目次
- はじめに
- 今回の導入環境
- 今回作る構成
- 1. VS Code導入前の状態を確認する
- 2. Microsoft公式のLinux版VS Code導入方法を確認する
- 3. VS Codeのdebパッケージを取得する
- 4. VS Codeをインストールする
- 5. VS Codeのバージョンを確認する
- 6. VS Codeを通常起動する
- 7. GPUアクセラレーションを無効化して起動する
- 8. SSHセッションからGUIを起動できなかった理由を切り分ける
- 9. GPUアクセラレーション無効化を恒久設定する
- 10. 通常のcodeコマンドで再確認する
- 11. 開発用拡張機能は必要最低限にする
- 今回躓いたポイント
- 切り分けの時系列
- まとめ
- 参考資料
- 関連記事
はじめに
メインPCのDELLでフリーズやWSL切断などの不調が発生し、修理・切り分け中もLaravel開発を止めないため、以前使っていた古いLIFEBOOKをUbuntu開発機として再利用しています。
これまでにLIFEBOOKへ Ubuntu 24.04.4 LTS Desktop をインストールし、OpenSSH Server、公開鍵認証、UFW、Git、GitHub CLI、VS Code Remote - SSH、Docker Engine、Sambaなどの環境を構築してきました。
これまでは、主にメインPC側のVS CodeからRemote - SSHでLIFEBOOKへ接続する構成でした。
DELL
└─ VS Code
└─ Remote - SSH
└─ LIFEBOOK
└─ Ubuntu
しかし、メインPC自体が修理に出る可能性が出てきたため、LIFEBOOK単体でも開発を継続できるよう、Ubuntu側へ Visual Studio Code本体 を直接インストールすることにしました。
今回の第6回では、
LIFEBOOK
└─ Ubuntu 24.04.4 LTS Desktop
└─ Visual Studio Code
という構成を作ります。
ただし、今回使用しているLIFEBOOKは2010年前後の世代の古いPCです。
VS Code本体のインストール後、初回の code 実行ではGUIが立ち上がりませんでした。その後、LIFEBOOK本体のGUIセッションで code --disable-gpu を実行すると起動でき、最終的にGPUアクセラレーション無効化を恒久設定した状態で通常の code 起動まで確認しました。
ただし、初回失敗時とGPU無効化での成功時は実行セッション条件が混在しているため、この記事では GPUを単独の原因とは断定しません。
そのためこの記事では、単にVS Codeをインストールするだけではなく、
VS Codeをインストール
↓
通常起動を確認
↓
起動できない
↓
GPUアクセラレーションを一時的に無効化
↓
起動成功
↓
SSHセッションとGUIセッションを切り分け
↓
メモリ不足ではないことを確認
↓
GPU無効化をargv.jsonへ恒久設定
↓
通常のcodeコマンドで起動成功
までを、実際の作業記録に沿って整理します。
この記事で確認したGPU描画の問題は、今回使用したLIFEBOOK実機で発生した結果です。
「古いPCでは必ずVS CodeのGPUアクセラレーションを無効化する必要がある」という意味ではありません。
別環境では、まず通常起動を確認してから必要な場合だけ対処してください。
今回の導入環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| PC | 富士通 LIFEBOOK AH52/C |
| 型名 | FMVA52CBJ |
| CPU | Intel Pentium P6200 2.13GHz |
| CPUコア数 | 2コア / 2スレッド |
| メモリ | 8GB |
| ストレージ | 256GB SSD |
| OS | Ubuntu 24.04.4 LTS Desktop |
| Kernel | Linux 7.0.0-31-generic |
| アーキテクチャ | x86_64 |
| Ubuntuユーザー | honta |
| VS Code | 1.136.1(2026年9月4日の導入時点) |
| Docker Engine | 導入済み |
| Git / GitHub CLI | 導入済み |
| Remote - SSH | 構築済み |
| Samba | 構築済み |
Microsoft公式のVS Codeシステム要件では、推奨ハードウェアとして、
1.6 GHz or faster processor
1 GB of RAM
が案内されています。
今回のLIFEBOOKはCPUクロックとメモリ容量の数値上はこの推奨値を満たしています。
また、Linux側ではGLIBC 2.28以降、GLIBCXX 3.4.25以降などの追加要件があり、対応プラットフォームとしてUbuntu Desktop 20.04が記載されています。
公式の推奨ハードウェア要件を満たすことと、すべての古いGPU・ドライバー構成で描画が問題なく動作することは同じではありません。
今回のLIFEBOOKでは、最終的にGPUアクセラレーションを無効化した構成で正常起動を確認しました。
ただし、初回の code 実行とGPU無効化時の起動確認は同一条件でのA/B比較ではないため、GPUを唯一の原因とは断定していません。
今回作る構成
最終的には、メインPCに依存せずLIFEBOOK単体でVS Codeを起動できる状態を目指します。
