はじめに
『Delphi XE5』 についての概要です。
概要
製品概要です。
項目 | 説明 |
---|---|
製品名 | Delphi XE5 |
コードネーム | Zephyr |
発売年 | 2013 |
発売元 | Embarcadero Technologies |
ビルドバージョン | 19.0 |
コンパイラバージョン | 26.0 |
BDS バージョン | 12.0 |
サポートプラットフォーム | Windows (32/64 bit) / macOS (32bit) / iOS デバイス (32bit) / iOS シミュレータ (32bit) / Android (32bit) |
前バージョンとの違い
- Android デバイス用コンパイラ
dccaarm.exe
が追加された - REST クライアントコンポーネントが追加された
- FireDAC が Professional 版でも利用可能になった (但しローカル接続のみ)
- 座標 / ベクトル / 行列関連のレコード及び計算ルーチンが拡充された (
System.Types
ユニットスコープへ移動) - IDE インサイトがツールバーに配置されるようになった
その他
- 『WebSnap』が廃止された
- 『InternetExpress』が廃止された
- オブジェクト型によるメソッドチェーンが可能になっている (クラスによるメソッドチェーンは Delphi 1 から可能)
-
TFormatSettings
を使って元号とその開始年を列挙できるようになった - FireDAC における
AD
と名前の付くものがFD
へと変更になった 1 - プロジェクトオプションの [デバッグ情報] の値が二値でなくなったため、古いプロジェクトを読み込んでビルドするとエラーが出たり、プロジェクトファイルが壊れる
- TBitmap にバッファオーバーフローの脆弱性がある
次に
『Appmethod』という製品についても触れておく必要があると思います。
Appmethod
Appmethodは『Delphi』および『C++Builder』を、マルチデバイス向け開発機能に絞って再構成したものです。端的に言えば『RAD Studio (Enterprise)』の FireMonkey 専用パッケージという事になります。
BDS バージョン 13.0 は忌み数のためスキップされた...わけではなく、Appmethod で使われました。Appmethod のマイナーバージョンは BDS バージョンとなっています。
項目 | 説明 |
---|---|
製品名 | Appmethod 1.13 |
発売年 | 2014 |
発売元 | Embarcadero Technologies |
ビルドバージョン | 19.5 |
コンパイラバージョン | 26.0 |
BDS バージョン | 13.0 |
サポートプラットフォーム | Windows (32/64 bit) / macOS (32bit) |
機能的には『Delphi XE5』あるいは『C++Builder XE5』と同等です。ターゲットのプラットフォームを BTO できる FireMonkey 専用の『RAD Studio』です。
- ソースコードが付属しない
- VCL の開発ができない
- 価格は 1 プラットフォーム単位
- 年更新
試用版を期限を過ぎて使い続けると、次のような無償版になります。
- 言語は C++ のみ
- ターゲットプラットフォームは Android のみ (但し 6 インチ以下のスマートフォンに限る)
- パッケージが作れない
つまり無償版は Android 開発 (FireMonkey 専用) のみ可能な『C++Builder』という事になります。
すべてのプラットフォームを開発できる『Appmethod』を購入するより、『RAD Studio』を買う方がお得でした。『RAD Studio』は VCL による開発も可能ですし...。
おわりに
マルチプラットフォームに Android が加わりました。
See also:
- Delphi / C++Builder の新機能 (2007 以降) (Qiita)
- 「MS Help 2.x ランタイムがインストールされていない」というエラーを解消する (Qiita)
- 【Delphi】REST クライアントライブラリを使う (Qiita)
- Delphi での新元号対応 (Qiita)
- AnyDAC アプリケーションの FireDAC への移行 (DocWiki)
- Perl RegEx 式を使用する検索および置換ユーティリティ: reFind.exe (DocWiki)
- プロジェクトコンパイル時に「[警告] W1030 間違ったコンパイル指令 : 'true'」が出力される (SupportKB)
- Delphi および C++ Builder における VCL Bitmap LoadFromFile の脆弱性について (Support Wiki)
- オフラインインストール用に登録コードを取得する(RAD Studio/Delphi/C++Builder 2009からXE5まで) (Support Wiki)
- 手動アンインストール手順(RAD Studio XE5)(Supprt Wiki)
-
reFind.exe
で一括置換する必要があります。 ↩