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Turbo C++ 1.01 を Windows 10 (64bit) / 11 にインストールしてみる

Last updated at Posted at 2021-05-03

はじめに

Embarcadero からアンティークソフトウェアとして無償公開されている Turbo C++ 1.01 を、Windows 10 (64bit) / 11 環境で使えるようにする方法についての詳細です。

■ Turbo C++ 1.01

Turbo C++ は、AT&T C++ 2.0 準拠の C++ コンパイラであり、C/C++ 言語用統合開発環境 (IDE) 製品です。

image.png

Turbo C++ 1.01 はいわゆる Turbo C++ 2nd Edition です。

See also:

インストール

  • Turbo C++ 1.01 は MS-DOS で動作するアプリケーションなので、MS-DOS や 16bit Windows へは普通にインストールできます。
  • 32bit Windows の場合、OS の種類によっては NTVDM が別途インストールされるかもしれませんが、基本的にはそのままインストールできます。
  • 64bit Windows では MS-DOS アプリケーションが動作しませんので、MS-DOS Player を使って動作させます (DOSBox 上でも動作可能です)。

本記事は Windows 10 (64bit) / 11 への Turbo C++ 1.01 インストールを試みるものとなっています。

MS-DOS Player

MS-DOS Player アーカイブの binary サブフォルダには複数のバージョンの MSDOS.EXE があります。

32bit 版 64bit 版 説明
i86_x86 i86_x64 8086 サポート
v30_x86 v30_x64 V30 サポート
i286_x86 i286_x64 80286 サポート
i386_x86 i386_x64 80386 サポート
i486_x86 i486_x64 80486 サポート
ia32_x86 ia32_x64 IA32 (Pentium) サポート

基本的にはどれを使っても構いませんが、リストの下に行くほど高機能かつバイナリサイズが大きくなります。

MS-DOS Player では MS-DOS アプリケーションを 64bit Windows で動作するようにコンバートできるのですが、この時できる実行ファイルのサイズも MSDOS.EXE のサイズに比例します。

Download: MS-DOS Player (TAKEDA, toshiya)

具体的なインストール手順 (Turbo C++ 1.01)

1. Turbo C++ 1.01 をダウンロード

CodeCentral から Turbo C++ 1.01 をダウンロードしてきます。

image.png

Download: Antique Software: Turbo C++ 1.01 (Embarcadero)

※ EDN アカウントを持っていない場合には、事前に EDN アカウントを取得する必要があります。

2. アーカイブを解凍

ダウンロードした TCPP101.ZIP を適当な場所に解凍します。

image.png

解凍すると TCPP101 フォルダができます。

3. MS-DOS Player をコピー

ダウンロードした MS-DOS Player (MSDOS.EXE) を TCPP101 サブフォルダ内にコピーします。

image.png

4. セットアップスクリプトの作成

TCPP101 サブフォルダ内にセットアップ用のスクリプト SETUP.CMD を作成します。内容は次の通りです。

SETUP.CMD
@ECHO OFF
CLS

chcp 437
msdos install.exe

pause

5. セットアップスクリプトの実行

スクリプト SETUP.CMD を実行するとインストーラが起動します。

image.png

ここでは C:\DOS\TCPP フォルダへインストールするものとします。〔Enter〕キーを押します。

image.png

ワークドライブは C とします。ここには TCPP101 のあるドライブを指定します。

image.png

ソースパスはこのままで OK ですが、あまりにも深いディレクトリにあると正しくインストールされない事があるので、パスが長そうだったら TCPP101 フォルダを浅いディレクトリに移動してからインストールをやり直してください。

image.png

Turbo C++ Directory を選んで〔Enter〕キーを押し、インストールパスを変更します。

image.png

他のパスも追従して変更されます。[Start Installation] に移動して〔Enter〕キーを押すか、〔F9〕キーを押します。

image.png

インストールが完了しました。

6. 起動スクリプトの作成

C:\DOS\TCPP フォルダの中に TC.CMD を作成します。

TC.CMD
@echo off
cls

set PATH=C:\DOS\TCPP\BIN;%PATH%
cd C:\DOS\TCPP\BIN

chcp 437
msdos tc.exe

※ 日本語環境の Windows の場合、TC.EXE の実行前に chcp 437 を実行しないと表示がおかしくなります。
MSDOS.EXEC:\DOS\TCPP フォルダまたはパスの通ったフォルダにコピーしておきます。

TC.CMD を実行すれば、めでたく Turbo C++ 1.01 が起動します。

image.png

各種パスは IDE の [Options | Directories...] からも設定できます。パスを書き替えたら、 [Options | Save] で忘れずに保存してください。

パスが正しく設定されていないと、コンパイル時に
Unable to open include file 'STDIO.H'
のように怒られてしまう事があります。

罫線がズレる際にはコマンドプロンプトのフォントを変更してみてください。

image.png

7. 起動用ショートカットの作成

起動用ショートカットは次のように指定します。

image.png

項目 内容
リンク先 C:\Windows\System32\cmd.exe /c C:\DOS\TCPP\TC.CMD
作業フォルダ C:\DOS\TCPP

アイコンはお好きなものを指定して下さい。

Download: Turbo C++ 1.01 Icon

おわりに

アンティークソフトウェアを Windows 10 (64bit) / 11 にインストールした他の製品の記事は次の通りです。

定義済みマクロ __TURBOC__ は 0x296 を返します。

See also:

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