LIFEBOOK
Ubuntu 24.04.4 LTS Desktop
│
├─ Git / GitHub CLI
├─ Docker Engine
├─ Codex CLI
├─ Claude Code
├─ Samba
│
└─ Visual Studio Code 1.136.1
│
├─ GPU hardware acceleration: disabled
└─ ~/.config/Code/argv.json
└─ "disable-hardware-acceleration": true
これまでのRemote - SSH構成も残したままなので、
メインPCが使えるとき
↓
Remote - SSH
メインPCが使えないとき
↓
LIFEBOOK上のVS Codeを直接起動
という2通りの使い方ができます。
1. VS Code導入前の状態を確認する
いきなりVS Codeをインストールせず、まずLIFEBOOKにすでにVS Code本体が存在するか確認しました。
command -v code
code --version 2>/dev/null || true
今回の結果は、
(出力なし)
でした。
つまり、
codeコマンド
└─ 未導入
VS Code本体
└─ 未導入
の状態から開始しています。
これまで使用していたVS Code Remote - SSHは、メインPC側のVS CodeからLIFEBOOKへ接続する構成であり、LIFEBOOK側へGUI版VS Code本体をインストールしたものではありません。
2. Microsoft公式のLinux版VS Code導入方法を確認する
Microsoft公式のVS Codeドキュメントでは、Debian / Ubuntuについて .deb パッケージをダウンロードし、APTでインストールする方法が案内されています。
判断元URL:
公式記載:
Download the
.debpackage from the VS Code download page
続いて、
Install it with
sudo apt install ./<file>.deb
と案内されています。
今回はUbuntu 24.04.4 LTS Desktopのx86_64環境なので、Linux x64 Debian向けStable版を使用します。
また、VS Code公式FAQには、バージョン指定用URLとして、
https://update.code.visualstudio.com/{version}/linux-deb-x64/stable
が案内されており、{version} に latest を使用すると最新Stable版を取得できると説明されています。
判断元URL:
今回はブラウザ操作ではなく、LIFEBOOKのターミナルから直接取得するため、
https://update.code.visualstudio.com/latest/linux-deb-x64/stable
を使用しました。
今回のLIFEBOOKは日本語Ubuntu Desktopとしてセットアップしているため、ユーザーディレクトリのダウンロード先は、
~/ダウンロード
になっています。
英語環境では ~/Downloads など、異なるディレクトリ名になる場合があります。
3. VS Codeのdebパッケージを取得する
まずダウンロード先へ移動しました。
cd ~/ダウンロード
現在位置を確認します。
pwd
今回の結果です。
/home/honta/ダウンロード
続いて、Microsoft公式のStable版URLから .deb を取得しました。
wget -O vscode-latest-amd64.deb \
https://update.code.visualstudio.com/latest/linux-deb-x64/stable
今回の取得時には、最終的に次のファイルへリダイレクトされました。
code_1.136.1-1788413865_amd64.deb
このバージョンは 2026年9月4日の作業時点で latest URLから取得できたものです。
latest はその時点のStable版を指すため、後日同じURLを実行した場合は別バージョンが取得される可能性があります。
ダウンロードサイズは、
243690526 bytes
で、wget の表示では約232MBでした。
保存後、ファイルを確認します。
ls -lh vscode-latest-amd64.deb
今回の結果です。
-rw-rw-r-- 1 honta honta 233M 9月 3 15:30 vscode-latest-amd64.deb
続いて、ファイル形式を確認しました。
file vscode-latest-amd64.deb
今回の結果です。
vscode-latest-amd64.deb: Debian binary package (format 2.0), with control.tar.xz , data compression xz
これで、取得したファイルがDebianパッケージであることを確認できました。
URLだけを見てそのままインストールへ進まず、今回の作業では file コマンドで実際に取得したファイル形式まで確認してから次へ進みました。
ただし、file コマンドで確認できるのは ファイル形式 です。ダウンロードしたファイルの真正性や改ざん有無を検証するコマンドではありません。
今回はMicrosoft公式のHTTPS URLから取得したファイルを使用しています。
4. VS Codeをインストールする
