STM32CubeIDEでTOPPERS/ASPカーネルとHALドライバを同居 - 準備編 (2)

はじめに

こちらの記事の続き、準備編 (2) です。

本編

1. 準備

1-1. STM32プロジェクト追加

STM32CubeIDEから「STM32 project」を作成します。

• 「Project Name」は「STM32App」
• 他はデフォルトのまま

後は「Finish」押下。

以降も「Yes」押下でOKです。

1-2. 割り込み設定変更

ASPカーネルで（たぶん）ディスパッチ時に使用している、SVC割り込みのコード作成をやめます。

「STM32App.ioc」を開き、左側フレームから「Categories」 - 「System Core」 - 「NVIC」を選択。

次に右側フレームの「Code generation」タブより、「System service call via SWI instruction」行の「Generate IRQ handler」のチェックを外します。

保存後のコード生成も忘れずに！

1-3. ビルド設定変更

1-3-1. 浮動小数点リンケージの変更

STM32Appプロジェクトの上で右クリック - 「Properties」を開き、「C/C++ Build」 - 「Settings」を選択、更に「Tool Settings」タブを選択。

「MCU Settings」の「Floating-point ABI」を「Mix HW/SW Implementation (-mfloat-abi=softfp)」とします。
（ASPカーネルと設定値を合わせています）

1-3-2. ASPカーネルライブラリを取り込む

上記と同じく「Tool Settings」タブを選択。

「MCU GCC Linker」 - 「Libraries」の設定を以下とします。

• 「Libraries (-l)」に「kernel」を追加
• 「Library search path」に「"${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ"」を追加

1-3-3. ASPカーネル・アプリケーションオブジェクトを取り込む

上記と同じく「Tool Settings」タブを選択。

「MCU GCC Linker」 - 「Miscellaneous」、「Additional object files」に以下の順で追加します。

• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/log_output.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/vasyslog.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/t_perror.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/strerror.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/target_inithook.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/chip_serial.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/banner.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/syslog.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/serial.o
• ${workspace_loc:/RTOS}/asp/OBJ/logtask.o
• ${workspace_loc:/RTApp}/application/sample1.o
• ${workspace_loc:/RTApp}/application/kernel_cfg.o

※手動でプロジェクトファイルを書き換えたほうがたぶん早い

2. ビルド確認

この段階でビルドが通り、STM32App.elfが生成されれば、設定は完了しています。

（略）
arm-none-eabi-size   STM32App.elf 
arm-none-eabi-objdump -h -S  STM32App.elf  > "STM32App.list"
   text	   data	    bss	    dec	    hex	filename
  18432	     20	   3196	  21648	   5490	STM32App.elf
Finished building: default.size.stdout
 
Finished building: STM32App.list
（略）

3. 動作確認

この段階では単なる空のアプリケーションなので、ログも出なければLEDも点滅しませんが、
「ダウンロードでき、例外等が発生しない」
その程度は見たほうがいい（かも）です。

おわりに

次回以下記事で、いよいよHALドライバを使い、LEDを点滅させてみますさせました！

STM32CubeIDEでTOPPERS/ASPカーネルとHALドライバを同居 - 本編 - Qiita
https://qiita.com/imagou/items/f13ddfbccecafb8d3f1b

参考

（特になし）