概要
M1 Pro搭載のMacBook Pro(2021)からM4 Pro搭載モデル(2024)への移行に際し、macOS標準の移行アシスタントを使用して環境を引き継いだ。Chromiumが移行後の環境から消失していた。原因と対処法を整理し、Gatekeeper回避を含む一連の再構築手順を記録する。
背景と目的
Chromiumは、環境移行後も即利用したかったアプリの一つである。移行アシスタントでその他の設定やアプリが問題なく移行されたにもかかわらず、Chromium.app だけが見当たらず起動不可となっていた。この事象に対して、原因の切り分けと復旧作業を行った。
まさかの落とし穴 🕳️
対処方針と手順
1. Homebrewの確認
brew list --cask
-
chromium
の記載なし → インストールされていないと判断。
2. Chromiumの再インストール
brew install --cask chromium
3. Gatekeeperによる起動拒否
-
初回起動時に以下の警告が表示された:
"Chromium.app" は壊れているため開けません。ゴミ箱に入れる必要があります。
4. Gatekeeperフラグの削除
xattr -d com.apple.quarantine /Applications/Chromium.app
5. 再起動と設定の引き継ぎ
- 再起動後、正常に起動。
- ユーザープロファイル(履歴、拡張、ブックマークなど)も
~/Library/Application Support/Chromium/
から自動で復元された。
結果
- Chromiumは正常に再インストール・起動できた。
- 個人設定はすべて保持されており、以前の環境そのままで使用可能。
- Gatekeeperの警告は
xattr
で一度処理すれば、以後出ない。
所見と教訓
- 移行アシスタントは、Homebrew経由で導入された署名のないアプリケーションをスキップすることがある。
- ChromiumはGoogle Chromeと異なり、オープンソース版で署名されていないため、Gatekeeperに引っかかりやすい。
-
xattr
による検疫解除は、Homebrew由来のGUIアプリで再発する可能性があるため、覚えておくと役に立つ。 - 一方でユーザーデータは正しく移行されていたため、アプリさえ復元できれば元通りになる。
使用環境と構成
- 旧端末:MacBook Pro 14-inch (2021) / M1 Pro / macOS 15.4.1(Sonoma)
- 新端末:MacBook Pro 14-inch (2024) / M4 Pro / macOS 15.5(Sonoma)
- 移行方式:Thunderbolt直結による移行アシスタント使用(ユーザーアカウント全体)
- Chromium取得方法:Homebrew Cask
brew install --cask chromium
- Gatekeeper解除方法:
xattr -d com.apple.quarantine /Applications/Chromium.app
-
設定保存ディレクトリ:
~/Library/Application Support/Chromium/
参考(移行前準備):データと向き合い、Mac移行の最適解を探す旅:あるMacユーザの試行錯誤