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IBM i 7.4 TR12, 7.5 TR7適用後、パフォーマンスが低下する(APAR DT456038 )

Last updated at Posted at 2025-11-20

元リンク:Performance Degredation After Installing TR12 (V7R4) or TR7 (V7R5)
https://www.ibm.com/support/pages/node/7252015

詳細リンク:
FAQ for Hiper PTFs MJ08141 (V7R5) & MJ08108 (V7R4)
https://www.ibm.com/support/pages/node/7252010

障害のサマリー

少数なケースのようですが、IBM i 7.4 TR12 または 7.5 TR7に更新後、Expert Cache 設定が *CALC であるプールで I/O保留中の障害が増加することがあります。SQL ワークロードではパフォーマンスが低下する可能性があります。APAR DT456038 はこの問題の修正を提供します。

※上記のIBM i 7.4 TR12, 7.5 TR7以外では発生しません。

### エキスパートキャッシュの設定例

下図ではプールID 2(BASEプール)のみ*FIXED → *CALC に設定変更されています=すなわちエキスパートキャッシュがオンに設定されています。
上記の例の場合、当APAR現象がヒットした場合、プールID 2のみI/O保留中の障害(I/O Wait時に障害が発生しやすい?)という事になるようです。
image.png

PTF MJ08108, MDJ08141 の適用検討

IBM i 7.4 TR12, 7.5 TR7で、*CALC のプールページングオプションを使用するプールでワークロードが実行されており、パフォーマンスの問題が見られる場合は、この問題が発生している可能性があり、MJ08108 (V7R4) または MJ08141 (V7R5) の適用を推奨。
現状取り立てて問題とならない場合は、適時適用可能なタイミングでの適用で可。もしも今後ワークロード(特にSQL)の増加が見込まれる場合はなるべく早い適用を推奨。

APAR DT456038 の記述の障害への対応策について

方法1. PTF MJ08108またはMDJ08141を適用する(要IPL)
方法2. 該当システムのメモリーを追加する
方法3. テーブルにインデックスを追加作成して、非同期読み取りを最も多く実行するSQL文を調整する(インデックスによって読み取りデータ量が削減される可能性があります)
※つまり、SQL実行時の非同期読取り量が大量な場合にパフォーマンス劣化が発生する懸念がある、という事と理解しました。
方法4. IBM i をIBM i 7.4 TR11またはIBM i 7.5 TR6に戻す
方法5. SSTの設定を一時的に無効にする(当記事で後述する 注意事項 を参照)

※WRKSYSSTSコマンドで該当プールのページングオプションを*CALC->*FIXEDに変更してもパフォーマンスの問題は改善しない、と記載があります。

APAR DT456038のPTF提供予定について

※当問題のPTFは Hiper Group PTF レベル160(V7R4)とレベル88(V7R5)に追加され、2025年11月25日に利用可能な予定です。

※APAR DT456038は、2段階で修正を提供予定で、今回(MJ08108, MDJ08141)は最初の修正です。最初の修正ではパフォーマンスの低下解消、2025年11月末予定の2番目の修正でディスクメーター(プールの負荷状態を判断するための多くのメカニズムの1つ)に対するさらなる修正が提供される予定です。(2番目の修正にもIPLが必要な予定)

注意事項

上記のPTF適用後、マクロを手動で再度有効化する必要があります。PTFはこの設定を変更しないため、修正適用後にマクロを再度有効化することが重要です。このマクロは、修正による動作をシミュレートします。

5250画面のコマンドラインから、以下を入力します。
STRSST (Enter)

SST で表示/変更/ダンプする権限を持つサービス・ツール・プロファイルとパスワードでサインインします。
オプション 1 - サービス・ツールの起動 (Enter) を選択します。
オプション 4 - 表示/変更/ダンプ (Enter) を選択します。
オプション 1 - ストレージの変更の表示 (Enter) を選択します。
オプション 2 - ライセンス内部コード (LIC) データ (Enter) を選択します。
オプション 14 - 詳細分析 (Enter) を選択します。
ページを一番下まで移動し、WRKSQEVAR の横に 1 と入力します (Enter)。
「オプション」フィールドに、m "DbDasdMeterEnableDasdRequestsDepletedCheck" 8 0 (Enter) と入力します。

※修正を適用したら、デフォルトに戻す必要があります。これを行うには、手順を繰り返しますが、オプションフィールドを次のように変更します。m "DbDasdMeterEnableDasdRequestsDepletedCheck" 8 1

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