はじめに
Xのこちらの投稿で、i-have-adhdというAgent Skillを知りました。
名前のインパクトが強い。だいぶネタっぽい。
i-have-adhdは、AIの回答を結論、番号付きの手順、次の一手という順番に整えるスキルです。名前だけ見ると一発ネタっぽいのに、使ってみるとかなり実用的でした。
なんだか最近人様のスキルを紹介する人になっているような...
i-have-adhdとは
i-have-adhdは、AIの回答をすぐ行動へ移しやすい形に整えるAgent Skillです。
公式のSKILL.mdには10個のルールがあります。主な内容は次のとおりです。
- 次の行動を最初に書く
- 複数の作業へ番号を振る
- 「少し」ではなく「15分」のように時間を具体化する
- 本筋と関係ない話を広げない
- 最後を1つの具体的な行動で終える
単に回答を短くするスキルではありません。最初に何をするか、どの順番で進めるか、今は何を後回しにするかまで回答へ入れます。
自分が毎回聞き返していた「結局何すればいい?」を、最初からAIに答えさせるスキルです。
実例
もっと単純な例で試します。割り勘用のPython関数で、人数に0を渡すとエラーになるケースです。
2026年10月16日に、Claude CLI 2.1.299からSonnetを使って実行しました。effortはlowです。普段の設定が混ざらないように--safe-modeを指定し、スキルありの実行だけi-have-adhdのSKILL.mdを読み込ませています。
コードの場所を確認する必要がないように、関数本体もプロンプトへ入れました。手順や回答形式は指定していません。
Pythonで割り勘用の関数を作っています。
```python
def split_bill(total: int, people: int) -> int:
return total // people
```
split_bill(1000, 0)を実行するとZeroDivisionErrorになります。
人数が0以下の場合はValueError("people must be greater than 0")にしたいです。
今日中に直したいです。
ついでにREADMEが古いのも気になっています。
ファイルは変更せず、回答だけしてください。
使用前
まずはi-have-adhdを使わずに生成した回答です。
修正案です。ファイルは変更していません。
def split_bill(total: int, people: int) -> int: if people <= 0: raise ValueError("people must be greater than 0") return total // peopleこれで
split_bill(1000, 0)やsplit_bill(1000, -1)はValueError("people must be greater than 0")になります。補足です。
//は切り捨てなので、1000円を3人で割ると333円になり、1円余ります。余りの扱い(誰かが多く払うなど)を決めるなら、divmod(total, people)が使えます。- 今日中に直すなら、まず上の修正だけで十分です。あわせて
pytest.raises(ValueError)でpeople=0とpeople=-1を確認するテストを足すと安心です。READMEは、中身を見ていないので何が古いかは分かりません。今回の変更に関係するのは「
peopleが 0 以下ならValueErrorになる」という記述なので、その1行を足すだけなら数分で済みます。それ以外の更新は、今日の修正とは別に後日やるのがよいと思います。READMEを見せてもらえれば、更新案も出せます。
修正コードはすぐ出ました。ただ、余りの扱い、テスト、READMEまで話が広がっています。最後もREADMEの共有依頼なので、今すぐ何をするかは文章の中から拾う必要があります。
i-have-adhdを使用後
次は同じプロンプトへi-have-adhdだけを追加した回答です。
split_billの先頭にガードを追加してください。def split_bill(total: int, people: int) -> int: if people <= 0: raise ValueError("people must be greater than 0") return total // people手順(約2分):
- 上のコードで関数を置き換える
split_bill(1000, 0)とsplit_bill(1000, -1)がValueErrorになることを確認するsplit_bill(1000, 3)が333を返すことを確認するREADMEは別件として、この修正の後に回すのが安全です。今日の修正を先に終わらせましょう。
次の一手: 関数を置き換えて
split_bill(1000, 0)を実行してください。
2つを並べると、差が出た場所はここです。
| 見るところ | 使用前 | i-have-adhd使用後 |
|---|---|---|
| 冒頭 | 「修正案です」という説明 | 「ガードを追加」と作業を指定 |
| 手順 | コードはあるが番号なし | 動作確認まで3つに分割 |
| 作業時間 | 記載なし | 約2分 |
| README | 後日を勧めつつ更新案も説明 | 今回は後回しと明記 |
| 回答の終わり | READMEの共有を依頼 | 0人で実行する作業を指定 |
使用前も修正方法は分かります。ただ、補足やREADMEの話まで続くため、回答を読んで自分で優先順位を決める必要があります。
i-have-adhd使用後は、コードを直す、エラーを確認する、正常系を確認するという順番になりました。最後も「0人で実行する」という1つの作業で終わっています。
回答の中身が大きく変わったわけではありません。使用前は修正に関連する情報を広く教える回答、使用後は今の作業を前へ進める回答になりました。
公開後、「使用後の1行目が状況説明になっている」「これから手順を示すという予告文は消える対象では」というコメントをいただきました。
たしかに。以前の実例はコードがない場所で実行しており、コードの場所を聞く必要がある状態でした。そこで今回は関数本体をプロンプトへ載せ、同じ条件でi-have-adhdありの回答を5回生成しています。
| 確認したこと | 結果 |
|---|---|
| 1行目が具体的な行動だった | 5回中5回 |
| 1行目が状況説明だった | 5回中0回 |
| 「これから手順を示します」のような予告文があった | 5回中0回 |
| 「次の一手」が本当の最終行だった | 5回中3回 |
| 回答の最後がREADMEの話になった | 5回中2回 |
1行目は5回とも「ガードを追加してください」のような、すぐ実行できる作業になりました。予告文も出ていません。一方で、2回は最後にREADMEの話へ戻っています。
最初の行動はかなり揃いましたが、最後を1つの行動で終えるルールは毎回守られるわけではなさそうです。モデルなので、そこは揺れる。
ここで載せた文章は実行結果の一例です。モデルの出力には揺れがあるため、毎回同じ文章になるとは限りません。
インストール方法
公式リポジトリはCodexとClaude Codeの両方に対応しています。以下は2026年10月13日に公式のインストール手順で確認した内容です。
Codex
codex plugin marketplace add ayghri/i-have-adhd --ref main
codex plugin add i-have-adhd@i-have-adhd
チャットで次のように呼び出します。
$i-have-adhd
Claude Code
claude plugin marketplace add ayghri/i-have-adhd
claude plugin install i-have-adhd@i-have-adhd
セッション内で次のコマンドを実行します。
/i-have-adhd
そのセッションではルールが継続し、stop adhd modeまたはnormal modeで通常の出力へ戻ります。
まとめ
i-have-adhdは、名前だけ見るとだいぶネタっぽいです。でも、AIの長い回答を読んだあとに「結局何すればいい?手順を教えて」と聞き返したことがある人には、かなり実用的でした。
回答が短くなることより、最初の行動、手順、所要時間、後回しにすることが決まる。この違いが大きいです。
次にAIへ質問するときは、i-have-adhdを付けて投げてみます。
これなら「結局何すればいい?」と聞き返さずに済みそうです。
参考
- ayghri/i-have-adhd(GitHub)
- i-have-adhdのインストール手順(GitHub)
- i-have-adhdを知った投稿(X)
- Redditで話題のClaude Codeプラグイン「i-have-adhd」を試してみた(Qiita)
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