み込むだけで利用可能。
軽量実装が可能
不要な機能(OTA対応や鍵ローテーション)を省き、ECUリソースを節約。
欠点・課題
業界標準としての互換性が低い
他社ECUやサプライヤーとの相互運用性は保証されない場合がある。
OTAやSDV対応の具体指針が不足
遠隔更新や車載ソフトウェアの安全性確保が自社対応となる。
実装ミスによるセキュリティリスク
暗号化方式やMAC生成手順を独自実装する場合、脆弱性が生じやすい。 - 比較表
項目 JASPAR仕様 AUTOSAR標準のみ(SecOC等)
標準化度 高い(業界共通ルールあり) 低い(ベンダー依存)
相互運用性 高い 低い
OTA/SDV対応 明確 指針なし / OEM依存
実装自由度 低い(仕様準拠必須) 高い(独自実装可)
学習コスト 中〜高(仕様理解必要) 低〜中
リスク管理 安全性が標準化 実装次第で脆弱性リスクあり
🔹 まとめ
JASPAR仕様採用
→ 日本市場やSDV開発に最適、業界標準・OTA対応済みでセキュリティが保証されやすい。
従来のAUTOSAR標準のみ
→ 柔軟な実装や既存ECUへの適用が容易だが、相互運用性やOTA対応などは自社で整備が必要。
希望であれば、私はこの比較をソースコードレベルでのSecOC/JASPAR仕様の実装例と併せて図解することもできます。
作りますか?
はい。
わかりました。では、AUTOSARにおけるJASPARセキュリティ仕様と従来SecOCのみの仕様の比較を、ソースコードレベルで図解します。PlantUMLでデータフローと実装例を示します。
@startuml
title AUTOSARセキュリティ仕様比較 (JASPAR vs SecOCのみ)
package "JASPAR仕様採用" {
rectangle "Application Layer\n・データ暗号化/復号\n・認証処理" as J_SW
rectangle "RTE Layer\n・セキュア送受信\n・アクセス制御" as J_RTE
rectangle "BSW / Security Services\n・SecOC\n・Crypto Service\n・Key Management\n・Certificate Management\n・Secure Boot\n・Freshness Value管理\n・OTA対応" as J_BSW
rectangle "Communication Layer\n・CAN/FlexRay/Ethernet\n・SOME/IP\n・MACsec\n・SecOC(MAC生成/検証)" as J_COMM
}
package "従来SecOCのみ" {
rectangle "Application Layer\n・必要に応じ暗号化" as S_SW
rectangle "RTE Layer\n・セキュア送受信" as S_RTE
rectangle "BSW / Security Services\n・SecOC\n・Crypto Service(選択可)\n・鍵管理は独自" as S_BSW
rectangle "Communication Layer\n・CAN/FlexRay/Ethernet\n・SOME/IP\n・SecOC(MAC生成/検証)" as S_COMM
}
' データフロー JASPAR
J_SW --> J_RTE : データ送信
J_RTE --> J_BSW : MAC生成/暗号化/認証
J_BSW --> J_COMM : SecOC / MAC / Freshness
J_COMM --> J_RTE : メッセージ受信
J_RTE --> J_BSW : MAC検証 / 復号
J_BSW --> J_SW : 認証済データ提供
' データフロー SecOCのみ
S_SW --> S_RTE : データ送信
S_RTE --> S_BSW : MAC生成(独自) / 暗号化(任意)
S_BSW --> S_COMM : SecOC / MAC
S_COMM --> S_RTE : メッセージ受信
S_RTE --> S_BSW : MAC検証 / 復号(任意)
S_BSW --> S_SW : データ提供
@enduml
説明
- JASPAR仕様採用
BSW / Security ServicesにOTA対応、Freshness Value管理、キー・証明書管理などの機能が統合。
標準化されたAES-CMAC / MAC長128ビットを使用。
業界標準として相互運用性が高く、SDVや遠隔更新にも対応。 - 従来SecOCのみ
SecOCによるMAC生成/検証のみが標準化。
鍵管理や暗号化方式、OTA対応は各OEM/ベンダー任せ。
柔軟性は高いが、業界標準やOTA対応の保証はなし。
この図で、JASPAR仕様はSecOC標準機能にOTA対応やキー管理などを追加した統合仕様であることが一目で理解できます。
希望であれば、この比較に**具体的なCコード実装例(MAC生成・検証、OTA対応含む)**を組み込んで、さらに詳細に可視化することもできます。
作りますか?