ダウンロードした .deb をAPTでインストールします。
sudo apt install ./vscode-latest-amd64.deb
Microsoft公式でも、Ubuntu / Debian向け .deb のインストールにはこの形式が案内されています。
インストール完了後、code コマンドが利用できる状態になりました。
今回の作業では、Snap版ではなくMicrosoft公式のLinux x64 Debian向け .deb パッケージを使用しました。
この記事では、実際に使用した導入経路に限定して記載しています。
5. VS Codeのバージョンを確認する
インストール後、まずGUIを起動する前にCLIからバージョンを確認しました。
code --version
今回の結果です。
1.136.1
a44adf7f53e00964ab890f9f8758a334f1fc15bc
x64
これで、
Version : 1.136.1
Commit : a44adf7f53e00964ab890f9f8758a334f1fc15bc
Architecture : x64
として導入されていることを確認できました。
インストールとCLI実行自体は正常です。
6. VS Codeを通常起動する
次に、GUI版VS Codeが普通に起動するか確認しました。
code
しかし、初回の確認では期待したようにGUIが立ち上がりませんでした。
code --version は成功しているため、
VS Codeパッケージ
└─ インストール済み
code CLI
└─ 実行可能
初回GUI起動確認
└─ 画面が立ち上がらない
という状態です。
ただし、この初回確認時点では 実行したシェルがGUIセッションかSSHセッションかという条件を十分に切り分けられていませんでした。
後続の確認では、SSHセッションから code --disable-gpu --verbose を実行すると $DISPLAY が空で、Missing X server or $DISPLAY になることも確認しています。
そのため、この初回結果だけを根拠に「GPUが原因」とは判断せず、描画条件と実行セッションを順番に切り分けました。
なお、同じLIFEBOOKではUbuntuのApp Centerも通常起動時に、
No provider of glBlitFramebuffer found.
Requires one of:
Desktop OpenGL 3.0
GL_ARB_framebuffer_object
OpenGL ES 3.0
GL_EXT_framebuffer_blit
GL_NV_framebuffer_blit
中止 (コアダンプ)
となり、
LIBGL_ALWAYS_SOFTWARE=1 snap-store
でソフトウェア描画へ切り替えると起動できる事象も確認していました。
この結果から、VS CodeについてもGPU描画を切り分ける価値があると判断しました。
App Centerで発生したOpenGLエラーとVS Codeの起動不良が同一原因であると、この時点で断定したわけではありません。
App CenterではGPU/OpenGL系のエラーが実際に確認できたため、VS CodeでもGPUアクセラレーションを無効化した場合の挙動を確認する、という切り分けに使用しました。
7. GPUアクセラレーションを無効化して起動する
現在のMicrosoft公式CLIドキュメントでは、--disable-gpu がAdvanced CLI optionとして掲載されています。
判断元URL:
公式記載:
--disable-gpu— Disable GPU hardware acceleration.
また、VS Code 1.40の公式リリースノートでは、このオプションについてGPUハードウェアアクセラレーションを無効化し、ソフトウェアレンダラーへフォールバックすると説明されています。
判断元URL:
公式記載:
Running with this argument will disable the GPU hardware acceleration and fall back to a software renderer.
そこで、まず恒久設定を変更せず、一時的にGPUを無効化して起動しました。
code --disable-gpu
LIFEBOOK本体のGUIセッションから実行すると、VS Codeが起動しました。
今回ここで確認できた事実は、
LIFEBOOK本体のGUIセッション
↓
code --disable-gpu
↓
起動成功
です。
一方、初回の code 実行時とは実行セッション条件が揃っていないため、厳密なA/B比較として「GPUアクセラレーションだけが起動失敗の原因だった」とは判断しません。
Microsoft公式の1.40リリースノートにも、GPU無効化設定について問題が発生している場合だけ使用するよう注意書きがあります。
この記事でも、問題のない環境で最初から無効化することは推奨しません。
また、今回の作業記録だけではVS Codeの初回起動失敗原因をGPUへ単独特定していません。
8. SSHセッションからGUIを起動できなかった理由を切り分ける
GPU無効化の確認中、Remote - SSH経由のターミナルから次のコマンドも実行しました。
code --disable-gpu --verbose
その結果、
Missing X server or $DISPLAY
The platform failed to initialize. Exiting.
