はじめに
Xのこちらの投稿で、i-have-adhdというAgent Skillを知りました。
名前のインパクトが強い。だいぶネタっぽい。
i-have-adhdは、AIの回答を結論、番号付きの手順、次の一手という順番に整えるスキルです。名前だけ見ると一発ネタっぽいのに、使ってみるとかなり実用的でした。
なんだか最近人様のスキルを紹介する人になっているような...
i-have-adhdとは
i-have-adhdは、AIの回答をすぐ行動へ移しやすい形に整えるAgent Skillです。
公式のSKILL.mdには10個のルールがあります。主な内容は次のとおりです。
- 次の行動を最初に書く
- 複数の作業へ番号を振る
- 「少し」ではなく「15分」のように時間を具体化する
- 本筋と関係ない話を広げない
- 最後を1つの具体的な行動で終える
単に回答を短くするスキルではありません。最初に何をするか、どの順番で進めるか、今は何を後回しにするかまで回答へ入れます。
自分が毎回聞き返していた「結局何すればいい?」を、最初からAIに答えさせるスキルです。
実例
実務に近い内容として、Next.jsとFastAPIで作った社内ツールの500エラーを想定しました。
2026年10月14日に、Claude CLI 2.1.299からSonnetを使って実行しています。effortはlowです。普段の設定が混ざらないように--safe-modeを指定し、スキルありの実行だけi-have-adhdのSKILL.mdを読み込ませました。
同じプロンプトを、新しいセッションで1回ずつ実行しています。
Next.jsとFastAPIで作っている社内ツールで、
ユーザー一覧を開くと500エラーになります。
今日の17時までに直したいです。
ブラウザにはInternal Server Errorと出ていて、
FastAPIのログにはResponseValidationError、
UserSummaryのdepartment_nameがField requiredと出ています。
昨日、一覧APIのレスポンス型をUserからUserSummaryへ変更しました。
この500エラーを直したいです。
ついでにREADMEも古く、CIも遅いのが気になっています。
使用前
まずはi-have-adhdを使わずに生成した回答です。
作業ディレクトリ(
/private/tmp/adhd-baseline)が空で、コードが見つかりませんでした。リポジトリの場所を教えていただけますか?コードを見る前でも、症状から原因はほぼ絞れています。
考えられる原因
response_model=list[UserSummary]に変えたものの、エンドポイントが返すオブジェクト(ORMのUserなど)にdepartment_nameがない、というのが典型です。FastAPIはレスポンスをUserSummaryで検証するため、department_nameが見つからずResponseValidationError→500になります。確認ポイント
UserSummaryの定義でdepartment_name: strが必須になっていないか- 一覧APIが返すデータに
department_nameが含まれるか(user.department.nameのようなリレーション経由の値を、詰め替えずに返していないか)departmentがNULLのユーザーがいないか(いる場合、strのままだと検証エラーになります)修正の方向性
- 一覧クエリで部署をJOIN /
selectinloadし、UserSummary(..., department_name=u.department.name if u.department else None)のように明示的に組み立てる- 部署なしを許容するなら
department_name: str | None = None- フロントが
department_nameを使っているなら、型定義(TypeScript側)も合わせて更新README・CIについて
どちらも今日の17時の修正が済んでから、別作業として扱うのがよいと思います。500エラーを先に直し、その後で改善案(README更新、CIのキャッシュ・並列化など)を出します。リポジトリのパスか、該当のルーター・スキーマのコードを共有してもらえれば、具体的に修正します。
よく見る回答ですね。Claudeって感じ
ただ、「確認ポイント」が3つ、「修正の方向性」も3つあります。内容は正しいのですが、最初にどれを見るかは自分で選ぶ必要があります。
i-have-adhdを使用後
次は同じプロンプトへi-have-adhdだけを追加した回答です。
このディレクトリには
AGENTS.mdしかなく、アプリのコードが見つかりません。コードがある場所を教えてください。それまでは、ログから原因を推定して手順を示します。最初にやること: 一覧APIのルート関数と
UserSummaryを開き、department_nameの出どころを確認します。grep -rn "UserSummary\|department_name" backend/原因の見立て:
response_model=UserSummaryはdepartment_nameを必須にしています。しかし、返しているオブジェクトにその値がありません。多いのは次の3つです。
Userモデルにdepartment_nameがなく、department.nameから作る処理がない- 部署が未設定のユーザーがいて
