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【AWS re:Invent 2025】初参加で役立った持ち物「3種の神器」と英語・予約攻略ハック 3 選

Last updated at Posted at 2025-12-16

この記事はNTT ドコモソリューションズ Advent Calendar 2025 の 17 日目の記事です。

はじめに

こんにちは、NTT ドコモソリューションズ 技術革新本部 クラウドテクノロジセンタの木村です。普段は生成 AI に関する業務に従事しています。

2025 年に AWS 認定資格の 12 冠を達成し、ラスベガスで開催された AWS re:Invent 2025 に初参加してきました。現地の過酷な移動に耐えるための「持ち物」や、英語が苦手でも乗り切るための「AI活用・翻訳ツール」 など、実体験に基づく攻略法を紹介します。

初めての現地参加で不安もありましたが、準備したものの中で「これは本当に役に立った!」と心から思えるアイテムや「現地でのためになる立ち回り」がいくつかありました。

今回は実体験をもとに、以下の2点について紹介します。

  • 【持ち物】現地で非常に役に立った「3つの神器」

  • 【攻略法】快適に過ごすための「実体験ハック」とAI活用

これから海外カンファレンスに行かれる方の参考になれば幸いです。

現地セッションの受講方針

まず初めに現地にてセッションを受講する上で 現地でしか得られないような情報を優先する ということを方針にしました。そのため、基本的には、Workshop、Game Day、Jam、Builder's Session への参加を主としました。

講義形式のセッションは後からでも視聴可能
現地では、手を動かし、直接対話できるセッションに価値を置く

re:Inventのセッションの種類
出典:Google LLC, NotebookLM生成スライド(参照日:2025.12.8)

現地で非常に役に立った「3 つの神器」

re:Invent は「学びの場」であると同時に、体力と突破力が試される「サバイバルの場」でもありました。数ある持ち物の中で、自身が心の底から「持ってきてよかった(あるいは、こう使ってよかった)」と感じた 3 つのアイテムを紹介します。
非常に役に立った「3つの神器」

登山用リュック(これが最も役立ちました)

今回、ダントツで役に立ったのが登山用リュックです。 「ビジネス街のカンファレンスだから、普段使いのPCバッグで十分では?」と思っている方がいたら、一度考え直すことをお勧めします。

登山用リュックの性能

re:Invent の会場は、ホテル間をまたいで広大に広がっています。セッション間の移動だけで、毎日数万歩歩きます。まるでハイキングのような負荷がかかります。端末や SWAG が入った重たいリュックで、実際に私が現地で記録した歩数のグラフをご覧ください。

re:Invent会場での移動歩数グラフ

PC、モバイルバッテリー、水、防寒着……さらに、SWAG が追加され……これらを背負って1日中歩き回るには、ビジネスバッグでは肩と腰が持ちません。登山用リュックの「腰ベルト」と「背面のクッション」による荷重分散により、大幅に負荷を軽減でき助けられました。見た目よりも「疲労軽減」を目指すことをお勧めします。

リアルタイム翻訳ツール(Notta Memo × GenU)

英語に不安があった自身にとって、AI 翻訳ツールは必須でした。

ただし、単にスマホアプリを使うだけでなく、「用途によって使い分ける」 のがポイントです。

  • セッション聴講(1対 多):Notta Memo

ワークショップなどのスピーカの音声のリアルタイム翻訳のため、ハードウェアのボイスレコーダーである Notta Memo を使用しました。マイクの精度がスマートフォンや MacBook より高くなります。会場はガヤガヤしていますが、ピンポイントで音を拾いテキスト化し、リアルタイム翻訳をしてくれるため、日本語で理解するのにある程度役立ちました。一方で、メインの会話音声の収集にフォーカスされると、近場の会話が入らないケースもありました。

  • 講師への質問や受講者との雑談(1対 1):GenU

講師への質問や受講者との雑談には、GenU の議事録のリアルタイム翻訳機能を活用しました。

【ポイント:マイクの特性を活かす】

現地で気づいたハックですが、実は マイクの精度の悪さ(指向性の強さなど)を逆手に取るという手が有効でした。Notta Memo は高性能なため、スピーカの音声や同じテーブルで別の講師へ質問している音声が入り、逆に 1 対 1 対話の翻訳精度が、落ちることがあります。 一方で、1 対 1 の会話であれば MacBook のマイクのみの方が、1 対 1 会話の音声がうまく入りました。結果、GenU も使いこなすことで、スピーカとサポートの両方の音声を別々にリアルタイム翻訳する形で、同時に使いこなすことができました。