と表示され、GUIを起動できませんでした。
同時に、次のようなCrashpad関連ログも表示されました。
open /sys/devices/system/cpu/cpu0/cpufreq/scaling_cur_freq: No such file or directory
open /sys/devices/system/cpu/cpu0/cpufreq/scaling_max_freq: No such file or directory
ここで、メモリ不足なのか、GUIセッションの問題なのかを分けて確認しました。
8.1 DISPLAYを確認する
echo "$DISPLAY"
今回のSSHセッションでは、
(空)
でした。
つまり、このシェルからはXサーバーの表示先が設定されていません。
その状態でGUI版VS Codeを起動しようとしたため、
Missing X server or $DISPLAY
となっていました。
8.2 メモリを確認する
同時に、メモリ不足ではないかも確認しました。
free -h
今回の結果です。
total used free shared buff/cache available
Mem: 7.6Gi 2.0Gi 2.1Gi 311Mi 4.0Gi 5.5Gi
Swap: 4.0Gi 0B 4.0Gi
確認時点では、
available : 5.5GiB
Swap使用 : 0B
でした。
したがって、この実行結果からはメモリ枯渇状態とは判断できません。
8.3 LIFEBOOK本体のGUI側ターミナルから再確認する
SSHセッションではなく、LIFEBOOK本体のデスクトップで端末を開き、
code --disable-gpu
を実行しました。
こちらでは正常にVS Codeが起動しました。
今回の切り分け結果は、
SSHセッション
│
├─ DISPLAYなし
└─ GUI版VS Codeは起動不可
LIFEBOOK本体のGUIセッション
│
└─ code --disable-gpu
└─ 起動成功
となりました。
Missing X server or $DISPLAY は、今回の確認ではメモリ不足を示すエラーではありませんでした。
GUIを表示するためのXセッションが、そのSSHシェルから見えていない状態でした。
9. GPUアクセラレーション無効化を恒久設定する
code --disable-gpu で起動できることは確認できましたが、毎回オプションを付けるのは不便です。
Microsoft公式では、VS CodeのRuntime Argumentsを設定する argv.json に、
"disable-hardware-acceleration": true
を追加することで、GPUアクセラレーション無効化を恒久設定できると案内しています。
判断元URL:
公式手順では、Command Paletteから、
Preferences: Configure Runtime Arguments
を開き、argv.json を編集します。
今回はVS Codeの通常起動がまだ安定していなかったため、ターミナルから設定ファイルを確認・作成しました。
9.1 既存のargv.jsonを確認する
まず、既存設定を上書きしないよう確認します。
cat ~/.config/Code/argv.json 2>/dev/null || echo "argv.json はありません"
今回の結果です。
argv.json はありません
既存ファイルが存在しないことを確認できました。
9.2 argv.jsonを新規作成する
設定ディレクトリを作成します。
mkdir -p ~/.config/Code
続いて、argv.json を作成しました。
cat > ~/.config/Code/argv.json <<'EOF'
{
"disable-hardware-acceleration": true
}
EOF
作成後、内容を確認します。
cat ~/.config/Code/argv.json
今回の結果です。
{
"disable-hardware-acceleration": true
}
argv.json はVS CodeのRuntime Argumentsへ影響する設定ファイルです。
今回の環境ではファイルが存在しないことを確認してから新規作成しました。
すでに argv.json が存在する環境では、既存設定を確認せず同じ方法で上書きしないでください。
10. 通常のcodeコマンドで再確認する
argv.json を作成したあと、起動中のVS Codeを終了しました。
その後、LIFEBOOK本体のGUI側ターミナルから、今度は --disable-gpu を付けずに実行します。
code
VS Codeは正常に起動しました。
最終的な確認結果は、
~/.config/Code/argv.json
└─ "disable-hardware-acceleration": true
↓
LIFEBOOK本体のGUIセッション
↓
code
↓
起動成功
となりました。
