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Enterprise 利用で組織外部の人とコラボレーションをする方法を考える(ライセンス編)

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Last updated at Posted at 2026-05-05

Microsoft のライセンスについて
本ドキュメントでは、Azure Virtual Desktop のライセンスに関して解説いたします。
公開ドキュメントに則り、できる限り正確に記載を心がけていますが、ライセンスポリシーは、随時変更される可能性があります。
必ず、最新の情報を公式ドキュメントで確認するようにしてください。
また、ライセンスに関する最終的な決定権は、Microsoft にありますので、必要に応じて、Microsoft の担当者にご確認いただくことをおすすめします。

はじめに

企業でお仕事をしているときに、組織外部の人とコラボレーションをする機会があると思います。
その時に、毎回問題になるのは、組織外部の人と、どうやってセキュアにコラボレーションをするかということです。
その際に出てくるやり方としては、だいたい以下のような方法でしょうか?

  • 組織外部の人に、組織のアカウントを発行して一緒にサービスを利用しながらコラボする
  • 外部組織側でアカウントを発行してもらい、外部組織のサービスを利用してコラボする
  • 既存の組織のサービスとは別に、個別サービスでローカルアカウントを発行してコラボする

これらは、すべて、誰かに普段使っているアカウントと二重持ちをお願いする必要がある方法となります。
アカウントの種類が増えていくことは、利便性が下がることでもありますし、セキュリティ的にもリスクが増えることになります。

こういった課題に対応することができる、Azure 外部 ID に対する Azure Virtual Desktop(AVD) のサポートが、2025 年 11 月に GA されました。
参考: Azure Virtual Desktop の新機能 - Azure外部 ID に対する Virtual Desktop のサポートが一般公開されました

この外部 ID を AVD で利用するためのルールや設定について、一度で紹介するには分量が多くなるため、複数回シリーズで紹介していこうと思います。
今回はライセンスに関する内容を中心に紹介していきます。

これまでの関連シリーズ

TL;DR

本章で詳細はそれぞれ記載していますが、AVD を利用するために必要なライセンスを簡潔にまとめます。

ライセンス判断フロー

判断軸は 「ユーザーの利用目的(内部商用 / 外部商用)」「OS(Windows Client / Windows Server)」 の 2 軸のみです。外部 ID かどうかはライセンス選定には影響しません

ライセンス早見表

利用目的 OS 必要ライセンス(いずれか)
内部商用目的 Windows 10/11 Enterprise M365 E3/E5/E7・A3/A5・F3、M365 Business Premium、Windows E3/E5・A3/A5、ユーザーあたりの Windows VDA
内部商用目的 Windows Server RDS CAL + ソフトウェア アシュアランス、または RDS ユーザー サブスクリプション ライセンス (USL)
外部商用目的 Windows 10/11 Enterprise ユーザーごとのアクセス価格 (Per-user access pricing)
外部商用目的 Windows Server 利用不可

用語の整理
公式ドキュメント上では、"内部ユーザー" と "外部ユーザー" という用語が、利用目的の説明と例の両方で、混在して利用されているため、非常にわかりづらい表現となっていますが
「内部ユーザー」= 自社従業員 + 外部委託業者・ベンダー(自組織の業務に従事する人)
「外部ユーザー」= AVD を SaaS として提供する顧客
と解釈するのが、正しいように見受けられます。
外部 ID であっても、自組織の業務に参加するなら "内部商用目的" 扱いとなる点に注意してください。

以降、詳細な説明を記載していきます。

"内部"および"外部"の理解

AVD のドキュメントを読み進めるにあたって、いくつか混乱の原因となる用語があります。
具体的には、"内部"ユーザー、"外部"ユーザーと "内部"商用目的、"外部"商用目的 という用語です。
ここでは、まずは、その用語を整理します。

人の観点での "内部" と "外部"

これは、内部ユーザーと外部ユーザーという用語であらわされることが多いです。

この二つの定義は以下のようになっています。

種類 定義
内部ユーザー 組織の従業員、学校に属する学生。この中には、組織内で業務する外部ベンダーや請負業者も含む
外部ユーザー 組織のメンバーではない人で、組織が AVD を SaaS サービスとして提供する際に利用する顧客

つまり、企業で AVD を利用する際において、組織外部の人とコラボレーションをする場合は、多くのケースにおいて、"内部ユーザー" と判断されることが多くなるかと思います。

