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pythonを使ってリアクティブなWebアプリを作りたい【開発編】

Last updated at Posted at 2021-07-07

こちらの具体的な開発についてのpostです。
https://qiita.com/geeorgey/items/ace37bd92841c9d1a378

開発元となるソースコードはこちらです。
https://github.com/geeorgey/vue_flask_template

今回は、フロントエンド(Vue.js)からバックエンド(Flask/python)へとデータを渡す方法と、その逆となるバックエンドからフロントエンドにデータを返す方法について書いていきます。

フロントエンドからバックエンドにデータを渡すには

ログイン画面を例にしてみましょう。
ログイン画面のソースコードはこちらです。
https://github.com/geeorgey/vue_flask_template/blob/main/frontend/src/views/auth/Login.vue

ログイン画面はこんな形になっています
Vue_Material_Admin_Template.png

まずは入力フォーム部分のコードを見ていきます。
該当部分はこちら
frontend/views/auth/Login.vue

frontend/views/auth/Login.vue
            <v-form ref="form" v-model="formValid" class="my-10" lazy-validation>
              <v-text-field
                v-model="formModel.username"
                append-icon="mdi-email"
                autocomplete="off"
                name="login"
                :label="$t('username')"
                :placeholder="$t('username')"
                type="text"
                required
                outlined
                :rules="formRule.username"
              />
              <v-text-field
                v-model="formModel.password"
                append-icon="mdi-lock"
                autocomplete="off"
                name="password"
                :label="$t('password')"
                :placeholder="$t('password')"
                type="password"
                :rules="formRule.password"
                required
                outlined
                @keyup.enter="handleLogin"
              />
            </v-form>

v-text-fieldが2つ並んでいて、上がUsername部分。下がパスワード部分の設定になっています。
これらの項目について以下のコードに書いてあるv-card-actionsの中にあるv-btnをクリックしてデータを送信するという仕組みになっています。

frontend/views/auth/Login.vue
          <v-card-actions>
            <v-tooltip v-for="item in socialIcons" :key="item.text" bottom>
              <template #activator="{ on, attrs }">
                <v-btn color="primary" icon v-bind="attrs" v-on="on" @click="handleSocialLogin">
                  <v-icon v-text="item.icon" />
                </v-btn>
              </template>
              <span>{{ item.text }}</span>
            </v-tooltip>
            <v-spacer />
            <v-btn large text @click="handleRegister">
              {{ $t('register') }}
            </v-btn>
            <v-btn large tile color="primary" :loading="loading" @click="handleLogin">
              {{ $t('login') }}
            </v-btn>
          </v-card-actions>

全部見て回ると目が回るので、最初のフォーム項目の中から重要な部分だけ抜き出します。

v-model="formModel.username"
:rules="formRule.username"

この2つです。
v-modelというのは、このフォーム項目を何に対応させるのかという指定です。
詳しくはこちらを参照してみて下さい。
Vue.jsのv-modelを正しく使う

rulesは対応するバリデーションルールの指定になっています。

この二行をみて、コロンの有無が何なのか気になった人はこちらを参照。
Vue.jsに出てくるコロン(v-bind)とアットマーク(v-on)について

v-modelで指定しているのはなにか

さらにLogin.vueの下の方を探していきましょう。こちらです

Login.vue
      formModel: {
        username: 'admin',
        password: 'admin',
      },

formModelというのは、値を1つのJSONに突っ込んで渡しますよという便利なブロックになっています。
adminと入っているのは初期値なので、ここを空にしておけば空欄として表示されます。
v-model="formModel.username"
というのは、formModelの中にあるusername に値を渡しますよという指定です。
パスワード側の入力フォームは
v-model="formModel.password"
となっていることが分かると思います。

補足 "$t('username')" ってなに?

画面を見るとこんな風になっています。
Vue_Material_Admin_Template.png
この文字列は何処から来たのか?と思われると思うのですが、こちらは言語ファイルにかかれています。
言語ファイルはこちらを参照
多言語展開が可能になっていますので、必要な言語ファイルを作って設定しましょう。
言語ファイルの読み込みは
frontend/src/plugins/vuetify.jsで行っています

:rules="formRule.username"について

こちらではバリデーションルールを指定しています。
同様にLogin.vueを見ていきましょう。
フォームルールはこちらに書いてあります

Login.vue
      formRule: {
        username: [(v) => !!v || this.$t('rule.required', ['username'])],
        password: [(v) => !!v || this.$t('rule.required', ['password'])],
      },

usernameとpasswordは必須項目ですよと書かれていますね。
これを入力しないとエラーが出て、送信ボタンが押せません。

データを送信しよう

ログインボタン部分のコードを見てみましょう

Login.vue
            <v-btn large tile color="primary" :loading="loading" @click="handleLogin">
              {{ $t('login') }}
            </v-btn>

と書かれています。重要なのは
@click="handleLogin"
です。ボタンクリック時にhandleLoginが呼ばれますよという指定になっています。

では、handleLoginを見ていきましょう。コードはこちらです

methodsというブロックの中に書かれています。methodsがなにかについては公式ページをみてみましょう

該当部分のコードはこちら

Login.vue
    handleLogin() {
      if (this.$refs.form.validate()) {
        this.loading = true
        this.$store
          .dispatch('login', this.formModel)
          .then(() => {
            const redirect = this.$route.query.redirect
            const route = redirect ? { path: redirect } : { path: '/' }
            this.loading = false
            this.$router.push('/dashboard')
          })
          .catch(() => {
            window._VMA.$emit('SHOW_SNACKBAR', {
              show: true,
              text: 'Auth Failed',
              color: 'error',
            })
            this.loading = false
          })
      }
    },

handleLoginが呼ばれるとまずvalidateルールが通っているかどうかが問われます。
if (this.$refs.form.validate()) {
次の行では、API通信中にローディング表示をするという指令になります。現実的にはほぼ時間がかからないのでお目にかかりませんが。詳細についてはこちらを参照して下さい。
Vue.jsでAPI通信中にloading表示をする