Notta MemoとGenUの使い分け

※ Notta Memo: AI自動文字起こしサービス「Notta」と連携する、ウェアラブルボイスレコーダ。ノイズキャンセリングや指向性マイクを搭載しており、騒音環境下でも音声をクリアにテキスト化できるデバイス。

※ GenU:AWS が公開している OSS 生成 AI アプリケーションの実装サンプル。チャットボットや翻訳、議事録作成などの機能を、企業が自社のAWS環境へセキュアに構築できるソリューション。

疲労回復薬(ドーピングアイテム)

3つ目は、もはや技術ではありませんが、これがなければ完走できませんでした。 時差ボケ、乾燥、毎日の2万歩、そして夜のネットワーキング……。re:Invent の1週間は、体力の限界に挑む戦いです。

個人的にはプロテインは必須、カロリーメイト、免疫ケアウォータ、ペパリーゼなど、日本から飲み慣れた疲労回復系のサプリメントや栄養ドリンク(錠剤タイプ)を持参し、定期的に摂取することでコンディションの維持をしました。特に、個人的にはスケジュールをみっちり入れていましたので、お昼ご飯は持参しておくと食べながらセッションを受けることができます。「現地で買えばいいや(貰えばいいや)」と思わず、自分に合ったものを日本から持ち込むことをお勧めします。

ドーピングアイテム

快適に過ごすための「実体験ハック」

「三種の神器」という物理的な装備に加え、現地での立ち回り(ソフトウェア・マインドセット)でも、意識してよかった点がいくつかあります。 特に、「生成 AI を活用した事前準備」と「気合い」 が重要です。

実体験ハック3選

ハック①:予約戦争は「AI 秘書」で勝ち抜く

re:Invent のセッション予約開始は、日本時間の深夜 2 時など過酷な時間帯です。
自身はここで、自身の専門分野である生成 AI をフル活用しました。

  • AI でスケジュールを最適化

膨大なセッションデータをすべて AI エージェント(M365 Copilot)へ提供し、「AI 関連」「ハンズオン(Workshop/Jam など)」に焦点を絞り、さらに「プライオリティ(セルフホスティング LLM > AgentCore > Bedrock など)」をつけて「会場移動を最小限にするルート」を AI(M365 Copilot)に提案してもらいました。複数提案してもらった上で、手動にてスケジュールを調整し、予約開始日までに、ブックマークしておきました。こうすることで、予約当日はブックマークしているセッションを全て予約すれば良い状態にできます。

AI秘書の流れ

  • AI で予約開始日の予測

過去のデータをもとに、 AI に予約開始日の予測をしてもらいました。いつから予約が開始するかを予測して、予約当日にはスタンバイできるようにしました。自身は予測のみで動いてしまいましたが、実際にはメールが 10/11(土) AM 1:00 頃に届き、10/15 AM 2:00(日本時間) 開始で通知が来ていたそうです。AWS re:Invent のメールは見落とさないよう注意が必要です。

  • 予約当日の動き

当日はブックマークしたセッションをただ「予約ボタンを押すだけ」です。深夜 2 時の予約戦争では、全て計画通りのセッションを予約できました。

結果、移動ロスをできるだけ減らしつつ、受けたいハンズオンを確保することに成功しました。

当日はブックマークしたセッションの予約ボタンを押すだけ。
深夜2時の戦いを計画通りに制し、移動ロスを最小化した理想のスケジュールを確保。

ハック②:サポータには「必ず質問」する姿勢とコンテンツは「持ち帰り」

現地セッション、特にハンズオン(Workshop)では、以下の 2 点を徹底しました。

  • 講師には「必ず質問」する気合い

難しいセッションでは、英語がうまく直接伝わらないとしても、サポータに根気よく質問できます。単独での全参加セッションにて、サポータを呼び止めて質問しました。どのセッションも内容は濃いため、質問がないということは自身が理解できていないことであり、有意義な時間を得るために、今回はできる限り質問をしました。質問自体は、日本語で質問を考えて、Google 翻訳で英訳してから質問しました。個人的な最難関のセッションでは、 30 分近くサポータを独占して質問攻めにしましたが、嫌な顔一つされませんでした。これこそが現地参加の最大のメリットです。現地でしか聞けないことを聞く姿勢が大切です

