「暴言吐かないように気をつけます」
暴言暴言書いているので念のためBOSS(社では執行役員ともいう)のお名前はマスキングしています。弊社の開発部のトップリーダーに彼自身の「分報」を開設させる、という今年前半の社内コントリビューションを自慢するために書いています。
関連: Developers Summit 2022に登壇したので、その感想🍬 - Qiita
「弊社の執行役員に、#times_役員 なSlack分報を開設させるまでにやったこと全部書く」。BOSSは尊敬している。だからこそもっとBOSSと気楽に話したい、仲良くなりたい、BOSSの考えていることを知りたい、でも話しかけるのは緊張しちゃう、いつでも話していいよ?ムリ~~... そんな悩みをもつ方やチームの参考になれば嬉しいです。
結論: 地道なお互いの信用獲得。それは狩猟ではなく農耕
結論から。地道にお互いと全方位的な信用獲得を培うこと。やったことの全てはそれだけだと思っています。
私も、BOSSも、世代としては40を超えたあたりです。私のほうが年下だと言っておきたいですが、社歴はほんのすこし私のほうが長い。そこがチートだと言われたらすみません、この記事の腰が折れますが、とはいえ数年間まともに直接会話なんてしたこと無い距離感でした。ともに、500人に満たない「ベンチャー企業」と言われた時代から会社が今に至る時代をサバイブしてきた。一昔前なら、食べて、飲んで、コミュニケーションを図れるもん勝ちの風土でお仕事何たるかを口頭で盗んで学んできた。
ガラッとそのゲームが変わったのがコロナな昨今でしょうか、社内ではSlack、文字によるコミュニケーションテクニックが大事な役割を果たすようになりました。
心理的安全性というと一見、部下から上司に対して自己開示がどれだけできるかの文脈で語られることが多いです。が、実は上司から部下に対しても、その心理的ハードルは結構うずたかいことが知られています(私調べ)。非常にわかりやすい推し記事がこれです。
「サイボウズ、思っていたよりもチームワーク感がないんです」 中途社員の衝撃発言を受けた、青野社長のテレワーク奮闘記 - ログミーBiz
青野:僕にとっては、分報は若い人がやるもの。やっぱり社長だから、一応発言には重みを持ってやらないといけないわけですよ。僕が適当なことをつぶやいて、みんなが大混乱になったらいけない わけです。だから、決まったことや議論したことを議事録的に公式文書として発信することが自分の役割 だと思って、心がけておりました。
青野:余計なことを言って、批判を浴びる政治家がいるじゃないですか。あんな感じですよ。 ある意味、会社の中では一番見られている立場だから、今までは本当に言葉の端々まで気をつけながら、推敲を重ねて文章を出してたわけですよ。
翠:ボロが出ると、誰かが突っ込んできますからね。
グループウェアで食っているサイボウズ社の記事というところが、好きです。そう。それが私が当初気づけなかった「常に全方位からパーフェクトを求められるリーダーならではの悩み」の一角だと思うのです。つまりその心理的安全性というやつを、地道なお互いの信用獲得によって培う。文化形成は、狩猟ではなく農耕。内から外から。一方通行ではできません。それが、近寄りがたい上司を愛されBIG BOSSに変える価値なのかな等というおはなし。
内から
分報は社内Twitterのような体をしつつ、形を変えた飲み会のようなものだと思っています。飲み会は楽しいものである必要があります。どんな理由があっても、それを強要するのはハラスメントでもあります。参加しないのも良いよ、また誘うね、そのくらいの気楽さとセットであるべきです。とはいえ飲み会の幹事たるものは、できるなら多くの人を誘いたい心理もある。どうすればよいか。
草の根活動
草の根活動です。人を誘うには、それがいかに楽しいかを伝えなければならない。自分が何より楽しまなければならない。なので「分報」が今、開発のなかでどれだけ浸透しているのか、どのように楽しまれているのかをじわじわ培いました。
「分報 times はいいぞ」
気軽に投稿できる
困った時に「助けて!」と言いやすい
誰かが助けてくれることも多い
同じ問題を感じる人同士で集まって、改善に向かってアクションをとるきっかけになったりする
「虹がきれい」、「ゆれ」、「雨がひどい」
リモートワークがメインになっていると、地域ネタを投稿することで、近くに住んでいる人を発見することができます。職種が違っていて普段関わりのない人とも雑談しやすいネタです。
上司世代にうったえる
私自身も書きました。
芸人活動
- おにいさん・おねえさん
- 闇
- ネガティブワードとしての「キラキラ」、そして各種流行語の種を蒔く
なんだか、何を言っているのかわかりませんね。ともかく「内輪ウケ」で良いので、社内でちょっとした面白い単語を流行語化していくのです。それぞれの組織やチームの個性が出るでしょう。わざわざQiitaで書くのは口幅ったいことばかりですが、ともかくそれぞれのコミュニティで仲間意識を育むことが必要だと思います。焦らないこと。
外から
もちろんそれだけでなく、外からも情報を輸入します。冒頭のサイボウズ社記事もそうです。
これがカギ。私は社内Slackに各種話題を放り込んでいます。
青い芝生の話をさりげなく社内に共有する
素敵...