次の行では、更に関数を読んでいます。
this.$store
.dispatch('login', this.formModel)

this.$storeってなんだろうっていうとVue.jsで持っているデータストアのことを指しています。アプリケーション稼働中に使える、簡易的なストレージと思って下さい。その中にデータを突っ込むことで、ページをリロードせずにUI側の表示を変更したりすることが出来ます。

.dispatch('login', this.formModel)
これは,第一引数で関数を呼びます。第二引数が渡すデータそのものです。
じゃぁその関数そのものは何処にあるのかというと、
frontend/src/store/modules/auth.js です。

frontend/views/auth/Login.vue から呼び出すのが
frontend/src/store/modules/auth.js
です。

では、auth.jsを見ていきます。

auth.js
  login({ commit, dispatch }, { username, password }) {
    return request({
      url: '/auth/login',
      method: 'post',
      data: {
        username,
        password,
      },
    }).then((resp) => {
      commit('SET_LOGIN', resp)
      dispatch('fetchProfile',{username: username})
    })
  },

login({ commit, dispatch }, { username, password }) {
一行目では、usernameとpasswordを引数として受け取っています。
.dispatch('login', this.formModel)

this.formModel
の中身は

      formModel: {
        username: 'admin',
        password: 'admin',
      },

これでしたよね。JSONが詰まっています。

蛇足2 dispatchで複数引数を渡す時

上述の部分ではformModelに入れてしまいましたが、1つずつ引数を入れることも出来ます。
やり方はこちらを参照して下さい。
Vuex で Action, Mutation に第3引数を渡したくなったら

Flask(python)にリクエストを投げる

このブロックでリクエストを投げています。

auth.js
    return request({
      url: '/auth/login',
      method: 'post',
      data: {
        username,
        password,
      },
    })

urlに当たる部分でエンドポイントを指定し、POSTメソッドでデータブロックにデータを詰めて送信しています。
これを受け取るのがバックエンドのpythonファイルです。

ファイル自体は backend/auth.pyです。
該当部分はこちら

auth.py
@auth.route("/auth/login", methods=["POST"])
def login():
    email = request.json.get("username", None)
    password = request.json.get("password", None)
    user = User.query.filter_by(email=email,password=password).first()
    print('/auth/login')
    print(user)
    if user:
        return jsonify(
            access_token='test'
            ,expires_in=3600
            ), 200
    else:
        return jsonify({"message": "メールアドレスとパスワードの組み合わせが間違っています。"}), 400

emailとpasswordは
request.json.get("引数名", None)
という形式で受け取ります。
これを使って処理を書きましょう。

user = User.query.filter_by(email=email,password=password).first()
これは何をやっているかというと、SqlalchemyというORMを使ってpostgreSQLに問い合わせをします。
Userオブジェクトが何を示しているかというと、データベースの設定をしたこちらのファイルに書かれています。

backend/models.py

ここに書かれているUserクラスをauth.pyの4行目でインポートして使っているのが分かります。
from .models import User

filter_byで、emailカラムが受け取ったemailと同じ
且つ
passwordカラムの内容が、受け取ったpasswordと同じであるという条件でuserを検索しています。

その後、if(user)で、userが存在していたらこれ、そうじゃなければこの処理をしてreturnするという処理が続きます。

FlaskからVue.jsにデータを返す時はjsonifyでJSON化してから送ります。

auth.py
        return jsonify(
            access_token='test'
            ,expires_in=3600
            ), 200

access_tokenという項目と、expores_inという項目に値を詰めてVue.jsに返すようになっています。
これでVue.js→Flask→Vue.jsへとデータを返すことができました。

Vue.jsで返ってきたデータを受け取り、処理をする

frontend/src/store/modules/auth.jsに戻りましょう。
該当箇所はこちらです。

auth.js
    }).then((resp) => {
      commit('SET_LOGIN', resp)
      dispatch('fetchProfile',{username: username})
    })

then((resp)
という部分のrespの中に、Flaskから返ってきたデータが入っています。
commit('SET_LOGIN', resp)
というのは何かというと、もう少し下の方にあるmutationsブロックの中に入っているのが見えます。
Vue.jsの見た目を変更するためのブロックです。stateの中身を書き換えるのに使います。
該当箇所はこちら

auth.js
  SET_LOGIN(state, { access_token, expires_in }) {
    state.access_token = access_token
    state.expires_in = expires_in
  },

respの中身が何だったかというと、Flaskのauth.pyで書いてありましたこれです。

auth.py
jsonify(
    access_token='test'
    ,expires_in=3600
    )

SET_LOGINにうまく合致していることが分かります。
state.access_token = access_token
state.expires_in = expires_in

stateの中にデータを入れることで処理完了です。

auth.jsでは更に
dispatch('fetchProfile',{username: username})
として処理を続けています。

一連の流れはこのような形で処理します。

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