用語の定義について
これは、あくまでもドキュメント上の解釈となります。
実際のところは、外部の人とどのような形でコラボレーションしているかによって、内部ユーザーと外部ユーザーのどちらに当てはまるかは変わってくる可能性があります。
必要に応じて、Microsoft の担当者にご確認いただくことが確実かと思います。

利用目的における"内部"と"外部"

AVD を利用する際、利用目的において、"内部"商用目的と"外部"商用目的という用語が出てきます。
これらは、以下のような分類になっています。

種類 説明 事例
内部商用目的 内部ユーザーとして利用する場合。つまり AVD を通じて組織の業務環境を提供する場合の従業員、外部ベンダーや請負業者 AVD を使用して、基幹業務アプリへのアクセスを外部請負業者企業に提供する
外部商用目的 外部ユーザーとして利用する場合。SaaS として顧客に提供する場合の顧客 AVD を使用してアクセスする、SaaS サービスを顧客に提供する

ドキュメントの理解について
Virtual Desktop Azureライセンス においては、この"内部ユーザー"/"外部ユーザー" と "内部商用目的"/"外部商用目的" の両方の用語が分かりづらい形となっています。

特に "ー" という単語が複数の意味で利用されています。
ドキュメントを読む際に、"内部商用目的" か "外部商用目的" かのどちらの使い方かを意識しながら読むと、理解がしやすくなるかと思います。

Entra ID 観点での "内部" と "外部"

厳密には、"内部 ID" という表現は、ドキュメント上出てこないのですが、"外部 ID" という表現は、ドキュメント上に出てきて、混乱しますのでここで紹介します。

AVD で ID と言って出てくるのは、 Entra ID に関連する ID になります。
AVD で利用可能な ID に関しては、サポートされている ID と認証方法 というドキュメントで詳細が説明されています。

具体的には、以下のような ID が AVD での利用可否と一緒にドキュメントで紹介されています。

種類 説明 AVD での利用可否
オンプレミスID オンプレミスの Active Directory などで管理されている ID
ハイブリッドID オンプレミスの Active Directory と Entra ID を Microsoft Entra Connect 等を使用して同期した ID
クラウド専用ID Entra ID 上でのみ管理されている ID
フェデレーションID Entra ID とフェデレーションした他の ID プロバイダーで管理されている ID
外部 ID B2B コラボレーションを利用して、Entra ID上に招待したゲストユーザー

AVD での利用可となっている場合の注意
上記表では、視認性のために AVD での利用可否を二値で表現していますが、実際のところは、利用可能な ID であっても、利用するためには、いくつかの条件が必要になります。
必ず、ドキュメントを確認して制約が、ご自身の要件とマッチしているかを確認することをおすすめします。

必要なライセンス

AVD の利用に必要なライセンスは 内部商用目的外部商用目的 かで必要なライセンスタイプが変わります。
また、利用する OS によっても異なります。

この記事を書いている 2026 年 5 月時点では、OS および利用方法によって必要なライセンスが異なります。
具体的には以下の通りとなります。

OS 内部商用目的のライセンス 外部商用目的のライセンス
Windows 10/11 Enterprise(マルチセッション含) Microsoft 365 E3/E5/E7
Microsoft 365 A3/A5
Microsoft 365 F3
Microsoft 365 Business Premium
Microsoft 365 Student Use Benefit
Windows Enterprise E3/E5
Windows Education A3/A5
ユーザーあたりの Windows VDA
ユーザーごとのアクセス価格
Windows Server 2025/2022/2019/2016 リモート デスクトップ サービス (RDS) クライアント アクセス ライセンス (CAL) とソフトウェア アシュアランス (ユーザーごとまたはデバイスごと)
RDS ユーザー サブスクリプション ライセンス
利用不可

※Microsoft 365 E7 について
Microsoft 365 E7 が 2026年5月に販売開始されました。
AVD の公式ドキュメント上は、Microsoft 365 E7 は、AVD のライセンステーブルの内部商用目的の列に記載されていませんが、以下のドキュメントでも、E7 に AVD のライセンスが含まれることが確認可能なため、この記事では、Microsoft 365 E7 を AVD のライセンステーブルの内部商用目的の列に記載しています。

AVD のライセンスを考える際の重要なポイント:
外部 ID を AVD で使う場合のライセンス判断は「ユーザーが内部商用目的か外部商用目的か」で決まり、外部 ID かどうかは関係ない点を理解しておく必要があります。