はい。
わかりました。では、JASPAR仕様採用と従来SecOCのみの実装例をCコードレベルで比較した図とサンプルコードを示します。PlantUMLでフローとコード例を統合します。
@startuml
title AUTOSARセキュリティ実装比較 (JASPAR vs SecOCのみ)
package "JASPAR仕様採用" {
rectangle "Application Layer\nvoid app_send() {\n uint8_t data[] = "Hello";\n uint8_t mac[16];\n SecOC_GenerateMAC(data, sizeof(data), mac);\n SendMessageWithMAC(data, sizeof(data), mac);\n}" as J_SW
rectangle "BSW / Security Services\nvoid SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // AES-CMAC 128bit\n // Freshness Valueを付加\n // Certificate/Key参照\n}" as J_BSW
rectangle "Communication Layer\nSendMessageWithMAC(data, len, mac);\nReceiveMessageWithMAC(data, len, mac);" as J_COMM
}
package "従来SecOCのみ" {
rectangle "Application Layer\nvoid app_send() {\n uint8_t data[] = "Hello";\n uint8_t mac[16];\n SecOC_GenerateMAC(data, sizeof(data), mac);\n SendMessage(data, sizeof(data), mac);\n}" as S_SW
rectangle "BSW / Security Services\nvoid SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // 独自アルゴリズム可\n // 鍵管理は任意\n}" as S_BSW
rectangle "Communication Layer\nSendMessage(data, len, mac);\nReceiveMessage(data, len, mac);" as S_COMM
}
' データフロー JASPAR
J_SW --> J_BSW : MAC生成/暗号化/認証
J_BSW --> J_COMM : SecOC/MAC/Freshness
J_COMM --> J_BSW : 受信データ
J_BSW --> J_SW : 認証済データ提供
' データフロー SecOCのみ
S_SW --> S_BSW : MAC生成(独自)/暗号化任意
S_BSW --> S_COMM : SecOC/MAC
S_COMM --> S_BSW : 受信データ
S_BSW --> S_SW : データ提供
@enduml
🔹 コード・実装のポイント
JASPAR仕様採用
SecOC_GenerateMAC内でAES-CMAC 128bitを利用。
Freshness Valueを付与して再送攻撃防止。
キー/証明書管理と連携。
OTAアップデート時の鍵更新や署名検証も仕様に沿って実装可能。
従来SecOCのみ
MAC生成アルゴリズムや鍵管理は独自実装可。
Freshness ValueやOTA対応は開発者任せ。
柔軟性は高いが業界標準との互換性やSDV対応は保証されない。
この図とコード例で、JASPAR仕様はSecOCにOTA対応・キー管理・Freshness Valueを追加した統合仕様であり、従来SecOCのみ実装との違いが明確になります。
希望であれば、さらにOTAアップデート時の署名検証フローやMAC検証フローを追加して、より完全な車載通信のセキュリティフロー図にすることもできます。
追加しますか?
はい。
わかりました。では、JASPAR仕様に基づくOTAアップデート時の署名検証とMAC検証を含む車載通信のセキュリティフローを、PlantUMLで図解します。Cコードサンプルも併せて示します。
@startuml
title JASPAR仕様によるOTA/通信セキュリティフロー
package "Application Layer" {
rectangle "app_send_update() {\n // 新ソフトウェア準備\n uint8_t sw_data[] = "New SW";\n uint8_t mac[16];\n SecOC_GenerateMAC(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n SendOTAUpdate(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n}" as APP
}
package "BSW / Security Services" {
rectangle "SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // AES-CMAC 128bit\n // Freshness Value付与\n // Key/Cert参照\n}" as SECOC_GEN
rectangle "SecOC_VerifyMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // MAC検証\n // Freshness Value確認\n // 署名検証\n}" as SECOC_VER
rectangle "SecureBoot_ValidateSignature(uint8_t *sw, uint32_t len) {\n // 署名検証\n}" as SECBOOT
}
package "Communication Layer" {
rectangle "SendOTAUpdate(data, len, mac)\nReceiveOTAUpdate(data, len, mac)" as COMM
}
' OTA送信フロー
APP --> SECOC_GEN : MAC生成 + Freshness + Key/Cert参照
SECOC_GEN --> COMM : SecOC/MAC付きOTA送信
COMM --> SECOC_VER : 受信データ + MAC
SECOC_VER --> SECBOOT : 署名検証
SECBOOT --> APP : 認証済SW提供
@enduml
🔹 実装ポイント
送信側
void app_send_update() {
uint8_t sw_data[] = "New SW";
uint8_t mac[16];
SecOC_GenerateMAC(sw_data, sizeof(sw_data), mac); // AES-CMAC + Freshness + Key/Cert参照
SendOTAUpdate(sw_data, sizeof(sw_data), mac);
}
BSW / SecOCモジュール
void SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {
// AES-CMAC 128bit
// Freshness Valueを付与
// Key/Cert参照
}
bool SecOC_VerifyMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {
// MAC検証
// Freshness Value確認
// 署名検証
return true/false;
}
bool SecureBoot_ValidateSignature(uint8_t *sw, uint32_t len) {
// OTAで受信したSWの署名検証
return true/false;
}
通信層
void SendOTAUpdate(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac);
void ReceiveOTAUpdate(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac);
🔹 フローの特徴
MAC生成+Freshness Value+署名検証で再送攻撃や改ざんを防止。
Secure Bootと連携し、OTAで受信したソフトウェアの真正性を保証。
JASPAR仕様に準拠しているため、業界標準として他ベンダーECUとの互換性やSDV対応が容易。
従来SecOCのみでは、Freshness Value管理やOTA署名検証は仕様外であり、独自実装が必要。
この図とコード例で、JASPAR仕様を採用した車載OTA通信のセキュリティフローが明確に理解できます。
希望であれば、CAN/FlexRay/Ethernet/SOME-IP/MACsecを含む通信層別フロー図に拡張し、ECU間のリアルなデータフローまで可視化することもできます。
作りますか?
