RDS : Rational Development Studio
旧名称は WDS : WebSphere Development Studio です。執筆時点では多くの情報・記事でWDSの方が多く使われているように思います。
ちなみにGO LICPGMなどで使用される 57xx-WDS というライセンス番号はこのWDSから取られています。

名称はすぐ変えられますが、ライセンス番号はコロコロ変えるとサポートやライセンス計算やその他いろいろ大変なことになってしまうためおいそれと変更できません。
RDS(5770-WDS)はRPG/COBOLコンパイラー(S/36環境用, S/38環境用、OPM,ILE)、5250開発ツール(ADTS,SEU,PDM,DFU)が含まれています。さらに、従来は先に包含して表記されていましたが当資料では対話式ソース・デバッガー (ISDB) を別で記載しています。
この製品には、いくつかの異なる部分があります。
RPG および COBOL 用の OPM、S36、および S38 ベースのレガシーコンパイラー
RDi と WDSの関係は?
RDi : Rational Developer for i はeclipseベースのGUI IDEです。PCにインストールする開発ツールでRDS(5770-WDS)とは別なS/Wです。
RDi でのソース編集時はRDSは不要ですが、RDiもコンパイルはIBM i 上のRDS提供のコンパイラーを使用します。言い方を変えると、RDS(5770-WDS)はIBM i 開発には必須、更にGUIで開発したいなら追加でRDiを購入する、という事が言えます。
最近ではRDi の代わりにVSCode + Code for i(VSCode用のIBM i 開発プラグイン)も選択枝になります。
IBM i 7.6でサポートされなくなったRDS 5770-WDS機能について
IBM i 7.6 ではいくつかのコンポーネントが削除されました。IBM i 7.5以前と同様に使用可能なのはSEU(STRSEU), PDM(STRPDM)※, ISDM(対話式デバッガー, STRISDB), DFU(STRDFU)※です。
※PDM内で以下の削除されたコマンドを呼び出す機能は除去され使用不可、DFUは7.5以前と同様に使用できますがSWMAなどIBMのサポートは終了しています。
以下のコマンドとメニュー画面は使用可能・IBMサポートあり
プログラミング開発マネージャの起動 (STRPDM)
ソース入力ユーティリティの起動 (STRSEU) 対話型ソースデバッガの起動 (STRISDB)
対話型ソースデバッガの終了 (ENDISDB)
プログラミング開発マネージャを使用したメンバーの操作 (WRKMBRPDM)
プログラミング開発マネージャを使用したオブジェクトの操作 (WRKOBJPDM)
プログラミング開発マネージャのデフォルトの変更 (CHGPDMDFT)
プログラミング開発マネージャを使用した文字列の検索 (FNDSTRPDM)
プログラミング開発マネージャを使用したリストによる文字列の検索 (FNDSTRPDM2)
プログラミング開発マネージャを使用したライブラリの操作 (WRKLIBPDM)
IBM i 7.6で削除されたメニュー画面・コマンド
レポート・レイアウト・ユーティリティーの開始 (STRRLU)
画面設計支援の開始 (STRSDA)
拡張プリンター機能の開始 (STRAPF)
用紙記述のマージ (MRGFORMD)
文字生成ユーティリティーの開始 (STRCGU)
DBCSマスター・ソート・テーブルのコピー (CPYIGCSRT)
用紙記述のマージ (MRGFORMD)
IBM i 7.5以前と同様に利用可能だがIBMサポートが終了した機能
データ・ファイル・ユーティリティーの開始 (STRDFU)
DFUディスプレイ・ファイルの作成 (CRTDFUDSPF)
PDMから除去された機能・メニュー画面
物理ファイル・メンバーの比較 (CMPPFM)
ソースのマージ (MRGSRC)
削除された機能の代替製品について
STRSDA と STRRLU の代替オプションは、Rational Developer for i および VSCodeプラグインのCode for i で利用可能です。
Watson Code Assistant for i と IBM i Merlin
当Redbookでは続いてWatson Code Assistant for i と IBM i Merlinの説明がありますが、執筆時点でこれら2つの後継製品的な位置づけの新しいAIファーストなIDE : Project Bob (仮称)が発表されていますので省略します。