Noneになり、str型の必須項目に通らない- クエリが
departmentを取得していない(join /selectinloadがない)直し方(各5〜15分):
部署が空のユーザーを許すなら、
UserSummaryをdepartment_name: str | None = Noneにします。
Userから値を作るなら、一覧クエリにselectinload(User.department)を足します。そのうえでdepartment_nameを返す処理を入れます。@computed_field @property def department_name(self) -> str | None: return self.department.name if self.department else None値を作る処理がまだない場合は、ルート側で
UserSummary(..., department_name=u.department.name if u.department else None)と組み立てます。確認: 修正後に一覧APIを
curlで叩き、200が返ることを確認します。READMEとCIは後回しにします。 17時までは500エラーだけに集中してください。直ったら別件として扱います。
次の一手(2分): 上の
grepの結果と、一覧APIのルート関数を貼ってください。原因を特定して、修正案を出します。
2つを並べると、差が出た場所はここです。
| 見るところ | 使用前 | i-have-adhd使用後 |
|---|---|---|
| 冒頭 | コードがないことを伝える | 最初に開く場所を指定 |
| 最初の操作 | 3つの確認ポイントから自分で選ぶ | 実行するgrepコマンドを提示 |
| 作業時間 | 記載なし | 修正は各5〜15分、次の一手は2分 |
| READMEとCI | 17時の修正後に別作業 | 17時までは500エラーだけと明記 |
| 回答の終わり | リポジトリか関連コードの共有を依頼 |
grepの結果とルート関数に限定 |
使用前も原因と修正の方向は分かります。ただ、確認ポイントと修正案が3つずつあり、どこから見るかは自分で決める必要があります。
i-have-adhd使用後は、最初に開く場所だけでなく、実行するgrepコマンドまで出ました。最後も「grepの結果と一覧APIのルート関数を貼る」という2分の作業で終わっています。
回答の内容が大きく変わったわけではありません。使用前は原因と修正方法を広く教える回答、使用後は今の作業を前へ進める回答になりました。
今回は同じ質問をスキルなし・ありで1回ずつ実行した結果です。モデルの出力には揺れがあるため、毎回同じ文章になるとは限りません。
インストール方法
公式リポジトリはCodexとClaude Codeの両方に対応しています。以下は2026年10月13日に公式のインストール手順で確認した内容です。
Codex
codex plugin marketplace add ayghri/i-have-adhd --ref main
codex plugin add i-have-adhd@i-have-adhd
チャットで次のように呼び出します。
$i-have-adhd
Claude Code
claude plugin marketplace add ayghri/i-have-adhd
claude plugin install i-have-adhd@i-have-adhd
セッション内で次のコマンドを実行します。
/i-have-adhd
そのセッションではルールが継続し、stop adhd modeまたはnormal modeで通常の出力へ戻ります。
まとめ
i-have-adhdは、名前だけ見るとだいぶネタっぽいです。でも、AIの長い回答を読んだあとに「結局何すればいい?手順を教えて」と聞き返したことがある人には、かなり実用的でした。
回答が短くなることより、最初の行動、手順、所要時間、後回しにすることが決まる。この違いが大きいです。
次にAIへ質問するときは、i-have-adhdを付けて投げてみます。
これなら「結局何すればいい?」と聞き返さずに済みそうです。
参考
- ayghri/i-have-adhd(GitHub)
- i-have-adhdのインストール手順(GitHub)
- i-have-adhdを知った投稿(X)
- Redditで話題のClaude Codeプラグイン「i-have-adhd」を試してみた(Qiita)
関連記事
- Claude Code新出力スタイル「Concise」で、Claudeが結果ファーストの有能な相棒になった … Claude Codeの返事を短くし、先に結果を出してもらう設定を試した話
- 丁寧すぎるClaude Codeを原始人にしたら、トークン使用量が3割減った … 出力の口調を大きく変えると、読みやすさとトークン量がどう変わるか比べた話
- 新しい日本語推敲スキル「yomiyasu」がバズっていたので、Claudeで日本語推敲スキル3つを比べてみた … 同じ入力を使い、Agent Skillごとの出力の違いを比べた話
告知
最後にお知らせとなりますが、イーディーエーでは一緒に働くエンジニアを募集しております。
詳しくは採用情報ページをご確認ください。
みなさまからのご応募をお待ちしております。
