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Microsoft Agent Framework、4カ月の進化を6本で整理した

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はじめに

Microsoft Agent Framework(Semantic KernelとAutoGenを統合したAIエージェント開発フレームワーク)について、本ブログではRelease Candidate(RC)公開からBuild 2026での新機能発表まで、4カ月間に計6本の記事を書いてきました。1本ずつ読むと「その時点の新機能紹介」ですが、束ねて読み直すと「プレビュー機能が数カ月でGAに進む速度感」「統合の軸がどこにあったか」といった、単発では見えなかった流れが浮かび上がります。この記事では6本を時系列で並べ直し、それぞれの記事が伝えていた内容と、束ねたからこそ気づいた共通パターンを整理します。対象読者は、Microsoft Agent Frameworkの採用を検討しているエンジニア、またはSemantic Kernel / AutoGenからの移行タイミングを見極めたい方です。

年表:RCからBuild 2026まで

# 日付 マイルストーン 概要 元記事
1 2026-02-19 Release Candidate公開 Semantic Kernel + AutoGenの統合フレームワークがRC到達。5つのオーケストレーションパターンを標準搭載 Microsoft Agent FrameworkがRC到達
2 2026-04-02(米国時間。JST基準では4/3表記) 1.0 GA(正式リリース) MIT OSSとして安定版リリース。本ブログでは3本の記事が異なる角度から報じた / /
3 2026-06-02〜03 Build 2026:Foundry Agent Service フレームワーク非依存のサンドボックス実行環境。A2Aが公開プレビューに Microsoft Foundry Agent Service入門
4 2026-06-02〜03 Build 2026:CodeAct ツール呼び出しをコード1本にまとめる新しい実行パターン(alpha/preview) Microsoft Agent Framework CodeAct入門

1. 2026-02-19:Release Candidate — 「どちらを使うか」問題への回答

MicrosoftはこれまでAIエージェント開発向けに、エンタープライズ機能に強いSemantic Kernelと、マルチエージェント研究向けのAutoGenという2つのフレームワークを別々に提供していました。RC版は両者を1つのフレームワークに統合し、Sequential・Concurrent・Handoff・Group Chat・Magentic-Oneという5つのオーケストレーションパターンを標準搭載する形で公開されました。この時点でMCP(Model Context Protocol)とA2A(Agent2Agent)プロトコルのネイティブサポートも表明されており、後述するBuild 2026での機能拡張の土台がすでに敷かれていたことが分かります。

詳細はMicrosoft Agent FrameworkがRC到達 — 始め方と全体像を参照してください(2026-02-19時点の情報)。

2. 2026-04-02:1.0 GA — 3本の記事が少しずつ違う角度で報じた

Microsoft Agent Frameworkは1.0 GAへ到達しました。Build 2026公式ブログには "MAF reached 1.0 GA on April 2, 2026" と明記されていますが、本ブログの3本はいずれも本文冒頭で「2026年4月3日」と1日遅い日付を記載しています。米国時間の4月2日は日本時間では4月3日に当たるため、単純な誤記というより JST基準で日付を記録したことによるズレ の可能性が高いと考えられます。日付を引用する際は「どのタイムゾーン基準か」を明記しないと、こうした1日のブレが生まれることが分かります。

本ブログではこのGAを4月9日・4月19日・4月28日と、約3週間の間に3本の記事で取り上げています。3本を並べて読み直すと、対応プロバイダー数の表記が「Azure OpenAI・OpenAI・Anthropic・Gemini・Bedrock」(4月9日時点)から「7種類以上」(4月28日時点、Ollamaを含む)へ増えており、GA直後の数週間でもドキュメントの記載が更新されていたことがうかがえます。

もう一つ興味深いのは、A2Aプロトコルの扱いです。4月19日の記事では「MCP・A2A対応で外部ツール統合とクロスランタイムエージェント協調が可能」と紹介されていますが、4月28日の記事では「A2Aプロトコルによるエージェント間通信は近日対応予定(1.0 GA時点ではpreview段階)」とより踏み込んだ表記になっています。同じGAリリースについて書いた記事同士でも、参照した公式ドキュメントの版や執筆時点の情報粒度によって記述の precision(精度)に差が出ることを示す一例です。実装検討時は、この時点の記述だけでなく最新の公式ドキュメントで現在のA2A対応状況を確認することをおすすめします。

3. 2026-06-02〜03:Build 2026 — 実行環境と実行パターンの両輪強化

Build 2026では、Microsoft Agent Framework本体ではなく、その「まわり」を固める2つの発表がありました。

Foundry Agent Service は、Microsoft Agent Framework・GitHub Copilot SDK・LangGraphなど複数のフレームワークをそのままホストできる、フレームワーク非依存のサンドボックス実行環境です。手続き的・ユーザー・セッションの3種類のメモリと、OpenTelemetryベースの可観測性、Agent Optimizerが揃ったことで「作って終わり」ではなく本番運用のループが閉じた点が特徴です。A2Aプロトコルも「Incoming A2A」として公開プレビューに入り、前章で触れた「近日対応予定」がここで一歩前進した形になります。

CodeAct は、「ツールを1つずつ選んで呼び出す」従来の方式に代えて、モデルに短いプログラムを1本書かせてサンドボックス内で一度だけ実行させる実行パターンです。公式が示す代表的なツール多用ワークロードのベンチマーク例では、レイテンシが約半減、トークン消費が6割超削減されたと報告されています。ただし2026年6月時点では alpha/preview 段階で、実行にはHyperlightによるKVM(Linux)/ WHP(Windows)のハードウェア仮想化が必要という制約もあります。

共通していたパターン

6本を束ねて読み直すと、単発では気づきにくかった2つのパターンが見えてきます。

1本目は、「まず統合、次に足回り、最後に効率化」という順序 です。RC版で真っ先に固めたのはSequential・Handoff・Group Chatなどのオーケストレーションという「エージェントの組み方」でした。GAではプロバイダー対応の幅を広げて「どのモデルでも動く」を担保し、Build 2026では実行環境(Foundry Agent Service)と実行効率(CodeAct)という「稼働に入った後の面倒を見る」機能を追加しています。新しいエージェントフレームワークを評価するときは、この「組み方→対応範囲→運用効率」の順で機能が揃っていくかを見ると、成熟度の見立てがしやすくなりそうです。

2本目は、preview表記の重み です。A2Aプロトコルは、RC時点で「ネイティブサポート」と紹介されていたにもかかわらず、GA時点の記事では「preview段階」、Build 2026でようやく「公開プレビュー」という表記になっています。CodeActも2026年6月時点でalpha/previewのままです。「対応済み」という見出しだけを見て本番導入を決めるのではなく、記事や公式ドキュメントの中の「preview」「alpha」といった小さな注記まで確認する必要があることを、この時系列は示しています。

まとめ

Microsoft Agent Frameworkは、2026年2月のRC公開から4カ月あまりで「エージェントの組み方」→「対応範囲の拡大」→「運用効率の改善」という順に機能を積み上げてきました。個別の新機能を追うだけでなく、複数時点の記事を並べて読み直すことで、どの機能が先に固まり、どの機能がまだpreview段階なのかという「今どこまで進んでいるか」の見立てがしやすくなります。本番導入を検討する際は、この記事の年表を起点に、各元記事のリンク先で詳細な実装コードとあわせて公式ドキュメントの最新状態を確認することをおすすめします。

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参考リンク

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