これで毎回 --disable-gpu を指定せず、通常の code コマンドからVS Codeを起動できる状態になりました。
ここで確認できたのは、GPUアクセラレーション無効化を設定した最終構成で正常起動したことです。
設定を外した状態と同一GUIセッションで再度比較する検証は今回の作業記録にはないため、「この設定がなければ必ず起動しない」とまでは断定しません。
11. 開発用拡張機能は必要最低限にする
今回のLIFEBOOKは古い2コアCPUを搭載したPCなので、VS Code本体が起動できたあとも、拡張機能を大量に追加するのではなく、実際の開発で必要なものだけを使う方針にしました。
Laravel開発用として今回候補にした主な拡張機能は次のとおりです。
| 拡張機能 | Extension ID | 主な用途 |
|---|---|---|
| Laravel | laravel.vscode-laravel |
Laravel向け補完・ナビゲーション |
| PHP Intelephense | bmewburn.vscode-intelephense-client |
PHP補完・型情報・定義ジャンプ |
| Tailwind CSS IntelliSense | bradlc.vscode-tailwindcss |
Tailwind CSSクラス補完 |
| Prettier - Code formatter | esbenp.prettier-vscode |
JavaScript / TypeScript / JSONなどの整形 |
今回の作業記録には、LIFEBOOKへ最終的に導入できた拡張機能の完全な一覧と各バージョンまでは残していません。
そのため、この章では「今回の開発用途で候補にした拡張機能」として記載し、実導入済みの一覧とは扱いません。
Pythonで作成しているログ解析自動化ツールについては、コーディング支援をCodex CLI中心で行い、RuffやpytestもCLIから実行しているため、追加拡張は必要最小限にする方針です。
拡張機能の必要性はプロジェクト構成や開発方法によって異なります。
今回の記事では「古いLIFEBOOKだから大量に拡張機能を入れない」という独自の必須要件を一般化するのではなく、実際の運用に必要なものだけを追加する方針にしています。
今回躓いたポイント
VS Codeはインストールできたのに初回のGUI起動確認で画面が立ち上がらなかった
.deb パッケージの取得とインストールは成功し、
code --version
も、
1.136.1
a44adf7f53e00964ab890f9f8758a334f1fc15bc
x64
と正常に表示されました。
しかし、初回の、
code
では期待したようにGUIを起動できませんでした。
その後、Microsoft公式が案内している、
code --disable-gpu
をLIFEBOOK本体のGUIセッションから試したところ、起動できました。
ただし初回実行時と成功時ではセッション条件が揃っていないため、この結果だけでGPUを単独の原因とは断定していません。
最終的には、
{
"disable-hardware-acceleration": true
}
を ~/.config/Code/argv.json へ設定し、通常の、
code
で起動できる状態にしました。
今回の実機ではGPUアクセラレーション無効化を設定した構成で正常起動を確認できましたが、「VS Codeが起動しない場合は必ずGPUが原因」という意味ではありません。
今回の初回起動失敗ではSSH/GUIセッション条件も切り分け対象になりました。エラーログや実行環境を確認したうえで判断する必要があります。
Missing X server or $DISPLAY をメモリ不足と混同しかけた
SSH経由のターミナルで、
code --disable-gpu --verbose
を実行すると、
Missing X server or $DISPLAY
The platform failed to initialize. Exiting.
と表示されました。
一方、
free -h
では、
available 5.5Gi
Swap 0B使用
だったため、今回の確認時点ではメモリ不足ではありませんでした。
さらに、
echo "$DISPLAY"
が空だったことから、SSHセッション側ではGUIの表示先が設定されていない状態だと確認できました。
LIFEBOOK本体のGUI側ターミナルから、
code --disable-gpu
を実行すると起動できました。
ここでは、
GUIが起動しない
↓
メモリ不足と決めつけない
↓
DISPLAYを確認
↓
メモリを確認
↓
GUIセッションから再実行
と切り分けたことが重要でした。
App CenterでもOpenGL関連の問題が出ていた
同じLIFEBOOKでは、UbuntuのApp Centerを通常起動した際にも、
No provider of glBlitFramebuffer found.
