はじめに
今回は、ここ数年で実際に触ってみたブラウザをまとめて紹介します。
「ブラウザなんてChromeでいいでしょ」
というそこのあなた。
ブラウザは楽しいぞ!
毎日何時間も開いているのに、意外とこだわられていないのがブラウザ。
エディタやターミナルにはこだわるのに、ブラウザはなんとなくChromeのまま。
でも、ブラウザはあなたの作業環境そのもの。
この記事では、実際に触ってきた12種類のブラウザを、かなり主観多めで紹介していきます。
あくまで「自分の作業環境で使ってみた感想」なので、ベンチマーク的な厳密な比較ではありません。
ブラウザ選びに迷っている人、Arcロスの人、AIブラウザが気になっている人の参考になれば嬉しいです。
第1部:定番ブラウザ
Chrome
Googleが提供しているChromiumベースのブラウザ。
多くのWebサービスがChromeでの利用を前提に動作確認されていて、拡張機能も豊富。
Web開発においてはDevToolsが標準的な存在で、フロントエンド開発やデバッグ用途ではまず困らない。
Googleアカウントとの連携も自然で、Gmail、Google Drive、Google Meet などを日常的に使っている場合は、最も無難な選択肢だと思う。
良くも悪くも「標準のブラウザ」。
仕事で確実に使いたい、互換性を重視したい、という場合は Chrome を選んでおけば大きく外れない。
タブ整理やワークスペース管理にこだわりたい人には少し物足りなさもある。
Edge
Microsoftが提供しているChromiumベースのブラウザ。
Chrome拡張機能がそのまま利用できる。
標準機能はかなり充実していて、Sleeping Tabsによるメモリ節約、垂直タブ、PDFビューア、Copilot連携など、最初から入っている機能が多い。Windows環境であればOSとの統合も自然なので、かなり有力な選択肢だと思う。
自分はあまり使っていない。
Safari
Apple が提供している WebKit ベースのブラウザ。
動作が軽く、バッテリー持ちも良い。
MacBook で長時間作業する場合、Chrome 系ブラウザよりも発熱やバッテリー消費が少ない傾向がある。
Mac ユーザーで軽さを重視するならかなり良い選択肢。
ただし拡張機能や開発用途まで含めると、Chrome 系ブラウザのほうが扱いやすい。
第2部:ワークスペース系ブラウザ
Arc
The Browser Companyが開発しているChromiumベースのブラウザ。
個人的には今回紹介する中で一番好きなブラウザで、現在もメインブラウザとして使っている。
特に便利なのがSpacesとProfilesの組み合わせ。
案件ごとにSpaceを分けておくと、ショートカットでワークスペースを瞬時に切り替えられる。
Chromeのようにプロファイルごとにウィンドウを分けるのではなく、同じウィンドウ内で作業環境を切り替えられるため、複数案件を同時に進めているときにかなり便利。
たとえば、案件Aでは GoogleアカウントA・Notion A・GitHub A を開き、案件Bでは別のアカウント群を使う、というような運用がしやすい。
副業などで複数のクライアントワークをしている人には特に向いていると思う。
一方で、軽いブラウザではない。
複数の Space を常時起動しっぱなしにしているため、CPU やメモリをそれなりに消費する。
MacBook Air だと Meet を開いたりすると結構重くなる。
Arcは新機能開発を停止し現在は保守モードに入っている。
今の完成度でも十分使いやすいけど、今後大きな進化が期待しづらいのはかなり惜しい。
Zen
Firefox系のブラウザ。見た目や使い心地はArcに近く、サイドバー型のタブ管理やワークスペース的な使い方ができる。
UI がきれいで、Arcに慣れている人でも入りやすい印象。
ただしArcと完全に同じ体験ではなく、特にワークスペースとプロファイルの連動については Arc ほど自然ではなかった。
ArcのUIが好きでFirefox系を使いたい人にはかなり向いていると思う。
あと名前がかっこいい。
Vivaldi
Chromiumベースのブラウザ。
特徴はとにかくカスタマイズ性が高いことで、Workspaces、Tab Stacks、メモ、メール、カレンダー、フィードリーダーなど、ブラウザにかなり多くの機能が入っている。
設定項目が多く、自分好みに細かく調整できる反面、最初は少し複雑に感じた。
僕の場合、機能が多すぎて逆に使いこなせなかった。
ブラウザを細かくカスタマイズしたい人には向いていると思う。
