はじめに
業務のコミュニケーションツールにSlackを利用している皆さん、times(分報)文化をご存知でしょうか?
社内にtimes文化があっても、新人など社内コミュニケーションが得意でない人が自分からtimesをはじめるのはなかなか難しいでしょう。
この記事ではそのような人たちに向けて、WHIでのtimes文化がどのようなものなのか、どう参加したらいいのかを紹介します。
免責事項
これはWHIのtimes文化を筆者の個人的な視点から書いた記事です。書かれている内容は正式なルールではありません。
また、times文化は会社によって大きく異なることも考えられます。予めご了承ください。
他の人のtimesに参加してみよう
まずは、人のチャンネルに参加して会社のtimesの雰囲気を探りましょう。
昔の人の格言に「郷に行っては郷に従え」とか「半年ROMれ」とかいう言葉があります。
流石に半年も待たなくていいですが、他の人が何を呟いているか把握しておくと、timesで何を呟くと良いのかわかるでしょう。
どのチャンネルに参加したらいいの?
さて、timesに参加するといってもチャンネルはどうやって見つけたらいいのでしょうか?
幸いなことにtimesのチャンネルには決まったprefixがついていることが多いです。
弊社では times
, z_times
(zは雑談の意味です)で始まるチャンネルがtimesとなっています。
しかし、timesチャンネルはたくさんあります。まずはどのチャンネルか入ったらいいのか分からなくて困りますね。
そんな時は、以下の二つから選ぶのがおすすめです。
- 同じチームの人のチャンネル
- 購読している人の多いチャンネル
購読している人の多いチャンネルはSlackのチャンネルブラウザから times
等で絞り込んでソート順を変更すると見つけることができます。
どうやって参加したらいいの?
参加した時に挨拶や自己紹介は不要です! 「来る人拒まず去る人追わず」がtimesの文化です。(たぶん)
まずは人の多そうなチャンネルにこっそり忍び込んでみましょう・・・・
「チャンネル参加」 < ポチッとな
!!!???なぜか知らないひつじが話しかけてきました!!!!???
焦る必要はありません。これはWelcome messageと呼ばれるやつです。(各自が勝手につけられます。いろんなパターンがあります。ないこともあります)
チャンネル全体に晒されるパターンと本人にのみ表示されるパターンがありますが、
どちらも特にリアクションしなくて良いでしょう。
マメな人だと手動で挨拶してくる人もいますが、その場合は適当なリアクションで返しておきましょう。
「来る人拒まず去る人追わず」とは言いましたが、このようなWelcome messageが設定されているtimesの場合、
入退室を繰り返すとチャンネルの作成者にバレてしまうので注意が必要です。
リアクションをつけてみよう
さて、チャンネルに参加してしばらくしたら、その人の投稿にリアクションをつけてみましょう。
最初は、他の人がつけたリアクションを自分も押してみる、くらいからはじめるのがおすすめです。
慣れてきたら自分から最初のリアクションをつけてみましょう。
timesやっている人は承認欲求が強い(偏見です)ので自分にくるリアクションを定期的に確認しています。
リアクションをつけているうちに、だんだんなんとなく仲良くなった気がしてきます。
自分のtimesを作ってみよう
ある程度他人のtimesに慣れてきたら、自分のtimesを作りたくなっているはずです。
作る際に気をつけるポイントをあげておきます。
チャンネルは公開?それとも非公開?
timesは公開で作成することを強くお勧めします。
これには二つ理由があります。
偶発的なコミュニケーションを生み出すため
timesの醍醐味は普段業務で関わりのない人と偶発的なコミュニケーションを行うことで新たな価値のある情報が生まれることです。
非公開チャンネルはチャンネルブラウザ等から検索することができません。
従って、知り合いでない人が参加できなくなってしまい、
偶発的なコミュニケーションが生まれなくなってしまいます。
また、後述するリアク字チャンネラーも非公開チャンネルでは設定できないため、times間のインタラクションが弱くなってしまいます。
投稿に緊張感をもつため
timesは雑談をする場なので、気をつけないとついつい余計なことまで言ってしまいがちです。
非公開チャンネルにしていると、多少の失言をしても、閲覧する人が限定されているから大丈夫、と思ってしまいがちです。
しかしこれは全くの誤りです。非公開チャンネルに参加している人がいる以上、投稿した内容は別の経路で外に漏れることはあります。
そして、そのようにして漏れた投稿は得てして、本意とは異なる解釈をされて炎上してしまうものです。
公開チャンネルならば、問題の投稿そのものが拡散されます。その場合は、投稿を修正したり、スレッドで補足することで、意図しない解釈を防ぐことができます。
また、公開にすることで投稿する際には常に緊張感を持って、その投稿がハラスメントになっていないか、意図と異なる解釈をされないか、意識する癖をつけた方が良いでしょう。
最初誰を招待したらいい?