と表示され、コアダンプする事象がありました。
その際は、
LIBGL_ALWAYS_SOFTWARE=1 snap-store
でソフトウェア描画へ切り替えると起動できました。
VS Codeについても描画系を疑う材料にはなりましたが、この記事ではApp CenterとVS Codeの原因が完全に同一であるとは断定していません。
あくまで、
App Center
└─ GPU/OpenGL関連エラーを実際に確認
VS Code
└─ --disable-gpuで起動成功
という、今回のLIFEBOOKで確認できた事実として扱います。
切り分けの時系列
今回の作業全体を時系列で整理すると次のようになります。
LIFEBOOKの実機環境
│
├─ Ubuntu 24.04.4 LTS Desktop
├─ Pentium P6200 2.13GHz
├─ 2コア / 2スレッド
├─ メモリ 8GB
└─ x86_64
↓
VS Code本体の導入状態を確認
│
└─ code未導入
↓
Microsoft公式のLinux導入方法を確認
│
├─ Debian / Ubuntuは.deb
└─ sudo apt install ./<file>.deb
↓
~/ダウンロード へ移動
↓
Microsoft公式Stable URLから取得
│
└─ latest/linux-deb-x64/stable
↓
vscode-latest-amd64.deb 保存
│
└─ 約233MB
↓
fileでパッケージ形式確認
│
└─ Debian binary package
↓
APTでVS Codeをインストール
↓
code --version
│
├─ 1.136.1
├─ a44adf7f53e00964ab890f9f8758a334f1fc15bc
└─ x64
↓
初回のcode実行
│
└─ GUIが立ち上がらない
└─ この時点では実行セッション条件を単独特定しない
↓
同じLIFEBOOKのApp Centerでも
GPU/OpenGL関連クラッシュを確認
↓
GPU描画を切り分け
│
└─ code --disable-gpu
↓
LIFEBOOK本体のGUIセッションでは起動成功
↓
SSHセッションでも詳細確認
│
└─ code --disable-gpu --verbose
↓
Missing X server or $DISPLAY
↓
echo "$DISPLAY"
│
└─ 空
↓
free -h
│
├─ total: 7.6Gi
├─ available: 5.5Gi
└─ Swap使用: 0B
↓
メモリ不足とは判断しない
↓
GUI側ターミナルから再実行
│
└─ code --disable-gpu
└─ 起動成功
↓
既存argv.jsonを確認
│
└─ argv.json はありません
↓
~/.config/Code/argv.json を新規作成
│
└─ "disable-hardware-acceleration": true
↓
VS Codeを終了して再起動
↓
code
│
└─ 通常起動成功
↓
LIFEBOOK単体でVS Codeを利用可能
今回特に重要だったのは、
インストール成功
↓
GUI起動失敗
↓
古いPCだから無理と決めつけない
↓
GPUを一時的に無効化
↓
SSHとGUIセッションを分ける
↓
メモリも実測する
↓
成功条件を確認
↓
最後に恒久設定
という順番で進めたことでした。
まとめ
今回は、Ubuntu 24.04.4 LTS Desktopをインストールした古いLIFEBOOKへ Visual Studio Code 1.136.1 を直接導入しました。
単に .deb をインストールするだけではなく、
- VS Code未導入の状態を確認
- Microsoft公式のLinux x64 Debian向けStable版を取得
-
fileでDebianパッケージであることを確認 - APTでVS Codeをインストール
-
code --versionでVersion / Commit / Architectureを確認 - 初回の
code実行ではGUIが立ち上がらなかったことを確認 - LIFEBOOK本体のGUIセッションで
code --disable-gpuによる起動を確認 - SSHセッションでは
$DISPLAYが空であることを確認 -
free -hでメモリ不足ではないことを確認 - LIFEBOOK本体のGUIセッションから再検証
-
argv.jsonが存在しないことを確認 -
"disable-hardware-acceleration": trueを恒久設定 - 最後に通常の
codeで起動できることを確認
まで行いました。
最終的なVS CodeのRuntime Argumentsは、
{
"disable-hardware-acceleration": true
}
です。
今回のLIFEBOOKは、
Intel Pentium P6200 2.13GHz
2コア / 2スレッド
メモリ 8GB
という古いハードウェアですが、GPUアクセラレーション無効化を設定した最終構成でVS Code本体を直接利用できる状態になりました。
なお、今回の作業記録では初回起動時とGPU無効化時の条件が完全には揃っていないため、起動失敗の原因をGPUへ単独特定してはいません。
これまでの構成は、
DELL
↓
VS Code
↓
Remote - SSH
↓
LIFEBOOK
でしたが、今回の作業によって、
LIFEBOOK
↓
Ubuntu
↓
VS Code
↓
Git / Docker / Laravel開発
という単体開発環境も用意できました。
メインPCが修理などで使用できない場合でも、古いLIFEBOOK側だけで開発を継続できる選択肢が増えました。
参考資料
今回の記事では、VS CodeのLinux版導入方法、システム要件、GPUアクセラレーション無効化について、主にMicrosoft公式ドキュメントを確認しました。
Microsoft公式:Get started with Visual Studio Code
