Twitter Developerに登録する記事では「コード初学者なので勉強をしたい!と書くと数時間で許可がおりた」といった内容が多い.
しかし私は研究用に3つのアカウントでAPIを使用する必要があった.
真面目に申請理由を記入したところ,許可が降りるまで紆余曲折したため,知見を共有する.
なぜ紆余曲折したのか…の理由は解明されていないため,3つのアカウント全てで申請が通るまでの経緯の共有記事となる.
前置き
1年ほど前にTwitter Developerの許可を得たアカウントを1つ所持している.
その際はコーディング初心者として,「Twitter APIを使用してみたい」といった内容をつらつらと英語で記載したところ,すぐに許可がおりた.
今回修士研究を行うにあたって,TwitterAPIを3つのアカウントで使用する必要があった.
以前作ったアカウントは私用の勉強用アカウントとして運用していたため,新しく3つ申請する経緯となった.
まずは申請方法を書くので,1発で申請が通らなかった話から読みたい人は「詳細情報の提供依頼がきた」章に飛んでいただきたい.
Twitter Developer 申請の流れ
Twitterアカウントを用意
電話番号を登録したTwitterアカウントが必要となる.
複数アカウントで同一の電話番号の登録は許されているため,新規アカウントを作成する場合でも既存のアカウントと同一の電話番号で申請可能となる.
メールアドレスは1アカウントにつき1つ必要となるため,outlookなどで作成しておくとよい.
申請
Twitter Developersへ行き,Create an appから申請を進める.
悪用されたくないので色々教えてほしいよ…といった内容が出るのでApply.
なぜ登録するのかを1つ選択.
私は修士研究が目的のため,Doing academic researchを選択した.
アカウントの確認.
電場番号,メールアドレスなど登録していない場合はTwitterのサイトに飛ばされるため,設定から情報追加.その他住んでいる国,ユーザーネーム(本名でなくても可),メールマガジンの可否を登録.
申請理由を入力.
最近日本語でも申請できる話が出てきているが,私が申請した時点 (2020/11/16) では英語のみとの記載があった.英語に不慣れな方は,DeepL翻訳を使おう.大変便利.
In your wordsでは,Twitter dataやAPIをどのように使用する予定か,また大学名や教授の名前などを記載する必要がある.
私は3つのユーザーidを記載し,なぜ3つ必要なのか,研究で使用すること,大学名,教授の名前を記載した.
The specificsでは各質問に対してYes or Noで回答し,Yesの場合はどのように使用するかを記載する.
それぞれの項目で書くべき内容は以下の通り.
この後詳細情報がほしいと言われたりするので,書いた内容はどこかに保存しておくと良い.
- Are you planning to analyze Twitter data?(Twitter APIを使用する中核的な使用目的,意図,ビジネス上の目的)
- Will your app use Tweet, Retweet, like, follow, or Direct Message functionality?(ツイート,リツイート,いいねなどの使用が含まれる場合,Twitterアカウントまたはそのコンテンツに対してどのような操作を行うのか)
- Do you plan to display Tweets or aggregate data about Twitter content outside of Twitter?(TwitterコンテンツをTwitter以外で表示する場合,ツイートおよびTwitterコンテンツがどこにどのように表示されるか)
- Will your product, service or analysis make Twitter content or derived information available to a government entity?(ツイート,Twitterアカウント,またはそのコンテンツを分析する場合の,実施する分析の内容と手法または技術,および政府に提出するか否か)
私は2.のみYesとし,同時に申請する3つのアカウント全てで同じ内容を記載した.
確認
申請内容確認後,完了!というような画面に遷移するが,ここで終わりではない.
登録したメールアドレスに確認用メールが届くため,Confirm your emailにアクセスした時点で申請が完了となる.
詳細情報の提供依頼がきた
さて,ここからが本記事の本題となる紆余曲折フェーズである.
上記の申請が受理されたのが月曜日の17:03であり,その10時間後,火曜日の03:19,03:23,03:27に3つのアカウント全てへ以下のメールが同様に届いた.
まさかの日本語.しかも返答はメール返信でいいらしい.
申請の際,The specificsは各項目100字ずつでよかったため簡単にしか記載していなかった.
情報が不足していたのは明らかなので,研究内容も含めかなり詳細にメールを作成した.(日本語で!)
Twitter社 ご担当者様
ご連絡ありがとうございます。
申請いたしました3つのTwitter API アカウント(@xxx、@xxx、@xxx)は私の修士研究に使用するため、ビジネス利用は一切ありません。
今、...(以下7行ほど研究内容)
...を考えています。この研究では、...(以下5行ほど研究でのTwitterAPIの使用方法,TwitterAPIの必要性)
また不備・確認事項があればご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。
署名(本名で!)
様々なサイトで多くても2次審査までの情報が多かったし,ここまで丁寧に説明すれば流石に通るだろう!と自信を持っていた.
持っていた………
謎の3次審査
3つのアカウントすべてで全く同じ内容を返信したのが火曜日の20:55.
