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DelphiAdvent Calendar 2024

Day 23

【Delphi】Delphi 10.1 Berlin について

Last updated at Posted at 2024-12-22

はじめに

『Delphi 10.1 Berlin』 についての概要です。

image.png

概要

製品概要です。

項目 説明
製品名 Delphi 10.1 Berlin
コードネーム BigBen
発売年 2016
発売元 Embarcadero Technologies
ビルドバージョン 24.0
コンパイラバージョン 31.0
BDS バージョン 18.0
サポートプラットフォーム Windows (32/64 bit) / macOS (32bit) / iOS デバイス (32/64 bit) / iOS シミュレータ (32bit) / Android (32bit)

前バージョンとの違い

  • インストーラが刷新されて高速になった
  • IDE が Microsoft Visual J# 2.0 再頒布可能パッケージを必要としなくなった
  • Windows Desktop Bridge (Windows 10 ストアアプリ) をサポート
  • [フォームデザイナ] でフローティングデザイナが復活した (VCL / FMX)
  • [FireUI ライブプレビュー] が実装された
  • クラスヘルパを使うとクラスの private メンバにアクセスできる裏技が封じられた
  • FireMonkey のコントロールでアクセラレータキーが使えるようになった
  • Windows 10 で BLE とビーコンがサポートされるようになった
  • unsafe, volatile, weak コンパイラ属性がすべてのプラットフォームで使えるようになった
  • VCL に新しいカレンダーコントロール (TCalendarView, TCalendarPicker) が追加された (Update 2)
  • [オブジェクトインスペクタ] で TAlign 等に『Konopka』拡張 (プロパティエディタ) が入っている。クイック編集 と呼ばれるコントロールを右クリックして呼び出せる機能も追加された (Update 2)

その他

  • Appmethod (のサブスクリプション) がリリースされなくなった
  • Starter Edition が無償になった
  • TParallel.For() が最初の 2 ループを同じスレッドで実行してしまう
  • TParallel.Join() が最初の 2 つのタスクを同じスレッドで実行してしまう
  • リボンコントロールが標準でインストールされなくなった (GetIt から取得可能)
  • Update 2 をインストールすると起動時に DBX のエラーが出る事がある
  • Update 2 をインストールすると Android デプロイ時に paclient error 217 が出る事がある
  • Community Toolbar の問題が発生する (外しましょう)

image.png

Delphi 10.1 Berlin Starter Edition が無償に!

当初、Delphi 10.1 Berlin Starter Edition の無償ダウンロードは期限付きだったのですが、後に無期限になりました。実に 8 年ぶりに無償版が復活した事になります 1

image.png

何故か Delphi Starter Edition と C++Builder Starter Edition を同居する事が可能で、ミニ RAD Studio を作る事ができました。

無償化で本当に喜んだのは既存の有償版ユーザーだったのではないでしょうか?どれだけ Delphi の良さを説いても、試してもらうためのハードルがとても高かったのですから 23

おわりに

新機能がないわけではないのですが、FireMonkey への改良だったり、モバイル機器の新しい OS への対応だったりで、VCL をメインに使っている人からすれば地味なバージョンに見えるかもしれません。

フローティングデザイナが復活したのは朗報でしたが、元のとは違うんですよね...。

image.png

Update 2 の問題はどちらも DBX 関連です。

  1. C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\dbExpress\18.0 にあるファイルを移動するかリネーム
  2. [コンポーネント | パッケージのインストール] で (チェックが外れているであろう) DBX 関連のパッケージにチェックを入れる

とやって、C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\dbExpress\18.0 に ある dbxconnections.windbxdrivers.win をそれぞれ dbxconnections.inidbxdrivers.ini にリネーム (元々あったものは削除) するといいようです。

とても個人的な余談

Delphi 10.1 Berlin がリリースされたのは 2016/04/20 なのですが、

日付 出来事
2016/04/14 熊本地震 (前震)
2016/04/15 心筋梗塞で緊急入院
2016/04/16 熊本地震 (本震) / ICU の中
2016/04/19 ICU を出る
2016/04/20 Delphi 10.1 Berlin リリース

下手すると私は『Delphi 10.1 Berlin』を拝む事なくこの世を去っていたかもですねぇ...(^^;A

Advent Calendar の記事

メタ的な話をすると、Delphi は 28 バージョンあるのに『Advent Calendar』は 25 日分しかないので、残りの分をどうしようかと思いました。結局はこちら (シリーズ 2) に 25 バージョン分の記事を、残りの 3 バージョン分の記事を シリーズ 1 で公開する事にしました。

最後の 6 バージョンは互い違いに公開した方が、Advent Calendar 的には順序通りになるのですが、

日付 シリーズ 1 シリーズ 2
1..22 1 ~ 10.0 Seattle
23 10.1 Berlin 10.2 Tokyo
24 10.3 Rio 10.4 Sydney
25 11 Alexandria 12 Athens

後で読む事を考えるとこちら (シリーズ 2) に 25 年分揃っていた方がいいだろう、と。

日付 シリーズ 1 シリーズ 2
1..22 1 ~ 10.0 Seattle
23 10.4 Sydney 10.1 Berlin
24 11 Alexandria 10.2 Tokyo
25 12 Athens 10.3 Rio

シリーズ 2 はリリース順になりますしね。

2019 年にこの企画を思いついていれば、キレイに 25 本で済んだ訳です (^^;A

See also:

索引

[ ← Delphi 10 Seattle ] [ ↑ 目次へ ] [ → Delphi 10.2 Tokyo ]

  1. 『Turbo Delphi Explorer』から 10 年ぶり。Embarcadero が『Turbo Explorer』シリーズをダウンロードできなくしたのが 2008 年なので、そこからだと 8 年ぶり。

  2. 機能を削られまくった Startter Edition ですら 3 万円を超えていました (但し、アップデートサブスクリプション込みの価格です)。

  3. 今は無償の Community Edition があるんだから、試してくれてもいいんやで?

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