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インフラ勉強会Advent Calendar 2018

Day 14

Aurora PostgreSQL 互換版(10.5)東京リージョン登場記念でパラレルスキャンを試す

Last updated at Posted at 2018-12-14

この記事は インフラ勉強会 Advent Calendar 2018 14 日目の記事です。

昨日 13 日目は akiko-pusu さんでした。


AWS 東京リージョンに Aurora PostgreSQL 互換版(10.5)がようやく登場したので、パラレルスキャンを試してみました。

※**本家 PostgreSQL の実装のほうのパラレルスキャンです。**Aurora 独自実装(これを書いている時点では MySQL 5.6 互換版のみに実装されている)のパラレルクエリのことではありません。

パラレルスキャンとは

テーブルスキャンを複数のプロセス(Worker プロセス)で実行するもので、PostgreSQL 9.6 で実装されました。PostgreSQL 9.6 ではシーケンシャルスキャン(インデックスを使わないスキャン)のみが対象でしたが、PostgreSQL 10 からはインデックスを使ったスキャンも対象になりました。

Aurora 独自実装のパラレルクエリとの違い

これを書いている時点では PostgreSQL 互換版には未実装ですが、Aurora 独自実装のパラレルクエリは、

  • 前面の SQL ノードではなく背後のストレージノードがデータのスキャン/フェッチを担当する
  • 共有バッファを経由せずにデータを取得する

点が本家 PostgreSQL の実装と異なります。

試してみた

書籍**「[改訂新版]内部構造から学ぶPostgreSQL 設計・運用計画の鉄則」**の P.290 ~ の例に近い形で、1,000 万レコードのテーブルから、

  • Aurora PostgreSQL 9.6 デフォルト設定(パラレルスキャン無効)
  • Aurora PostgreSQL 9.6 max_parallel_workers_per_gather = 2(Worker プロセス 2 つ)
  • Aurora PostgreSQL 10.5 デフォルト設定(Worker プロセス 2 つ)

について、

  • EXPLAIN ANALYZE SELECT id, avg(value) FROM table_i GROUP BY id;(シーケンシャルスキャン)
  • EXPLAIN ANALYZE SELECT id, avg(value) FROM table_i WHERE id < 10 GROUP BY id;(インデックススキャン)

を試してみました(インスタンスタイプは db.r4.large)。

※すべての組み合わせではありません。

結果

以下のようになりました(単位:ms)。各々 1 回目がデータページが共有バッファに読み込まれていない状態、2 回目が読み込まれた状態です。

バージョン/パラレルスキャン有効・無効 シーケンシャル 1 回目 シーケンシャル 2 回目 インデックス 1 回目 インデックス 2 回目
9.6/無効 6,764.665 2,718.139 - -
9.6/有効 6,303.016 2,936.115 185,450.502 923.486
10.5/有効 5,707.766 2,921.991 42,457.903 493.760

シーケンシャルスキャンの場合、

  • データページが共有バッファに読み込まれていなければ、パラレルスキャンのほうが速い
  • データページが共有バッファに読み込まれていれば、わずかにパラレルスキャンのほうが遅い

という興味深い結果となりました。

おそらく、Worker プロセスの数が増えると結果が変わってくるでしょう。

インデックススキャンの場合、PostgreSQL 10 でかなり高速化しているのがわかります。

Aurora 独自実装のパラレルクエリではどうなるのか、楽しみです。


補足・テスト用テーブル定義とデータ生成

テストテーブル・データ
pq_test=> CREATE TABLE table_i (number SERIAL PRIMARY KEY, id INT, value INT);
CREATE TABLE
pq_test=> CREATE INDEX idx_id ON table_i (id);
CREATE INDEX
pq_test=> CREATE FUNCTION gen_data () RETURNS INTEGER AS '
pq_test'> BEGIN
pq_test'>      FOR i IN 1..10000000 LOOP
pq_test'>          EXECUTE ''INSERT INTO table_i (id, value) VALUES((random() * 10000)::int % 100, (random() * 100000000)::int % 10000)'';
pq_test'>      END LOOP;
pq_test'>
pq_test'>      RETURN 1;
pq_test'> END;
pq_test'> ' LANGUAGE 'plpgsql';
CREATE FUNCTION
pq_test=> SELECT gen_data();
 gen_data
----------
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