同日22:49に,アカウントAへ以下のメールが届いた.
質問を噛み砕いてきた…!
また同時にアカウントBには以下のメールが届いた.
質問を噛み砕いた上に英語になっている…!
ちなみにアカウントCには同日23:04,申請許可のメールが届いた.
3つのアカウントでは全て同じ内容を記載したはずなのに,三者三様の返信である.
アカウントCは晴れて許可がおりたが,あと2つのアカウントも許可を通さねばならない.
3次審査の内容
2次審査と違うのは,以下の4項目.
- 「審査で重視される内容」ではなく「必要な情報」となっていること
- 各項目について質問の意図を噛み砕いた情報が書いてあること
- 成果物などの情報もあればリンクでほしいということ(メール添付不可)
- これを送らないと申請が受理されないと明記してあること
だいぶ詳しい情報がほしいらしい.
3次審査に返信
2次審査では重視されるのは以下のような情報とあったため,どの項目に当てはまるのか明記せず返信した.しかし3次審査では必要な情報は以下の通りとだいぶ厳しい記載になっていたため,必要な情報各項目に対して丁寧に返信することを心がけた.
Twitter社 ご担当者様
再度のご連絡ありがとうございます。
各項目について回答させていただきます。【1. Twitter APIを使用する中核的な使用目的、意図、ビジネス上の目的】
今私は修士課程の学生です。申請いたしました3つのTwitter API アカウント(@xxx、@xxx、@xxx)は私の修士研究に使用するため、営利利用および修士研究の実験以外の利用は一切ありません。・研究の内容・
今、...(前回と同じ7行研究内容)・研究におけるアカウントの使用方法・
この研究では、...(前回と同じ5行APIの使用方法,必要性)【2. ツイート、Twitterアカウント、またはそのコンテンツを分析する場合の、実施する分析の内容と手法または技術】
ツイート、Twitterアカウントを分析することはありません。ツイート内容に関しては、APIからツイートする前の段階で分析を行います。
...(以下5行ほど研究での分析内容)【3. ツイート、リツイート、いいねの使用が含まれる場合は、Twitterアカウントまたはそのコンテンツに対してどのような操作を行うのか】
リツイート、いいねは一切使用致しません。ツイートは上記の通り、...(以下3行ほど研究目的,達成するためにはTwitterAPIが不可欠であるような内容)【4. TwitterコンテンツをTwitter以外で表示する場合は、お客様の製品またはサービスのユーザーに対して、ツイートおよびTwitterコンテンツがどこにどのように表示されるかを、行レベルの表示か集計表示かを含めて説明】
上記の通り、...(論文発表で使うかも!な内容)行レベルで掲載する可能性がありますが、...(他人のツイートは一切収集しない,APIを用いた自動ツイート以外には一切使用しないなどの内容)また不備・確認事項があればご連絡ください。何卒よろしくお願いいたします。
署名(本名で!)
質問項目がかなり詳細になっていたため,聞かれていることにはすべて答える気概で回答を作成した.
とくに項目4.など,表示の形式(行レベルか集計表示か)まで求められていたので注意.
審査結果
アカウントA,Bともに上記の内容で返信したのが水曜日の19:18.
同日22:14にはアカウントAへ,22:34にはアカウントBへ申請許可のメールが届いた.
特に驚くこととして,以下の2点がある.
- アカウントBへ来ていた英語のメールに日本語で返信したが許可がおりたこと
- A,Bともに全く同じ内容で返信したにも関わらずどちらも許可がおりたこと
3次審査までもつれ込んだ理由が「全く同じ文面だったから」ではない可能性が残された.
なぜだろう...
タイムフローまとめ
最後に,申請から全てのアカウントに許可が降りるまでの日付・時間をまとめておく.
申請してから連絡がないと緊張するが,特に2次審査メールが届くまで私は10時間かかった.気長に待つ助けになれば.
【11/16 (月) 17:03】3つのアカウントでほぼ同時に申請,受理
【11/17 (火) 03:19】アカウントAに2次審査メールが届く
【11/17 (火) 03:23】アカウントBに2次審査メールが届く
【11/17 (火) 03:27】アカウントCに2次審査メールが届く
【11/17 (火) 20:55】3つのアカウントでほぼ同時に2次審査の返信
【11/17 (火) 22:49】アカウントAに日本語で3次審査メールが届く,同時にアカウントBに英語で3次審査メールが届く
【11/17 (火) 23:04】アカウントCに申請許可がおりる
【11/18 (水) 19:18】アカウントA,Bでほぼ同時に3次審査の返信
【11/18 (水) 22:14】アカウントAに申請許可がおりる
【11/18 (水) 22:34】アカウントBに申請許可がおりる
ちなみに申請が拒否されたアカウントでは以降一切Developer申請はできないらしい.
Twitter社に拒否されるまでは粘り強く理由を説明し続けよう.
良いTwitterライフを!