優秀なエンジニアがよく使っている印象がある。
こういうのをカスタマイズしまくれる人はエンジニア適性が高いのかも。
Orion
Kagiが開発しているWebKitベースのブラウザ。
Kagiは、広告なし・トラッキングなしの有料検索エンジンを提供している会社で、Googleのように広告で収益を得るのではなく、ユーザーが検索体験そのものに月額課金するモデルを取っている。
この時点で少し思想が強くて面白い。
Safariと同じ系統なので動作が軽く、Macとの相性も良い。
一方でChrome拡張やFirefox拡張にも対応している点が特徴。
特に好きなのが縦タブのツリー構造。
サイト内リンクを踏んだときにツリーの中で展開されるのですっきりする。
UI もシンプルできれい。
ただ、トラックパッドでの操作がときどきもったりすると感じることがあって(気のせいかも)、常用ブラウザとまではいかないけど今後に期待している。
最近はMeetを使うときなどに使っている。
第3部:AIブラウザ
Dia
Arcを開発していた The Browser Company の新しいブラウザ。
UIや縦タブなどはArcを踏襲している。
特徴は、開いているページやタブの文脈をAIが扱えること。
複数のページを横断して要約したり、開いているページをもとに文章を書いたりできる。
ただ、ArcのSpaces / Profiles のようなワークスペース管理機能はない。
Arc の後継だと期待していたけど、別物だった。
あと「これ拡張機能でよくない?」ってなった。
使っている人はよく見るので、使い込めばもっと良さをわかるのかも…
Comet
Perplexityが提供しているAIブラウザ。
調べ物との相性が良く、AIに質問しながら情報を集めたり、ページ内容を要約したりできる。
ブラウザとしての基本的な使い心地は微妙。
Atlas
OpenAIのAIブラウザ。
Agent modeによってブラウザ上の操作を AI に任せられる。
他の AI ブラウザが「読んでくれる」「調べてくれる」方向なのに対して、Atlas は「操作してくれる」方向に近い。
ブラウザ自体がエージェント化していく未来を一番感じたのはAtlasだった。
常用するにはまだ早い印象で、周りでも使っている人はあまり見かけない。
ただ方向性としてはかなりワクワクする。
AIブラウザ3つのまとめ
AI機能としてはどれも面白いけど、日常使いとしては基本的な使い心地の部分でまだ改善余地があると感じた。
結局ブラウザにおいて大切なのは、AIよりも使い心地やUI・UX、拡張性など根本的な部分だと思う。
一時期いろんな企業がこぞってAIブラウザを開発していたけど、最近はあまり聞かなくなった。
ブラウザへの課金はハードルが高いし、このビジネスモデルはなかなか難しそう。
第4部:その他
Brave
Chromiumベースのブラウザ。
広告やトラッカーのブロック機能が標準で入っていて、Chrome 拡張も使えるので普段使いとして大きく困らない。
面白いのは、単なる広告ブロックブラウザではないところ。
Brave Software の共同創業者兼CEOはBrendan Eichで、JavaScriptを作った人であり、Mozillaの共同創業者でもある。
さらに BraveにはBAT(Basic Attention Token)という暗号資産もある。
Brave Rewards を有効にすると、プライバシーに配慮された広告を見ることでBATを受け取れる仕組みになっている。
プライバシーや広告ブロックを重視する人にはかなりおすすめ。
Floorp
日本の学生コミュニティによって開発されている Firefox系の国産ブラウザ。
サイドバーやワークスペースなど作業効率を高めるための機能も入っていて、体験としては Vivaldi に近い印象(Firefox 版 Vivaldi みたいな感じ)。
国産ブラウザとして継続的に開発されている点は純粋にすごいと思う。
IPA未踏プロジェクトにも採択されていて、技術的にも面白い取り組み。
開発者のインタビュー記事も面白かったのでぜひ。
おわりに
一通り触って感じたのは、AIよりも基本的な使い心地がめちゃくちゃ大事。
ブラウザは毎日使うものです。
起動が速い、タブが整理しやすい、重くなりすぎない、UI が気持ちいい。
こういう基本的な部分が、結局一番大事なんだなぁ。
AIはその上に乗る機能で、土台となるブラウザ体験が弱いと、AIがどれだけ便利でも常用するのは難しい。
Arcが新規開発を止めてしまったのは本当に惜しい…
同じくArcロスの人がいれば、おすすめの移住先をぜひ教えてください。