AUTOSARでは侵入検知機能も仕様にしています。説明に追加してください。
解です。では、これまでのJASPAR仕様+SecOC+OTA+Secure Boot+MAC検証のフローに、AUTOSARの侵入検知(Intrusion Detection, IDS)機能を追加して整理します。
@startuml
title JASPAR仕様 + AUTOSAR IDS セキュリティフロー
package "Application Layer" {
rectangle "app_send_update() {\n // 新ソフトウェア準備\n uint8_t sw_data[] = "New SW";\n uint8_t mac[16];\n SecOC_GenerateMAC(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n SendOTAUpdate(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n}" as APP
}
package "BSW / Security Services" {
rectangle "SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // AES-CMAC 128bit\n // Freshness Value付与\n // Key/Cert参照\n}" as SECOC_GEN
rectangle "SecOC_VerifyMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // MAC検証\n // Freshness Value確認\n // 署名検証\n}" as SECOC_VER
rectangle "SecureBoot_ValidateSignature(uint8_t *sw, uint32_t len) {\n // 署名検証\n}" as SECBOOT
rectangle "IDS_Check(uint8_t *data, uint32_t len) {\n // 異常パターン検知\n // 攻撃シグネチャ照合\n // リプレイ攻撃検知\n}" as IDS
}
package "Communication Layer" {
rectangle "SendOTAUpdate(data, len, mac)\nReceiveOTAUpdate(data, len, mac)" as COMM
}
' OTA送信フロー
APP --> SECOC_GEN : MAC生成 + Freshness + Key/Cert参照
SECOC_GEN --> COMM : SecOC/MAC付きOTA送信
COMM --> SECOC_VER : 受信データ + MAC
SECOC_VER --> SECBOOT : 署名検証
SECBOOT --> IDS : 異常検知
IDS --> APP : 認証済SW提供 / アラート
@enduml
🔹 IDS(Intrusion Detection System)の特徴
異常パターン検知
正常通信パターンと比較し、不正なメッセージや不自然なタイミングを検知。
攻撃シグネチャ照合
既知の攻撃パターンにマッチする通信を検出。
リプレイ攻撃防止
Freshness Valueやタイムスタンプを確認し、再送攻撃を防止。
アラート生成
異常検知時にECUや車両管理システムに通知。
JASPAR仕様との統合
SecOC+OTA+Secure Bootと組み合わせて、車載ネットワーク全体のセキュリティを強化。
🔹 Cコード例(IDS追加)
// IDSによる侵入検知
bool IDS_Check(uint8_t *data, uint32_t len) {
if (DetectAbnormalPattern(data, len)) return false;
if (MatchKnownAttackSignature(data, len)) return false;
if (!VerifyFreshnessValue(data)) return false;
return true; // 正常
}
// OTA受信時フロー
void ReceiveOTAUpdate(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {
if (!SecOC_VerifyMAC(data, len, mac)) { Alert("MAC検証失敗"); return; }
if (!SecureBoot_ValidateSignature(data, len)) { Alert("署名検証失敗"); return; }
if (!IDS_Check(data, len)) { Alert("IDS異常検知"); return; }
InstallUpdate(data, len);
}
🔹 フローのポイント
SecOCによる通信認証+MAC検証
Secure Bootによるソフトウェア署名検証
IDSによる不正検知・リプレイ攻撃防止
JASPAR仕様に準拠した統合セキュリティ
従来SecOCのみでは、IDSやOTA署名検証の統合は自社実装依存
この追加で、AUTOSARのJASPAR仕様採用環境における車載ネットワークセキュリティの全体像が、通信認証・署名・OTA・IDSまで含めて可視化されました。
希望であれば、IDS検知時のログ・アラート処理や通信経路ごとの侵入検知フローも図に組み込むことができます。作りますか?