講義より、質問した方が有益な情報を得られる。
講義は失敗しないように固められているが、そこではなく、本当に役立つ情報を引き出せるように取り組むことが重要。

  • SageMaker Notebook の教材は ZIP 化してダウンロード

ハンズオン環境は一時的なものですが、コードや手順は貴重な資産です。開始直後に SageMaker AI のノートブックを ZIP 化してローカルにダウンロードし、帰国後も復習できる状態を確保しました。

# ZIP化してダウンロード
sudo apt-get install zip
zip -r [file-name.zip] [folder-name] 
# file-name.zip を右クリックしてダウンロード

ハック③:「行動力」と最強の雑談ツール「GenU」

翻訳ツール(Notta/GenU)を持っていても、最後は 「行動力」 が重要です。 待ち行列では後ろの人に、セッションでは同じテーブルの人に必ず話しかけました。まず、テーブルに着いたときは「How are you?」と、軽く声をかけることは徹底しました。

  • 意外と怖くない「周りのレベル感」

話してみると、「なぜこのサービスを学びたいのか」という背景を知ることができ、Agent Core をどういうユースケースで利用したいのか、など生の声を聞くことができました。待ち時間も有意義に使うことができて一石二鳥です。あるときは、雑談 (English) や協力してのセッション受講で意気投合し、次の会場が違うにも関わらず、自身の次のセッションへ Walk-in(予約なし参加)で 2名ほどついて来た方もいました。

  • 最強の雑談ツール「GenU」

「AWS の生成 AI ユースケース(GenU)は、自身の翻訳機だ」と紹介すると、SA 初のアーキテクチャであるため、AWS の AI 系社員でも知らない人もいます。初対面で、AWS 環境で完結している GenU の画面を紹介しながら、質問へと進んでいくと会話のフックとして非常に優秀でした。画面を見ながら話してくれるため、音声がしっかり端末側に流れ、英語が意図的に認識されているか見ながら会話できます。受講者同士でも、空き時間に GenU を紹介すると、雑談だけではなく、リアルタイム翻訳も同時にできて会話も弾むため、最強の雑談ツールとなりました。

  • 時差ボケ対策は「2日前」から

最後に体調管理ですが、時差ボケ対策は出発の「2日前」から始めました。食事や睡眠の時間を現地時間に少しずつ寄せたことで、現地到着後のパフォーマンス低下をなるべく抑えるよう努力しました。

おわりに

AWS 認定 12 冠という知識のベースを持ち、生成 AI という武器(ツールと実装)を携えて参加した re:Invent。 それは単なる技術の習得だけでなく、世界中のエンジニアと「言葉と技術」で繋がる、自身の人生の貴重な体験となりました。

「英語が苦手だから」と躊躇している方がいれば、心配はいりません。 最新の技術(翻訳ツール)と、ほんの少しの「気合い」、そして共通言語である「AWS」があれば、re:Invent は最高の学びの場になります。

  1. 戦略:現地でしか得られない価値にフォーカスする
  2. 装備:疲労を管理し、パフォーマンスを維持する
  3. 技術:AI 翻訳ツールを駆使し、言語の壁を無力化する
  4. 気合:臆さず質問し、対話し、自ら情報を掴みに行く

今回の記事が、来年以降 re:Invent に挑戦する方の背中を少しでも押すことができれば幸いです。

最後に、一緒にこのサバイバルを乗り切った @dsol_saekiさん、@dsol_rsatoさん、本当にありがとうございました。

また、re:Invent 2025 へ参加させていただけたことには、周囲へ感謝しかありません。

この記事は飛行機で 隣の方 とラストセッションをしながら執筆しました。

本記事で使用している画像は、筆者のメモをもとに Google NotebookLM を使用して生成・取得したものです(2025.12.8時点)。

記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。

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