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Azure Virtual Desktop (AVD) で必要なライセンス

Last updated at Posted at 2023-10-15

はじめに

現在は、Azure Virtual Desktop (AVD) で、ホストプールと仮想マシンを作成する際に、どれだけシンプルな画面からデプロイさせられるか? を研究しています。
その際には、いくつかのハードルがあったのですが、そこで得られたノウハウを記事にしていこうと思っています。以下のリンク先で シリーズ化 していますので併せて参照ください。

この記事では、AVD の環境を作る上で どのような ライセンスを 手配すれば良いのかについて紹介したいと思います。

結論

詳細は 後述する章に記載していますが、初めに 結論を記載しておきます。
Officeアプリ (Word/Excel/PowerPoint/Outlook) の有無や利用感、ユーザー規模、オンプレミス側のライセンスの所持状況(SA契約)などで判断となります。

  • Officeアプリ を使わなくても良いなら、Windows Enterprise E3
  • Officeアプリ を使う場合の中小企業(300名まで)は、Microsoft 365 Business Premium
  • Officeアプリ を使う場合の大企業は、Microsoft 365 Enterprise E3
  • SA契約があれば、Windows VDA と Officeアプリを手配すれば良い
    ※SAの場合の Officeは、365ではなく Office 2019 や Office 2022 などが該当

では、なぜ そういう判断になるのかは、以降の章を参照してください。

なお、AVD では、上記のライセンスに加えて、Azure上で AVD用の VM を稼働させている分の リソース利用量が掛かります。

Azure Virtual Desktop に必要なライセンス

AVD に必要なライセンスは、以下に記載されています。

(参考:オペレーティング システムとライセンス)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-desktop/prerequisites?tabs=portal#operating-systems-and-licenses

上記より抜粋すると、クライアントOS を利用するためには、以下のライセンスが必要と記載されています。

  • Microsoft 365 E3、E5、A3、A5、F3、Business Premium、Student Use Benefit
  • Windows Enterprise E3、E5
  • Windows VDA E3、E5
  • Windows Education A3、A5

上記のどれかを使えば良い事は判りますが、どのライセンスを使えば良いのかは、それぞれの違いを理解する必要があります。

Microsoft 365 or SA契約

前章で挙げられたライセンスを整理すると、大きく3種類に分けられます。

  • Microsoft 365 ライセンス
  • Windows Enterprise / Education ライセンス
  • Windows VDA ライセンス
Microsoft 365
ライセンス
Windows Enterprise
ライセンス
※Educationは学校利用
Windows VDA
ライセンス
SA契約
補足
コスト支払 サブスクリプション サブスクリプション 年間契約? SA = パッケージ版
ライセンス
を年額で契約する
仕組みのようです。
ライセンスの
購入場所
Microsoft 365
管理センター
Microsoft 365
管理センター
VLSC VLSC=
ボリューム
ライセンス
サービス センター
Officeサービス
のライセンス
Office365ProPlus
Teams
Exchange Online
SharePoint Online
などのクラウドサービス
パッケージ版
Office
のライセンス
Office 2019
Office 2022
Exchange Server
SharePoint Server
セキュリティ (EMS)
のライセンス
AzureAD、Intune、
AIPなどの
セキュリティサービス
Windows Enterprise
のライセンス
Windowsの
エディションを
アップグレード
AVD で利用する権利

要は、個人でテナントを手配して AVD を検証する場合には Microsoft 365 のライセンスか、Windows Enterprise のライセンスを手配すれば OK です。

上記の要点を理解いただけば OK です。
以下の説明は、参考程度に読んでください。

Microsoft 365 ライセンスは、Officeサービス、セキュリティサービス、Windows Enterprise の3ジャンルを包含するライセンスとなっています。
そのため、このライセンスを契約すれば、Windows Entraprise のライセンスも含まれるため 結果的に Azure Virtual Desktop も利用する事ができます。

Windows Enterprise ライセンスは、Windows Professional エディションを Enterprise にアップグレードする事ができるライセンスです。そこに VDI で動作させるための権限も同梱されているため、結果として AVD を利用するとができます。
(公開情報:Windows サブスクリプションのアクティブ化)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/windows-10-subscription-activation

Windows VDA ライセンスは、Windows クライアントを 仮想デスクトップとしてデプロイして、RDP で接続して利用する事を許可するライセンスです。SA契約を持っていれば、Microsoft 365 のライセンスを手配しなくとも SA 側のライセンスで VDA の利用が可能です。

AVD を利用する際は、ホストとなる クライアントOS が 仮想デスクトップ として利用可能なライセンスを持っていれば OK という事になります。

どの種類のライセンスを選べば良いのか?

Windows
E3
Microsoft365
E3/A3
Microsoft365
E5/A5
Microsoft365
F3
Microsoft365
Business Premium
価格(月額)
★要年間契約
2023/10/15時点
880円 4,500円
E3の価格
7,130円
E5の価格
1,000円 2,750円
想定ユーザー数 無制限 無制限 無制限 無制限 300名上限
AVDの利用
Office PCアプリ
インストール可
Word/Excel/PowerPoint/Outlook
Office PCアプリ
GPOでの管理
Office Webアプリ
ブラウザ利用
Word/Excel/PowerPoint/Outlook
Office クラウドサービス
Teams/Exchange/SharePoint/OneDrive
Plan2 Plan2
小規模
Plan1
Teams電話会議
Teams電話システム
Azure Active Directory P1 P2 P1 P1
Azure Information Protection P1 P2 P1 P1
Windows 10/11
エディション
Enterprise Enterprise Enterprise Enterprise Business
インサイダーリスク
マネジメント

A3/A5 は、Education Edition であり、学校などで利用されるライセンスです。
E3/E5 は、Enterprise Edition であり、企業で利用されるライセンスです。
※価格欄に記載したのは、E3/E5 の価格です(A3/A5 の価格は 私も判りません)

【考察】

  • Office365 の機能や Teams/Exchange の利用が不要ならば、Windows E3 で十分です。
  • Office365 が ブラウザのみで妥協できれば、Microsoft 365 F3 は最安値な選択肢です。アプリ版は使えません。
  • Business Premium では、Office365アプリも利用できます。
    バランスが取れており、コスパも高く第1の選択肢。しかし、Businessライセンスのため、ユーザー規模が 300名 が上限となります。
  • Microsoft 365 E3/A3 は、300名 を超える規模の場合は、第2の選択肢になります。
  • Microsoft 365 E5/A5 は、E3/A3 に比べて、ユーザーが使える機能に差はありません。しかし、管理者にとって有用なセキュリティ機能などが充実しています。Teamsで 外線電話を使って発着信する場合も このライセンスが必要になるようです。

Microsoft 365 ライセンス の詳細な比較方法

さらに詳細に Microsoft 365 ライセンスの比較をしたい場合には、以下に説明記事を記載しました。こちらも参考にしてみてください。

テナントのユーザーに ライセンスを適用して試す方法

利用するライセンスを決定したら、続いて 実際に 試してみましょう。
以下のサイトで、ライセンスを購入して ユーザーに割り当てる手順を紹介しています。
(無料試用版の使い方も説明しています)

まとめ

本記事が AVD 導入の際の検討にお役立ていただければ 幸いです。

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