CTOやVPoEの皆さんはエンジニアの採用には困っていると思います。もちろん、社長も含めて頭の痛い問題です。
スカウトメールを送ったり、イベントを開催したり、勉強会をやったり、エンジニアブログを書いたり、採用活動は色々とありますが、レッドオーシャン化してます。
開発組織を全て業務委託メンバーで構築した話:の続きです。
https://qiita.com/k1morikawa@github/items/b2257661dd75e7365507
何故レッドオーシャン化しているか
この件は、釈迦に説法的な部分もありますが、改めて。
コロナによって一気にDX化が進んできてますが、このDX化には、IT人材が不可欠となります。DX化とは、表面的なEC化やネット化だけでなく、裏側の物流や在庫管理、販売管理等多岐に渡ってのシステム化も含まれてます。
これによりIT人材不足は加速しています。なんと、経済産業省によると2030年には最大79万人のIT人材が不足するそうです。
一方、日本の人口は減るばかり、ドンドン加速し毎年80万~100万人の現象となりそうです。30年後の2053年に1億人を割り、2090年には約6700万人、2110年には約5300万人にまで減少すると予測されています。
つまりエンジニアの需要は増えているけど、エンジニア供給が足りていないという事です。
ブルーオーシャンに出た話
CTOとして中途入社の自分としては、レッドオーシャンの東京でエンジニア採用を頑張る気はありませんでした。当時、ソーシャルゲームの全盛期でエンジニアの給与は高騰し、無名なベンチャー企業がとてもじゃないけど戦える状態ではありません。同時に過去に創業CTOとしてエンジニア部隊を200名までの組織にした経験から、同じ事を2度やるのは面白くないと思ってました。海外の可能性としては、中国、韓国やフィリピン、ベトナム、インド等オフショア開発は経験した事がありましたが、しっくり来てない過去もありました。
そこで国を選択するのにしたポイントにしたのが3つです。
親日国
先ずなんと言っても日本に対して親日国であるのが第一条件です。イメージが悪いと採用活動が難しくなりますし、政治的な問題でビジネスが上手く行かなくなる可能性もあります。ここで中国や韓国は一旦除外です。親日国である時もあるのですが政治リスクが高いためです。
経済成長率が高い国
経済がグタグタの国では、教育レベルが低い可能性が高いです。経済成長率が高ければ、教育レベルも高く、人口増加率も高く、若くて優秀なエンジニアを採用できる可能性が高いです。
寒い国
経済とか文化を考えた時に、寒い国の人の方が働き者だったり、文化的にレベルが高い気がします。寒い国だと働かないと行きていけません。南国地域なら、観光で外貨を稼いだり、海に行けば食料を調達できたり、行きていくのに難しいビジネスが必要ありません。実際に、ロンドン、ニューヨーク、シリコンバレー、東京、韓国等、ビジネスが進んでたり、文化が高かったりします。これは確率論で寒い国がビジネスに向いている可能性が高いというだけで、温かい国が駄目という事ではないです。
モンゴルに決めた
モンゴルは、当時、経済成長率も世界の中で上位に位置してました。親日国に関しても、相撲のお陰で問題ありません。寒さは、冬にはマイナス30度と3つの条件にモンゴルはマッチした形です。
実際に国際数学オリンピックでモンゴルはいつも優秀な成績を収めてます。
2022年モンゴル代表チーム、国際数学オリンピックで記録更新
どうやって進めたか
最初は、日本にいるモンゴルエンジニア探し
アンチパターンとして、いきなり現地にいって、採用したり、現地の会社を買収したりとかありますが、あんまり上手く行きません。理由は、日本文化を知らない人達だと仕様の伝達とかコミュニケーションがどうしても手間が掛かってしまいます。そのため、既に日本で働いているモンゴル人エンジニアを探し、モンゴルに帰ってもらいモンゴルエンジニア部隊のキーマンになってもらいました。
認知度向上
アプリコンテストを現地で実施しました。これにより、会社の知名度があがるし、優秀なメンバーを入社してもらう事ができます。実際に数名入社してもらいました。
更に大学でラボを作ってもらいました。モンゴル国立大学(日本でいう東大)とモンゴル科学技術大学(日本でいう東工大)に機材(PCやスマホ)を提供することを条件にラボ設置してもらい、インターンも開始しました。
これでモンゴルでネット系エンジニアになるなら、ここしかないという流れができました。
結果
学生が卒業する時には選択肢に入る会社になったし、エンジニアがモンゴルに帰りたい時は必ず話を聞いてみる会社になりました。結果、2,3年で50名のエンジニアの組織を構築する事ができました。日本語が出来るエンジニアは、10名ちょっとでしたが、英語は全てのエンジニアが話せたので、雑談は英語で、仕事の詳細な話は日本語という感じでやってました。
その他色々と苦労した点はありましたが、レッドオーシャンと違って競業がいないので色々と施策案がハマりました。
リモートワークの普及もありますし、東京一極集中で採用に悩んでる方々は、オフショアチャレンジしてみてください。
モンゴルの首都ウランバートル
ウランバートルは結構都会です。東京とまでは行きませんが、地方の県庁よりは都会です。
日本からは直行便、モンゴル航空MIATというのがありまして、片道6時間です。他にはインチョン経由とかあります。
人口は、300万人くらいしかいないので、GDPは151億ドルです。通貨は独自のトゥグルグというのがあります。
夏には30度にはなる事もありますが、湿気がなく過ごしやすいです。ただ、夏は短く6,7,8月くらいで、9月からは一気に寒くなり冬にはマイナス30度にもなります。5月でも雪が降る寒さなので、最初は夏をオススメします。
遊びや見学の際は、案内しますのでご連絡ください。
こちらは冬のモンゴルですが、高層ビルも沢山あります。
こちらは事務所からのメイン道路です。慢性的渋滞で車の量が凄いです。特に冬は歩けないので渋滞ひどいです。