内部商用目的でWindows Client OS を利用する場合のライセンスについて
前述の表では、多くのライセンスを記述しておりますが、各ライセンスの違いに関しては、以前に @carol0226 さんAzure Virtual Desktop (AVD) で必要なライセンス という記事でわかりやすくまとめてくださっているようなので、こちらもご参考にしていただくといいかと思います。

AVD 以外のライセンスについて:
AVD 上で他の製品やサービスを利用する場合は、その製品やサービスに沿ったライセンスが別途必要になります。
必ず、利用する製品のライセンスを別途ご確認ください。
Virtual Desktop Azureライセンス- Azure Virtual Desktop で使用するその他の製品とサービスのライセンス

外部 ID を利用するケースにおけるライセンス

内部商用目的で、外部 ID を利用するケースにおいて、外部 ID を利用するユーザーが、自組織のテナントでライセンスを持っていたとしても、招待したテナント(外部 ID を招待した側)で、AVD を利用するためのライセンスを持っている必要があります。
つまり、外部 ID を利用するユーザーが、AVD を利用するためには、招待したテナント側で外部 ID に対して、前述のライセンステーブルに記載されたライセンスのいずれかを割り当てる必要があります。

外部 ID を利用する場合の AVD 以外のライセンス

外部 ID を利用するケースでは、AVD のライセンス以外にも、いくつかのライセンスが必要になります。
具体的に、必須となるのは、Entra ID に関連するライセンスになります。

ライセンスタイプ等 説明 費用
Entra ID P1/P2 外部 ID であっても、条件付きアクセスポリシーの利用等、P1/P2 の機能を利用する場合は必要になります P1/P2 のライセンス費用と同じ
MAU課金 外部 ID の課金は、月間アクティブユーザ (MAU) に基づきます。 月 50,000 MAU まで無償、それ以上は課金

MAU課金に関しては、月間 50,000 MAU まで無料となりますので、AVD のみを組織外部の方とのコラボレーションのために利用する場合は、追加の費用が発生しない可能性が高いかと思いますが、他のサービス連携等も併せて多くの人とコラボレーションしている場合は、MAU課金が発生する可能性があります。
超えた部分に関しては、現時点(2026年5月時点)で、$0.03/MAU と比較的少額ではありますが、コストが発生しますので、注意が必要です。

まとめ

AVD で組織外部の人とコラボレーションをするためのライセンスに関して、いくつかのポイントを紹介しました。
AVD のライセンスは、特に利用目的 によって必要なライセンスの考え方が異なります。
自組織での利用目的がどういった目的かをまず確認したうえで必要なライセンスを確認するようにしましょう。
また、ライセンス要件は随時変更になることがあります。必ず、最新のドキュメントを確認して、必要なライセンスを確認するようにしてください。

ドキュメントのフィードバック

利用目的における"内部"と"外部" の章で記載の通り、Azure Virtual Desktop のライセンスに関するドキュメント は、一部わかりづらい部分がありますので、以下の通り、Microsoft にフィードバックを行いました。

[日本語訳]
「Internal and external commercial purposes」というセクションの冒頭では、内部商用目的を説明するために “internal users” が、外部商用目的には “external users” が使用されています。
この文脈では、“internal users” が外部ベンダーや外部委託業者を含む意味として定義されています。
一方で、後続の例では “external users” が外部委託業者を指す用語として使用されています。

このように、同一ドキュメント内で “internal users” と “external users” の使われ方が一貫していないため、読者にとって非常に紛らわしい表現となっています。
ドキュメントの明確性と一貫性を高めるため、これらの用語の整理および修正をご検討いただけますよう、Microsoft にお願いします。

[英文]
At the beginning of the section titled “Internal and external commercial purposes”, the term “internal users” is used to describe internal commercial purposes, while “external users” is used for external commercial purposes.
In this context, “internal users” is defined to include external vendors or contractors.
In contrast, a later example uses the term “external users” to refer to external contractors.

This inconsistent use of the terms “internal users” and “external users” within the same document may cause significant confusion for readers.
To improve the clarity and consistency of the documentation, I respectfully request that Microsoft review and correct this terminology.

== quotation ==
A retail company called Wingtip Toys might use Azure Virtual Desktop to provide an external contractor company (external users) with access to line-of-business apps. Because these external users are serving internal purposes, Wingtip Toys must purchase one of the eligible licenses listed in Azure Virtual Desktop pricing for each of their contractors that access Azure Virtual Desktop. Per-user access pricing isn't applicable in this scenario.
====

参考

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