はじめに
2023年4月のアップデートで、パスワード・インテリジェンス機能管理機能とパスワード・インテリジェンス・レポート機能が実装されました。
Japan テナントはまだ機能未反映ですが、EUのテナントには機能反映されていたため、早速試してみました。
[セキュリティー] -> [パスワードの管理] -> [インテリジェンス・リスト]に設定があります。
1.機能概要
-
- 2つの機能が追加された。2つを併用することも可能。
- 「IBM Security X-forceを利用したパスワードの利用を制御する機能」
- 「ユーザーが定義したカスタム・リストを用いたパスワード利用の制御する機能」
- 制御したパスワードを利用している場合のアクションが定義できる。
- アクションは 監査 < 警告 < 強制 の3段階ある。強制が一番高い優先度になる。
- 2つの機能が追加された。2つを併用することも可能。
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- 上記パスワードインテリジェンスの動作結果をレポートする機能
2.カスタム・リストによるパスワード使用制御設定
設定できる項目はパスワードのリストデータと、2つのフローです。
項目 | 選択肢 | 補足 |
---|---|---|
CSVファイル | 用意したCSVファイルをアップロードする |
|
ユーザー・ログイン・フロー |
|
ー |
アカウントの作成、パスワードのリセット、およびパスワードの変更のフロー |
|
ユーザーログインフローで、「ログインを禁止し、ユーザーをパスワード変更エクスペリエンスにリダイレクトします。」を指定した場合、「アクションをブロックし、よりセキュアなパスワードを使用するようにユーザーに要求します。」が自動的に選択される。 |
3.カスタム・リストの生成、アップロード
OpenWallの無償版辞書をベースに、ダウンロードしたPassword_intelligence_list.csvを更新します。
無料版には約3500件くらいのデータがあります。
https://www.openwall.com/wordlists/
https://download.openwall.net/pub/wordlists/passwords/
Password_intelligence_list_mod.csvを作成しました。
password
123456
12345
password
password1
123456789
12345678
1234567890
abc123
computer
tigger
1234
qwerty
money
~~~
リスト内に同じパスワードが含まれているとアップロード時にエラーになります。
例)123456が重複
password
123456
123456
~~~
1行目のヘッダーにあたる部分がpasswordでないCSVをアップロードするとエラーになります。
例)一行目が password ではない
123456
~~~
4.ユーザー・ログイン・フロー動作確認
カスタム・リストを利用して、各アクションごとにどのような画面が表示されるか確認しました。
※動作検証のため、IBM Security Verifyのパスワード要件はパスワードの長さ:8桁のみに設定しています。
アクション | ユーザー視点の画面変化 | 画面サンプル |
---|---|---|
監査 | ユーザーの見た目の変化はなし |
![]() ![]() |
メッセージでユーザーに警告します | ログイン後にパスワード変更を促す画面が表示される |
![]() ![]() ![]() |
ログインを禁止し、ユーザーをパスワード変更エクスペリエンスにリダイレクトします。 | パスワード変更画面が表示される。 |
![]() ![]() |
5.パスワード変更フローの動作確認
カスタム・リストを利用して、ユーザーがパスワード変更するときに、各アクションごとにどのような画面が表示されるか確認しました。
※動作検証のため、IBM Security Verifyのパスワード要件はパスワードの長さ:8桁のみに設定しています。
項目 | ユーザー視点の画面変化 | 画面サンプル |
---|---|---|
監査 | ユーザーの見た目の変化はなし |
![]() ![]() |
メッセージでユーザーに警告します | パスワード変更は成功する。警告が表示される。 |
![]() ![]() |
アクションをブロックし、よりセキュアなパスワードを使用するようにユーザーに要求します。 | パスワード変更が失敗する。 |
![]() ![]() |
6.パスワードリセットフローの動作確認
カスタム・リストを利用して、ユーザーがパスワードリセットするときに、各アクションごとにどのような画面が表示されるか確認しました。
※動作検証のため、IBM Security Verifyのパスワード要件はパスワードの長さ:8桁のみに設定しています。
最後に
次回は、IBM Security X-forceを利用したパスワードの利用を制御する機能を確認したいと思います。
5/11 更新