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Microsoft Clarity MCPサーバーをClaude Desktop for Macで使ってみる

Last updated at Posted at 2025-06-06

はじめに

Microsoft Clarityは無料で使えるWeb分析ツール。GA4と連携させて、ヒートマップやレコーディングを主に用いています。

そのMCPサーバーが公式からリリースされていたので試してみました。

本記事のスコープ

Claude DesktopからClarity MCPサーバーを使ってデータ分析をすることを目標とします。

Microsoft ClarityのセットアップやMCPサーバーそのものについては前提知識として、本記事では触れません。

環境

以下の環境で検証しています。

  • MS Clarity (GA4連携済み)
  • MacBook Air M3
  • MacOS 15.5
  • Claude Desktop for Mac 0.9.4
    • Claude Teamプラン

1. MCPサーバーのソースの確認

大きな会社の公式からのリリースなので過度な心配は不要とはいえ、一通りソースは確認しておいた方が良いでしょう。

src/index.tsが主要な処理です。

これをみると非常にシンプルな作りで、用意されているツールはget-clarity-dataのみです。

server.tool(
  "get-clarity-data",
  "Fetch Microsoft Clarity analytics data",

入力値をvalidationし、fetchClarityDataでリクエスト組み立て、API呼び出しを行っているだけです。

パラメータ名 データ型 必須/オプション 最大値 説明 具体例 対応するClarity API概念
numOfDays 整数 必須 3 取得する過去の日数 (1-3日) 2 データ取得期間
dimensions 文字列の配列 オプション 3 データをグループ化またはフィルタリングするディメンション(例:ブラウザ、デバイス、国) ["Browser", "Device"] ディメンション
metrics 文字列の配列 オプション N/A 取得する指標(例:スクロール深度、エンゲージメント時間、トラフィック) ["Traffic", "Engagement Time"] 指標
token 文字列 オプション N/A Clarity APIトークン(CLIで設定されていない場合) "your-api-token-here" API認証トークン

3日間が最大なのは辛いですn

APIのドキュメントは以下です。

2. セットアップ

2-1. APIトークンの取得

まずはClarityの管理画面からAPIトークンの取得が必要です。

設定」から
image.png

データのエクスポート
image.png

「新しいAPIトークンを生成する」から生成できます。

ここで気づくのですが、

API 呼び出しは、プロジェクトごとに 1 日あたり 10 回の呼び出しに制限されることに注意してください。

とある通り、Quotaがそれなりに渋いですね。

2-2. Claude Desktop構成ファイルへの追記

claude_desktop_config.jsonへ以下の記述を追加。ファイルのPathは以下です。

  • macOS: ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
  • Windows: %APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json

{
  "mcpServers": {
    "@microsoft/clarity-mcp-server": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "@microsoft/clarity-mcp-server",
        "--clarity_api_token=your-api-token-here"
      ]
    }
  }
}

なお、npxは場合によってはフルパスが必要です。

2-3. Claude Desktopでの確認

以下のようにget-clarity-dataが表示されていればOK。
image.png

3. 実践

3.1 何ができるか確かめる

ソースから概ねわかりますが、何ができるかをClaudeに聞いてみます。

以下の回答でした。

Microsoft Clarityツールを使って、ウェブサイトのユーザー行動分析に関する様々なデータを取得・分析できます。具体的には以下のようなことが可能です:

## 取得できるデータの種類

**ユーザー行動メトリクス:**
- スクロール深度(ユーザーがページをどの程度スクロールしているか)
- エンゲージメント時間(ページでの滞在時間)
- トラフィック データ
- 人気ページの分析

**技術的な分析:**
- ブラウザ別の利用状況
- デバイス別(デスクトップ、モバイル、タブレット)の分析
- オペレーティングシステム別の分析
- 国・地域別のアクセス状況

**マーケティング分析:**
- トラフィックソース(検索エンジン、ソーシャルメディアなど)
- メディア別の流入分析
- キャンペーン効果の測定
- チャネル別のパフォーマンス
- URL別の詳細分析

## 活用例

1. **ユーザー体験の改善** - スクロール深度やエンゲージメント時間から、コンテンツの効果を測定
2. **技術的最適化** - デバイスやブラウザ別の分析でレスポンシブ対応の改善点を特定
3. **マーケティング戦略** - 効果的な流入源やキャンペーンの特定
4. **地域戦略** - 国・地域別のデータから市場戦略を立案

データは最大3日間分を取得でき、最大3つの次元でフィルタリングして詳細な分析が可能です。ClarityのAPIトークンがあれば、これらのデータを自動的に取得して分析レポートを作成することもできます。

何か特定の分析をお手伝いしましょうか?

3.2 「メディア別の流入分析」を試す

以下のリクエストを組み立てて実行してくれました。期間は指定してあげるべきでしたね。とりあえず3日間で調べています。

{
  "numOfDays": 3,
  "dimensions": [
    "Medium"
  ],
  "metrics": [
    "Traffic",
    "Engagement Time",
    "Source"
  ]
}

image.png

データを元にArtifactsを使って以下のようなReact製のグラフを作ってくれました。(軸のラベルは隠しています。)
Claudeの得意なところですね、

image.png

image.png

3.3 より複雑なデータ取得(特定ページの国別の流入)

続いてより複雑なケースを試します。結論を言うと、うまくいきませんでした。

Q. enc.piano.or.jpの国・地域別のアクセス状況を分析して

ピアノ曲事典の国別アクセス数を聞いてみます。

以下のリクエストを組み立ててくれました。

{
  "metrics": [
    "Traffic",
  ],
  "numOfDays": 3,
  "dimensions": [
    "Country/Region"
  ]
}

これだと全体データでしか取得できませんでした。

申し訳ございませんが、enc.piano.or.jpの詳細な国・地域別データを取得できませんでした。ただし、取得できた全体データ(過去3日間で********セッション、*******ユニークユーザー)を基に、一般的な国・地域別アクセス分析の枠組みを作成します。

そして適当な予想レポートを出してきました。

image.png

その後も何度かクエリを変えましたが、Country/Regionは取れないのか、取得ができませんでした。
また、GA4と異なり、hostnameでのfilterもAPIの仕様上難しそうで、一度書き出した後にデータ処理しないと実現できなさそうでした。

おわりに

簡単ですが、Clarity MCPサーバーを試してみました。

最低限の実装で、かつClarity Data Export APIもカスタマイズ性が高くなさそうなので、できることは限られるかな、というのが正直なところです。

Google Analytics Data APIの方はフィルタなど充実しているので、複雑なことをしたい場合は、そちらのMCPサーバーを自作するか、公式を待つかした方が良さそうです。

私はGA4のMCPサーバーを自作して使っています。

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