はじめに
『Delphi 10 Seattle』 についての概要です。
概要
製品概要です。
項目 | 説明 |
---|---|
製品名 | Delphi 10 Seattle / Appmethod 1.17 |
コードネーム | Aitana |
発売年 | 2015 |
発売元 | Embarcadero Technologies |
ビルドバージョン | 23.0 |
コンパイラバージョン | 30.0 |
BDS バージョン | 17.0 |
サポートプラットフォーム | Windows (32/64 bit) / macOS (32bit) / iOS デバイス (32/64 bit) / iOS シミュレータ (32bit) / Android (32bit) |
前バージョンとの違い
- IDE で使えるメモリ量が倍増した (Large Address Aware)
- IDE で非ビジュアルコンポーネントの表示/非表示を切り替えられるようになった (
〔Ctrl〕+〔H〕
) - IDE に自動回復機能が付いた
- [オブジェクトインスペクタ] で表示項目をフィルターできるようになった
- コードエディタのフォントサイズを
〔Ctrl〕+〔Num +〕
/〔Ctrl〕+〔Num -〕
で変更できるようになった - GetIt の画面がモダンになった (XE8 のはやっつけ感が...)
- 高 DPI 対応 (VCL)
- Windows 10 用の VCL コントロールが追加された (
[Windows 10]
タブ) - コモンダイアログにスタイルが適用されるようになった
- FireMonkey の Windows プラットフォームで一部ネイティブコントロールが使えるようになった
- Android のサービスアプリケーションが作れるようになった
-
SelectDirectory()
の 3 番目の書式が用意された -
System.Hash
で SHA-2 (THashSHA2
) がサポートされた
その他
- コンパイル状況表示のダイアログからベベルが消えて見づらくなった
-
/NOCASTALIA
オプションで Castalia を無効にできなくなった - (自動) コードパラメータ補完が効かなくなった (Castalia の [スマート囲みキー] を無効にすると直る)
- Starter や アカデミックでもアップデートサブスクリプションへ加入できるようになった
- 日本語版の『Object Pascal Handbook 10 Seattle Edition』が発売された
- 初期リリース版には、設計時に設定した
TStringGrid
(VCL) のサイズ (ColWidths / RowHeights) が*.dfm
に保存されず、DefaultRowHeight / DefaultColWidth で初期化されてしまうというバグがある 1 2 - FireMonkey でオブジェクトインスペクタから
OnTap()
イベントハンドラを生成すると [ref] コンパイラ属性が付いてしまい、手動で削除しないとコンパイルエラーになるバグがある 2 - Community Toolbar の問題が発生する (外しましょう)
- Embarcadero が IDERA に買収された
おわりに
ネーミングは『Windows 10』や『OS X』に合わせたものだったと思います。10 番目に相当する Delphi は『Borland Developer Studio 2006 / Turbo Delphi 2006』ですからね。「ちょっとネーミング的にどうなの?」とは思いました。
ただ、製品名に都市の名前を入れたのはいい判断だったと思います。都市名まで略せずに記述しておけば、特定のバージョンのみの情報を得る事ができます。
Object Pascal Handbook 10 Seattle Edition
『Object Pascal Handbook 10 Seattle Edition』の発売は朗報でした。DocWiki をあてもなく彷徨うよりも、こちらをナナメ読みした方が参考になります。VCL / FireMonkey / RTL については触れられていません。あくまで言語に関する解説です。
See also:
- Delphi / C++Builder の新機能 (2007 以降) (Qiita)
- 【Delphi】Windows 32bit アプリケーションに 2GB を超える仮想メモリ空間を割り当てる (Qiita)
- Delphi / C++Builder のエンバカデロを米 IDERA が買収へ (Publickey)
- 凹ンパイルプラグイン ver.0.0.1。(Swanman's Horizon)
- オフラインインストール用に登録コードを取得する(RAD Studio/Delphi/C++Builder XE6以降、InterBase XE7以降、ER/Studio 10以降)(Support Wiki)
- 手動アンインストール手順(RAD Studio 10)(Supprt Wiki)
- RAD Studioの過去バージョンのIDEを起動した際、CommunityToolbarが原因で「このページのスクリプトでエラーが発生しました。」というエラーが多数発生する (Support Wiki)