初めまして。
こちらはQiitaアドベントカレンダー2023主催の「デフエンジニアの会アドベントカレンダー」1日目の記事です。
デフエンジニアの会とは
デフエンジニア(デフ=Deaf。英語でろう者・難聴者・聴覚障害者の総称)+エンジニア)。
つまりろう者・難聴者を中心としたエンジニア(プログラマー、デザイナーもいます)が所属している会のことです。
また、去年から大学生でエンジニアを志す学生やプログラミングを趣味としている学生なども集まってきており、にぎやかになりました。
そして活動自体はスローではあるものの、社会人と学生が混じって色々な活動をしています。
詳細はこちらをご覧ください。→デフエンジニアの会とは
また、デフエンジニアの会アドベントカレンダーも去年から続けております。
こちらでは様々な立場のエンジニア、また、聴者(=耳が聴こえる人)エンジニア、デザイナー、そして外部からも関係者が記事を書いてくださっており、色々と読みごたえがあるカレンダーになっているかと思います。是非読んで下さい。
2023年デフエンジニアの会がやったこと
2023年は代表自身が時間が作れず活動自体はおとなしくなってしまいましたが、それでも振り返れば色々とやってきていました。
今回はその活動の振り返りをしたいと思います。
外部とのセッティング
多くのデフエンジニアたちが悩むことは「勉強がしづらいこと」です。
勉強がしづらいこと・・例えば、スクールに行きたくても通訳がない、断られる、オンラインで勉強したくても動画に字幕がない、などで勉強したくても勉強するチャンスを得ることが難しい現状があります。
そして特に数年前からコロナ禍でオンラインスクールが激増したのですが、どれも字幕がないなどでやはり勉強することが難しい現状は残っていました。
そこで、デフエンジニアの会は少しでも勉強しやすい環境を作るため、様々なところで字幕の働きかけなどを行なってきました。
その中でいくつか取り組みに賛同してくれるところが少しずつ現れてきました。
AIアカデミー
AIアカデミーは、Pythonで機械学習やデータ分析などを学ぶオンラインスクールです。
https://aiacademy.jp/
下記画像のように様々なことを学ぶことができます。
このオンラインスクールは動画/テキストで勉強できるようになっているのですが、このうち動画では以下のように字幕を付けてくださいました。
※すべての動画にというわけではありません
大変ありがたく思っています。
字幕があった方が助かる、という方々はぜひAIアカデミーを検討してみてはいかがでしょうか。
ノンプロ研
主にVBAやPython、PowerAutomateなどを使った業務自動化ツールをメインに開発するための勉強会をするコミュニティです。
https://plannauts.co.jp/nonproken/
ここでは、Slackを中心にメンバー同士が様々な交流、情報交換をしたり、Zoomで月に何度か勉強会を開催したりしています。
そして、この会は一時期代表自身が入会していたのですが、月何度かやる勉強会(Zoom)に字幕を表示してほしいとお話した結果、ZoomとUDトークを接続し字幕を出しながら勉強会を開催していただけることになりました。
大変ありがたいことです。
(★代表は今は辞めてしまいましたが、今後また聞こえない方が入った場合は相談するとつけてくれるかもしれません)
・・・などなど、色々な所へ働き掛けた結果、少しずつ字幕など協力してくれるところが増えました。
今後も引き続き働きかけていきたいと思っています。
なお、他にも働きかけたところの情報は別記事で代表が書く予定です。楽しみにしていてください。
LT大会
LT大会・・・ライトニングトーク大会。
1人5-10分受け持って自分が持っている知識、やってみたこと、皆さんに知ってほしいこと、等々を披露する大会と思えば良いです。ショートプレゼンとも言います。
このLT大会3回目を実施しました。
実はこのLT大会で大学生(ふじえもんさん)が参加して下さり、その時にデフ・ハッカソンをやりたいというお話をしてくださいました。
この時に話してくださった大体のことが書いてあります⇒ふじえもんさん「聴覚障害がある学生がハッカソンに参加して困ったこと」
簡単に言うと、聴覚障害がある人たちもハッカソンに参加してみたいと考えているが、ハッカソン自体情報保障がないため参加しづらい環境があること、
また、今は音声認識アプリも出てきているので、それを持ってチャレンジしてみたものの、多くの人が一堂に介している場での音声認識の精度があまり良くなく結果的に、周りの人たちの言っていることが分からずその解読に時間を取られ開発に集中できず、実力を出すことができなかった、
それで次はデフだけでハッカソンをやってみて、こういうスタイルであれば可能、というノウハウをまとめてから一般のハッカソンでもこういう形の情報保障を求めていけるようにしたい、ということでした。
デフエンジニアの会でも前からデフだけのハッカソンを開催したいと考えていたので、早速ふじえもんさんにデフ・ハッカソン企画立ち上げをお願いすることに。
そしてそこからこちら、デフペアプロ・ハッカソン実施に至りました。
これについてはふじえもんさんがアドベントカレンダーに記事を投稿してくれる予定なので、そちらを楽しみにお待ちください。
外部からの依頼対応
ありがたいことに外部からの依頼もいくつかあり、いくつか対応してきました。
その中でも特に、厚生労働省から松﨑先生(紹介:researchmap マイポータル:松﨑丈)へ「聴覚障害学生や親御さんなど様々な方々が聴覚障害に関する情報を平等に得られるサイト作成依頼があり、そのサイト作成の一部をデフエンジニアの会メンバー有志が請け負いました。
そしてできたサイトがこちらです⇒ろうなんサポネット
しかしその一方で未達成の依頼対応もあります。
これについては反省点を別途、アドベントカレンダーの記事にする予定です。
松﨑丈先生のnote⇒https://note.com/matsuzakijo/
技術書典15出展
最後の大きなイベントとして、技術書典15に出展しました。
技術書典に出ると決まった時から怒涛のスケジュールで、しかも本づくりの知識が全くない状態だったので色々なメンバーの力を借りまくって、またメンバーも執筆協力してくださって、そのおかげで良いものができました。
技術書典15デフエンジニアの会電子版はここから買えます
特に表紙はオライリー風にしたのですが、ほんとに一見オライリー!?と見間違うくらいの出来栄えで驚きました。いやこれはすごい・・・。
しかも、タツノオトシゴはデフエンジニアの会ロゴマークを表現しています。
ロゴマークについては、2022年アドベントカレンダーで大城さんというメンバーがロゴマークについて語っています。
大城さん デフエンジニアの会ロゴデザインについて
まとめ
このように、全体としての活動自体はスローなものの、いくつかこなしてくることができました。
これもメンバ―皆さんのおかげです。本当にありたいことです。
反省点としては、本来は1か月に1回は何かしら企画をするのが理想だったのですが、定着がなかなか難しかったことです。
これはメンバーの8割が社会人で働き盛りの世代であること、また、家庭を持っており育児に追われている世代であることもあり、オンラインでも集まるのが難しい現状があったことも原因の1つですが、それ以外にも代表自身もうまくスケジューリングできなかったなど反省点があります。
実際、他のコミュニティでは1か月に1、2回の定例が定着しており多くのメンバーが参加しているところもあるわけなので、メンバーたちの事情云々は関係ないところに原因があるのだと思っています。
これについても、前述外部からの依頼対応の反省点も合わせて後日、アドベントカレンダーの記事として出す予定ですのでみなさまそちらも読んでいただけると幸いです。
そしてきちんと振り返って反省することで、次はもっとデフエンジニアの会を盛り上げていけるようにしていきたいなと思っています。
2023年デフエンジニアの会への応援誠にありがとうございました。
2024年も引き続きよろしくお願いいたします。