いいな~~!
本音を書く
その上でもちろん、雑談、暴言への、賛否両論は理解する。再三書きますが、強制する飲み会は楽しくないのです。楽しい かどうかなのです。
最後は1on1で自分のほうから、自己開示。正直に伝える
直接対話した自分の思い
- 自分も含めて社歴長い人は総じて雑。暴言を吐くのは私も同じ...
- でも、やってみて怒られたらさっさと軌道修正すればいいじゃん、だと思う。
- BOSSと1on1で話して、雑な感覚を勝手に私は理解でき、うれしい。だから「さっさとtimesやりましょうよ」と言った。
- 大多数にはもはや?やはり?大ボスと話すにはそれなりにお作法が普通はあるしある程度完成させてモノを見せてお仕事を進めるって普通でしょう
- しかしそうなると以下略
- これって我々が開発で悩んでいる「出荷スピードが遅い」そのものの理屈じゃないのかな
- 完璧じゃないとリリースできない 失敗できない 後戻りできない だからなかなか相談できない うーん、ストレスですね。
- でも、本当はその隙間を埋めるのって雑談じゃなかったかい?というのが思うところである。
- 私はタバコ部屋も大人数の飲み会もあんま好きじゃないですが事実、そういう「雑談しかしない場所」って何言っても「へーそうなんだ面白いね」あるいはくだらないねで終わるじゃないですか それでいいじゃないですか 今リモートワークってそもそもそういう場所無いじゃないですか
- そこで 分報。#times なんですよね。賛否両論あるのわかるけど、飲み会もタバコもアルコールも賛否両論なのだから同じじゃね?(雑)いや当然ハラスメントにはならないように最大限気遣いながらだけどやってみたら意外と楽しいかもよ?楽しんでもらえたら嬉しいな、そんなノリでとりあえず始めてみたら良いと思いました。
- しぶりつつOKしてくれたことに改めて大感謝です。
- times = twitter と思っている人その側面もあるでしょうがまあ言うてSlackはこれ、まんま実名の社会性のあるペルソナ同士のやり取りじゃないですか Slack上でボスの悪口陰口とか書いててもそれ丸見えだし書いてるほうが信用失って損してるだけなんでほっときゃいいと思います
- それより「ボスに雑な考えをぶつけていい」場だとおもって利用できるってめちゃくちゃありがたいと思ってます
- これを利用してもっとスピード感もって雑な相談増やしたいな、で、爆速に考え深めていきたいなと真面目に思ってます
- 「問題山積みだね」「そうだね...」ってごくフツーの当たり前の感想吐露をまずはただ、ボスのチャンネルでつぶやきあうためだけに使ってもいいじゃんと思っています。
開設から4ヶ月。どうなったか
リアクション数トップの分報になりました。可能と感じる範囲でBOSSの分報の話題を箇条書します。
- 良いベッド買ったら寝心地が良すぎた
- スペイン旅行
- お昼はモスバーガー
- 今日は結婚記念日
だけじゃない真面目な話ももちろん
- 法改正対応の開発はスゴイ
- ストレングスファインダー
- メリット思考
「芸人」。いつしかSlack上で面白い立ち回りをし周囲のリアクションを集める人のことを社ではそう呼ぶようになりました。今風に言えば「インフルエンサー」なのかもしれませんが、いや、やはりここは「芸人」です。自分の言葉で発信を行いオープンに、皆に、好影響を与えることができる人に与えられる称号です。執行役員、もとい、愛されBIG BOSSは見事芸人の称号を。
まとめ: もちろんひとりではできない
結論をもっと正確に言えば、私を含む皆の中にあった「パーフェクトで近寄りがたい執行役員」という勝手な妄想を、解きほぐしただけということかもしれません。BOSSはもともとBOSSだったということですね。「飲み会になると面白い人問題」という似た問題をここで結び代わりに書いておきます。
コロナ以前は気軽に飲みに行って3次会とかまで行ってそこまで着いてきてしまう「飲み会になるとめっちゃ面白い人」を知ってどんどん仲良くなったけど、最近はそういう人を活かせない。
「飲み会になるとめっちゃ面白い人」の面白さは、飲み会以外でどうすればめっちゃ面白いのだろうか。
端的に策は2つあると考えている。
「飲み会になるとめっちゃ面白い人」はもはや文化である。文化をいきなり変えることはとてつもなく難しい。しかしこのご時世にはこのご時世なりの自己開示の方法はある。「飲み会になるとめっちゃ面白い人」の周りが、シラフでも楽しく自己開示をする方法を模索することで、「飲み会になるとめっちゃ面白い人」もいつの間にか変わることを目指す。
「飲み会になるとめっちゃ面白い人」はやはり「飲み会になると面白い」。なので、飲み会で面白かったことを飲み会エバンジェリストが共有していく。それもチームワークである
以上ポエムをしたためつつ、この土壌を培うことに参加しているすべての人に感謝です。今年も後半戦に入ります~