前回は
kintoneの標準機能で $ lnX $ の真数$ X $の範囲をできるだけ大きくできるようにXのn乗根を求めました。
今回は前回、前々回のアプリを利用して $ X>2 $ の自然対数を求めます。
真数Xを大きくする方針
$ log_eX $において$ X = x^n $ とおくと、
$ log_eX = log_ex^n = nlog_ex $ となります。
$ x = X^\frac{1}{n} $ なので、真数$ X $を$ \frac{1}{n} $ 乗した数 $ x (x > 0) $ を真数とする $ log_ex$ を求めて $ n $ 倍すれば、
進数 $ X>2 $ の自然対数を求めることができるはず。
というわけで、
1. Xのn乗根($ X $ の $ \frac{1}{n} $ 乗)を求めるアプリ(前回)
2. 真数 $ X>2 $ の自然対数 $ lnX $ を求めるアプリ(✨今回✨)
3. $ log_aX $ を求めるアプリ(次回)
の順に作っていきます。
今回は真数 $ X>2 $ の自然対数 $ lnX $ を求めるアプリを作成します。
アプリの準備
今回のアプリはルックアップが多くてちょっと複雑かも?
アプリ名はlnX(自然対数)を求めるアプリとしておきましょう。
※あとからルックアップで使用します。
フィールド種類 | フィールド名 | フィールドコード | 設定・数式など |
---|---|---|---|
ルックアップ | lnXのXを手入力して! | X_手 | 前回のアプリ「Xのn乗根(ニュートン法)」から引っ張ってくる(図2参照) |
計算 | lnX | lnX | ln_X_n * n |
数値 | Xのn乗根 | x_n | ルックアップ「ほかのフィールドのコピー」で設定する |
数値 | n | n | ルックアップ「ほかのフィールドのコピー」で設定する |
ルックアップ | Xのn乗根を手入力して! | Xn乗根 | 前々回のアプリ「lnX(0<X≦2)を求めるアプリ」から引っ張ってくる(図3参照) |
数値 | ln(Xのn乗根) | ln_X_n | ルックアップ「ほかのフィールドのコピー」で設定する |
図2:ルックアップの設定(lnXのXを手入力して!のルックアップフィールド)
図3:ルックアップの設定(Xのn乗根を手入力して! のルックアップフィールド)
使い方
ちょっとわかりにくいかもですが
$ lnX $ を求める手順としては
- 前回のアプリで$ lnX $のXのn乗根(デフォルト10乗根)を求める
- 前々回のアプリで$ lnX^\frac{1}{n} $ を求める
- $ lnX = n \times lnX^\frac{1}{n} $ なので 2. で求めた値に10をかけた値が$ lnX $ になる
という流れになっています。