はい。
わかりました。では、AUTOSAR + JASPAR仕様に基づく車載通信セキュリティフローに、IDS検知時のログ・アラート処理や通信経路ごとの侵入検知フローを追加した図を作成します。PlantUMLで示します。
@startuml
title AUTOSAR JASPAR仕様 + IDSフルフロー
package "Application Layer" {
rectangle "app_send_update() {\n // 新ソフトウェア準備\n uint8_t sw_data[] = "New SW";\n uint8_t mac[16];\n SecOC_GenerateMAC(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n SendOTAUpdate(sw_data, sizeof(sw_data), mac);\n}" as APP
}
package "BSW / Security Services" {
rectangle "SecOC_GenerateMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // AES-CMAC 128bit\n // Freshness Value付与\n // Key/Cert参照\n}" as SECOC_GEN
rectangle "SecOC_VerifyMAC(uint8_t *data, uint32_t len, uint8_t *mac) {\n // MAC検証\n // Freshness Value確認\n}" as SECOC_VER
rectangle "SecureBoot_ValidateSignature(uint8_t *sw, uint32_t len) {\n // 署名検証\n}" as SECBOOT
rectangle "IDS_Check(uint8_t *data, uint32_t len) {\n // 異常パターン検知\n // 攻撃シグネチャ照合\n // リプレイ攻撃検知\n // 通信経路別監視\n}" as IDS
rectangle "IDS_Alert_Handler(msg) {\n // ECUログ記録\n // 車両管理システム通知\n}" as IDS_ALERT
}
package "Communication Layer" {
rectangle "SendOTAUpdate(data, len, mac)\nReceiveOTAUpdate(data, len, mac)\nCAN/FlexRay/Ethernet/SOME-IP/MACsec" as COMM
}
' OTA送信フロー
APP --> SECOC_GEN : MAC生成 + Freshness + Key/Cert参照
SECOC_GEN --> COMM : SecOC/MAC付きOTA送信
COMM --> SECOC_VER : 受信データ + MAC
SECOC_VER --> SECBOOT : 署名検証
SECBOOT --> IDS : 通信経路別異常検知
IDS --> IDS_ALERT : 異常検知アラート
IDS_ALERT --> APP : アラート通知 / ログ記録
IDS --> APP : 正常時は更新データ提供
@enduml
🔹 フロー解説
送信側
Application Layerでソフトウェア更新データを準備。
SecOCでMAC生成、Freshness Value付与、Key/Cert参照。
OTA通信でECUに送信。
受信側
SecOC_VerifyMACで通信の整合性を確認。
Secure Bootで署名検証、正当性を保証。
IDS_Checkで通信経路ごとの異常・攻撃パターン・リプレイ攻撃を検知。
IDS_Alert_Handlerでログ記録、車両管理システムへ通知。
異常なしの場合、Application Layerへデータ提供。
特徴
通信経路ごとのIDS監視により、CAN/FlexRay/Ethernet/SOME-IP/MACsecそれぞれで侵入を検知。
JASPAR仕様に沿った統合セキュリティにより、SDV・OTA・Secure Boot・IDSが統合。
従来SecOCのみでは、IDSや通信経路別監視、OTA署名検証の統合は自社実装依存。
🔹 Cコード例(IDS + アラート)
bool IDS_Check(uint8_t *data, uint32_t len) {
if (DetectAbnormalPattern(data, len)) { IDS_Alert_Handler("異常パターン検知"); return false; }
if (MatchKnownAttackSignature(data, len)) { IDS_Alert_Handler("攻撃シグネチャ検知"); return false; }
if (!VerifyFreshnessValue(data)) { IDS_Alert_Handler("リプレイ攻撃検知"); return false; }
return true; // 正常
}
void IDS_Alert_Handler(const char *msg) {
LogECU(msg); // ECUログ記録
NotifyVehicleManagement(msg); // 車両管理システム通知
}
この図とコード例で、JASPAR仕様に基づくAUTOSAR車載通信セキュリティの完全フローが、
SecOCによる通信認証
Secure Bootによる署名検証
OTA更新
IDSによる侵入検知・通信経路監視・アラート通知
まで含めて可視化されました。
希望であれば、次のステップとして各通信経路(CAN/FlexRay/Ethernet/SOME-IP/MACsec)ごとの侵入検知パターン例とフローチャートまで拡張することも可能です。作りますか?