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踏み台EC2を無くすためにAmazon Aurora MySQLのRDS Data APIとCloudShellを使ってみた

Last updated at Posted at 2024-10-25

はじめに

VPC private subnetに置かれたRDS Aurora MySQLに対して接続しようとした時、
古くからある手段としては、public subnetに置かれた踏み台EC2を経由してRDSに接続するという方法だと思います。

しかし、以下問題があります。

  • EC2のサーバーは稼働しっぱなしでお金がかかる
  • サーバーが存在するという事は管理コストがかかる

これをなんとかしたいです。

解決策

現状では、以下が良さそうだと思っています。

  • クエリを実行したい場合はRDS Data APIを使う
  • mysqldumpコマンドなどのコマンドを実行したい場合はCloudShellを使う

RDS Data APIは、以下参考ください。

※現状ではRDS Data APIはAmazon Aurora PostgreSQLとAmazon Aurora MySQLのみサポートとなります。

CloudShellは、こちらの記事が参考になります。

直近のアップデートにより、ユーザーが作成した VPC 上に CloudShell を起動することでprivate subnet内のリソースに対して CloudShell を利用できるようになっています。

今回は、上記2パターンについて詳しく記載していきたいと思います。

RDS Data API

簡単に言うと、以下の特徴があります。

  • AWSの管理画面からSQLを実行できるAPI
  • DB クラスターへの永続的な接続を必要としない。セキュア HTTP エンドポイントおよび AWS SDK との統合を利用し、実行単位で接続する
  • AWS Secrets Managerに保存された認証情報を使用するか、直接認証情報を設定することでRDSに接続できる
  • Aurora クエリエディタを使用してクエリを実行できる

詳しくは、こちらをご覧ください。

手順

1. サービス RDSを選択

2. RDS Data APIの有効化をする

データベース作成時に「RDS Data APIの有効化」をします。
既存のデータベースに対して設定したい場合、データベースを選択し「アクション」から「RDS Data API」を選択することで有効化します。

3. クエリエディタの選択と認証設定

RDSサイドバー上にある「クエリエディタ」を選択します。

  • Secrets managerの認証情報を読む場合
    スクリーンショット 2024-10-25 11.01.13.png

因みに、Secrets managerのキーだけお見せします

スクリーンショット 2024-10-25 11.11.14.png

  • 直接認証情報を入力する場合
    スクリーンショット 2024-10-25 11.01.02.png

これらの値を入力及び選択し、「データベースに接続します」を押下することで、
データベースと接続する事が可能となります。

4.クエリを実行してみる

試しにcompaniesテーブルのデータを取得してみます。

スクリーンショット 2024-10-25 11.13.38.png

取得できました。
また、Export to csv ボタンにより、csv出力も可能となっていますし、
保存ボタンによりクエリを保存することも可能です。

シンプルなUIであり、最低限必要な機能が揃っているので、非常に良きです。

CloudShell

mysqldumpコマンドなどのコマンドを実行したい場合、CloudShellを使うという方法があります。
気づいていない人も多いかもしれませんが、いつも居ます。
画面左下のこれです。

スクリーンショット 2024-10-25 14.00.07.png

これを使うことでAWSの管理画面上でターミナル(コンソール)を起動することができます。

接続設定の流れ

今回は、以下を実行できる環境を整えたいと思います。

  • CloudShellをVPC private subnet内で実行できるようにする
  • CloudShellからRDSへ接続できるようにする
  • VPCエンドポイントによりVPC private subnetとS3間の接続ができるようにする
    ※mysqldumpファイルを保管するため

CloudShellをVPC private subnet内で実行できるようにする

VPC環境を作る

CloudShellにはVPC環境という機能があります。
RDSが存在するVPC private subnetを指定し、VPC環境を作成することでRDSに接続できる環境を作ることが可能です。

ターミナル上の「+」ボタンを押下することでVPC環境を作ることができます。

作成が完了すると、「+」ボタンで、
private subnet内で実行される鍵マークがついた新たなターミナルを起動することができるようになります。

CloudShellからRDSへ接続できるようにする

IPアドレスをRDSセキュリティグループに追加する

CloudShellは、セッションごとにIPが動的に割り振られます。
なので、RDSのセキュリティグループにCloudShellのIPの追加をする必要があります。

CloudShellを立ち上げる度にこの設定をする必要があるので、
自分的にはここがあまり気に入っていない部分ではありますが、EC2無くせるしな〜という気持ちで許容しています。

スクリーンショット 2024-10-25 14.12.44.png

データベースに接続できるか確認します。
スクリーンショット 2024-10-25 11.58.23.png

いけましたね〜。

VPCエンドポイントによりVPC private subnetとS3間の接続ができるようにする

目的

運用中の本番環境に対して何か機能の追加をする場合、
本番環境のデータを検証環境に反映した上で、本番環境同等の状況を作り出してから、検証・テストを行うケースが多いと思います。

私の場合、mysqldumpで取得したデータを検証環境に反映する方法を取っています。
RDSスナップショットの復元でも実現可能だとは思いますが、
検証環境で複数パターンの検証を行いたいため、検証→本番相当にデータリセット→検証、を素早くできるようにしたい、という目的があります。

今回のケース

さて、今回は本番環境dumpファイルを、

  • 別のVPCにある検証環境に置きたい
  • S3に保管もしておきたい

というケースを想定します。

S3はVPC内に存在していないので、
VPC private subnetは何も設定をしなければS3との接続はできません。

接続できるようにするため、今回VPCエンドポイントを設定します。

1. VPCエンドポイントの作成

  • VPCダッシュボードに移動
  • 「エンドポイント」を選択し、「エンドポイントの作成」をクリック
  • サービスカテゴリで「AWSサービス」を選択し、サービス名としてcom.amazonaws..s3(例: com.amazonaws.ap-northeast-1.s3)を選択

2. エンドポイントタイプの選択

ゲートウェイ型またはインターフェイス型のいずれかを選択します。
ゲートウェイ型は追加料金なしで使用でき、S3とDynamoDBに対応しています。
インターフェイス型はPrivateLinkを使用し、オンプレミスからもアクセス可能ですが、各アベイラビリティゾーンごとに料金が発生します。

今回はゲートウェイ型を選択します。

3. VPCとサブネットの選択

エンドポイントを作成するVPCと、そのVPC内のサブネットを選択します。
プライベートサブネットを選ぶことで、インターネット経由ではなく内部ネットワーク経由でS3にアクセスできます。

4. ルートテーブルの関連付け

表示されているルートテーブルから、private subnetが含まれるルートテーブルを選択ください。

設定が終わると、aws s3コマンドを使ってS3バケットとの接続ができるようになっています。

スクリーンショット 2024-10-25 12.37.12.png

これでdumpファイルをS3に送信することができるようになりました。
あとは、別のVPCにある検証環境にdumpファイルを置きたい場合、CloudShellで検証環境向けのVPC環境を作成し、その環境内でaws s3 cpコマンドを打つことでS3からファイルを取得する事が可能でしょう。

さいごに

RDS Data APIはすぐに設定できるのでオススメです。

今後どんどんと不要なリソースを削除する方向に動いていきたいです。
あらゆる作業・管理がシンプルで簡単になると良いなぁ。

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