確認内容:
- Debian / Ubuntu向け
.debパッケージの利用 -
.debをAPTでインストールする方法 - Linuxでの基本的な導入方法
公式記載例:
Download the
.debpackage from the VS Code download page
Install it with
sudo apt install ./<file>.deb
今回の記事では、実際にMicrosoft公式のLinux x64 Debian向けStable版を取得し、APTでインストールしました。
Microsoft公式:Visual Studio Code FAQ
確認内容:
- バージョン指定Download URL
- Linux x64 Debian向けURL
-
{version}にlatestを使用できること - 古いLinux distributionでのglibc要件
今回使用したURL:
https://update.code.visualstudio.com/latest/linux-deb-x64/stable
VS Code公式FAQでは、Linux x64 Debian版について、
https://update.code.visualstudio.com/{version}/linux-deb-x64/stable
という形式が案内されています。
Microsoft公式:Requirements for Visual Studio Code
確認内容:
- 推奨CPU
- 推奨メモリ
- Ubuntu Desktopのサポート範囲
- Linuxで必要なGLIBC / GLIBCXX
公式記載例:
1.6 GHz or faster processor
1 GB of RAM
今回のLIFEBOOKはCPUクロックとメモリ容量の数値上は推奨値を満たしていました。
最終構成ではGPUアクセラレーション無効化を採用しましたが、今回の作業記録だけから起動失敗原因をGPUへ単独特定はしていません。
Microsoft公式:October 2019 (version 1.40) - Disable GPU acceleration
確認内容:
- GPUハードウェアアクセラレーション無効化時の挙動
- ソフトウェアレンダラーへのフォールバック
Preferences: Configure Runtime Argumentsargv.json"disable-hardware-acceleration": true- 問題がある場合だけ使用するという注意書き
公式記載例:
Running with this argument will disable the GPU hardware acceleration and fall back to a software renderer.
今回のLIFEBOOKでも、
code --disable-gpu
で起動できることを確認したあと、
{
"disable-hardware-acceleration": true
}
を ~/.config/Code/argv.json へ設定し、通常の code で起動できるようにしました。
Microsoft公式:Command Line Interface (CLI)
確認内容:
- Linuxから
codeコマンドでVS Codeを起動できること -
code .によるフォルダ起動 -
--disable-gpuがGPUハードウェアアクセラレーションを無効化するCLI optionであること - Linuxインストール時にVS CodeバイナリがPATHへ追加されること
今回の記事では、インストール確認・起動確認の両方で code コマンドを使用し、GPU切り分けでは --disable-gpu も使用しました。
関連記事
このシリーズ
- 第1回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【1. Ubuntu 24.04 LTSインストール編】
- 第2回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【2. OpenSSH Server導入編】
- 第3回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【3. VS Code Remote - SSH接続編】
- 第4回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【4. Docker Engine構築編】
- 第5回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【5. Sambaファイルサーバ構築編】
- 第6回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【6. VS Code導入・GPU対策編】(この記事)
- 第7回:古いLIFEBOOKをUbuntu開発機にする【7. LibreOffice導入・動作検証編】
あわせて読みたい
-
WSL 2をバックアップして旧バージョンへ安全にin-place downgradeする手順
メインPC側のWSL不調を切り分け、安全に環境を退避・ダウングレードした記録です。 -
WSL2上のUbuntuを安全にアップデートした記録【初心者向け】
Ubuntu環境のAPT更新や、更新前後の確認に関連する記事です。 -
Webバックエンド初心者向け Linuxコマンド基礎反復練習(Docker/Ubuntu)
UbuntuやDocker環境で使用する基本的なLinuxコマンドを反復練習するための記事です。 -
Linux標準教科書 | LPI-Japan
Linuxの基本コマンド、ファイル管理、ユーザー・権限、ネットワークなどを体系的に学べる無償教材です。 -
Linuxサーバー構築標準教科書 | LPI-Japan
Linuxサーバーの基礎からネットワーク・セキュリティまで、実習形式で学べる無償教材です。