極端な話、誰も招待しなくても大丈夫です。
times民の中には定期的に新規に作成されたtimesを発見することが趣味にしている人たちがいます。
弊社のtimesでは作成した日の中になぜか参加している超能力者がいます。
とはいえ、チームのメンバーくらいは招待しておいても問題ないでしょう。
どんなことを呟けばいいのか
timesでは特に話題に縛りはありません。業務のこと、業務外のこと、お昼ご飯の話、世間話、悩んでいること、うまくいったこと、なんでも呟いていきましょう。
「会社の自販機で仲の良い同僚と出会った時にする会話1」くらいの内容がちょうど良いと思います。
別に守る必要はないですが、個人的に気をつけている点をいくつか紹介します。
ポジティブな投稿とネガティブな投稿のバランスに気をつける
timesでは愚痴を吐き出したり、何かに対して批判的な意見を投稿することがよくあります。
批判的な投稿は簡単です。世の中に完璧なものなど存在しません。批判していれば自分は楽になります。
しかし、ネガティブな投稿ばかりが並んだtimesを読んでいても楽しくはありません。
一方で何か良かったこと、助けてもらったこと、便利だったことは当たり前だと思ってしまい、なかなか投稿しないものです。
しかし、ポジティブな投稿は誰かの励みになります。褒めるというだけで印象はだいぶ変わるものです。
ネガティブな投稿をしてはいけないわけではありませんが、ポジティブな内容も投稿することを心がけましょう。2
引用元を明示する
timesをやっていると、times間でリアルタイムに話題になっているコンテキストが存在します。例えば、誰かの投稿がバズったとか、社内通知が出たとか、成果発表会が開催されているとか、重大なゼロデイ脆弱性が公表されたとか、大きめの地震があった、とかです。
このような時に、同じ話題について皆が投稿するのですが、後から振り返った時に、何についてのコメントだったのかがわからないことがよくあります。そのため、何かの発表の実況だったらスクショをつける(もちろんスクショ可な発表に限りますが)、一次情報があるならリンクを貼る、等しておくことをおすすめします。
引用元が書いてあれば、後から検索した時に引っかかりやすく、変に誤解されることも少なくなります。
自分に向けた内容はスレッドに書く
timesを自分用のメモ帳として使用することもよくあります。人に見せることが主目的ではない投稿は「〇〇メモ」のように投稿した上で、本文はスレッドにつづけるようにしましょう。そうすることで、参加者に不要な通知を大量に飛ばすこともありませんし、最初の投稿をピン留めしておくことでメモが流れていくことを防ぐこともできます。
リアク字を設定しよう
弊社のtimes文化では、リアク字チャンネラーというアプリを使ってTwitterのリツイートのように投稿をシェアしています。
使い方は簡単です。
- 各自が専用のカスタム絵文字を登録します。
- リアク字チャンネラーで自分のtimesに通知するように設定します。
これで準備は完了です。好きな投稿にその専用絵文字をリアクションすることで自分のtimesでシェアすることができます。
リアク字チャンネラーの良いところは自分の投稿をシェアされた時に通知され、誰がシェアしているのかが一目でわかるところです。3投稿者はシェアされたチャンネルを見に行って、自分の投稿にどのような反応がついたのか確認することができます。
もちろん、投稿に対して意見を述べる際にはスレッドで返信するという方法もあります。ただ、「感想を述べたいだけで別に元の投稿者と議論したいわけではない」といった場合や、元の投稿者とそこまで面識がない場合、スレッドをつけるというのは心理的なハードルがあります。一方、リアク字でシェアして、その直後に自分の意見を投稿する場合、(自分のtimesを覗きに来ない限り)元の投稿者には見えません。そのため、比較的気軽に意見を述べることができます。
timesで雑談しよう
さて、リアク字を使いこなすようになってきたら、times初心者は卒業です。
timesでリアクションを送り合っていると、この人とは仲良くできそう、という人が出てきていることでしょう。
ちょっと勇気を出して、そのような人のtimesで発言してみましょう。
いつもリアク字で反応つけている代わりに、スレッドで返信をすればいいのです。
スレッドで返信をすると、向こうからも返信が返ってきます。スレッドで雑談すると、また別の人が混ざってきて、盛り上がったりするものです。これはリアク字のゆるい繋がりでは生み出せないものです。
一通り雑談して疲れてきたら適当にリアクションをつけて会話を終わらせてもよいです。弊社のslackリアクションには、あまり失礼にならない便利な絵文字が用意されています。
雑談でこれまで知らなかった人と話したら、その人のtimesを探して参加してみるのもよいでしょう。
このようにしてtimes民は知り合いを増やしていくのです。
また、自分のtimesで雑談するのも楽しいです。他の人から話しかけられやすい、雑談のフックとなるような投稿をするのがコツです。4
いくつか例を挙げます。
「どうして〇〇って△△ってことになっているの?」
社内ルールで分からないことや、使っているツールでトラブルがあったりしたら、timesで聞いてみましょう。
社歴の長い人が昔話をしてくれたり、ツールの運用をしている人が助けてくれたりします。
「〇〇わからん。どうすればいいんだ・・・」
業務でトラブっていたり、新しいことをキャッチアップしているときは、自分の考えていることを書き下すと、他の人からアドバイスをもらえることもあります。
「虹がきれい」、「ゆれ」、「雨がひどい」
リモートワークがメインになっていると、地域ネタを投稿することで、近くに住んでいる人を発見することができます。職種が違っていて普段関わりのない人とも雑談しやすいネタです。
終わりに
この記事ではtimes文化への馴染み方を紹介しました。
筆者の考えではtimesの利点は以下の3点だと考えています。
- リモートワーク下でも様々な人と雑談して仲良くなることができ、通常業務でのやりとりの心理的ハードルが下がる
- 様々な人のtimesで情報を集めることで、情報感度が高まる
- 普段業務でのやり取りをしていない人と雑談することで、予想外の協業のチャンスが生まれる
また、timesの文化は会社によってさまざまだと思われるので、この記事を鵜呑みにせず、自分の会社でのtimes文化がどのようなものなのか確かめてください。