前提
ここ最近Gemini CLIを使うことが多くなり、MCPサーバーも色々なものが登場しました。
しかしありすぎて何を使ったら良いか分からないことがあります。
この記事では、筆者が試して良かったMCPを3つ選んで紹介します。
Context7
context7は、最新のドキュメントやコードを取得してくれるMCPです。
このMCPを導入することで、Geminiは最新ドキュメントや固定バージョンの情報を読み込んでくれて、ハルシネーション(AIが事実に基づかない回答をしてしまうこと)を軽減してくれます。
例えば、JSのフレームワークであるVueはバージョン2とバージョン3で破壊的なアップデートがあり、アプリのバージョンアップ対応に多くの開発者を悩ませました。
しかも厄介なのは同じVueなので、調査の際にVue2とVue3の情報が入り混じってしまいます...
context7を使うことで、Vue2とVue3どちらのドキュメントも用意されているので、必要に応じた情報を取得することができます。
これによりVue2から3へのアップデート、旧バージョンでの開発が継続できます。
言語やフレームワークだけではなく、AWSやGCPなどのクラウド周りも日々アップデートされ続けています。
context7を使うことで、最新の情報で開発を進めることができます。
執筆時点の注記(※2025年9月時点)で、43,302のドキュメントが用意されております。
context7を使う指示は以下のように投げます。
context7を使ってVue3の最新の情報を取得し、状態管理の方法を教えてください。
Sequential Thinking
このMCPは、AIがステップ毎に考えた結果を出力してくれます。
またAI自身が過去に出した回答を振り返り、自分で出した考えを補正するようになります。
これにより過去にお願いした依頼が進むにつれて、全く違った結果を出すようになることを防いでくれます。
例として、以下の指示を投げます。
TODOアプリを開発したいです。ユーザーが喜ぶ機能を再帰的に考えてください。
再帰的(ステップごとに繰り返し深掘りしていくイメージ)というワードを加えることで、AIはステップ毎の考えを出力してくれます。
ステップ中に良いと思った回答をさらに深ぼって実装もできます。
画像の例だとレベル2のゲーミフィケーションの要素を取り入れたい場合、以下の指示を投げて実装レベルで落とし込めます。
レベル2: 「継続」を促すゲーミフィケーションを採用したいです。実装方法を再帰的に教えてください。
このMCPにより、ステップバイステップで作業を進めることができます。
Serena
最後にSerenaを紹介します。
このMCPは、プロジェクトの概要や作業中の情報を保存して残せます。
これによりSequential Thinkingで深ぼった内容を保存して、次の作業時に再開することができます。
導入方法はこちらの記事が参考になりました。
https://qiita.com/miuraken/items/a61fc2f826ba442c5f63
以下の指示を投げて、作業を保存します。
ここまでの作業をSerenaに保存してください
これにより、serenaのフォルダーに作業情報を記録したmdが格納されました。
再開するときはGemini CLIを起動して次の指示を投げます。
@.serena/memories/gamification_feature_design.md を読み込んで作業を再開したいです
これにより作業を再開することができます。
MCPを導入しよう
最後に導入方法を紹介します。
/.gemini/settings.jsonに必要なMCPを追加してください。
"mcpServers": {
"context7": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@upstash/context7-mcp"
]
},
"sequential-thinking": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"
]
},
"serena": {
"command": "uvx",
"args": [
"--from",
"git+https://github.com/oraios/serena",
"serena-mcp-server",
"--context",
"ide-assistant",
"--enable-web-dashboard",
"false",
"--project",
"${PWD}"
]
}
},
追加したら、Gemini CLIを起動して以下のコマンドを実行します。
/mcp list
追加したMCPが表示されたら完了です。
まとめ
今回紹介したMCP三種の神器を導入することで、Gemini CLIは次のような環境になります。
- context7 → 最新の公式ドキュメントでハルシネーションを防ぐ
- SequentialThinking → ステップ毎に考えを整理し深掘りできる
- Serena → 作業履歴を保存し、継続して再開できる
これらを組み合わせれば「最新情報 × 論理的思考 × 作業継続」という開発環境が手に入ります。
ぜひ自分の開発環境でも試してみてください!
参考資料
context7
https://github.com/upstash/context7
sequentialthinking
https://github.com/modelcontextprotocol/servers/tree/main/src/sequentialthinking
serena
https://github.com/oraios/serena?tab=readme-ov-file#using-uvx